チリの風 その1031 2023年2月13日ー19日

暑い日が続いていますが、日照時間は短くなっています。朝7時はまだうす暗いです。また公園を歩いていると落ち葉が目につきます。季節の変化ですね。
さて3月に仕事でイースター島に行きます。そしてその後、4月に妻と二人で一か月の日本一周の旅です。航空券とJRパスの購入の準備を始めました。

もちろん、今週も毎日の生活は同じです。山歩きはアポキンドの滝に行きました。滝の前で食事をしていると滝しぶきがあって肌寒く、予備の服を出して重ね着をしました。7時間コースを6時間半で歩きましたからまだ元気です。マラソンもいつもと同じでした。ちゃんと10キロ走っています。
土曜日のサッカー教室は先週より参加者は多く楽しく練習。帰国する子供を胴上げして日本での健闘を祈りました。
こうしてすることがいっぱいあって、それを楽しめると言うのが本当に幸せです。感謝しています。
日曜日は仲間とマラソン練習をしてから、友人の日本レストランの開店祝いに参加しました。彼の成功を願います。

(政治)

1)ボリッチ動向
大統領広報によると、彼は木曜日まで毎日のように南部の森林火災の現場で働いたようです。そこで被災者を援護すると声を上げて宣言しています。

鉱山関係で鉱山ローヤリティと言われる税金がありますが、共産党新左翼がそれを森林業界にも向けて森林ローヤリティ税を作ろうとしています。彼らは資本家、金持ちから税金を取って貧乏人に回すと言うのを最高の策と考えています。
しかし内務大臣は政府にはそんなアイデアはないときっぱり拒否しました。今までチリの政治の責任を担ってきたのは中道左翼(社会党キリスト教民主党)ですが、今回の政権では新左翼共産党がメインを占めているので、与党内でも双方がほとんど敵味方のようになっているのは明白です。ところがボリッチは自分の基盤の新左翼でなく中道左翼グループに接近し始めているとコメントされるようになりました。その方が自分の政権の安定さが増すと考えるのでしょうね。
チリの風に頻繁に書かれているこの問題は資本家と政府の関係にも悪影響を起こし、社会混乱が起きてもそれを政府の問題にせず、資本家が悪いと言うような風潮にするのは容認しがたいと言うコメントもされています。
次の選挙で共産党新左翼議席を大幅に減少させると思いますが、どうかな。
同じような例ですが、元大統領候補マルコ・エンリケ・オミナミ(略してmeo)がソキミチ関連の汚職の容疑で裁判になっていますが、新左翼の人民党はピニェラ政権の時にその容疑をかけられたが、彼は政治犯だと彼を援護しています。おまけに彼の友だちのアルゼンチンの大統領フェルナンドもそれにコメントして、犯罪に関与しているとする明確な証拠もないのに裁判にするなとチリを批判しました。もちろんチリ政府はすぐに反応して内政に関与しないでくださいと依頼しました。この先の話題になりそうです。

憲法に関して、世論調査では42%の市民が新憲法には興味がない(若しくは少ない)となっています。社会騒乱の時には90%近くが新憲法を願ったのですが。

基礎食品価格と言う基準がありますが、今月の発表ではそれが6.5万ペソまで上がりました。このため貧困層と呼ばれる低所得者の数が30万人も増えたとか。


(経済)
1)銅価格と為替
1ポンド当たり4.02ドルと先週より下がりました。来週はもう4ドルを割りそうです。森林火災も厳しいけどこの銅価格の低下はボリッチに大きな打撃を与える
でしょうね。
為替は1ドル794ペソとペソの価値が下がってきています。
チリ株式市場のIPSAは今週2.2%下がり5323ポイントでした。
IMFの発表では米国・EUそして中国も今年は経済成長率がプラス成長しそうですから、チリにとってそれらはプラスになるはずです。
それでも今週発表の大蔵省の予想ではチリの今年の経済成長率はマイナス0.5%からマイナス0.7%になるだろうとのこと。
2)ウクラニア戦争
ロシアが戦争を仕掛けて1年経過しましたが、その間、どんな動きがあったかという記事が出ました。原油は開戦1か月以内に急上昇しましたが、今は戦争前より低くなっています。銅価格も同じように急上昇しましたが、現在は戦争前より低め。小麦粉なども同じ状況。戦争で物資不足になると市場が反応したけれど、結局はそれほど影響はしないとなったのですね。この先、どうなるかな?
3)新車の販売
昨年は好調だったのですが、今年の1月は前年対比26%のマイナスでした。今年の年間予想は16%の減少とか。今年はどうなるかな?

(一般)

1)山火事
77か所で消火作業中です。今までに437ヘクタールが燃え、そのうち56%が森林だったらしい。損失は20億ペソになるだろうと大蔵省の推察です。
消火が進んでいますが、新しい火事もあるので、完全に鎮火するのはまだ先のことの様です。放火失火の疑いで32人が逮捕されたとか。
さてマプチェの過激組織CAMが犯行宣言を出しています。彼らは大型銃をもって木材運搬のトラックに近づき重火器で運転手を脅し、その人が車を降りれば、トラックに放火。火は後ろの森につながります。
サンティアゴも金曜日、サン・クリストバルの丘で火事になりました。私は昼頃、妻と近くの屋上レストランにいたのですが、彼女が煙を見つけ確かに火事になっているのが分かりました。0.3ヘクタール燃えたとか。
さて今週から緊急ハウスが火事の被災者に届けられています。ボリッチもその家のプレゼントの式に参加しました。それらのケースの中で、ある人が政府に感謝したいが家の広さは25平方メートルで、親子3人がどうして暮らしていけるかとがっかりしていました??
2)刑務所
今年第1回目の全国刑務所チェックが実施されました。そして486個のナイフが見つかり、禁止されている携帯電話が216個。麻薬も300グラムのコカインが見つかりました。
これとは関係ありませんが、爆弾が置かれているのがサンティアゴで見つかりました。ホリデーインホテルの向かい側とかで、この5か月で3回目です。
犯人はその近くをぶらぶらしながら爆弾が破裂するのを楽しみにしているのでしょうね。いつか負傷者が出て事件になるでしょう、犯人が捕まらなければ。
全部、東部のラス・コンデス区とか。そこは私の住むところですから、そんな事件に巻き込まれたくはないです。
3)ビーニャ音楽祭
4年ぶりの音楽祭が戻ってきました。出場歌手などがチリに到着してビーニャのホテルに入るところがニュースに出ます。そのファンがホテルの前に列をなして待っているからです。今日から本番です。もっとも私の好きな歌手・グループは少ないので毎晩番組を見るつもりはないですが。
会場は満員の観客で埋まっています。長い間、待っていた人が多かったのですね。
4)コロナ問題
毎週同じです。新規患者数は2000名以下、陽性率は10%以下と、低め安定です。

(スポーツ)

1)サッカー
人気3チームの結果はカトリカ・チリ大学は勝ちました。コロコロは引き分けでした。
5試合目が終わって首位はワチパトです。ワチパトはまだ1試合残して4試合ですが、全勝です。
さぁ来週はどう変わるかな?



以上

チリの風 その1030 2023年2月6日ー12日

今週は忙しかったです。いつも同じことを言っているかな?
血栓症の薬の効用を調べる血液検査にチリ大病院に、朝7時前の地下鉄に乗りました。
そして次の日に窓ガラス掃除。私の力では出来ないのでプロに来てもらってやってもらいます。年に1回です。一日いっぱいかかります。窓ガラスをレールから外すとき、お手伝いをさせてもらいますが、それはきつい仕事ですよ。
今週で一番、重大だったのは隣州に住む妻の友だちがサンティアゴで大きな手術をしたことです。その後毎日リハビリが必要でしたので私のところに泊まりました。翌日から、妻が彼女につきあってそのリハビリと医師の診断に。ヨレヨレだった彼女が少しづつ回復し帰宅可能になったのは1週間の後。彼女の家まで妻の車に3人で乗って行きました。手術が成功に終わって無事帰宅は最高ですね。そこまで車で約2時間かかりましたが、港町のそこの気温はサンティアゴより10度も下でした。
それから大事な仕事の付き合いで会議に参加しました。私はボランティアでしたが、仕事の動きを感じるのがうれしかったです。
もちろんスポーツはいつものように楽しみました。山歩きは4時間半コース。その日36度でしたから、山の直射日光なら40度近かったでしょうね。暑かった。上から街を見るとどこかからの火災の煙が町を覆っていました。
ラソンは週日10キロ、週末仲間3名と走れたのがうれしいです。そして土曜日にサッカー教室もありました。大人子供10数名が集まって楽しく練習しました。
後期高齢者の私がこうして外国に住みながら毎日忙しくしていれるのは最高の喜びですね。幸せです。
そうそう日本ラテンアメリカ協会のなるほどトークと言うイベントにチリの話として11月に太平洋戦争の講演をさせてもらうことになりました。
時間はあるから、しっかり準備します。

(政治)

1)ボリッチ動向
彼は先週からバケーションですが、一日だけの休みでその後は山火事のため仕事が山積です。月曜日、消火作業に当たる大型飛行機がチリについたのをコンセプシオンの飛行場で祝いました。水曜日、火事の現場として第8州のサンタ・フアナを視察。夏休みは後でとるのかな?
休暇に入っていた何人かの大臣は、そのまま休んでいますが、外務大臣は遊びに行ったコスタリカから戻り仕事につきました。
ところで現場に行ったボリッチはその様子を見て、混乱を避けるため外出禁止令を出させました。火事が残っている州の一部の地区で、夜12時から外は歩けません。この法案が出てすぐに逮捕者が出ています。
被災者の救護をどうするか議論されています。2.5億ドルが緊急出費額として使用されるとか。
もっとも現場で、火事で家や倉庫などすべてを失い、どうやって生きていけるのかわからないと泣く人が、政府も町役場も何もしてくれないとクレームしています。それでも夜のテレビニュースで簡易ハウスの建設が始まったと現場の様子が報道されました。そして週末にその完成したハウスが被災者に渡されたとか。
この森林火災の取り扱いはボリッチ政権にとって危機を招きかねないと言われますが、同じようなことはもう何度も起こっていますね。
憲法委員会
もちろん、それだけでなく、この後の種々の選挙に関する協定が各党の間で結ばれています。与党側だけでなく野党側も二つに分裂したのが注目されています。もう目新しいことではありませんが。5月7日のその選挙に354人が立候補しました。
最低年金PGU
昨年政府のこのシステムで43.6万人が受給年金の額が上がりました。その上昇した額は何と30%だったとか。
ピニェラの時に作られたシステムをボリッチはちゃんと活用しているのですね。年金が上がった人はニッコリですね。

(経済)

1)物価上昇率IPC
IPC1月のIPCは予想より上の0.8%でした。そして過去12か月の合計は12.3%。まだ10%を超えるひどい数ですが、それでも少しづつ下がっています。
今年のIPCは昨年の予想では5%でしたが、現在では5.3%と少し高めになっています。
しかし今年のGDPについて今までマイナス成長ばかり言われていましたが、一部のプロから、そうではなくプラス成長になる。しかもそれはプラス1%と言うコメントが出ました。もちろんプロですからその理論の詳細を発表していますが、チリが少し良くなっているとみる見方もあるのですね。
2)貿易
 昨年の輸入は1045億ドルと前年対比13%アップでした。一方、輸出は975億ドルで3%上昇。そのうち銅が536億ドルと半数以上です。
 銅以外の輸出も 例えば、ロボットや薬品関連なども上昇しています。
3)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド4.04ドルと少し下がり、このため為替も1ドル796ペソとペソ安になりました。銅価格の低下が心配です。

(一般)

1)山火事
84の火事が継続中です。今までに24名が死亡し37万ヘクタールそして1250軒の家が消失したらしい。この5か月で過去2年間の焼失面積を上回るとか。もっともその前の2017年には57万ヘクタールと今回より大規模な山火事が起きています。今年は消火が完結するのは3月だろうと言われています。スペインから来た消防隊のリーダーが遅かれ早かれ自分たちの手で消火をするとコメント。一日でも早くしてくださいと頼みたいところです。
ワインの材料になるブドウ園が火事になりイタタ地区では25%も消滅したとか。
山火事に関してコロンビアから27人、メキシコから150人の消防士が到着しました。そのほかの国からも続々と。消火飛行機が一機南部で事故で墜落しましたが、パイロットは助かったようです。

さてトルコで大地震が起こり隣のシリアと合わせると3万人を超える多くの死亡者が出ていますが、識者の見解で、その地震は近年チリで起こったものとほぼ同じ大きさだが、チリとは被害に大きな差が出ている。その理由は家屋が耐震設計になっているかが問題で、トルコはともかく隣のシリアでは耐震設計は全くなかったので建物の崩壊は顕著です。チリはさらに耐震建設を行う必要があるが、見本になるのは日本だとしています。
 
2)コロナ問題
新規患者数は2千人以下、陽性率は10%以下と、低めに安定しています。もうマスクをしている人はほとんどいません。
3)犯罪率の増加
10万人当たりの殺人率はチリの場合、2021年は3.6人、それが2022年は4.6人になり28%の上昇。これはラテンアメリカで3番目のひどい数字とか。
チリよりひどいのはエクアドルウルグアイでした。


(スポーツ)
1)サッカー
人気チームの結果ですがカトリカは引き分け、チリ大学は勝利。コロコロの試合は明日です。
4試合終わりましたが、まだ2,3試合のチームがあるので、現在の順位はあまり意味がありません。

以上

チリの風 その1029 2023年1月30日ー2月5日

暑い日が続いています。サンティアゴの木曜日は36度まで上がりました。その日、仲間といつも行く第1展望台に上りましたが、その暑さのため、結構きつかったです。もちろん一人で登っても仲間と登ってでも山歩きは楽しいですね。
さてその最高気温が40度を超す急上昇から、中部・南部各地で山火事が発生しチリ中が大騒ぎです。

ラソンはいつもの通り、週日一人で10キロ、週末は仲間と走っています。
それから陸軍歴史博物館に仲間と一緒に訪問し、ばっちり楽しみました。私の好きな太平洋戦争の件で新しい事項も見つけましたから、次回の発表の時にそれを使用します。
いつものように今週も楽しく忙しく、毎日幸せでした。楽しく生きていけるのは心身共に健康であることが基本ですよね。

(政治)

1)ボリッチ動向
ドイツ首相のショルツがモネダ宮殿を訪問しボリッチと面談しました。彼はこの南米訪問で先ずアルゼンチン、そしてチリ、その後ブラジルを訪問しています。しかしチリに来たのは日曜日でした。週末は休みと言う風習はないのでしょうか?
ボリッチと面談した後、チリ経団連と会議しました。なんでもチリの鉱物(銅やリチウム)の話が中心だったらしい。買い付けに来たのかな?
ボリッチとウクライナの大統領との会話の話はニュースになっていません。
その後、ボリッチはバケーションに入り、木曜日に北パタゴニアのコジャイケに普通の飛行機に乗って他の乗客と話し合いながら目的地へ。しかし山火事が大騒ぎになったので彼は翌日の金曜日、ビオビオ州とニュブレ州に行きました。前回、大火事の後、バルパライソを訪問したのと同じようです。
さらにサンティアゴに戻り週末モネダ宮殿でこの山火事をどう取り扱かうか大臣と会議しました。まったくバケーションを楽しんでいる雰囲気はありません。

さて世論調査では彼は統率力が無いとするのが86%と極端に高い数字でした。誰が見ても同じでしょう。それでも彼を信用するは少し上の31%になっています。
憲法委員会に関しては今回の2度目の委員会で前より良くなると思うのは43%、悪くなるは30%、同じとするのは23%でした。
私なら前回はひどかったけど、今回も同じだろうと思います。各党から委員候補者が発表され始めました。

先日から問題になっている民間健康保険制度イサプレの危機感が増大しています。しかし識者はそれは最近起きたわけではなく、過去10年ほど問題は継続とか。 
つまり右のピニェラも左のバチェレットも手を打てなかったわけですね。政府はこのままイサプレが衰退するのは容認できないと、対策を出すことを確認しました。右翼は政府の発言は先週と違って今週はまともだとコメントしました。
300万人を超す人がそのシステムに加入していますから簡単な事項で無いことは確かです。
確かに昨年はイサプレを脱退した人が17万人も出て、心配する声が大きくなっています。
先月、私が加盟しているイサプレの会社から連絡があり、昨年、私が支払った額が必要な額を上回ったのでその差額を払い戻しますとされました。それで今週、指示された銀行に行って、その額を受け取りました。もちろん、それなら払込額を少なくすれば良いのにと言う気はします。

(経済)

1)経済成長率
昨年12月はかなり落ち込むと予想されていましたが、1%ダウンですみ、年間では2.7%の上昇になりました。つまり2年連続でプラス成長でした。
今年はマイナス成長が予想されていますが、銅価格が予想より高いレベルで粘っているため、大蔵省の予算にも余裕が出て公共投資が進み意外にプラス成長になる可能性はあるでしょうね。甘いか?CDS国家危機度は下がり、昨年の最悪期の半分になりました。
1月は為替で1ドルが800ペソを割るほどペソが強くなり、銅価格も上昇し、IPSAチリ株式市場も12月より上昇しました。
それ関し、新聞の社説に今年は経済恐慌になると言う噂は薄れてきているが、まだ問題が大きいと言うのははっきりしていると書かれました。そうでしょうね。
外人観光客が昨年は200万人あったそうで、正常化がすすんでます。
ただ新車の販売は1月は27600台と過去21か月で最少と落ち込んでいるとか。
2)銅価格と為替
 銅価格は1ポンドは4.14ドル、為替は1ドル781ペソでした。銅の価格は高値安定です。このためチリのペソは対ドルでずいぶん強くなりました。
 それもあってガソリン価格が下がっています。近くのガソリンスタンドで97オクタンは1460ペソでしたが、今週は1370まで下がっています。

(一般)

1)山火事
中部・南部のマウレ州、ニュブレ州、ビオビオ州、ラ・アラウカニア州で大規模な山火事が連続的に発生しました。今日の昼の発表では260か所に火災が発生しそのうち87件がコントロールできず延焼中とか。その面積は全部で4万ヘクタールと言われます。それが近くの町に襲い掛かり8百軒もの家屋が延焼し、死者が24名になっています。消防車が近づけない地区は空からヘリコプターや飛行機で消火に当たっています。そのヘリコプターの一機が墜落し2名死亡とか。厳しい状況です。一部の火事では人間の手によるものと(放火・失火)思われるものもあるらしい。
ところで各国から援助の提供が来ているとか。うれしいですね。

こういう状況で各地の自然公園の入場制限・禁止が発表されています。私が登っている山系もそのうち入山中止になるかな?

冬の日本でも茨城県で山火事が出たそうですね。

2)マプチェ
 マプチェのウエラがアルゼンチンで逮捕され刑務所に入っていますが、彼はチリで放火などの罪で有罪になりました。しかし不法に出国しました。チリ政府は彼をチリに送還するようアルゼンチンに要請中です。
3)コロナ問題
今週は新規患者数は2000名を超すことはなく、毎日の新規陽性率も10%以下でした。つまり低め安定です。

(スポーツ)

1)サッカー
 人気3チームの結果はチリ大学と カトリカは敗戦。コロコロの試合は火事の問題で延期になりました。
 第3戦を終わった段階で、今日の首位は5チームが勝ち点6ですが、2連勝しているオヒギンスとワチパトの試合が明日なのでそれに勝ったチームがトップになります。
2)テニス
 デービスカップ戦が始まり、チリはカザフスタンと対戦し、勝利を収めました。このため4年ぶりに世界リーグ戦に復帰することになりました。

以上

チリの風 その1028 2023年1月23日ー29日

日本は極寒と言われるほどの寒さのようですね。サンティアゴの夏はそんな極端な暑さではないですが、週末は35度まで上がりました。
もちろん厳しいですが、公園に行って木陰のベンチに座ると汗が引いていくほど気持ち良いです。

来月の登山教室の目的地はアポキンドの滝です。最長の7時間コース。学年の最初の4月は2時間コースから始め、それが少しづつ長くなったわけです。今週、その滝コースの途中まで5時間歩きをしました。折り返し点で、木陰があったので少し横になりました。ウトウトはしませんでしたが、気持ち良い風が吹いてきて最高の気分でした。
もちろんマラソンもいつもの通り、週日一人で10キロを走り、日曜日は仲間と練習です。
それから大使館に行って在留証明書を発行してもらいました。そこで私が以前チリの会社に働いているときコンタクトがあった日本人に偶然出会いました。
彼は20年ほど前にここで働いてから日本へ帰国、最近、再着任したのです。世の中狭いですね。
もちろんその他に毎日何かすることが入って楽しく忙しくしています。今週も毎日幸せでした。

(政治)

1)ボリッチ動向
彼の好きな外遊ですが、今回は隣国アルゼンチンに飛んでラテンアメリカ・カリブ諸国共同体首脳会議に出席しました。
この会議に関し、二つの話題があります。
会議の前日にブラジルの新大統領ルラがアルゼンチン大統領と面談し、欧州のように南米でも各国が政治経済で同盟国として合意できないかとしました。
なんでも両国はその前段として共通のお金を使用する計画があるとか。チリではすぐにその共通通貨には入らない方がよいと言う意見が出ています。
もう一つは会議の席でボリッチがペルーを厳しく批判しました。「最近2か月近くで政府とデモ隊が対立し、すでに50人もの市民が死亡している。政府は彼らを保護するのが役割で殺すのは認められない」3年前にチリで社会騒乱が起きたとき、ボリッチとそのグループは大規模なデモを計画・実施しました。それを警察が抑えようとすると、彼らは警察は市民に暴行を加えるのが仕事と考えるのかと厳しく批判しました。その彼が大統領になると犯罪グループを抑えるのは警察の力が必要と大きく考え方を変え、警察を自分の懐の中に入れました。それがまた国際会議で昔の考えを取り出したわけです。ペルーは苦々しい思いですね。そのペルーの前大統領カスティジョは議会から捕捉される前の週にモネダ宮殿を訪問し、ボリッチと話し合っています。その時ボリッチは、「君のためには何でもやる」と言ったのでしょうか?
そのほかにベネスエラを取り上げ、同国の正常化をここで取り上げようとしました。他国のことにそれほど口を挟めるのと言われています。新聞に掲載された識者の文では大統領と言うより反体制グループの人間のコメントの様だと厳しい批判になっています。
その後、彼はサンティアゴに戻らず南のアイセン州に行き、同地区の市村長と会談し、同地区の道路の舗装と病院の建設を約束しました。
それから外遊の前に首都圏の地下鉄の現場に行って2号線の延長を確認しました。これが完成すると首都圏の南部に住む人は、今まで中心街まで2時間かかっていたのが30分で到着できるとか。素晴らしいニュースですね。
さて明日の月曜日、ボリッチはウクライナのセレンスキー大統領と電話会談するとか。励ますだけなのか、具体的に何か援助をするのでしょうか?彼の外交観がおかしい(怪しい)のは先の国際会議で証明されていますけれど。

ところでウクライナ問題から第3次世界大戦の可能性が出ていますが、もしそれが起きたとき、その状況の中で直接・間接の状況で安全と思える5つの国の名前が発表されました。1位はツバル、2位はアイスランド、3位はニュージーランド、4位はカナダ、そして5位は何とチリでした。どこまで当たるか分かりませんが、ほかの国より安全と考えられるわけですね。


法務大臣の国会での議論は先の社会福祉大臣のケースと同じく罷免することにはなりませんでした。与党と同じく右翼の野党も内部分裂が明白ですね。
その前大臣は先の恩赦に関して責任を問われたわけですが、私はもちろん彼女ではなくてボリッチの責任と思います。

ところで外務大臣が仲間と話してるのが録音され、それがなぜか外にもれました。どこかの番組でその外務大臣を罷免すべきとコメントされています。
モネダ宮殿の政府内で混沌・不信があふれ、それをコントロールできないとされています。悲しい実情です。来週はどんな問題が発生するのか心配ですね。

新聞の政治漫画ですが、ボリッチが監督でサッカーチームを率いています。彼は部下の選手に、「違う。逆の方向に攻めるのだ」と叫んでいます。
これって冗談ではなく本当なのでしょうか?

そして新憲法委員会の「識者委員」を選ぶ選挙に各党が候補者を出しました。そこから新委員を選ぶわけですね。元大統領のバチェレットの名前も挙がっています。世論調査の組織から私に電話が入り、3月の選挙にどのグループに投票しますかと聞いてきました。

民間健康保険イサプレは国との話し合いを止めたとか。もう裁判所ではイサプレに不利になる結審をしていますから、裁判所・政府とコンタクトしなければつぶれるのを待つと言うことでしょうか?不思議な気がします。政府は与野党議員を招待して対応策を検討するとか。

(経済)

1)銅価格と為替
 1ポンド4.21ドルと先週とほぼ同じの高値安定。1ドルは803ペソとペソ高が続いています。
 中銀は公定歩合の維持を発表しました。これを下げるとまた消費が増加し、インフレ問題が再燃するだろうと言うわけです。

 さてユーチューブでラテンアメリカの20の貧困国と言うのを見ました。もっとも貧しいのはハイチです。暴力グループの反政府運動が連日激しさを増していますが、同政府は武器を購入して警察に渡す金がないとか。チリにそのハイチから多くの移民が来ています。
そして中米の国が続き、チリは最下位の20位。つまり一番貧しくない国でした。私がチリに入国した1979年の軍事政権のころは貧しい国の上の方にありましたが、民政化してから少しづつ上がってきたわけですね。
2)サーモン
チリから世界75か国に輸出されています。主な輸出先は日本・中国・アメリカ・ブラジルです。
鮭と鱒で75万トンと前年より27%アップし66億ドルの売り上げでした。
しかしその数字はコロナ問題前の2020年には追い付きません。

(一般)

1)外国の犯罪グループ
その中で一番勢力があるのは「アラグアの汽車」と呼ばれる外人グループですが、今週そのうちの18名が逮捕されました。
1名だけコロンビア人で、それ以外はベネスエラ人でした。
刑務所に入れるより国外追放の方が良いと思いますが、どうかな?
2)コロナ問題
一日当たり2300人が最高で、感染率は一日10%以下です。低め安定ですから、もうテレビのニュースにならなくなりました。
3)山火事
 各地で山火事は継続ですが、前年対比、同時期で火事の数は5%アップですが、焼失した面積は39%アップと、火事の規模が大きくなっているのが分かります。
4)超過重問題
チリ人は飲みすぎ食べ過ぎで体重が増えると言われますが、どこかの国際調査でチリは人口の63%が肥満で、世界で34位でした。世界の平均は39%の人が超荷重です。つまりチリの肥満度は世界の2倍です。アメリカはもっとひどいとか。
5)マプチェ問題
軍隊を入れて警戒をすると言う体制をとっていますが。その結果として昨年は事件・犯罪が前年対比40%下がったとか。確かに効力があるわけですね。
6)イタリア広場
デモ隊が集まって暴動騒ぎと言うのが、今まででしたが、サンティアゴの中心地のそこでベートーベンの第9交響曲が演奏され、広場にあふれるような数の観衆が音楽を楽しみました。6000人と言われます。珍しいですね。チリも正常化してきたのかな?

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦で2試合目が行われました。人気3チームの結果はコロコロは負け、チリ大学・カトリカは勝利でした。
それでカトリカは2連勝で首位、コロコロとチリ大学は1勝1敗で中位をしめています。


以上

チリの風 その1027 2023年1月16日ー22日

金曜日、歯医者に行くのに朝早く半そでで出たら肌寒かったです。珍しい。でも毎日最高気温が30度の日が続いているサンティアゴです。
今週は登山教室があって仲間とビスカチャ山に登りました。頂上直下はかなりきつい登りの山です。逆風は順風でした。それは山歩きの時、風が吹いてくると、熱を奪って涼しくなるからです。全員無事に下山しました。
ラソンも週日に一人で10キロを走り、日曜日は仲間と練習しました。もっとも昨日の山歩きの疲れがあったので、今日はいつもの様には走れませんでした。
地下鉄の駅を出るのに階段を上りますが、若い人の後を同じ速さで歩きます。まだ行けますよ。
今週の話題は仕事の打ち合わせに大使館に行ったことです。
こうしていろんなことを楽しめるのがうれしいです。今週も幸せでした。

(政治)

1)ボリッチ動向
もちろん例の恩赦事件が継続です。右翼のグループが与党側のDC党と手を組んで、ボリッチが恩赦した中の7名に関し憲法裁判所に異議を申し出ました。裁判が始まるわけです。 世論調査で72%の市民がこの恩赦に反対しています。特に左翼ゲリラについては81%が釈放反対とか。
今週行われた共産党の集まりにボリッチは参加して、一緒にお祝いをしました。
国会で審議されたジャクソン社会福祉大臣の罷免に関しては65対76で否決されました。野党側のRN党議員が何人か反対票を入れたためです。野党側は私たちはすべての大臣を咎めているのではない。ジャクソンは彼の任務を放棄しているので、多くの市民が困窮しているとしました。もちろん、野党としてはこれは敗戦と言うことになりますね。次は前法務大臣のリオに関し同じように憲法違反で論議します。
与党内の分裂に関し、内務大臣は次の選挙で与党は団結し、グループ内で一番右のキリスト教民主党DCから左の共産党までが統一候補を選ぶべきだとしました。
それに対し元議員のジラルディはバチェレットを支援した「連合」グループは新左翼共産党には投票しないだろうとコメントしています。
つまり現在の与野党の対決ではなく、与党その1.与党その2、そして野党の3グループに分かれると言うわけです。野党が勝つのは明白です。

鉱山
鉄と銅を持っているドミンガ鉱山計画が却下されました。環境汚染をするとされたわけです。今までに6000億ペソをかけた計画です。前のピニェラ政権の時、野党グループはピニェラもこのプロジェクトに絡んでいると批判していましたが、自分たちが政権を握ったので却下の動きを一歩進めたわけです。
私の考えは、環境汚染を進めるのは良くないから、「どこに問題があって、どこを変えればその汚染が軽減するか探し、それを条件にして新鉱山の認定をする」です。ドミンガ鉱山が否定されれば、次の新鉱山計画は大きく後退するでしょう。その鉱山が設定される地区だけでなく、外資が止まってしまえばチリの将来に大きく影響しますが、ボリッチはそこまで考えないでしょう。
新聞の社説に囚人恩赦とドミンガ鉱山問題は関係ないと市民は思うかもしれないが、国の将来と言う観点では同じ重要性を持っていると書かれました。
さて先日、サンティアゴとビーニャを結ぶ鉄道建設の計画をボリッチは発表しましたが、その工事を請け負うだろうと言われる会社が政府の発表した費用は実際の半分にしかならないとクレームしています。それが正しいとあとの半分を誰かが請け負うことになりますね。
さらにほかの会社が1時間半の時間をかけず新幹線方式で45分で走る方が誰にとっても魅力になるはずだとコメント。ボリッチはいつもの通り誰も説得できないようです。
イサプレ(民間会社運営の健康保険)
最高裁は自分たちの結審がイサプレを破壊すると言うのは間違いで、そういう状況下で各社が責任を果たすべきだろうとコメントしました。
イサプレが各病院に支払いを遅らせると病院の経営に影響します。どこかの病院が医師・看護師の削減を計画していると言う話を聞きました。
私は今月、歯の病院に3回行っていますが、その費用の一部を私が入っているイサプレの会社に請求に行ったところ、その病院は当社と契約がないので支払えないとアッサリ断わられました。
ボリッチはイサプレに比べれば質が落ちると言われる国営の健康保険フォナサに投資しレベルを上げるとしました。例えば、イサプレなら患者に必要な手術が1か月で用意されるのにフォナサなら、1.2年も待たされるわけです。それを解決しようとするのですが、ちゃんとレベルが上がるかな?

(経済)

1)銅価格と為替
 銅の価格は先週より少し上の4.18ドルで終わりましたが、水曜日は何と4.28ドルまで上がり驚きました。
 いつも思いますが、後ろで誰かが動かしているのでしょう。
 為替は1ドル829ペソでした。
 IMFはチリに関して次のようなコメントをしました。昨年に関し、予想されたより良い結果になったとほめました。そして今年は公共投資など政府の支出を増やすことが経済停滞を防ぐ重要事項となるだろう。この政府案件の基礎になるのが銅価格の上昇ですね。そして考案されている厚生年金の引き出しなどは実施するべきではないと結んでいます。それを実施しようとしているのは与党の新左翼グループですね。
 さて旅行者の件ですが、 一般的には 昨年の空港の使用者は対前年87%も上がりましたが、それでもコロナ問題以前より低い数字です。

(一般)

1)観光地
アメリカの雑誌の発表ですが、今年訪問すべき観光地のベスト10が決まりました。
イグアスの滝とかエンジェルの滝(ベネスエラ)、ガラパゴス島などと並んでチリから何と3つも入りました。
それらはアタカマ砂漠パタゴニアそしてイースター島です。1か国で3つも入ったのはチリだけ。チリには見るべきところがありますね。
2)信じられる職種
世論調査で31の職種に関し信じられるかどうか調べたところ、1位は消防所(消防夫)でした。95%の人がそれを評価しています。2位は警察(警官)でした。3年前の社会騒乱のころは警官は市民の敵だと言われていたのですが・・・。政府関連は下の方の25位、キリスト教関連はさらに下の28位でした。チリの一般市民はちゃんと見ていますね。
3)山火事
首都圏、ビオビオ州、アラウカニア州などで7か所の山火事が継続です。
4)コロナ問題
毎日新規患者数が2-3000人ほど出ています。陽性率は12%ほど。もうニュースにならなくなりました。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦が始まりました。人気3チームの結果はコロコロとカトリカは勝利。チリ大学の試合は明日です。


以上

チリの風 その1026 2023年1月9日ー15日

今週の最大の話題は私の誕生日パーティです。チリ人と日本人の友だち10人近くが集まり楽しく騒ぎました。嫁さんがおいしい料理を作ってくれました。ありがとう。頂いたプレゼントの一つは剣道のショーでした。有段者の人が正式な胴着を着て刀を振りかざしました???。
それから南部に住む日本人の友だちが必要があって上京してきたので一日つきあいました。1年ぶりの再会でしたが、うれしかったです。
もちろん、その他はいつもと同じでマラソンはちゃんと10キロ走っています。そして日本人学校でサッカー教室。10数名が集まって暑い日でしたが、楽しく練習しました。
山歩きは仲間と第2展望台へ。途中、放牧されている馬に出会いましたが、そのうちの2頭が私に近づいてきたので頭を撫でました。頂上の近くで多くの兎の糞を見ました。高いところにも住んでいるのですね。スモッグで覆われた街を見ながら休憩。自然の中にいる楽しみを味わいました。
こうして毎日楽しい日を送っています。幸せです。

(政治)

1)ボリス動向
外交
コロンビアのペトロ大統領がモネダ宮殿を訪問し、国交200年のお祝いをしました。コロンビアは社会・経済ともに上手くいっているようには思えませんから、二人の話の内容はかなり厳しいものだったでしょうね。先住民との問題も両国にあります。
囚人恩赦
この問題は今年いっぱい続くかな?冗談ではなく、連日深刻化しています。大統領が恩赦の内容を全部、理解していなかったと言う説もでています。部下が仕上げて彼がそれにサインしたとか。彼の責任を少しでも軽くする作戦かな?
それでも彼が議員だったころ、「罪もなく刑務所に収容されている人間を助けよう」と言うパンフレットを持った写真が出ています。社会騒乱の時捕まった人間は右翼がでっち上げた罪で刑務所に入っているとするわけです。昔の彼の同志と言うことになります。今回恩赦で自由になった人の履歴が報告されていますが、その社会騒乱に関係なく数回の逮捕歴のある凶悪犯もいます。誰がそれを選んだの?
それだけエラーがはっきりすれば、今回の恩赦を取り消してボリッチが「エラーがありました。恩赦は取り消します」とすれば問題は一気に解消します。もちろんその時、ボリッチはレベルが低いと言われるでしょうが、その方が現在の混乱よりはマシでしょう。しかしボリッチはマスコミの前でこの件に関してコメントしていません。
法務大臣ルイス・コルデロが就任しました。彼はこの件に関し、大統領の恩赦に不法行為はない。ただそれに関して各自が異なった感触を持つのは自然だろうとしました。この作戦で逃げ切るつもりなのかな?
もっともこの問題の解決策の一つとして内閣改造が出ています。昨年末に大臣の中で問題があるとして法務大臣社会福祉大臣があげられました。法務大臣はもう交代させられましたから、次はボリッチの親友のジャクソンです。
もちろん、政権の色を塗り替えるなら新左翼共産党から大臣を選ばず、昔の政権を担っていた中道左翼から候補者を選べばイメージを変える最高の方法ですね。今まで頻繁に与党間の統一がないと書いていますが、今までの中道左翼 政権で中心党の一つだったPPD党のディバルディが新政権の新左翼共産党は私たちを嫌っているとコメント。イヤハヤですね。次の選挙で与党は二つに分裂する可能性があると言われますが、チリの風で毎週書いていることですね。日曜日の新聞にボリッチの孤独と言う特集記事が出ましたが、特に不思議な気はしませんね。世界でも珍しいでしょうが、チリでは野党が大統領を支援して与党が対立すると言うことがありました。今回の恩赦事件で野党は今までと違ってボリッチと距離を取りました。ボリッチ支持・応援をする勢力は無くなったのでしょうか。内務大臣・法務大臣大統領補佐官の3名を交代させましたからね。
世論調査で彼を支持する層が減少していますが、もう毎回同じなので新鮮味はありません。それでも不支持がピニェラの時はもっと高かったと言うコメントがありますが、就任1年目でこれほど不支持が高いのはボリッチがトップでしょう。
ボリッチはサンティアゴとビーニャの間に汽車を走らせると言う計画を発表しました。13億ドルをかけて2030年にサービス開始とか、到着までバスと同じ1時間半で運賃も現在のバスとほとんど同じらしい。今まで同じような計画が何回も出て完成していません。それを新幹線スタイルにして1時間半の代わりに30分で到着なら多くの市民に喜ばれると思いますが。

先年、各自が積み立てている厚生年金の一部を引き出すことを議会は認めました。それは何度も起きていますが、また今回、少し色を変えて自己貸与として自分に貸し出すようにする法律を新左翼の議員が出しました。大蔵大臣はそれをやると社会が混乱し、当然インフレは拡大すると拒否の声明を出しました。新左翼側は気にせず成立させようとしましたが、多数決で拒否されました。もう新左翼の顔も見たくないと思うのは私だけでないでしょうから、次回の選挙で大きく後退するでしょう。大統領は新左翼ですよ。彼は与党を全くコントロール出来ません。

チリの健康保険は国営のフォナサと民営のイサプレがあります。国営の保険は毎月かかるは費用は安いがサービスの質が落ちると言われていました。ところが最近、イサプレが調子が悪いと言われ始めました。システム全般に問題があるのか、その中の独立した運営会社の一部が経営難なのか分かりませんが、結構厳しい状況の様です。どれかの会社がつぶれた場合、その保険会社に入っていた人はどうなるのか、何ができるのかそのうち知らされるでしょう。健康保険と厚生年金は世界中、どこでも運営はむづかしいですね。

新検察長官
バレンシアがとうとう長官になりました。前長官が辞めて100日間の空白がありましたが、やっと3人目の候補者で組織が正常化。
モネダ宮殿で、その新長官はボリッチ、内務大臣、法務大臣と4名で話し合ったとか。社会の安全が最重要項目だから検察も頑張ってくださいと励まされたのかな?
しかし彼は就任して即時に幹部役人14名を更迭しました。一人は二人ではないですよ。
野党の右翼議員は国会で彼は自分が長官になれば大きく組織を入れ替えると発表したが、それを即時実現するとは素晴らしいとほめています。
就任後、直ちにテムコに飛んでマプチェ問題を取り上げました。確かにやる気のある新長官ですね。
同じく大統領府の次官にカルロス・ヅランが就任。恩赦事件で混乱していたボリスの部下も空席が埋まりました。
憲法
社会党は元大統領のバチェレットを招待して面談。新憲法委員会について話をしました。彼女に識者として委員になってほしいと要請したのでしょうね

(経済)

1)経済成長率
今年のチリのGDP経済成長率はマイナスが予想されていますが、今週の世銀の発表ではラテンアメリカでチリとハイチだけがマイナス成長になるだろうとのこと。チリはマイナス0.8%とか。ラテンアメリカで2位と聞くと普通なら良く頑張っていると思いますが、これに関してはがっかりですね。
しかし銅の価格がなんと今週4.13ドルまで上がりました。中国の復興が目覚ましいからと説明しています。私の見込みではこの調子が続けばチリの今年はマイナスではなくプラス成長になります。
そのため為替は1ドル822ペソと、すごいペソ高になりました。7か月ぶりのペソ高です。もちろんそれはインフレを抑える力になると喜ばれています。
このため、毎週のようにガソリン価格が下がっています。もっとも日本円にすれば1円くらいですが。ところで原油価格が上昇すると言う噂もネットで流れています。どうなるかな?

(一般)

1)マプチェ
南部のクラカウチン地区で家屋が放火されました。そこにマプチェの政治犯を釈放せよと書かれたパンフレットが置かれていました。このほかに水力発電をする施設が崩壊される事件も起きています。
国会で南部地区の特別区扱いがまた国会で認証されました。
南だけでなく北部にも不法移民問題が継続で連日、ボリビアから移民が入ってきます。ちゃんとテレビのカメラに映されていますから証拠は十分です。どうして政府は手を打てないのかな?警察だけで無理なら軍隊を使えば良いのに。トア内務大臣は最北端部を訪問し、この不法移民問題の実態を確認しました。
それに関係ありませんが、テレビのニュースに福島原発の排水が今年海に流されると言うのが流れました。日本のイメージが悪くなりますね。日本政府はこれでは海水汚染はしないと発表しているとコメントされました。それならどうして今まで貯めていたのでしょうか?
山火事はそれほどひどくはありませんが、首都圏とその南でまだ継続です。
2)夏休み
バケーションが始まりました。チリに隣国アルゼンチンンから多くの観光客が来ています。ところでチリの外務省は市民に不要不急の場合ペルーに入国しないように要請しました。ペルーの混乱は深刻ですね。
3)社会の安全
これが最近のチリのとって最重要事項とされています。チリ経団連会長が、それは一般市民だけの問題ではない、外資を含めた資本家の要請でもあるとしました。毎日のテレビのニュースはこの犯罪関連が多くです。コデルコから盗まれた大量の銅を積んだコンテナーが見つかったとか。犯罪グループも作戦を立てて盗んでから外国への販売まできっちり仕上げているのですね。
首都圏のフロリダ区の区長カーターは「首都圏で麻薬組織が毎年規模を大きくしているのは容認できない。私が責任を負っているこの区に麻薬組織の家屋が見つかれば、法律にのっとってその家屋の崩壊をしたい」としました。裁判所に出した申請が容認されれば、即時に壊すのですね。彼は最右翼のUDI党関連者です。新左翼はそれに反対するでしょうか?人が住める住居を壊すなんて人権問題だと言うかな?
4)コロナ問題
新規感染者数や陽性率は大きな動きはなく。通常です。ただし収まってきていると言う雰囲気はありません。政府は今年のワクチン接種をどう進めるか検討中とか。

(スポーツ)

1)サッカー
 昨年のリーグ戦の勝者コロコロとチリカップの勝者マガジャネスがスーパーカップ戦で対戦し、マガジャネスが勝ちました。
今年のリーグ戦は来週から開始です。


以上

チリの風 その1025 2023年1月2日-8日

昨年の大みそかに少し雨が降り気温が下がりましたが、サンティアゴのその後はいつものように最高気温が30度を超える日が続いています。

メールで世界各地の仲間と新年のあいさつをしましたが、ほとんどが私と同じ中高年ですから、日常生活にいろんな問題を抱えているようで若いころのような楽しい人生ではないみたい。それでも頑張ってくださいと言いたいです。
さて私は今年も今までと同じような毎日が続いています。
日本は大学駅伝が話題になりましたが、私も学校代表で兵庫県高校駅伝に参加したことがあります。そのころ10キロ32分でした。
後で後輩にそれを言うと「おじさん、30分を切らないと補欠にもなれませんよ」と軽く馬鹿にされましたが、60年近く前のことですからね。
今週の山登りは、今月の登山教室の目的地5時間コースのビスカチャ山に登りました。私を抜いていった青年と頂上で話し込みましたが、彼は昔、日本に行ったことがあるとか。なんと彼は片言の日本語を話しました。大阪で聞いた日本語は東京と違ったと感じたと言うので日本の方言について説明しました。山頂で日本語の方言について話するなんて。
土曜日はサッカー教室。十数名の参加者で楽しく練習。最年少の子供は幼稚園生でした。すごい。
もちろんマラソンも練習しました。10キロを走っています。
いつまで続くかこの元気ですね。頭も身体もまだ少ししかボケていません。幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向

先週の予想通り囚人の恩赦が問題になっています。彼はマヌエル・ロドリゲス戦線に所属していたホルヘ・マテルナの恩赦をしましたが、それに関し、裁判内容に何か疑問が見えるとコメントしました。裁判所が間違って無罪の彼を有罪にしたと言う気配でした。彼は銀行強盗をしたのですが、左翼ゲリラが活動経費を得るために強盗をするなら、彼らを援護する共産党に資金援助を求めればよいのでは。
裁判所はボリッチのコメントに即時に反応して大統領は三権分立を知らないのか、裁判の内容に口をはさむのかとクレーム。ボリッチは裁判所のクレームにはそれはその通りですねと軽く 回答しました。
実はこの件に関しまだ話があります。ボリッチがまだ議員だったころ、刑務所に入っている彼を訪問しているのです。そして国会議事堂の前で彼らの戦線を応援したいと過激なアピールをしています。昔、そのグループはチリの最右翼党UDIの創設者を暗殺しています。そんな新左翼の考え方・行動が3年前の社会騒乱を引き起こしたわけですね。如何にボリッチがその運動とかかわりあっていたかが証明されています。

しかし裁判所も大きな顔はできません。マプチェの犯罪です。ルシンゲル・マカイ夫婦の殺人事件で18年の有罪になったホセ・トラルカルが刑の途中で条件付き自由を地方裁判所から認められましたが、それを最高裁判所は認知できないと取り消しました。いやはや。
国会で右翼がボリッチを憲法違反で訴える予定です。大統領府はそうした意味のない行動をするのは止めましょうとコメントしています
しかしピニェラの時代に左翼がピニェラを憲法違反として訴えたことと同じで、自分たちは正義のためにやったが、右翼は嫌がらせのためにするとします。いやはや。
法務大臣リオと社会厚生大臣ジャクソンが同じように憲法違反で訴えられそうです。リオは辞任するか更迭されると言われています。
金曜日にここまで書きましたが、土曜日に何とリオ法務大臣が辞任と発表されました。辞任が更迭か分かりませんが、大統領府の発表は彼女の辞任要請を大統領は認めたと書かれています。国会で憲法違反になると公職に何年も就けなくなるので、ここで辞任して来週から新しい仕事を探す方がよいと考えたのだろうと言うコメントもあります。何年かしてから、自分の問題は大統領が突然に恩赦の数を変えたことから起きたと発表するでしょうね。ところで右翼の党は辞任した彼女をさらに憲法委員会で取り調べしたいとしています。
同じようにボリッチの補佐官をしていたマチアス・メサも辞任しました。彼はボリッチの一番近くにいたようで、大統領とコンタクトしたいときは彼を経由するのが一番手堅いと言われていたらしい。その彼もこの恩赦事件で大統領府にいれなくなったのですね。新聞にボリッチ政権の最悪の事態と描かれています。
先日、ボリッチは新大統領の就任式にブラジルを訪問しました。今日、ブラジルで前大統領の応援団が最高裁判所と国会に侵入しました。アメリカでも似たような事件が起きていますね。ボリッチはすぐにルラ大統領応援の声を上げました。

しかし全般を見ると、それほどひどいボリッチ政権でもラテンアメリカ諸国の中で安定・汚職・腐敗などを比較すればチリはそこそこにいると思います。3年前から比べれば落ち込みましたが、まだましです。甘いかな?

ボリッチは就任後、初めて川州を訪問しました。マプチェで問題になるアラウカニア州の南に位置する州です。その州都はバルデヴィアですね。州の知事や市町長などと面談して現地情報を集め中央政府の考え方を伝えました。

憲法
もう私とすればほとんど興味はありません。これは個人のことですが、私の感触はチリの一般人のそれとよく似ていますから、チリ人も新憲法にそれほど注目しないでしょう。5月に新憲法委員会のメンバーを選ぶ選挙があります。強制選挙なので投票に行く必要があります。また誰に入れるか選択する必要があります。

新検察長官
3人目の候補者が出ました。アンヘルバレンシアです。彼はモネダ宮殿を訪問し、内務大臣・法務大臣と面談。さぁ国会がどう判断するかな?
明日に議会で賛否の投票があります。

(経済)

1)銅価格と為替
 銅の価格は1ポンド3.79ペソで先週とほとんど同じでしたが、為替は1ドル842ペソとかなりペソ高になりました。
 株式市場IPSAは2.6%ダウンと苦しいスタートでした。
 さて12月の物価上昇率IPCは0.3%で、2022年の年間指数は12.8%となり1991年以来過去30年で最悪の数字でした。
 これが影響して、給料が上がっても物価上昇率より低いと実質賃金はマイナスになります。最近4か月間、実質賃金はマイナスになり過去4年で最低とか。ローンを組んでいる人はこの上昇率が支払額に直接影響し12.8%アップになります。厳しいですね。
 ただ12月のIPCは低かったので、今年は年間3%くらいに落ち着くと言われます。
 もっともインフレ問題より重要なのは経済成長率が低迷していることだとするコメントも出ています。
 外国人の失業率は9-11月で8.3%とチリ人と変わりません。

2)新車の販売
 昨年の新車の販売は42.6万台で新記録でした。意外ですね、チリ人もかなり余裕があるのですね。

(一般)

1)コロナ問題
 もうほとんど話題にならなくなりました。今週も1日5000人ほどがピークで、陽性率は18%が一番高い数字でした。火曜日は感染者数がわずか1305人でしたが、PCR検査数はたった6067人。コロナがひどかったときは10万人以上がPCR検査を受けていましたから、現在、新規患者数が減るのは当然ですね。
2)入学手続き
 私立の学校は入試がありますが、公立の場合は入学要請を受付けます。今週、話題になったのは有名校の前に前夜から寝袋で列を作って順番を待つ人です。なんでも2晩泊った人もいるとか。人数制限があるから並んだ順番なのかその後で抽選があるのか知りませんが、大変ですね。
 私は子供が二人いるが同じ学校に入れなかったので送り迎えが厳しいとこぼしている人がニュースに出ました。
 会社員の時代、学校が休みに入ると車の量が目立って少なくなったのを思い出します。日本と違って子供が歩いて登校するのはチリではありません。スクールバスに乗るか親が送り迎えをするわけです。
 さて大学入試の結果が出たので、学生は自分の勝ち取った点数をもとにどの大学のどの学部に入れるか探しはじめました。日本の一発勝負より落ち着けますね。
3)山火事
 まだ19の山火事が続いています。それでも今年の山火事の数・焼失面積は昨年とほとんど同じとかで、消防部隊が頑張っているようです。

以上