チリの風 その1018 2022年11月14日ー20日


サンティアゴは先週と大きく変わって、また最高30度の日が続いています。なんでも今月は過去10年間で最も気温の高い11月になりそうとか。
ジャカランダの紫の花が満開です。私の住む地区の街路樹としてジャカランダは多く植えられています。

さて今週の最大の話題は仲間と一緒に招待されてサンティアゴ大学の日本語学科の4年生と5年生のクラスの授業に参加したことです、日本では大学は4年制ですが、チリでは5年制です。それぞれ20名くらいの学生でした。もちろん彼らは日本語を理解し、読み書きもできます。
いろんな討論もしましたが、彼らがそこを卒業してどんな分野に入るのか楽しみです。

目の具合が悪く何回も病院に行きましたが、そこでもらった処方箋で眼鏡を作ることにしました。病院の眼鏡売り場では9万ペソと言われました。区役所が関連している眼鏡屋さんで区民証を見せると2万ペソでした。そこで眼鏡を作り、今それを使っています。しかしその価格の差はひどいですね。
スポーツも楽しんでいます。10キロを歩いたり走ったりしました。先週よりかなり早くなりました。もう一歩。
私の住むビルの前の道路の排水管の問題で金曜日、マンション全部が断水になりました。土曜日に大事な集まりがあったのですが中止になりました。運が悪いとそういうこともあるわけですね。その問題は土曜日の午後に解決しました。
さて来週は、27日の日曜日から1週間、妻と南部の旅を楽しみます。

(政治)

1)ボリッチ動向
 APECに参加するためタイに飛びました。初日はカナダ、日本の首相と面談。二日目も何人かの首脳と面談しましたが一番話題になったのは中国の習近平との面談でした。新聞に大きく報道されました。来年、訪中するらしい。
 さてチリのマスコミには日本首相と面談と報道されましたが、日本のマスコミではそれは全く出てきません。チリの重要性が日本では認められていないのでしょうね。もっともチリの新聞には中国の習近平との面談は大きく報道されましたが、岸田首相の方はほんの少しでした。ボリッチはその面談について、「チリは世界を必要としている。そして世界もチリを必要としている。チリは世界が正常に通常に進展するよう一層の努力をしたい」としました。さらに付け加えて、「中国首脳と素晴らしい会談を持てた。チリと中国が手を取り合って進むのは両国にとって素晴らしいことだ。来年、彼らの招待を受け、訪中してこの動きを一層堅固なものにしたい」としました。彼は中国がTPP11 に加盟するよう誘っているとか。 ボリッチにすれば中国がチリの明暗を決める国なのでしょう。
もっと銅を買ってくれれば、車をどんどん買いますよ。電動バスはチリでかなり走っていますが、全部中国製ですね。これから中国の属国になるの?前のピニェラも中国の重要さは理解していましたが、中国びったりではありません。アメリカの顔をうかがっていたのかな?
その点ボリッチはアメリカの様子を見るつもりは全くないですね。
ところで世論調査では風が変わって彼を評価すると言うのが少し増えています。

2)来年度予算
下院で予算案は認められ上院に送られました。成立するかな?
新税法が問題になっていますが、チリの場合は、会社のオーナー・幹部への税金は他国に比較して、それほど低くは無いようです。
さて先週から下院の議長が変わりました。新左翼の30代の男性です。議員が騒いで、議長の言うことを聞かないので、何度も警告の発言をしますが、議員は聞きません。野党側は役に立たない議長を罷免しようかという声も出ています。

それから野党(右翼)の結束が問題になっています。9月の新憲法是非の投票で反対派が圧倒したわけですが、その右翼の勝利を使って野党側が反政府として統一するのが普通ですが、チリの場合は新左翼・旧左翼が争っているように、右翼側も新右翼・旧右翼が仲良くできません。つまり左右の争いが盛り上がらないわけです。

(経済)

1)経済成長率
 今年の第3四半期は0.3%でした。そのため今年はそこそこの数字で終わるでしょうが、来年の予想数字はマイナス成長だろうというのは変わりません。にもかかわらず、この夏から再度、不法移民が大量にチリに入ってくるだろうと予想されています。
チリは不景気でもほかの国よりよさそうとみられているのでしょうか?
2)銅価格と為替 
先週は銅価格が大きく伸びましたが、今週は全く逆に大きく下がりました。需要供給の問題ではないのでしょうね。
1ポンド3.65ドルでした。そのため1ドル921ペソとペソの価値が大きく下がりました。
3)欧州連盟との自由貿易協定
 チリとEUの間で合意に達し、来週調印式がブリュッセルで行われるとか。昨年197億ドルの貿易がありました。関税が無くなれば、その額はさらに増加するでしょうね。

(一般)

1)暴力事件
先週と同じです。高校生のデモでまた火炎爆弾が投げられました。それを投げる白色のオーバーオールを着た学生が、高校の敷地に逃げ込むと警察は中に入りません。警察が犯人を追って高校の敷地に入るのを認めるようにすべきという声が出ています。
学校関係者(教師や職員)が、学生を怖がっているという話もあります。そんなことはやめなさいと言うと攻撃されるのかな?
マプチェの放火事件も継続。同じことが起こっています。そこでテロリスト法案が問題になっています。検察から現行法では取り締まりがうまくいかないという声が出ています。それならテロリスト法案を改正する必要があります。もっとも新左翼の中にはテロリストという名前で反政府グループを抑えるのはどうかという声もあります。
2)COP27
すっきりと結論・合意事項が出ないようですが、各国の気候変動対策のランキングが発表されました、チリは6位で、昨年9位よりランクアップ。
日本は50位、中国は51位とか。チリってそんなに頑張っているのですか。
3)コロナ問題
 今週の新規感染者数は最近としてはやや少ない一日平均6000名ほどでした。陽性率も少し下がって15%くらい。すごく良くなったわけではありませんが、それほど悪くはなっていないという感じでしょう。ピニェラ政権の時は外出禁止など多くの手が打たれましたが、ボリッチ政権では自由に放置されています。大観衆のコンサートをマスクもしないで実施。それでも患者が増えないのは何故でしょう?ワクチンさえ打てばもうあとは何もしなくても良いのですか?
4)国内線の飛行機
10月の国内線の利用客はコロナ問題前のレベルに戻りました。正常化が進んだのですね。
今週、ラタム航空の飛行機がリマで事故を起こし、消防の人に死亡が出ました。このためチリ・ペルー間の便が一時、全部止まり、両国の空港で多くの乗客が困っていました。
5)ビジャリカ火山
南米で最も活発な火山と言われますが、最近また活動が目立ち、警戒警報が出ました。その近くの町プコンは観光地として有名ですが、観光客の数は減っていません。数年前に大爆発したとき付近の地区は火山灰で覆われました。今回はどうかな?

(スポーツ)

1)サッカー
ワールドカップが始まりました。チリは参加していないのに、国内は盛り上がっています。同じ画面ですが、その試合を複数のチャンネルが放送しています。それほど値打ちがあるとは思えませんが。

以上