チリの風 その1019 2022年11月21日ー26日

今週のチリの風 は土曜日までです。それは日曜日から嫁さんと南の旅に出るから。今回はプエルト・バラスとフルティジャールに行きます。
いつかそのフルティジャールに移住するのを夢見ているのですが・・・

サンティアゴは連日30度を超える日が続きました。しかし湿度は低いし風があるので公園の木陰のベンチに座ると気持ち良いです。

先月、山登りをして戻りの時転倒して胸を強打しました。病院の緊急病棟に行って半日入院して調べてもらったら肺に穴が開いて液体が入っていました。気胸(ききょう)と言われる症状です。それを何とか乗り越えて正常に戻れるよう努力しました。
何もせずにじっとしなさいと言う意見も聞きましたが、それなら1か月もすると私の年齢ではスポーツどころか散歩をするのも難しくなると思い、翌日から少しづつ歩き始めました。今週は10キロを走ったり歩いたり、先週より早くなりました。
仲間と麓歩きの山歩きもしました。もちろん軽い歩きです。胸の奥に亀裂があるのを感じますが、それでもちゃんと歩けました。
土曜日は久しぶりにサッカー教室。十数人の子供大人と楽しく練習しました。つまり今週はマラソン、登山そしてサッカーを楽しみました、
運が悪くて事故にあいましたが、運が良くてまた少しづつ元に戻ってきています。
それが人生ですね。幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
タイから戻ってきたばかりのボリッチは今週またメキシコに飛びました。メキシコでの毎日の行事の内容は大統領府のお知らせに書かれています。メキシコとの友好が図れたとボリッチはコメントしました。
ただ訪問の目的だった太平洋同盟の会議は中止とか。それはチリ・ペルー・コロンビアそしてメキシコの集まりです。メインの会議が中止なら訪問する意義は無い(減少する)と思えますが、チリにいるより外に出た方が彼には楽しいと感じるのではと思います。中止になったその会議はペルーで行われるらしい。じゃ、彼はまた外遊ですね。
世論調査で今週は彼の人気が少し下がったとか。先週上がって今週下がるというのはほとんど意味がないですね。
1%上がっても2%下がっても同じです。今週の数ですが支持するは31%、不支持は61%でした。
検察庁の長官にホセ・モラレスが選ばれました。ボリッチが彼を選んだ理由はそのうち分かるはずです。議会でそれを投票します。
新政権になって8か月ですが、ボリッチは政府高官の52%を入れ替えました。ピニェラは同時期で41%だったとか。つまり前政権で選ばれて働いていた高官を入れ替えていくわけですね。
2)新憲法委員会
議会で新憲法に関して会議がされていますが、全く盛り上がりません。世論調査では憲法改正は必要だが焦ることはないとする人が多数とか。
土曜日の新聞の経済欄に2ページの特集で渋谷大使の面談が掲載されました。彼はTPP11の専門家ですから日本企業の動きはしっかり把握しています。先の新憲法制定の投票でノーが圧勝したことを日本の企業は評価したとか。

(経済)

1)チリの経済成長率
OECDの発表ではチリの来年の経済成長率はこれまで予想されていたのと同じマイナス成長です。もちろんプロの人が判断に必要な数字を集めて結論を出すのですから間違いは少ないでしょうが。それからアンドレス・べーヨス大学の発表ですが、チリ経済の現状はインフレ・失業率・政府の負債とか多くの項目で2020年以来の最低の状況とか。
2)銅価格と為替
 1ポンド3.66ドルと先週とほとんど同じ。為替は1ドル924ペソと少しペソが下がりました。

(一般)

1)トラックのスト
 幹線道路にトラックが並んで止まり、一車線を抑えました。月曜日から始まり、もう一週間です。ディ-ゼル燃料費の高騰を政府にクレームしているのに全く反応がないからとか。コストが上がった分だけ利益が減少するのでしょうね。それで赤字になればなんのために働いているのかということになります。北部でトラックが襲われ、運転手が殺された事件がありましたが、それはトラック業界だけでなくチリの市民一般の厳しい状況です。
政府はトラック業界にディ-ゼルオイル価格の据え置きなどを提案しましたが、合意に達しないので国家安全法を用いてデモのトラックを排除する方針です。専門家の話ではガソリン価格の高騰は現政権・前政権の責任ではないとしています。
ただチリのガソリン価格はラテンアメリカの中で2番目に高いとか。もちろんこれは政府の税金のためで、それを下げれば価格は自動的に安くなりますが、政府の税収の重要な部分を占めているガソリン税の縮小はできませんね。
トラックのストが続くともちろん物流に影響し、北部からくる果物の値段が上がっているとか。北部の地区でガソリンスタンドにガソリンが無くなっているとのニュースも出ています。

ボリッチはメキシコからこの件に関しコメントし、政府の言うことを聞かないトラック業界に対し、鉄道網を充実させると発表しました。今まで何人もの大統領が同じことを言って誰もできませんでした。

2)コロナ問題
 先週とほとんど同じで一日の最高患者数は5800人でした。陽性率は毎日15%くらいが続いています。
 つまり良くもなっていないが悪くもなっていないと言うことでしょう。
3)暴力問題
 マプチェ問題はいつもと同じです。
 放火の罪で5名が逮捕されました。そのうちの一人はマプチェグループのリーダージャイツルの息子でした。
 高校生デモ
政治的に抑えようとしないという噂もあります。高校やそこが属する地区の区役所を罰するのは後で影響が出てくるので、できるだけ問題を大きくしないように放置していると言われるわけです。
マプチェや高校生デモの問題はルールを決めてそれを守るというのが、単純でやりやすいと思いますが。
タダ乗り
3年目の社会騒乱は高校生の地下鉄タダ乗り運動から始まりましたが、まだ公共バスのタダ乗りが続いています。運輸省の発表では今年は40%で、昨年の36%より増加しているとか。どこからその数字が出てくるのかわかりませんが、大変な問題です。私もバスに乗っていますが、その路線のタダ乗りは10%くらいです。路線によって、地区によってタダ乗りする人の数は変わるのですね。
しかしそれだけタダ乗りされればバス会社に利益は残りませんね。バス代を上げるという噂は出ますが、市民の反発があるので、政府はその時期を遅くしようとしています。
このタダ乗りを防ぐために政府は監査員をもっと使いたいとしています。それでは私のアイデアを伝えます。タダ乗りチェックの監査員を最低賃金で雇用します。タダ乗り客を見つけたら、政府はその人に罰金を払わせます。そこでその罰金の一部を監査官にボーナスにします。で出すわけです。すると最低賃金がたぶんその2倍になって監査員は生き生きと働くでしょう。甘いかな?

(スポーツ)

1)サッカー
チリは参加していないので今週は日本の話題にします。カタールワールドカップでこの水曜日、日本はドイツと対戦。
私は最近チリ代表の試合もほとんど見ませんが、日本の対ドイツ戦は見ました。テレビでは報道されなかったのでインターネットで見ました。
日本の2点目のゴール、浅野ですが、素晴らしかったです。それから日本の勝利は私の目にはゴールキーパーがもっとも重要な役割をしたと思います。
ごめん、チリの風と全然関係ありません。


以上