チリの風 その1024 2022年12月26日ー2023年1月1日

とうとう新年になりましたね。明けましておめでとうございます。
さて2022年はどうだったでしょう。コロナが始まって3年になりますが、昨年はその中で規制がほとんどなく自由に生活できたのが私にとっては最高にうれしかったです。自宅待機が何か月も続くと、日本の方は想像できないでしょうが、人生が変わります。
それがいつまで続くのかもわからないし・・・
私がチリに入国したのは1979年ですから、昨年で43年、今年は44年目になります。世界一周の途中にチリに入り知人・友人が一人もいないサンティアゴは3日の滞在予定だったのですが、それが43年ですからね。不思議です。
チリに世話になっているからチリを助けたいし、日本のこともチリ人にしっかり伝えたいです。
いつまで楽しい人生が続くかわかりませんが、今年もいろんな計画があり、楽しい毎日になりそうです。

(政治)

1)ボリッチ動向
 世論調査ですが、ボリッチを支持する・拒否する人の数が出ました。
 支持するとしたのは政権が始まった3月は54%。それが12月には34%に下がりました。拒否するとしたのは3月が42%、12月は65%。もういつもの傾向が確認されています。これがそのまま継続して支持が10%、拒否が80%とかになったら国会も彼を罷免するような議論が出るかもしれませんね。彼があっさり辞任することはないでしょうが。
 じゃ、国民は何を希望しているのか、それもちゃんと世論調査で出ています。
 ところで今日、彼はブラジルに飛びました。新大統領の就任式に参加する為です。彼の大好きな外遊ですね。
 社会犯の恩赦
 ところが仕事の最終日30日に彼は犯罪人の恩赦を発表しました。3年前の社会騒乱で逮捕された多くの人間のうちの13名です。
 不思議なのは内務大臣がその恩赦を発表したときは11名で、後で2名追加されました。大臣が名前を書き忘れることはないでしょうから,後で誰かが追加2名を指示したのでしょうね。ところでその恩赦になった人間ですが、放火とか破壊とかの凶悪犯で有罪になっています。
 右翼と戦った左翼と言う雰囲気ではありません。
 世論調査では国民は現在の急増する犯罪を抑えると言うのが政府の最も重要な仕事と考えています。この社会犯恩赦の発表をした内務大臣は記者会見で犯罪を抑えると言う最重要な事項を与野党が一致して実践したいとコメントしましたが、それなら火炎爆弾を警官に投げた犯人を釈放するのは大きなエラーでしょうね。彼女はこれ以上恩赦ないとしましたが、多くの有罪者の中からどのようにこの13名を選んだのでしょう。
 ボリッチの失政のシンボルになるのではないでしょうか。
 恩赦の中の一人は左翼ゲリラグループのメンバーで社会騒乱とは関係なく銀行を襲って逮捕されました。共産党は彼の恩赦を評価しています。
 もちろん野党側はこの恩赦に反対し、後で2名追加した不手際の法務大臣を国会で糾弾するとか。
 大統領府の動向報告書にはこの事項は掲載されていません。
 それでもボリッチはアメリカのタイム誌に就任を大きく書かれたり、ブルームバーグ誌ではボリッチは昨年の世界に影響を与えた50人の中に入っています。
 ところで今年の政界で勝ち組負け組と言う記事が大晦日に出ました。新左翼で議会の議長にえらばれたミロセビッチが勝ち組、前内務大臣のシーチェスとボリッチの学生運動時代からの仲間ジャクソン大臣は負け組のトップとか。
 そうそう新憲法委員会の議長をしたマプチェの女性ロンコンは私が議長にえらばれたとき、ボリッチはこの先、私のそばにいるとコメントしてくれたのにそれが薄れてしまったのが残念とコメントしました。9月4日に新憲法が拒否されたのでボリッチにとって彼女は価値がなくなったのでしょうか。
 ボリッチが経済関係関連事項で大ヒットを打つとは思えませんから、日に日に人気が落ちていくのは間違いないでしょうね。
 検察長官
 もういつもと同じようですが、二人の候補者が出てボリッチはその一人を推しているとか。
 議会で承認されるかな?そのうちの一人はフェースブックでピニェラを批判したことがあるらしい。
 新憲法
 もう国民の興味は薄れていますが、今年はまたそれに関する選挙があります。国民はどう対応するでしょう。
 右翼側はほとんど興味はないし、左翼側は新憲法委員会に識者を入れるというアイデアを嫌っています。委員は全員市民にするべしというわけです。

(経済)

1)銅価格と為替
 昨年の最終数字は1ポンド3.84ドルで為替は1ドル852ペソでした。
 その銅価格は1月4.38ドルに始まり3月には5ドルに近づいたこともありましたが、7月から下降が始まり結局3.84で終わりました。
 為替は1ドル850ペソで始まり、7月に1000ペソを超えましたが、またペソは勢いを取り戻し戻し852ペソと年初と同じレベルになりました。
 さてチリ株式市場IPSAは昨年22%の大幅上昇を記録しました。日本はマイナス9%、アメリカのダウジョーンズもマイナス9%ですから、チリは世界的に見てトップクラスですね。珍しい。
2)最低賃金
昨年は40万ペソでしたが、今月から少し上がって41万ペソになりました。たくさんの人がにっこりするでしょうね。

(一般)

1)コロナ問題
 一日当たりの患者数が今週は6千人に増えています。また陽性率も20%まで上がっています。でもコントロールは全くありません。
 ただ今まで自由だった入国が、中国人と中国からの旅行者にはPCR検査が入国時に要求されるようになりました。

2)山火事
鎮火されていない山火事が16も記録されています。南部のビオビオ州(第8州)はナシミエントとサンタ・フアナで家屋や学校が燃えました。
 ユンベルも火が町に近づいているとか。その南のアラウカニア州(第9州)はルマコなどで1700ヘクタール、200件の家に火がついたとか。
 山火事とは関係ありませんが、この大みそかの花火大会がほとんど全国で禁止になりました。

以上

チリの風 その1023 2022年12月19日ー25日

サンティアゴは毎日30度くらいの気温の日が続いています。雨は全く降りません。
今週はクラシックの演奏会があり、聞きに行きました。
それからスポーツはいつもと同じですが、山歩きはプロビンシア山系ではなく、久しぶりに近郊のマイポ渓谷を歩きました。
そこまで地下鉄とバスを乗り継いで片道2時間です。たまには違う風を感じたいですから。
ラソン練習もいつものように週日10キロを走りました。日曜日は誰も来なかったので一人で走りました。

さてクリスマスになりましたが、昔と雰囲気は全く違います。私がチリに入った40年以上前のころは、ほとんどの人がカトリックで、クリスマスは宗教的な感じでした。テレビのニュースに教会のミサが出ましたし、キリスト関係の映画が放映されました。
今はクリスマスプレゼントの宣伝ばかりです。土曜日に夕方、公園に散歩に行くと催し物の準備をしていました。質問すると夜にミサがあるとか。椅子の数は1000個以上でした。でも物見半分でも参加する気にはなりませんでした。
こうして毎日、楽しい生活を送っています。幸せです。

もう夏至が過ぎたので、これから少しづつ日照時間が短くなりますね。

(政治)

1)ボリッチ動向
 国家賞の授与
 今年度の国家賞授与式にボリッチは科学・文化関係の5分野で特に際立った活躍をした5名を選出し、表彰式を実施しました。
 外交
 パレスチナにチリ大使館を設置し大使を派遣することにしました。イスラエルが激怒でしょうね。先日、イスラエル大使の認証でももめました。
 山火事
 ビーニャの火事現場に行って消防関係者を励まし、被害者を慰めました。最初、現場に大臣を何人か送り出したのですが、火事が大きくなったので自分も行ってみようと思ったのでしょう。
2)国会
 サンティアゴ区の区長から出された要請が国会で認められました。同区は首都の中心にある区ですが犯罪の増加、露天商問題、それに高校生デ モから教育問題と通常の生活が困難になっています。そこで区長がボリッチに介入を求め、区ではなく国として問題軽減を図ってほしいとしたわけです。野党側と与党の中の中道左派が賛成しました。
と言うことは新左翼などの与党側は反対したわけですね。ところでその区長は共産党員です。彼女は同党からどんな叱責を受けるのかな?
警察や軍隊の助けを求めるとは何事かと言われるのでしょうか。3年前の社会騒乱の前にはチリにはそんな状況は無かったのですが。新左翼グループが社会を変えたわけです。それを押さえようとピニェラは警察の動きを強化しましたが、新左翼は政府は暴力で正しい市民の要求を抑えようとするとクレームしました。同じことを現在は自分たちがしているわけです。
地方選挙がそのうちありますが、野党側は同区長の席を取り戻したいと候補者選びを始めています。
検察長官
ボリッチが推したチリ大学卒の弁護士マルタ・エレラは議会で否決されました。2回連続で政府の敗北です。ユーチュブにこれに関する議会のビデオが掲載されたので見ました。国会で法務大臣がどうして政府はその候補者を推すのか説明し、その後、議員が各自の見解を発表していました。
しかし政府が自分の基盤である与党を統一できないと言うのが情けないですね。その件に関しボリッチは最高裁判所の首脳と電話連絡とったとか。どうすればよいのか相談したのですか?
新聞に政府は議会とネゴする能力はないのかと厳しい批判が書かれています。

憲法委員会
各党が合意に達し、一歩前進となりましたが、今週の世論調査はそれと全く違う雰囲気です。
社会騒乱の後、新憲法を作るかどうかの投票で約8割が賛成票でしたが、現在はそれが半数を割りました。いくつかの世論調査でほとんど全部の結果が新憲法を必要としないと言うのが過半数でした。つまりこの国会でいろんな委員を選び(国会議員・識者・一般市民)
それが議論して新憲法の下地を作っても、市民は反対に向かうだろうとするわけです。共産党はその委員会に識者を入れるのに反対しています。
さて新左翼は新憲法成立は政府の責任だとしているが、9月の投票で惨敗したのを理解していないとあります。
つまり社会騒乱のころ、軍事政権の時の憲法を俺たちが変えるんだと燃え上がったのですが、今年9月の惨敗で熱が冷め、必要なら改正すればよいという風に変わったわけです。投票が義務ならともかく、自由になれば過半数が投票しないだろうとみられます。
それなら現行憲法の改正を図るのが正常でしょうね。以前、それをラゴス元大統領が実施していますが。

(経済)

1)銅価格と為替
 経済の一般ニュースでパッとしたものはありません。来年は今年より厳しいというものばかりです。TPP11参入を政府は正式に発表しました。
 60日後、つまり来年2月から正式加盟になるとか。

 さて銅価格は1ポンド3.77ドルと先週とほとんど同じ。為替は1ドル867ペソとこれも先週とほぼ同じです。
 11月の航空機の利用客は180万人でした。それはコロナの前の2019年より7%下です。

(一般)

1)マプチェ問題
 木材の盗伐で、マプチェグループのメンバーが逮捕されました。
 そのほかのマプチェグループCAMは過去25年、反政府運動を繰り広げてきましたが、今年はそのリーダーのジャイツルは逮捕され、彼の二人の息子も逮捕されました。グループが崩壊するのか、彼らの逮捕を抗議してさらに過激な行動をするのか。
木材の盗伐を問われるとマプチェは「ここは私たちの土地です。チリ人が私たちの土地に入り込み勝手に使用しています」と回答します。


2)山火事
 先週の予想通りで、山火事が今週の話題の中心です。金曜日の夜のテレビニュースは最初から最後までほとんど全部この火事の話題でした。
 新聞の1面に火事が津波のように同地区を襲ったと書かれました。
 観光地で有名なビーニャ・デル・マルで、街の後ろの山で火事が起こり、そのため約300件の家が延焼しました。

 消防車が行けない地区は飛行機・ヘリコプターが空から消火作業をしています。
 もっとも山火事で延焼するのは海岸地区の立派な家屋ではなく、山の中の住居の建築にふさわしくない地区の家です。もしかすると多くが不法建設だったりして。政府がその動きをコントロールできないと言う証拠でしょうね。
 火事が始まったのは放火によると言う噂もあります。
 チリは地震津波とか天災が多いですが、今回は火事。被害者は大変です。ただいつものように被害者を救済しようとする動きが始まり、全国各地から義援金・物資が届けられています。
 先ず被災地の燃えた家の崩れ落ちた屋根や壁のゴミを取り出し、残った部分を壊して整地しています。その後、また新しい家の建築が始まるのですね。そこへ水・食品・衣類とかが届けられました。サンタクロースが来て子供にプレゼントも渡していました。
 その地区の火事は鎮火しましたが、全国でほかに38の火事が継続中なので、多分、すぐに他の地区で大騒ぎが始まるでしょう。
3)コロナ問題
 毎日4000人ほどの患者ですが、陽性率が上がっています。金曜日16%、土曜日18%、日曜日16%です。さぁどうなるかな?


以上

チリの風 その1022 2022年12月12日ー18日

いやー、サンティアゴは暑い日が続いています。連日30度を超える暑さです。なんと木曜日は37度まで上がりました。

それでも今週もスポーツを楽しみました。マラソンは事故以来2か月ぶりに10キロを完走。事故の前の週より1分遅いだけ。ばっちりです。
登山は仲間と3人で第3展望台へ3時間の歩き。金曜日でしたが、上から見ると郊外の森林火災のため街が赤い煙で覆われていました。それから3人とも日本にいるとき、富士山に登頂していました。
土曜日はサッカー教室。今年最後ですが、練習最後の試合で盛り上がりました。
日曜日のマラソン練習は仲間3人と練習しました。
今夜、近くの公園でクリスマス音楽の演奏会があり、聞きに行きました。
今年は大きな事故があったのに、こうして楽しく終われそうです。いつまで続くかわかりませんが幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
クロアチアの大統領ソラン・ミラノビッチとモネダ宮殿で面談しました。彼はボリッチに両国が国交を結んで30年の記念をこうしてお祝いできるのは何よりの喜びとしました。それにボリッチにあなたはクロアチア人としました。これは少しおかしいですね。ボリッチの祖父はチリのパタゴニアに入った最初の欧州移民10名の一人ですが、祖父はユーゴスラビア人でしたから。プンタ・アレナスに立派なユーゴスラビア人会館がありましたが、それがクロアチア人会館に名前が変わりました。それは同国の国内紛争の結果ですね。
彼はそのプンタ・アレナスにも訪問予定とか。なんでもチリ国内に30万人ものクロアチア人とその子孫がいるらしい。
でも彼がチリにいる間にクロアチアはサッカーのワールドカップ準決勝で負けました。怒り狂ったか、泣いてしまったかのどちらかでしょうね。それでも最後は3位になりました。

ボリッチは警察に227台のパトカーを渡しました。3年前は警察はデモ隊をいじめるとクレームしましたが、今は警察と固く手を組んでいます。
彼は市民との集会で皆さんの安全を第1にする政策を実施しますとコメントしました。もっともそれをどう実施するか疑問視する意見と遅すぎるという批判も出ています。警察と軍隊を組んで犯罪グループに充てると言う考えもあるとか。これも問題になるでしょうね。彼は新左翼ですが、最近、かなり右翼ぽいですね、
南部でマプチェに対して特別区を設定し軍隊を派遣していますが、それを北部でも実施するかもしれません。
不法移民が多く入り市民の安全が脅かされている北部に今週、トア内務大臣が訪問し、アリカで軍隊の派遣を示唆しました。今までと同じくペルーとの国境から不正に入国する移民が後を絶ちません。その辺りには地雷が置かれていますが、車がその地雷で破壊されたのが映りました。
乗っていた人がどうなったかはわかりません。さてそのペルーですが政治不安から国が機能せず、大勢の観光客が自国に帰れない状態です。チリの外務大臣も同国に残されているチリ人をどう保護するか考慮中とか。
ところでペルー国内でチリに奪われた土地(アリカなど)の返還を要求しようと言う声が出ているとか。太平洋戦争でチリに負けて取られた領土ですね。ボリビア国際法廷に訴えたのと同じことです。

ところで、ボリッチがチリに住み始めたバチェレットと手を組んで歩いているのがテレビに出ました。彼女の知恵を借りるのでしょうか。
またボリッチは森林火災視察のため隣州のバルパライソに出向き警察軍のヘリコプターで上から火災を見ました。そして消火に当たって負傷した消防員を見舞いました。これがしばらく続きそうです。
2)新憲法
とうとう各党の間で合意事項が出ました。それを国会で最終確認をしますが、投票時期設定も考えられています。
前回の新憲法委員会の議員を全員選挙で選んだ失敗を避け、議員・専門家それに一般市民の3つのカテゴリーになります。
専門家の中に前・元大統領を入れるか討議しているとか。なんでも上下院議員24名、専門家24名そして一般市民委員50名の構成とか。
これらに関する投票は自由ではなく義務制にすることを考えているらしい。義務制でなければ、投票所に行かない人が大勢出ることは間違いないでしょう。
ところで新憲法案が少し進んだこともあってチリ国の安定性は6月末以来、最も良いランクになりました。落ち着てきたとみられるわけですね。
政府はこのアイデアに関し細かい点には問題があると言われても全般としては大きく一歩前進したと評価しています。
ところで、日本は防衛に関し大きな変化をしていますが、それは憲法違反ではないでしょうか。誰も言いませんが。
3)検察総長
ボリッチは女性のマルタ・エレナを推すことにしました。彼女に関して詳しいことは知りませんが、議員の中からどうしてこんな人を選ぶのかとする批判が出ています???
野党側から、右翼ですが、前回と同じく新左翼と関連があるように見られる人を検察長官候補として推薦するのかとのコメントが出ています。また拒否されるだろうとするわけです。明日、上院で投票されますが、また拒否されたら、政府は検察長官になりたい人は立候補してくださいと逃げるかな?
ドイツでは選挙の時、最低投票数として投票の何パーセントを取れなかった党を認めないシステムがあるそうですが、それを使えば現行のチリの新左翼はほとんど全部が政党になれないとか。
私はボリッチ政権が始まった3月から、彼の基盤の新左翼共産党をあまり良く感じていませんが、多分、一般市民も同じで、次の選挙では両方とも大きく落ち込むでしょう。私の予想ですが・・・。

(経済)

1)来年の経済予想
 新聞の特集で来年の予想が出ました。全体的にはチリの経済成長は来年はマイナス成長だとみられています。ラテンアメリカで唯一マイナス成長になるのがチリとか。そのマイナスのベースですが、一つに政治不安定性があります。新税制の問題とか消費税IVA問題も。
 何と新左翼議員が各自が積み立てている厚生年金を引き出す権利を認める案を出しています。これで6回目です。これはチリ経済にマイナスの動きになると政府は反対していますが新左翼は全く気にしていません。
 そして来年マイナスになった場合、その次の2024年はV字回復できるのか話題になっています。

 ところでガソリン価格は最近10ペソほど(約1円ですね)下がっていますが、来年はメプコシステムのため毎週10ペソほど上がる由。
 ディゼルの方は3週間ごとに30ペソ上げるとか。

2)銅価格と為替
1ポンド当たり3.73ドルと先週よりかなり下がりました。がっかり。為替はほとんど変わらず1ドル875ペソでした。

(一般)

1)暴力行動
マプチェの攻撃を抑えるため国会で南部の特別地区の認定がされ軍隊の駐屯が認められました。もう日常的ですね。
近年の多くの事件の中で印象に残るのはリヒンゲル・マカイ夫婦殺害事件です。老夫婦を家に閉じ込め放火で焼き殺したのですが、それで逮捕され18年の刑で刑務所に入った犯人が、刑期半分もたたないうちに条件付き釈放になりました。しかしテムコの地方裁判所は一般市民と違った考え方をしますね。
高校生の暴力デモ
またバスに放火する事件が起きました。今までに130人が逮捕されています。419件の暴力デモが起きていますが、有名高校の近くで起きたのはIN高校が94件、INBA高校が89件と目立っています。先週に書きましたが、今年は学生数が5万人ほど減少しており、それもいれて文部大臣は何をしているのかとする批判の声が上がっています。
2)山火事
先週の予想通り、山火事が継続です。もうこの先しばらくは山火事問題がコロナ問題よりチリにとって重要問題になりそうです。
今の段階で95か所で火災が起き、そのうち5か所はまだ火災が継続です。8000ヘクタールの火災で死亡者が2名、88の家屋が燃えました。
 昨年より161%も高い数字です。それに関連して放火の疑いで一人が逮捕されました。
その火災のため煙が街を覆い、そのため首都圏で戸外に出ないようにしてほしいと言うコメントが厚生省から出ました。日曜日はそれが解除されました。

3)コロナ問題
感染者数1日4000名、感染率13%くらいが続いています。バスに乗ってもマスクをしていない人の方が多いです。
チリではコロナ問題はもう重要な問題と思われなくなってきました。


以上

チリの風 その1021 2022年12月5日ー11日

連日30度以上の日が続くサンティアゴです。なんでも先月11月は過去50数年で一番気温が高かったそうですから12月もそうなりそうです。
区役所で区民安全登録の更新をしました。ラス・コンデス区に長い間住んでいますが、登録をしておくといろんなメリットがあります。
さて今週はスポーツを楽しみました。もう10キロを走れます。コースの一部は歩きましたが、それでも事故前の記録に近づきました。
そして登山ですが、麓歩きではなく展望台まで歩きました。第1・第2・第3展望台までの3時間コースは大丈夫です。いつかアポキンドの滝まで8時間コースも歩けるようになると思います。
土曜日はサッカー教室。34度まで気温は上がりましたが、何とか最後まで楽しく練習しました。
日曜日のマラソン練習は4名で実施。私は遅いけど、久しぶりに全く歩かないで走りました。
こうして自分の身体を自由に動かせることができるのは最高の幸せです。もう日焼けして顔や首筋はかなり黒いです。
今週は嫁さんの誕生日になったので、彼女の好きなカニ料理を食べに行きました。

(政治)

1)ボリッチ動向
 チリ投資会
 28か国の参加がありました。40億ドルの投資が考えられているとか。ボリッチはその会議に出席して、各企業の代表にチリの投資は安全です。規則は最後まで変更することはなく継続しますからとしました。
 ペペ・ムヒカ
 元ウルグアイ大統領のムヒカとモネダ宮殿で面談しました。彼は南米の小さな国のウルグアイを世界にその存在を認めさせる光った国にする大きな業績を残しています。ボリッチもその後を歩いてほしいですが。
 カスティジョ大統領
 ペルーは大変なことになりましたね。彼はその朝、大統領として議会に行き、出たときは拘留されて拘置所に。
 一日でそんな大きな変化があるのですね。彼は先週チリに来た時、その問題を抱えていたわけで、ボリッチにいったいどんなコメントをしたのでしょう。ボリッチは彼を釈放するよう要求することも新大統領に応援を送ることもなく沈黙を続けています。
 ボリッチも4年の任期を完了できないと言う噂があります。まったく大統領として機能しない、チリがそのレベルを落としていくと国民の支持は最悪レベルになり、ペルーのようなケースも考えられるというわけです。
 検察総長
 新総長について大きな動きはなく、誰が最終候補者になるのかも決まっていません。さて先日、トラック業界のデモ・ストがありましたが、なんでも検察関係者がストに入ると言う噂があります。彼らは一般公務員よりずっと高いレベルの給料をもらっていますが、もっと頂きたいとするわけです。反政府運動ですね。どうなるかな?

 新憲法
 もういつもと同じで与野党ともそれを前進させる能力を持っていません。前回のように市民の投票で新憲法設置の方法を決めるとするのか委員会を、例えば議員が半数、残りは一般市民で結成するとか、方法はいろいろあるでしょうが、どれが良いのか意見が分かれ、どれを議会案として国民に提示するのか決定されません。いつも今週中に決定しますと言っていますが・・・・
 ボリッチは就任してからその新憲法の発効を目標にしてそれ以外は二番手にしていました。もちろん、彼とすれば、新憲法を成立させた大統領として後世に名が残ると考えたわけですね。ところが、国民から新憲法は見放され、放置していた犯罪問題や経済成長、インフレ抑制などは悪い方向に進み最悪の状況です。

(経済)

1)中銀情報
 これまで11回連続して公定歩合を上げてきましたが、今回は11.25%を維持。来年4月から引き下げに向かうかもとか。
 しかし中銀の来年の予想は投資は減少、成長率はマイナス、そしてインフレは継続するとしています。
 環境保全に関する投資では、ソキミチのリチウム関連などを含め今年1-11月で587件が申請されましたが、それは昨年の867件より大きく下回っており、1997年以来の最小の数字とか。投資全般が落ち目なのですね
2)インフレIPC
 11月は1%で、過去12か月では13.3%の上昇です。最近、過去12か月の数字は減少していましたが、今回は逆に上昇しました。
 つまりまだ落ち着いて いる状態ではないということです。1994年以来の最悪の状況とか。
 細かい点ですが、売り上げ額が大きく減少している例として携帯電話42%減少、パソコン42%、テレビ39%などが上がっています。


2)銅価格と為替
 1ポンド3.85ドルと上昇。そのため1ドルは879ペソとペソ高になりました。
 ボリッチも大蔵大臣もこの数字にニッコリでしょうね。

(一般)

1)ロ・バスケ教会
 8日はカトリックの祝日でした。サンティアゴバルパライソの間に位置するその教会に100万人を超える人が押し掛けました。
 コロナで2年間、この集まりは禁止されていたので、2年ぶりに盛り上がりました。
 教会の近くから教会まで膝まづいて歩いたり、もっと厳しいのは寝そべって腹部を地面につけて前進です。
 以前のお願いがかなったので、そのお礼に腹ばいで教会に入りますと信者の一人がテレビカメラに向かって苦しそうにコメントしていました。
 チリのカトリックは年々人気を失っていますが、こうした行事は根強いですね。
2)コロナ問題
 最近、ほとんど動きはなく一日あたり新規患者最高4000人、新感染率は13%ほどです。10月末に一日8000人
 19%の感染率でしたから、以前のように政府が統制をしていないのに、明らかに下がっていますね。
3)マプチェ問題
 コジプジ地区で家屋への放火が起きました。もういつものことですね。
 山火事
 マプチェと関連しませんが、高温と乾燥から山火事が広がっています。各地で消火作業が続いていますが、大変です。
4)チリ人の考え
 世論調査で現在のチリは他のラテンアメリカ諸国と比較してどうだろうと聞かれるとチリ人の回答は次のようでした。
 ほかの国より犯罪がひどい   60%
 ほかの国より経済成長が低い  44%
 政治の安定さが低い      40% 
 明らかに3年前の社会騒乱以前とはチリ人の心境が変わりました。それまではチリはラ米のトップと思っていたのですが。

 サンティアゴの隣のバルパライソ州で不法建設(空き地に勝手に家を建てる)が昨年403ヘクタールだったのに今年は650に急上昇。政府は何もできないのですね。もちろんそこだけではなく首都圏も同じですが。またバルパライソの住宅地の近くの山地にも火事が起きるでしょうね。
 北部のラスカル火山が噴火を始めました。サン・ペドロ・デ・アタカマと言う観光地の近くです。

以上

チリの風 その1020 2022年11月27日ー12月4日

1週間の南部の旅を終えて戻ってきました。気温は約10度の差がありました。例えば最高気温がサンティアゴは30度、プエルト・バラスは20度という感じです。今日、日曜日は首都圏で34度まで上がっています。暑い。
もちろんどこでも、そこに住む人は精いっぱいの努力をして生活しているのは当然です。何もしないで楽しい生活を送れるわけはありません。
旅に出て、いろんな人と知り合いになって話が進むのが面白いです。今回は二組ありました。先ず飛行機の中で知り合った家族(おばあちゃん、母親、6か月の赤ちゃん)がなんと同じホテルに入っていて、毎朝、朝食を隣のテーブルに座って食べながら話をしました。それからホテルの近くのレストランで毎晩夕食を取りましたが、そのオーナー親子と知り合いになり、話が弾み、大学を卒業した息子さんが日本に興味があると言うのでサンティアゴに来た時、招待したいと言いました。また日本訪問をしたいならいろいろお手伝いできるとしました。
嫁さんがドイツケーキの作り方を習うためにそこに行ったのですが、彼女が3日間その実習をしているとき、私はそのプエルト・バラスとフルティジャールの町を歩きました。不動産屋に行って売りに出ている家の見学もしました。
そうしていろんなことを楽しめるのが幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
 エルウィンの像
 モネダ宮殿の前の広場に民主化してからの初代大統領エルウィンの像を立て、そのお祝いをしました。キリスト教民主党の彼が就任したのは1990年のことですが、軍事政権の後の初代大統領ですから、彼の責任は大変なものだったでしょうね。一方的にピノチェットを批判すると彼の支持者との対決がひどくなるし、逆に全くそれに触れなければ民主化運動のグループから批判を受けるでしょうから。私は彼は4年間よくやったと思います。
 来年、軍事革命50周年になりますから、ボリッチはそれをどう取り上げるか考えているでしょう。
 外交問題
 ボリビアがオランダのハーグ国際法廷にチリを訴えていたシララ川問題はチリのその川の水の使用に不正はないと結審されました。
 その川はボリビアの領土からチリの方に流れているので、チリはその川の水を盗んでいるのではないとされたわけですね。
 それからペルーからカスティージョ大統領が火曜日チリを訪問。モネダ宮殿でボリッチと面談しました。その日のうちにリマに戻りました。
 彼はもう何回も国会で大統領職を罷免されそうになる事態に直面していますが、毎日何を考えて仕事をしているのでしょう。

 検察総長の任命
 ボリッチが名指ししたモラレスは上院で否決されました。与党の中で反対票を投じた議員がいるわけですね。いつもと同じ与党内の混乱。
 彼は自分が15年間、検察官として働いていた時の情報が流されて、それが反対票になったと言われるが、それは不適切なことではないだろうかと政府を批判するようなコメントをしています。
 似たようなケースですが、新憲法に関し、だれがその憲法を作るのか、それがいつまでたってもはっきりしません。今の様子では国会で新憲法設立委員会を作り、議員が半分、一般市民が半分の数で憲法を用意するとなっても国民は喜ばないでしょうね。

(経済)

1)月例経済成長指数
中銀発表の指数は10月はマイナス1.2%でした。
来年はマイナス成長は間違いないと言われますが、それではその次の2024年にどれだけプラス成長が見込まれるのか計画してほしいですね。
大蔵大臣はチリは来年からTPP11に加盟すると発表しました。外国資本がチリの鉱山に投資をしてくれるかな?
2)銅価格と為替
 1ポンド3.78ドルとかなり上がりました。そのため1ドル885ペソとペソが強くなっています。
 1ドル1000ペソを超した時もあったのですが、10%以上もペソが強くなりました。 何度も書いていますが、このまま銅価格が上がるとチリ経済の成長率はマイナスではなくプラスになるはずです。
3)新車の販売
 11月の新車の販売は31708台と前年同月の18.7%減少でした。
 経済の停滞、市民の購買意欲の減少はもう間違いないようです。

(一般)

1)コロナ問題
 毎日の新規患者数は4000人ほどで増えることはなく、陽性率は14%ほどで安定。最近、良くも悪くもなく落ち着いています。最初の患者が出
たのは2020年3月ですから、もう33か月前です。この2週間で患者数が28%減少したと言われますが、それはPCR検査数が減少したからです。
 さて、以前は旅に出ると、ワクチン接種証明書(移動パス)があちこちで要請されましたが、今回は一度も見せることはありませんでした。
 私たちの乗った便は往復とも満席でした。ホテルの客も食堂を見ると、私たちの使った一番早い時間は満席でした。観光・仕事の国内での動きは完全に元に戻っていますね。
2)大学入試
 入試申請した学生の9割が受験とか。ところで今年の学生数は昨年より5万人も減っています。義務教育の子供が学校をやめてその後どう生活するのでしょう。この辺は政府はもっと手を入れて、コロナで親が失業したというのが理由なら奨学金を出すのがベストではないでしょうか?

3)暴動騒ぎ
 3年前の社会騒乱から、デモ隊が一番集まったのはイタリア広場です。そこに立っていたバケダーノ将軍の像はほかの場所に移されましたがその広場は荒れたままになっていました。それが今週から手が入って、広場に芝生の緑が見れます。その緑が続くことを願います。
 マプチェの問題ですが、裁判になっているマプチェグループのリーダーのジャイツルに25年の懲役が検察から要求されました。彼が有罪になって刑務所に収監されたらそのグループは全力を挙げて攻撃に出るでしょうね。木材会社だけでなく、学校・市役所・教会そして警察署を襲うでしょう。彼の弁護士はこれは犯罪問題ではなく政治問題だと政府を批判しています。政府はこの刑期は納得できるとしています。
先週のトラックのストは収まったようですが、新聞にブリオネスのコメントが掲載されました。彼はピニェラ政権の大蔵大臣をして大統領候補になった人です。「トラック業界の圧力に正当に対応できず、彼らの要求を呑む事態は政府として大きな問題を抱えている。これは氷山の一角で、きっと似たような例がほかにもあるはずだ」としました。
チリが民主化してから中道左翼は何回も政権を握っていますが、大きな問題はなく政治を動かしていました。今回のボリッチはそれらと比較してひどい状態というのはよくわかります。つまり彼の政権の基礎の新左翼共産党が知識経験が少ないので運営が上手くいかないのでしょう。


以上

チリの風 その1019 2022年11月21日ー26日

今週のチリの風 は土曜日までです。それは日曜日から嫁さんと南の旅に出るから。今回はプエルト・バラスとフルティジャールに行きます。
いつかそのフルティジャールに移住するのを夢見ているのですが・・・

サンティアゴは連日30度を超える日が続きました。しかし湿度は低いし風があるので公園の木陰のベンチに座ると気持ち良いです。

先月、山登りをして戻りの時転倒して胸を強打しました。病院の緊急病棟に行って半日入院して調べてもらったら肺に穴が開いて液体が入っていました。気胸(ききょう)と言われる症状です。それを何とか乗り越えて正常に戻れるよう努力しました。
何もせずにじっとしなさいと言う意見も聞きましたが、それなら1か月もすると私の年齢ではスポーツどころか散歩をするのも難しくなると思い、翌日から少しづつ歩き始めました。今週は10キロを走ったり歩いたり、先週より早くなりました。
仲間と麓歩きの山歩きもしました。もちろん軽い歩きです。胸の奥に亀裂があるのを感じますが、それでもちゃんと歩けました。
土曜日は久しぶりにサッカー教室。十数人の子供大人と楽しく練習しました。つまり今週はマラソン、登山そしてサッカーを楽しみました、
運が悪くて事故にあいましたが、運が良くてまた少しづつ元に戻ってきています。
それが人生ですね。幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
タイから戻ってきたばかりのボリッチは今週またメキシコに飛びました。メキシコでの毎日の行事の内容は大統領府のお知らせに書かれています。メキシコとの友好が図れたとボリッチはコメントしました。
ただ訪問の目的だった太平洋同盟の会議は中止とか。それはチリ・ペルー・コロンビアそしてメキシコの集まりです。メインの会議が中止なら訪問する意義は無い(減少する)と思えますが、チリにいるより外に出た方が彼には楽しいと感じるのではと思います。中止になったその会議はペルーで行われるらしい。じゃ、彼はまた外遊ですね。
世論調査で今週は彼の人気が少し下がったとか。先週上がって今週下がるというのはほとんど意味がないですね。
1%上がっても2%下がっても同じです。今週の数ですが支持するは31%、不支持は61%でした。
検察庁の長官にホセ・モラレスが選ばれました。ボリッチが彼を選んだ理由はそのうち分かるはずです。議会でそれを投票します。
新政権になって8か月ですが、ボリッチは政府高官の52%を入れ替えました。ピニェラは同時期で41%だったとか。つまり前政権で選ばれて働いていた高官を入れ替えていくわけですね。
2)新憲法委員会
議会で新憲法に関して会議がされていますが、全く盛り上がりません。世論調査では憲法改正は必要だが焦ることはないとする人が多数とか。
土曜日の新聞の経済欄に2ページの特集で渋谷大使の面談が掲載されました。彼はTPP11の専門家ですから日本企業の動きはしっかり把握しています。先の新憲法制定の投票でノーが圧勝したことを日本の企業は評価したとか。

(経済)

1)チリの経済成長率
OECDの発表ではチリの来年の経済成長率はこれまで予想されていたのと同じマイナス成長です。もちろんプロの人が判断に必要な数字を集めて結論を出すのですから間違いは少ないでしょうが。それからアンドレス・べーヨス大学の発表ですが、チリ経済の現状はインフレ・失業率・政府の負債とか多くの項目で2020年以来の最低の状況とか。
2)銅価格と為替
 1ポンド3.66ドルと先週とほとんど同じ。為替は1ドル924ペソと少しペソが下がりました。

(一般)

1)トラックのスト
 幹線道路にトラックが並んで止まり、一車線を抑えました。月曜日から始まり、もう一週間です。ディ-ゼル燃料費の高騰を政府にクレームしているのに全く反応がないからとか。コストが上がった分だけ利益が減少するのでしょうね。それで赤字になればなんのために働いているのかということになります。北部でトラックが襲われ、運転手が殺された事件がありましたが、それはトラック業界だけでなくチリの市民一般の厳しい状況です。
政府はトラック業界にディ-ゼルオイル価格の据え置きなどを提案しましたが、合意に達しないので国家安全法を用いてデモのトラックを排除する方針です。専門家の話ではガソリン価格の高騰は現政権・前政権の責任ではないとしています。
ただチリのガソリン価格はラテンアメリカの中で2番目に高いとか。もちろんこれは政府の税金のためで、それを下げれば価格は自動的に安くなりますが、政府の税収の重要な部分を占めているガソリン税の縮小はできませんね。
トラックのストが続くともちろん物流に影響し、北部からくる果物の値段が上がっているとか。北部の地区でガソリンスタンドにガソリンが無くなっているとのニュースも出ています。

ボリッチはメキシコからこの件に関しコメントし、政府の言うことを聞かないトラック業界に対し、鉄道網を充実させると発表しました。今まで何人もの大統領が同じことを言って誰もできませんでした。

2)コロナ問題
 先週とほとんど同じで一日の最高患者数は5800人でした。陽性率は毎日15%くらいが続いています。
 つまり良くもなっていないが悪くもなっていないと言うことでしょう。
3)暴力問題
 マプチェ問題はいつもと同じです。
 放火の罪で5名が逮捕されました。そのうちの一人はマプチェグループのリーダージャイツルの息子でした。
 高校生デモ
政治的に抑えようとしないという噂もあります。高校やそこが属する地区の区役所を罰するのは後で影響が出てくるので、できるだけ問題を大きくしないように放置していると言われるわけです。
マプチェや高校生デモの問題はルールを決めてそれを守るというのが、単純でやりやすいと思いますが。
タダ乗り
3年目の社会騒乱は高校生の地下鉄タダ乗り運動から始まりましたが、まだ公共バスのタダ乗りが続いています。運輸省の発表では今年は40%で、昨年の36%より増加しているとか。どこからその数字が出てくるのかわかりませんが、大変な問題です。私もバスに乗っていますが、その路線のタダ乗りは10%くらいです。路線によって、地区によってタダ乗りする人の数は変わるのですね。
しかしそれだけタダ乗りされればバス会社に利益は残りませんね。バス代を上げるという噂は出ますが、市民の反発があるので、政府はその時期を遅くしようとしています。
このタダ乗りを防ぐために政府は監査員をもっと使いたいとしています。それでは私のアイデアを伝えます。タダ乗りチェックの監査員を最低賃金で雇用します。タダ乗り客を見つけたら、政府はその人に罰金を払わせます。そこでその罰金の一部を監査官にボーナスにします。で出すわけです。すると最低賃金がたぶんその2倍になって監査員は生き生きと働くでしょう。甘いかな?

(スポーツ)

1)サッカー
チリは参加していないので今週は日本の話題にします。カタールワールドカップでこの水曜日、日本はドイツと対戦。
私は最近チリ代表の試合もほとんど見ませんが、日本の対ドイツ戦は見ました。テレビでは報道されなかったのでインターネットで見ました。
日本の2点目のゴール、浅野ですが、素晴らしかったです。それから日本の勝利は私の目にはゴールキーパーがもっとも重要な役割をしたと思います。
ごめん、チリの風と全然関係ありません。


以上

チリの風 その1018 2022年11月14日ー20日


サンティアゴは先週と大きく変わって、また最高30度の日が続いています。なんでも今月は過去10年間で最も気温の高い11月になりそうとか。
ジャカランダの紫の花が満開です。私の住む地区の街路樹としてジャカランダは多く植えられています。

さて今週の最大の話題は仲間と一緒に招待されてサンティアゴ大学の日本語学科の4年生と5年生のクラスの授業に参加したことです、日本では大学は4年制ですが、チリでは5年制です。それぞれ20名くらいの学生でした。もちろん彼らは日本語を理解し、読み書きもできます。
いろんな討論もしましたが、彼らがそこを卒業してどんな分野に入るのか楽しみです。

目の具合が悪く何回も病院に行きましたが、そこでもらった処方箋で眼鏡を作ることにしました。病院の眼鏡売り場では9万ペソと言われました。区役所が関連している眼鏡屋さんで区民証を見せると2万ペソでした。そこで眼鏡を作り、今それを使っています。しかしその価格の差はひどいですね。
スポーツも楽しんでいます。10キロを歩いたり走ったりしました。先週よりかなり早くなりました。もう一歩。
私の住むビルの前の道路の排水管の問題で金曜日、マンション全部が断水になりました。土曜日に大事な集まりがあったのですが中止になりました。運が悪いとそういうこともあるわけですね。その問題は土曜日の午後に解決しました。
さて来週は、27日の日曜日から1週間、妻と南部の旅を楽しみます。

(政治)

1)ボリッチ動向
 APECに参加するためタイに飛びました。初日はカナダ、日本の首相と面談。二日目も何人かの首脳と面談しましたが一番話題になったのは中国の習近平との面談でした。新聞に大きく報道されました。来年、訪中するらしい。
 さてチリのマスコミには日本首相と面談と報道されましたが、日本のマスコミではそれは全く出てきません。チリの重要性が日本では認められていないのでしょうね。もっともチリの新聞には中国の習近平との面談は大きく報道されましたが、岸田首相の方はほんの少しでした。ボリッチはその面談について、「チリは世界を必要としている。そして世界もチリを必要としている。チリは世界が正常に通常に進展するよう一層の努力をしたい」としました。さらに付け加えて、「中国首脳と素晴らしい会談を持てた。チリと中国が手を取り合って進むのは両国にとって素晴らしいことだ。来年、彼らの招待を受け、訪中してこの動きを一層堅固なものにしたい」としました。彼は中国がTPP11 に加盟するよう誘っているとか。 ボリッチにすれば中国がチリの明暗を決める国なのでしょう。
もっと銅を買ってくれれば、車をどんどん買いますよ。電動バスはチリでかなり走っていますが、全部中国製ですね。これから中国の属国になるの?前のピニェラも中国の重要さは理解していましたが、中国びったりではありません。アメリカの顔をうかがっていたのかな?
その点ボリッチはアメリカの様子を見るつもりは全くないですね。
ところで世論調査では風が変わって彼を評価すると言うのが少し増えています。

2)来年度予算
下院で予算案は認められ上院に送られました。成立するかな?
新税法が問題になっていますが、チリの場合は、会社のオーナー・幹部への税金は他国に比較して、それほど低くは無いようです。
さて先週から下院の議長が変わりました。新左翼の30代の男性です。議員が騒いで、議長の言うことを聞かないので、何度も警告の発言をしますが、議員は聞きません。野党側は役に立たない議長を罷免しようかという声も出ています。

それから野党(右翼)の結束が問題になっています。9月の新憲法是非の投票で反対派が圧倒したわけですが、その右翼の勝利を使って野党側が反政府として統一するのが普通ですが、チリの場合は新左翼・旧左翼が争っているように、右翼側も新右翼・旧右翼が仲良くできません。つまり左右の争いが盛り上がらないわけです。

(経済)

1)経済成長率
 今年の第3四半期は0.3%でした。そのため今年はそこそこの数字で終わるでしょうが、来年の予想数字はマイナス成長だろうというのは変わりません。にもかかわらず、この夏から再度、不法移民が大量にチリに入ってくるだろうと予想されています。
チリは不景気でもほかの国よりよさそうとみられているのでしょうか?
2)銅価格と為替 
先週は銅価格が大きく伸びましたが、今週は全く逆に大きく下がりました。需要供給の問題ではないのでしょうね。
1ポンド3.65ドルでした。そのため1ドル921ペソとペソの価値が大きく下がりました。
3)欧州連盟との自由貿易協定
 チリとEUの間で合意に達し、来週調印式がブリュッセルで行われるとか。昨年197億ドルの貿易がありました。関税が無くなれば、その額はさらに増加するでしょうね。

(一般)

1)暴力事件
先週と同じです。高校生のデモでまた火炎爆弾が投げられました。それを投げる白色のオーバーオールを着た学生が、高校の敷地に逃げ込むと警察は中に入りません。警察が犯人を追って高校の敷地に入るのを認めるようにすべきという声が出ています。
学校関係者(教師や職員)が、学生を怖がっているという話もあります。そんなことはやめなさいと言うと攻撃されるのかな?
マプチェの放火事件も継続。同じことが起こっています。そこでテロリスト法案が問題になっています。検察から現行法では取り締まりがうまくいかないという声が出ています。それならテロリスト法案を改正する必要があります。もっとも新左翼の中にはテロリストという名前で反政府グループを抑えるのはどうかという声もあります。
2)COP27
すっきりと結論・合意事項が出ないようですが、各国の気候変動対策のランキングが発表されました、チリは6位で、昨年9位よりランクアップ。
日本は50位、中国は51位とか。チリってそんなに頑張っているのですか。
3)コロナ問題
 今週の新規感染者数は最近としてはやや少ない一日平均6000名ほどでした。陽性率も少し下がって15%くらい。すごく良くなったわけではありませんが、それほど悪くはなっていないという感じでしょう。ピニェラ政権の時は外出禁止など多くの手が打たれましたが、ボリッチ政権では自由に放置されています。大観衆のコンサートをマスクもしないで実施。それでも患者が増えないのは何故でしょう?ワクチンさえ打てばもうあとは何もしなくても良いのですか?
4)国内線の飛行機
10月の国内線の利用客はコロナ問題前のレベルに戻りました。正常化が進んだのですね。
今週、ラタム航空の飛行機がリマで事故を起こし、消防の人に死亡が出ました。このためチリ・ペルー間の便が一時、全部止まり、両国の空港で多くの乗客が困っていました。
5)ビジャリカ火山
南米で最も活発な火山と言われますが、最近また活動が目立ち、警戒警報が出ました。その近くの町プコンは観光地として有名ですが、観光客の数は減っていません。数年前に大爆発したとき付近の地区は火山灰で覆われました。今回はどうかな?

(スポーツ)

1)サッカー
ワールドカップが始まりました。チリは参加していないのに、国内は盛り上がっています。同じ画面ですが、その試合を複数のチャンネルが放送しています。それほど値打ちがあるとは思えませんが。

以上