チリの風 その979 2022年2月14日ー20日

なんと木曜日は最高気温が34度迄上がったサンティアゴです。まだ真夏ですね。来週は少しは暑さが和らぐかな?
私にとって今週の最大の話題はなんと言ってもパタゴニアの講演です。カマラ月例会に参加の100名の会員を前にちゃんと40分、話しました。
参加者の方からメールをもらいました。内容は知らない事ばかりで役に立った、面白かったとされました。うれしいです。
そして足の手入れに行きました。角質を削ったりしてもらいましたが、私は他の人より足を多く使っているので傷も多いのでしょうね。それから靴の問題も指摘されましたので、マラソンシューズを新しいのに変えました。
また、もうすぐ帰国する方を招待して話し込みました。チリの思い出を胸に日本で頑張ってほしいです。
土曜日のサッカー教室は中止になりました。なんでも関係者に陽性者が出たので学校から中止を要請されたからです。この先、どうなるかな?
日曜日は仲間と3人でマラソン練習。新しい靴で楽しく走りました。

(政治)

1)ピニェラ動向
バケーションから少し早く帰ってきました。 もう少しで任期が終わるから、ここで夏休みを取る必要はないと思いますが、彼はちゃんと規則を守って2月の初めからバケーションに入りました。もっともオンラインで仕事は続けていたらしい。そして早めに休みを終え戻って来たとか。彼の考えが良く分かりません。
地下鉄の新路線7号線の建設が開始されます。25億ドルを投資するとか。ピニェラはその記念式典に参加し、サンティアゴの発展に寄与する新路線の開始は喜びですとしました。
パラグアイの大統領がチリを訪問してきてピニェラと面談。南米の仲間として共同活動を進めたいとしました。
任期は 残り僅かになりましたが、彼の今回の政権を支持するはほんのわずかで、拒否するが50%を越え、民主化してからの歴代政権で最悪の数字になりました。彼の第1次政権はこれほどひどくはなかったのですが。
新聞の特集記事で「彼の政権を潰した2年前の社会騒乱 」と言う記事がありましたが、確かに地下鉄の駅を壊して運行を止めるなど常識外れの騒乱で、チリの社会が一気に崩壊しました。それにピニェラも付き合わされたのですね。
さて北部の不法移民問題で、4郡に特別令が発令され、軍隊が不法入国をチェックしています。
南部のテロ事件と同じように警察だけでは対応できないと考えられたケースです。
2)ボリッチ動向
彼は夏休みを取って太平洋の孤島フアン・フェルナンデス島(別名ロビンソンクルソー島)へ飛びました。もう観光客ではないですから、護衛の人も大変ですね。 いや喜んでいるかな?
それから3月からの新居が決まったらしい。サンティアゴ中心部にある旧市街の大きな古い家です。
3)新憲法委員会
今まで討議してきた事項をどのように新憲法に入れるかの投票が始まり、毎日何件も結論が出ています。
国の形、国会の仕組み、裁判所の運営、先住民問題とか議題は山積みですね。
中道左派で一時チリの政権を握っていた政党の中の一部のグループが、その中には共産党新左翼も入っていません、この新憲法委員会の批判を始めました。このままでは国民のための新憲法が用意されないと言うわけです。

(経済)

1)チリ経済の見込み
先週、南米の中で経済的にもっとも安定した国の地位をウルグアイに取られたチリについて、世界銀行の主任経済者レイナルトが語った特集記事が出ました。チリの地位が落ちたことは昨年、アメリカのフィッチ社などの評価が下がったことと関連しています。
さてその中で彼女は「2020年は世界の経済が大きく下がった。従ってそれの回復を図ることが各国にとって最重要項目になった。チリの場合、2021年に前年に落ちたのをほとんど回復している。さらにチリの場合、大きな負債が無かったのも幸いしている。また1980年代の世界的経済危機の時に国内経済体制を立て直したのが今回の早期復興に役に立っている。
インフレの問題はチリだけでなく世界各地で起きており、原油の価格が上昇するなどチリが簡単に対処できない項目も関連している。2021年はチリにとってうまく行った年になったが、2022年がどうなるかは新政府の対処方針も関連するわけで様子を見る必要がある」としました。
同じく、ヘリテージ機関の発表でチリの自由貿易度の世界順位は昨年の19位から一つ下がって今年は20位でした。しかし2016年は7位でしたから、大きく落ち込んだことが分かります。バチェレット政権の後期からチリの経済政策は精彩を欠き始め、ピニェラで落ち込んだわけです。
これをボリッチが何とか立て直せるのか、このまま低迷するのか注目ですね。
2)銅価格と為替
銅の価格は4.54ドルと先週とほとんど変わりません。超高値が安定継続です。そのため為替は1ドル799ペソと800ペソの壁を割ってペソ高になっています。
3)水不足
 高温と雨が降らないことから首都圏の水道が危ないとされています。特にラス・コンデス区など東部の区で断水が予想されています。それを防ぐためアンディーナ水道社はマイポ地区の水利権を購入して貯水に充てることにしました。これで今年の冬の断水は無いだろうとのことです。

(一般)

1)コロナ問題
この1か月間のPCR検査数は以前の2倍になっています。それで新規患者数も2倍になっています。
ワクチンの接種者数ですが、3回接種したのは人口の66%、2回は87%、1回だけは90%です。逆に言うと人口の10%はまだ1回も接種していないわけです。
陽性率はこの1週間、25%前後で動きません。こんな状況の時、以前は首都圏は自宅待機になりましたが、今年は全くその動きはありません。
私個人としては、1週間自宅で待機させられるのは耐えられない苦しみでしたが、病気が全然おさまらないのも困った状況ですね。 厚生大臣は今回のピークは越えたとコメントしました。もしそうなら、昨年の自宅待機令は不必要な強制だったと
いう可能性もあります。いや、ワクチンの接種が進んだからだと切り返すなら、どうして今回これほど患者数が増加したのかと言わざるを得ません。
さてオミクロンの変種その2がチリで少しづつ見つかっています。
こうして患者が増え、病床が殆ど満員になってきました。地域によっては空いたところがなく、首都圏に移送されるケースもあるらしい。
さて来月から今年度の授業が始まります。今年は全校が通常授業になるはずでしたが、コロナがおさまらず3月にどうなるか予断を許しません。
2)不法移民
北部の4郡で特別令が敷かれ、不法移民の侵入を防ぐことになりました。不思議なのはそれが始まった日、テレビカメラの前を数百人もの移民が侵入してきました。テレビ局が分かるなら軍隊もわかるでしょう。どうしてそんな大勢の人間が入ってこれるの?
それが放映された翌日からガラッと流れが変わりました。移民が入国してくる地点に銃を持った軍人がたち、マイクでここから入国はできませんと警告。移民の流れがパタッと止まりました。
さて不法移民をボリビア側に追放した件に関して、ボリビアはその「不法侵入」移民の入国を認めないとかで(その中にボリビア人もいましたから、それらのボリビア人だけは入国を認めるが、それ以外は拒否の方針)そのボリビアから拒否された移民は再度、兵隊の隙を狙って夜間にチリ側に戻って来るとか。
しかしその不法移民の人たちはよくそんな動きを続ける力がありますね。食べ物も寝るところも無く、高地の寒さ・雨にも襲われるのに。 2,3日はともかくそれ以上の期間では命にかかわりますね。
テレビカメラの前で「私は家族のために戦っています」とコメントしていました。
内務大臣は特別令でうまく行かなければ外出禁止令を敷いて、どんな時間でも、外を歩いていると逮捕することも考えているとしました。
全般的な事実として、2016年からチリで働きたいとする移民の数が急に増え年間で14万人、それが2017年に30万人にもなりましたが、コロナ問題で2020年は2万人に、そして2021年はマイナス3万人になりました。それは今年になったまた増えてきているわけです。最も多いのがべネスエラ人です。
さてその正規の移民の他にイミグレを通らず、不法に入ってくる移民は、分かっている所ではこの5年間で9万人、そしてべネスエラ人が6万人で断トツです。
次期政権のボリッチは国境を閉めるのかオープンにするのだろうかと新聞に書かれています。

3)陸軍の不正問題
元陸軍長官のイスリエタが公金横領の罪で裁判になっていますが、彼が自分の財産を娘などに隠して移したことが分かりました。それに二人の判事が関連している・関与したとして調査が始まりました。彼を後ろから助けようとしたのでしょうか? その事件は悲しいですが、それが公になって裁判になるのはうれしいです。公明正大は必要ですから。
4)人気観光地
チリでどこが観光地として素晴らしいかと言う投票があり、それで選ばれたのは1位がパタゴニアのトレス・デル・パイネ、2位はイースター島、3位はアイセン州のトルテル、4位にチロエ島世界遺産の教会が選ばれました。

(スポーツ)

1)サッカー
人気3大グループの結果ですが、カトリカは勝利、コロコロは引き分け、チリ大学は明日の月曜日に試合です。
この結果、3試合が終わって、首位は3連勝のカトリカになりました。
もっとも明日、チリ大学が勝てば、首位に並びます。
2)ゴルフ
ニーマンがロス・アンジェレスのPGAツァーで優勝。これは2回目の優勝です。このまま世界のトップレベルに迎えるかな?
3)冬季オリンピック
北京の大会が終わりましたが、チリは一つもメダルを獲得できませんでした。
ちゃんとスキー場もあるのに銅メダル位取ってほしいです。


以上

チリの風 その978 2022年2月7日ー13日

連日30度を超す気温が続くサンティアゴです。走っていてマロニエの実が落ちているのを見つけました。でも私の好きな栗の実はまだ小さいです。
土曜日に登山教室でアポキンドの滝に行きました。往復で7時間の歩きですが、13名の参加者は全員元気に歩きました。滝の前に立つと喜びが湧いてきます。ただ気温が33度まで上がったので、後半はかなりきつかったです。
カマラ月例会の講演の予行演習があって、理事の前でパタゴニアについて話しました。40分の予定が47分もかかってしまい、本番ではもう少し短くする必要があります。
ラソンはいつものように、日曜日に仲間と軽く走りました。嘘や。昨日の疲れで、1キロ走っただけでへたばってしまい歩きました。たまにはええやん。週日はちゃんと10キロ走っています。
いつも書いていますが、いろんなことが出来るのは幸せです。

(政治)

1)ピニェラ動向
65歳以上の人への特別年金制度が稼働し、1回目の支払いが始まりました。250万人に18.5万ペソが渡されます。素晴らしいプランですね。ちゃんと起動しました。
さて今週の話題の一つですが、トラックのスト関連で、移民政策に関し、市民の79%がピニェラ政権の方針は納得できないとしています。何がしたいのか良く分かりませんからね。 
先週辞任した外務大臣のアラマンはイベロアメリカ会議の事務局長に即時、就任しました。なんだかその話が来たので、外相を辞めたみたいです???
2)ボリッチ動向
大統領就任まであとわずかですが。パッとしません。就任すれば何がしたいのか、例えば就任100日でこれを実行しますと言ったアイデアが出てきません。
憲法委員会も時間がたつばかりで、「大きく前進している」と言う雰囲気が全くありません。
ボリッチは旧政党ではなく新左翼グループですが、今週、政党管理の機関が12の政党の棄却を発表しました。これは選挙で最小投票数を取れなかった政党を正式な政党と認めないとするものですが、名前も知らないような政党がゴマンとあるのですね。新憲法委員会の委員の所属する政党も知らないところが沢山あります。

(経済)

1)物価上昇率IPC
専門家は昨年は7%と高かったが、今年は3%に落ち着くと見ていました。ところが1月のIPCは1.2%になり、過去12か月で7.7%でした、すると今年の中ごろには9%まで行くだろうと意見を変えました。 
プロの人も軽いですね。情況の見通しがそんなに甘いなんて。
新中銀総裁は、IPC正常化について、金利を上げるなどいろんな案を検討中でしょう。彼女は新大蔵大臣とはうまく行くとみられています。
2)銅価格と為替
 12月の中旬に1ドル876ペソ迄上がりましたが、1月半ばに798ペソに下がり、今週は1ドル804ペソ。落ち着きませんね。銅の価格は1ポンド4.55ドルと先週より上がっています。
2ドル、3ドルの時代を経験してる私はどうしてこんな高い価格が続くのか不思議です。

(一般)

1)コロナ問題
もうほとんどの州で、過去最悪の状況になっています。
 ただ緊急病棟に入っている患者の63%がワクチン接種をしていないとされ、ワクチンを打つ必要が分かります。今までに5180万人分のワクチンがチリに入ったとか。今週も31万人分が到着しました。
今週から55歳以上の人の4回目の接種が始まりました、ピニェラも4回目の接種を実施しました。
月曜日まで連日3万人以上の新規患者が出ましたが、火曜日に2.5万人に下がると、症状が収まってきたと喜びました。しかし水曜日また3.6万人になりがっかり。しかし私はマスコミの報道はおかしいなと思います。今まで一日5万人位だったPCR検査数が、10万、15万と急増すれば患者数が増えるのは当然。火曜日に数が落ちたのは検査数が8万に落ちたからで、陽性率はほとんど毎日25%くらいで落ち着いています。
このまま検査数が増加すれば、患者数は近い将来2倍になりますよ。

2)移民問題
今週、北部のアントファガスタでトラックが襲われ、道路から転落して運転手が死亡しました。トラック業界は怒り狂って政府の無策を攻め、トラックを使って道路を封鎖しました。内務大臣はネゴをするためそこに飛びました。その事件の犯人として3人のべネスエラ人が逮捕されました。最近、捕まる犯人にべネスエラ人が多いですが、母国に帰れない、ちゃんとした仕事がないとして犯罪に走るのでしょうね。
べネスエラの大統領は左翼政権のペルーと次期左翼政権のチリに対し、左翼と言いながら左翼の主張を通さず全く見苦しい政権だと批判しました。
道路封鎖が首都圏にも飛び火しバルパライソに行く道や南に行く道も大混雑。
それが飛行機にも影響し、イキケ発着の30以上の便が欠航しました。2000人もの人が飛べなかったとか。
飛行場で、街に戻れないので、もう3日も待合室のベンチに寝ていますと言う人が続出。
そしてアントファガスタでガソリンスタンドに長い列。ガソリンがなくなると思った人が買い占めに走ったからです。もちろん北部から出るバスも全部止まっています。
関連した問題ですが、北部のイキケから来たバスが首都圏の手前で検査され66人の乗客が全部移民で大半が不正入国したことが分かり、更にその中の何人かはマリワナ・コカインの麻薬を隠し持っていました。
この事件は毎日なのでしょうね。
もっと驚いたのは、ボリビアから不法入国した多くのべネスエア人をその国境まで連行し、ボリビア側に放出したことです。そこから入って来たのだから、また元に戻ってくださいと言うことです。そんな政策は初めて聞きました。

3)マプチェ問題
今週もいつものように、先ず学校が放火されました。以前にもありましたが、学校に放火するのは正常ではないです。仲間の子供にも影響するわけで、とにかくチリの社会制度を破壊すると言うのが最大の狙いなのでしょうか。それから下院議長の家族の家が放火され全焼。彼は国民改革党RNです。
あと1か月で任期が終わりますが、ピニェラは本当に無策でしたね。
4)山火事
今日現在、34か所で延焼中。2週間前から燃えているパタゴニアフエゴ島の山火事はまだ鎮火できません。

(スポーツ)

1)サッカー
 人気3チームの結果ですが、コロコロは引き分け、チリ大学とカトリカは勝利。この2チームが2連勝で首位を占めています。
2)冬季オリンピック
チリはメダルが全く取れないので夜のニュースもほとんど出ません。


以上

チリの風 その977 2022年1月31日ー2月6日

今週のサンティアゴは連日最高気温30度くらいでしたが、日曜日に35度まで上がりました。来週はもっと暑くなりそうとか???
もっとも朝晩はかなり涼しくなってなっています。
そして木の葉っぱの色が
少しづつ変わってきています。秋が近づいているのでしょうね。
今週の山歩きは少し長く歩きました。それは来週の登山教室の目的地が最長距離のアポキンドの滝なのでその下見を兼ねて歩いたからです。
最近、雨が全く降らないので、乾燥して、山の中を歩いているとあちこちに枯れた木が倒れているのを見ます。
何十年も生き続けてきたのに運がなかったのですね。
ラソン練習もちゃんと実施。今週は3日走りました。日曜日のマラソンは仲間と3人で楽しく走りました。
ゴールしてから、いつも練習しているパタゴニアの講演の一部を聞いてもらいました。

(政治)

1)ピニェラ動向
中銀総裁が次期の大蔵大臣になったので、ピニェラはその職に、現在その組織で幹部として 働いているロサンナ・コスタを新総裁に任命。彼女は女性として初めてその職に就きます。ピニェラは彼女に励ましの電話をかけたとか。
それから外務大臣に外務省高官のカロリーナ・バルディビアを任命しました。
その件ですが、最近、不法移民問題が大きな問題になっており、内務大臣が北部を訪問し、隣国ボリビアとその問題で話し合いの場を持つと発表しています。じゃ、外務大臣は何をしているの?となりますが、彼はバケーションでスペインにいました。野党側から、今はバケーションを楽しんでいる時ではないのではと疑問の声がでたわけです。それで帰国してきたアラマンは即時、辞任を発表しました。ついでに政界から足を洗うと発表。彼は一時は大統領候補になったほど人気があったのですが、最後は惨めでした。
もっとも辞めた本当の理由は他にあったのかもしれません。あと1か月でピニェラ政権は終わるわけですから、その間、ぼんやりしながら、仕事に励んでおりますと言うのが普通でしょうが・・・。
2)ボリッチ動向
各省の高級次官の名前が発表されました。全員で39名です。男性が20名、女性が19名でした。大臣の場合と違って新左翼系が多くなりました。他の党などから大臣を選んだので身内の新左翼からクレームが出たのでしょうね。新左翼共産党で21名。独立派が11名。社会党などの伝統の左翼はわずか4名でした。
以前、中道左翼の政権時、中心だったキリスト教民主党DCは全く新政権から離れ、独自のグループになりました。同党内でそれを認める勢力と以前の様に政権の中枢にいるべきだとするグループが争っています。つまりチリが民主化して以来今まで権力を分かち合っていた中道・左翼グループが分裂してしまったわけですね。同じように右翼側ももうバラバラです。私にとって馴染んできた政党・政治家が古くなってきたわけで、それがこのように新しい勢力に変わるのは良いことでしょうね。

3)新憲法委員会
 各項目で市民の声を聞く仕組みがあり、それが発表されると100万人を超える市民が登録しました。
そのほとんどが女性・若者とか。

市民は項目を決定する権利はありませんが、市民が全員反対すると委員会がそれを無視して賛成する気にはならないでしょうね。銅鉱山の国有化についてはあちこちから心配の声が上がっています。アジェンデがやったのと同じようなことを繰り返すのかと心配するわけです。
それらの手続きが全部終わって新憲法が整えば、それを最終的に市民が認めるか拒否するかの投票になるわけです。
もっとも新憲法委員会のバラバラの動きを心配する声はあちこちにあります。

(経済)

1)経済成長率
中銀の機関イマセックの発表で昨年12月は10.1%の上昇とか。昨年は1,2月はマイナスでしたが、その後毎月大きく伸びて、年間平均で12%まで上昇しました。2020年はその前年対比5.8%のマイナスでしたからそれを取り戻したわけですね。同じような傾向がラテンアメリカでも起きましたが、昨年の成長率の平均は6.8%ですから、チリはそのほとんど2倍の速さで成長したわけです。
さて今年はどうなるでしょう。イマセックの予想では3.5%です。
大蔵省はこの先の4年間の予想数字を発表しました。銅の平均価格は今年は4ドルを越えますが、その先は毎年下がる見込み。原油価格も同じ傾向。物価上昇率は今年が6.5%、その先は3%に落ち着きます。国庫収支は借金が少しづつ増えますが、GDPの40%くらいが継続とか。
特別年金で毎月大量の人に政府援助を出すのを金持ちへの増税を資金にするとしましたが、それが足りないと政府の支出になるわけです。しかし、この予想ではそれが原因で経済破綻とかにはならないようです。
で、この発表によるとボリッチ政権は特に大きな危険は持っていないと想定されています。当たるかな?
2)銅価格と為替
1ポンド4.48ドルと先週よりずっと上がりました。チリにとってありがたい状況です。為替は1ドル817ペソとペソ安になりました。銅の価格が上がるとペソ高になるのですが、今週は逆でした。

(一般)

1)コロナ問題
 木曜日一日で35197人の新規患者が出ました。5週間前の12月の木曜日は1700人でしたから、20倍以上の急成長です。金曜日はさらにひどく37468人。毎日記録を破ってます。今週は合計23.5万人の感染者でした。
感染率も20数%まで高くなっています。
PCR検査数が以前は1日5万人位だったのが、10万人、15万人と増えているのが患者数の急増に関係していますが、陽性率の増加も顕著です。陽性者の合計は14万人にもなっています。
しかし街の雰囲気として慌てていると言う感じはありません。
今年の夏のバケーションは日帰りでなく、ホテルに泊まる旅が昨年より23%も増えています。政府のコントロールがなくなった(少なくなった)からですね。
病院に入院する患者、人工呼吸が必要な重症者なども増加していますが、政府は今までの様に自宅待機を命令しません。首都圏は全く自由です。
1月31日の新聞に最新のオミクロンとその他の変異種との比較と言う表がでました。チリで一番多く患者が出たのはデルタですが、一番被害が大きかったのはガンマでした。
 そこでそのガンマとオミクロンの比較です。
約7000名でどちらもほぼ同じです。
さて入院した比率と死亡者数ですが、ガンマはそれぞれ922名(13.3%)352名(5.1%)
オミクロンは64名(0.9%)3名(0・04%)で、全くレベルが違いますね。
それで政府は経済活動の援助を考え、市民に通常の生活を認めているのでしょうね。

2)山火事
 山火事の季節になりましたが、パタゴニアフエゴ島で火事が起きています。1月25日に始まった火事ですが、最初、400ヘクタールの大火事と言われましたが、辺鄙なところにあるその島には消防が十分でなく、週末1,300ヘクタールまで増えました。いつ鎮火するのかな?
3)デモ
 イキケで反移民のデモが激しくなっていますが、その問題で内務大臣が現地を訪問し問題の解決を図りました。しかしイキケ市長が不法移民が毎日入ってきているのを知りながら手を打たなかったピニェラ政権の責任は大きいとクレームしています。
ニュースに出ましたが、何台ものバスに乗って移民がイキケ方面からサンティアゴに入ってきました。1台に何十人ですから合計では何百人以上にもなるでしょう。でもどうしてそんなバスが認められるのかな?バス会社の責任はどうなのか、その通過を認める検問所の能力は低すぎる・・・彼らがチリに正規に入っていないのなら、不法移民として処置を取る必要があるのですが、
内務大臣はこの件に関しボリビア政府と話し合うとしています。
ボリビアからチリに毎日入って来るのですが、ボリビアとしては出て行くのは問題ないとするのでしょうか。

予想された火曜日のサンティアゴの大規模デモは実施されませんでした。
しかし金曜日のデモは毎週の通り行われ、先週デモ隊に襲われたスナックの店がまた標的になり、店主は銃をもって抵抗しました。もう2年ほどもこの金曜日デモは続いていますが、ピニェラは何もできませんでした。
4)マプチェ問題
ショックでした、覆面をした男がトラックを襲うのが全部撮影されテレビのニュースに流れました。
その日、盗んだ車に乗ったその犯人は、車を止めると銃を持って外に出て,対面を走ってくるトラックを止めます。運転手は運転席から降りると逃げようとしますが、追いかける犯人ともつれて転倒しました。
殺されなかったのは幸い。同じ日に重機に何台も火がつけられました。犯人グループは自由に走り回って犯罪行為を実施しているみたいです。派遣されている軍隊は何もできないのかな?
何件もの殺人事件が起きていますが、犯人は捕まりません。犯人グループは地域をよく知っているので、どの地点で攻めて、それからどこへ逃げるかちゃんとわかって実行しているのでしょうね。しかし軍隊・警察の能力が問題です。

(スポーツ)

1)冬季オリンピック
 オリンピックが始まりましたが、チリでは話題になっていません。
2)サッカー
南米予選でチリは敵地でボリビアと対戦し3対2で勝利を収めました。引き分けすると私は思っていましたから意外でした。でも試合を見ていて、やばいと思ったことは度々あり、引き分けか敗戦をする可能性が高かったのは事実です。勝てたのは運があったのですね。これで残りの対ブラジル・ウルグアイ戦に勝てば、本大会に出られそうです。私はそんな可能性は無いといつもの通り思いますが・・・
今週から国内リーグ戦が始まりました。人気の3チームの成績はコロコロ、チリ大学、 カトリカの全部が勝利でした。


以上

チリの風 その976 2022年1月24日―30日

最高気温が30度ほどの日が続きました。まだまだ夏ですね。もっとも毎日、風が吹き、そして湿度が低いので木陰に入ると気持ちの良いこと最高です。
土曜日のサッカー教室は10数人の参加者で楽しく練習。小さな子供のプレーが上達しているのを見るのが楽しみです。
日曜日は仲間と3人でマラソン練習。彼らは10キロ走りますが、私が同じ距離を走ると彼らに待ってもらう時間が長くなるのではショートカットして二人より早くゴールに着きます。30歳下の二人に勝てるわけはありません。
週日に一人で走る時はちゃんと10キロ走っています。
今週は山歩きは無かったですが、丘上りはしました。
パタゴニアの話の練習を毎日しています。
こうして何かすることがあるのはうれしいです。

用事があって入った倉庫で見つけた古い文芸春秋を読みました。「クーデター前夜のチリから帰って」大学教授の文章ですが、よく書かれています。もう何度も読んでいますが、チリのその時の情況が目に浮かびます。

(政治)

1)ピニェラ動向
 コロンビアのカルタヘナで行われたプロスール会議に出席。南米のほとんど全部の国が参加する組織で国の安全・発展などを協力するための組織です。彼はこの組織の大事さを認識し、お互いに協力して南米が発展していきたいとしました。
国民は犯罪の増加、不法移民の継続、麻薬組織の巨大化を3大問題点と考えていますが、ピニェラは最後まで何もできませんでしたね。
2)ボリッチ動向
 3月から大統領としてどの家に住むのか、内縁の女性はファーストレディとして任命されるのかが話題になっています。
各大臣は発表されましたが、その下の各省の次官が今週の火曜日に発表される予定。もちろんそれはまた話題・問題を呼ぶでしょう。
さてその大臣に任命された中で、約3分の1の7名が海外生活を経験しています。軍事政権の時に欧州へ逃げ出した家族の人が中心ですが、キューバに亡命したのも2名います。世界の動き・考え方を身をもって知ったわけですね。元大統領のバチェレットもその一人ですが。ところで世論調査でボリッチの内閣を評価するとしたのは 50.1%でした。意外と人気がないですね。
3)新憲法委員会
 2月の大きな動きがあるらしい。大統領の任期を4年から5年にするとか、再選を認めるとか、いろんな提案に決着がつくわけです。しかしボリッチの側近がこの委員会で作った新憲法は国民に拒否されるかもしれないと弱気の発言。どうなるかな?
4)政治不正
OECD加盟の27か国の中で政界の不正が調査され、チリはアメリカ大陸で不正が少ない国の3位になったらしい。1位はカナダ、2位はウルグアイ、そしてチリが3位。今までだったら素直に喜んだけど、最近のニュースを見ているとチリがそんな上位にいると私には思えません。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド4.39ドル。1ドルは799ペソでした。銅の価格は1月の中頃、4.5まで上がりましたが、最後は1月初旬の数字とほとんど同じでした。高値安定が素晴らしい。為替も1ドル800ペソ周辺が続いています。

2)失業率
 12月の失業率は首都圏はかなり下がり8%台、コロナ以降で失業した労働者に、なんと50万人、仕事が回って来たとか。このまま続くかな、コロナの再発でまた失業者が増えたりして。

(一般)

1)コロナ問題
 毎日・毎週のように数字が悪くなっていきます。今日は新規患者が28430人・陽性患者合計は11万人でした。
 患者数が増える理由は2つあって、PCR検査数が増えることと、陽性率が上がることです。今のチリはその両方の理由で患者数が増えています。以前、一日当たりの検査数が5万人ほどだったのが今では10万人。そして陽性率も今日は19.8%と以前の2倍3倍になっています。隣の州のビーニャに遊びに行った観光客が、海岸に設けられた臨時PCR検査室の前に長蛇の列。もしかしてと思う人が並ぶのでしょうね。
このままいくと昨年、一昨年の様にサンティアゴは自宅待機令が出そうです。止めてほしいですが、どうなるかな?
2)デモ
以前の様にこの金曜日、イタリア広場でデモがあり、警察と衝突しました。また近くのレストランを襲いオーナーが怪我をしています。政治デモと言うより暴行ファンクラブみたいですね。
来週の火曜日に大規模デモが予定されているとか。現行の年金システムを破壊する運動とか。ボリッチはそれを支援するのかな、ピニェラみたいに反対行動をするのかな?大混乱が心配されています。
また北部のイキケで4千人が参加したデモがありました。今週、麻薬販売をしていた4人組を警官が捕えようとしたところ、彼らは警官に殴りかかり、一人の警官は顔を殴られ負傷。それがちゃんとビデオに収められてニュースに出ました。その逮捕された4人組はべネスエラ人でした。今日のデモでは、不法に入国する外人移民を認めない、政府は街の安全を守れと訴えました。イキケ市長はどうしてチリ国は国境を守れないのかとクレーム。毎日、不法に入国している移民の入る所は分かっているのですから、そこを見張ればよいだけですが。
南部のマプチェ問題は継続で、警官が休みの日に家族と車で移動しているとき、覆面グループに襲われ負傷しました。その地区の住民は政府は何をしているのかと怒っています。
それから3年前の社会騒乱の時に警官の発砲した銃弾に当たったとか、いろんな理由で負傷した人がいますが、それらの被害者に政府は年金を出すことを決定しました。約22万ペソです。人権委員会はその提案を評価しながらも額が少ないとクレームしています。
例の年金援助案は来月から実施になりました。250万人がそれを受領できるそうですが、素晴らしいニュースですね。
3)ホームレスと不法占拠
現在1万6600人がチリのホームレスの数と言われます。主な地区はサンティアゴとイキケです。98%はチリ人ですから、2%は移民と言うことになります。仕事を失い家賃が払えなくなって、公園や道路のわきにテントを張って寝泊まりしているわけです。元の生活に戻れるか、そのまま長い間、住み着くのか誰にも分かりませんね。
同じように、不動産屋が土地を購入して家屋の建設を始めようとするとそこに不法占拠している家を撤去させるため裁判沙汰になります、つまりいつ工事が始められるか分かりません。そういう例が多くあるとか。

(スポーツ)

1)サッカー
 対アルゼンチン戦は1対2で負けました。私は負けると予想していたので驚きませんが、世界大会に行ける可能性は無いですね。まだ残っている3戦を全勝すると行ける可能性はあると言う人がいますが、いつまで同じことを言うのかな?
来週、もう1試合、ラ・パスでボリビアと戦いますが、勝つ可能性は少ないでしょうね。
来週からリーグ戦が始まります。
2)ホッケー
 なんと男女とも地区予選を勝ち抜き、次の世界選手権に出場が決まりました。
チリのスポーツはサッカー以外あまり知られていませんが、ほかにも世界レベルのスポーツがあるのですね。

以上

チリの風 その975 2022年1月17日ー23日

週日は落ち着いていましたが、週末は30度を超える高温になったサンティアゴです。
今週の山歩きは仲間と行くはずだったのですが、彼らの都合がつかず一人でサン・ラモン山岳公園の川めぐりコースを
歩きました。家から公園までも歩いたので全部で5時間の歩き。それでも川のせせらぎを聞きながら歩くのは素晴らしい喜
びでした。
戻ってきて、シャワーでなく、湯ぶねにつかったら疲れが取れました。

日曜日はいつものマラソン練習。仲間と走りました。
随分前の話ですが、20年ほど前は、マラソンでも山歩きでも、前の人を追い越していました。今は逆で、後ろから来た人に追い越されます。えっ、何それ。75歳ですからね。贅沢は言えません。もちろん、大事なのはそうして運動を楽しめる事です。そしてそれを継続するのが人生にとって重要です。

カマラに頼まれたパタゴニア講演の原稿を書き上げて事務局に送りました。これから毎日、話をする練習を始めます。

(政治)

1)ピニェラ動向
もう任期もあと少し、彼より次の大統領の方が注目を集めているのは確かですね。
今週、ピニェラはコデルコ銅公社のアンディーナ鉱山を訪れ、新規計画を発表しました。このプランで
 このマインは後30年はオペレーションが続くだろうとか。14.5億ドルの投資です。

昔、その鉱山で
仕事をしたことがあるので、懐かしいです。
その後、彼はプンタ・アレナスを訪問してあちこちで面談。新大統領を祝っているのかな?

ピニェラが提案している年金補助の件ですが、金持ちへの増税として、ヨット、高級車、ヘリコプターなどに増税
するのが良いと言われていますが、まだ議会で結論は出ていません。 
それでも遅かれ早かれチリの老人の所にその援助が届きそうです。新聞にそうした増税が経済活動を抑えることにならないように願うとするコメントが出ました。増税でヨットの値段が2倍になれば売れ行きが激減するかな?

2)ボリッチ政権の内閣
待たれていた大臣の名前が発表されました。注目の大蔵大臣は現行の中銀総裁です。すると彼を評価するチリの株式市場は
即時2%上がりました。ピニェラに任命された総裁を新左翼のボリッチが大臣にするのは面白いですね。優秀なら右翼も左翼もないと言うことでしょうか。経営者陣も新大臣を歓迎しています。最もチリ共産党は、何度も公定金利を上げ、市民を苦しめた彼は認められないとクレームしています。
さて今回の組閣に入れなかった多くの人の中に、労働連合のトップの女性がいます。彼女は共産党員です。いろんなことをして、多分不正行為をして、その地位を堅持していますが、彼女のニュースが出るたびに私は不愉快でした。
ボリッチは共産党から圧力がかかっても彼女を労働大臣にするのを拒否したわけですね。良くやった。
これを見ても、ボリッチは35歳で若いけど、ちゃんと考えて・計算して自分の意見を通しているようです。
翌日の新聞の風刺漫画に、孤独と言うタイトルでDC(キリスト教民主党)が書かれていました。今まで民主化してから、中道左派が勝った時は、必ず彼らが中央にいたのですが、今回は新左翼が勝ったので、全く新内閣に入っていません。


ところで大臣の性別ですが、女性の方(14人)が男性(10人)より多かったのが不思議でした。

新左翼の側から、農林大臣に関し、彼は優秀な人材だが、農業については知識・経験が少ないから大臣職はどうかと
いうコメントが出ました???その大臣は何か裁判になっているようですが。

ボリッチはその発表の前に現在の与党側の党首と面談しています。下手に出たのか、余裕があるのか、わかりませんが
普通、反対勢力の人間とはコンタクトしないのですが・・・
彼が現在事務所としている建物の前で、デモ隊が警察と衝突しました。ボリッチに圧力をかけようとしているのでしょうか。いつものように壁に落書きして、近くに駐車している車を壊して・・・先年の社会騒乱で逮捕・抑留されている犯人を釈放するよう要求しています。それを恩赦・特赦とか、どんな方法で刑をなくす・軽くするのが良いのか検討されているらしい。
その他に首都圏の住民が我々にも人間らしい住居を提供せよとクレームしました。もちろん、彼らの要求を全部のめば1年で新政権は破綻するかな?
 
今の与党RN党の議員が、与党側は今回の敗戦をちゃんと分析して、それを反省・訂正しなければ、次回の選挙にも負けるだろうとコメント。当たっていますね。さぁこの先どうなるでしょう。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり4.52ドル。高いですね。素人の私にはどうしてこんな高い価格が継続するのか不思議です。
そのため為替はペソ高になり金曜日は1ドル805ペソ。土曜日は795ペソ迄落ちています。
ちょっと前1ドル880ペソでしたから、10%も下がったわけですね。 

(一般)
1)コロナ問題
 なんと土曜日に1日で14000人も新規患者が出ました。新記録です。なんでもバケーションで派手になって来た「旅行」がこの問題を起こしていると言われます。もちろん、それもこの現象の一因でしょうね。
北部で病院に空いた病床がなくなった所があると言われています。全国ではまだ500ほど緊急病床に余裕があるらしい。
首都圏が警戒レベルが4から3に落ちました。集会の参加者数が少なくなるとか先週から変化が出ています。そしてレベル1,2に戻ると自宅待機令になって、外に出られません。2年も続いたそんな厳しい状況に再度、戻るのでしょうか。
2)マプチェ問題
 7回連続で軍隊を駐屯させることを議会で承認しました。右翼も左翼も同意ですね。それでも今週、なんと同地区で4人が殺され
その他にトラックの運転手が銃撃されて負傷しました。事態がおさまって来ているとは全く思えない状況ですね。同地区の軍隊の代表が「市民を脅し・殺すのは情けない弱虫がやることだ。俺たちに向かって発砲してこい」とコメントして問題になっています。この先、軍隊とデモ隊が銃撃戦をすることになるのでしょうか。
マプチェの代表は軍隊を送って問題を抑え込もうとする政府の方針にはどうしても納得できないとクレーム。新内閣の内務大臣は、「誰とでも話し合う用意はある。過激グループとでも」とコメントしています。
3)サンティアゴの飛行場は昨年利用者が1000万人を超え、前年対比で17.4%の上昇とか。しかしその前年の2019年は
2460万人ですから、正常化には程遠いですね。

(スポーツ)

1)サッカー
やっと試合が始まりました。今日はスーパーカップで、昨年のリーグ戦で勝ったカトリカがチリカップ戦で勝ったコロコロと対戦。コロコロが勝ちました。最近、カトリカの勝利・優勝が続いていましたが、風が変わりました。
そして、ワールドカップの南米予選があります。今週チリはホームでアルゼンチンと戦います。もう本大会出場が決まっているアルゼンチンは、余裕で南米6位のチリと対戦ですね。チリは残りの4試合に全部勝てばまだ本大会出場の可能性はあると言われますが、対戦相手はアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイそれにボリビアですからね。無理でしょう。


以上

チリの風 その974 2022年1月10日ー16日

今週もサンティアゴは30度を超すような暑い日が続きました。今週の話題は友だちとのコンタクトです。先ず、地方から用事があって出てきた友人と落ち合って付き合い。その手続きを終えてから喫茶店でコーヒーを飲みながら

 
楽しんだ会話がうれしかったです。
そして私の誕生パーティに家族・友人が集まり、嫁さんの作ってくれた食事を楽しみました。
そういう繋がりが人生の幸福ですね。
スポーツもいつものように実施。土曜日の登山教室は18名でビスカチャ山に。頂上近くは岩山の厳しいルートでしたが、5時間ちょっとで歩きました。下りに滑った人もいましたが、けが人はなく、全員無事に戻りました。その日、出会った登山者の中で最年長は82歳、最年少は5歳でした。あんな厳しいルートをその年で歩けるんですね???
日曜日のマラソン練習は仲間と3名で走りました。前日の疲れでのんびり走でしたが、週日は一人で10キロを走っています。

所で、パタゴニアに関してカマラから講演を頼まれ準備を始めました。新しい風が吹いてくるのがうれしいです。

(政治)

1)ピニェラ動向
  先の入学試験でトップクラスの成績を上げた学生グループをモネダ宮殿に招待して励ましました。
  それから北のコキンボ州(第4州)とアタカマ州(第3州)を訪問し、教育や農業について話し合いました。
2)特別年金
 先週、国会で成立しましたが、その原資をどうするかで議論が進み、どんな増税をどれくらい実行するか検討中です。
 つまり遅かれ早かれ実施されそうです。
 金持ちへの増税が問題点ですが、新聞の投書欄に、昨年は物価上昇率が7%にもなり、貧乏人はその増税を払わせられた。金持ちに他の増税を課せるのは自然ではないかと書かれました。
3)ボリッチ
裁判所でボリッチを大統領と確認する式典がありました。なぜそれが必要なのか分かりませんが、その式の後に彼はマイクに向かい、大統領になって国のため、国民のため働くことを誓いますとし、付け加えてその責任を感じるのは(初代大統領)オヒギンスなどが感じたものと同じだろうとしました。そうでしょうね。
そして経営者の集まりに参加して、情報の共有や、政策決定に関与してもらうことで、一層の一体感を持って働きたいとしました。彼の手足になる内閣の予想メンバーが記事になっていますが、なんと若手(30代)が閣僚のメインになるだろうとする見込みが高まっています。民政化が始まって以来最高の若年層採用になりそうです。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり4.49ドルと絶好調。今年もチリ経済を支えますね。為替は1ドル822ペソと銅価格の上昇からチリペソが強くなっています。
2)公定歩合
世界の中央銀行公定歩合は国によって大きな差が出ています。
ブラジルは9.25%。アルゼンチンは4.07%。そしてチリは4.0%。
アメリカは0.25%、日本はわずか0.1%でした。
3)リチウム 
テンダーがオープンされ、2社が選ばれました。そのうちの1社はBYD(中国)でした。中国政府は喜んでいます。
どうしてかチリの野党の左翼は喜んでいません。社会党議員が取り消しを要求したいと発言。ボリッチも不快感を表明しました。
その後、テンダー取り消しが裁判所に要求され、コキアポ裁判所は、結論が出るまで、今週のテンダーの結果は結論としては認めれらないとしました。現政府はこの件に関し、契約は破棄されたわけではないとし、これに関連して新政府と話し合いたいとしています。

(一般)

1)コロナ問題
なんと木曜日は新規患者が7291人と昨年6月以来の高い数字。先週と先々週の比較は87%の増加で過去20か月で最悪。

ただし今月初めのOECD加盟国の38か国の患者数の比較を見ると、100万人当たりで、最悪はアイルランドで4,700人。4回目のワクチン接種を始めているイスラエル1660人。チリは下の方の31番目で142人でした。
それがさらに増えてなんと日曜日は9281人、感染率8.9%ともう留まる所を知らないと言う雰囲気です。
昨年の様にまた自宅待機令が出されるのではと言う噂が流れています。

2)火事
北部のイキケで火事が起き、なんと100件の家がほぼ全焼しました。被災者は400人になりそうとか。
一区画が全部燃えてしまったようです。その地区は家屋を不正に建てていたようで、消防車が中に入って消防作業を行いにくい状況だったと言われます。道路が適正に作られていないとか、消防栓がほどんど設置されていないと言う問題もあったのでしょう。しかしそんな大火事になるのを防げないのでしょうか。

3)肉の消費
一人当たりの1年の肉の消費が高いのは先ずアルゼンチンで38キロ。次いでアメリカの26キロ。3位はブラジルで25キロ。チリは20キロと世界5位でした。なんか上に書かれた公定歩合のケースと似たような順位ですね。
4)マプチェ問題 
 いつもと同じようですが、ラ・アラウカニア州は昨年、前年対比で36%も犯罪が増加しました。多くがマプチェ関連でしょうね。もっともそのほかの地区も犯罪は増加で、チリが危ない国になってきたのはテレビのニュースを見ていると感じます。
5)津波
 太平洋の火山が爆発したことで、多くの地域・国に津波の可能性が起きました。チリも津波が来ると判断され海岸地方への接近を禁止しました。警官・海軍が観光客などを海岸地区から遠ざけることを強制しました。もっとも今の段階では大きな被害は出ていません。


以上

チリの風  その973  2022年1月3日ー9日

今週は色々することも多く忙しかったです。
その中で5日間スポーツを楽しみました。
山歩きは仲間と第2展望台に。最高気温32度の日でしたが、涼しい風が吹いて助かりました。
小山の上の展望台で、寝転んで少しウトウト。贅沢な昼寝でした。
土曜日はサッカー教室。参加者は13名といつもより少なかったですが、楽しく練習。
ラソンもちゃんと10キロ走っています。

そして来週も月曜日から日曜日まで全部予定が入っています。
それがうれしいです。仕事は無いのにすることがあると言うのが。
私の住居を買いたいと言う人が来週、訪問してくるので掃除をしっかりします。

昨年書き上げた例の小説に関してですが、読者からの感想が入っています。
その中にクスコ周辺の観光地・遺跡の話が入ればもっと面白くなると言うのがあり、すぐに主人公がマチュピチュに行くストーリーを書きました。
終わった小説がまだ続くとは・・うれしいです。完成したらまた発表します。 

(政治)

1)ピニェラ動向
 南のタルカの病院の完成式に参加しました。
 それよりずっと重要なのは年金基礎の成立です。
 彼の提案の18.5万ペソが議会で承認されました。共産党は反対しましたが、野党の一部が賛成したので成立しました。
 18.5万ペソは年金生活者のほとんどに行き渡るとか。例えば現在、月に15万ペソをもらって いる人はその18.5万ペソが加わって次は33.5万ペソがもらえます。つまり合計になるわけです。年金が急に2倍になるなんて涙がこぼれるのではないでしょうか。もっと高い年金をもらっている人も、少しは手に入るらしい。例えば90万ペソの人は5千ペソが手に入るとか。ただその年金の原資について議会でもめているので、2月から支払いが始まるのは難しいかもしれないとか。共産党はこの年金の基礎として金持ちへの増税を要請しており、明日の議会で決定するらしい。
ピニェラも最後にヒットを飛ばしましたね。

ボリッチのニュースは今週は少し落ち着いてきましたが、今日は別でした。今日の新聞特集で3ページにわたって彼の家族の記事が出ました。両親の出会いから子供の教育とか。ただ欧州から来た祖父の話は書かれていません。そしてそ他の特集で彼の内閣に関して、大臣候補者の紹介がされました。
ところで現野党の中心政党の一つキリスト教民主党DCはボリッチ政権支援の立場を取るが、入閣して全面協力をする方針は無いと発表しました。
2)新憲法委員会
第1期の議長が任期を終え、第2期の議長・副議長が決まりました。しかし、その投票がなんと第9回目でした。
つまりその前の8回の投票では決まらなかったわけです。議長になるには議員の過半数、78票が必要ですが、数名の候補者が出ると、全員が20とか30票です。とても過半数には行きません。それならその候補者(もしくは候補者のバックのグループ)が他の候補者とネゴをする必要があるのですが、それがうまく行かず、初日はなんと16時間、8回の投票で結論が出ませんでした。
翌日、9回目の投票で新左翼のマリア・キンテロスが勝ちました。彼女はタルカ出身の新左翼ですが、議長になって「国民は争いに飽きている、何とか協力して仕事をすることが出来ないだろうか」とコメントしました。
この委員会で決定した新憲法ってチリにとって画期的な憲法になるのでしょうか?
とてもそんな風には見えませんが・・・

(経済)

1)物価上昇率IPC
昨年は7.27%と過去14年で最高の数字でした。
価格が上昇した主な種目はガソリン、牛肉、航空運賃、新車価格、パンとかが言われています。
IPCが7.2%上がると借金を持っている人は支払額がそれだけ上がります、泣いているでしょうね。
2)銅価格と為替
1ポンド4.36ドルと高値安定。今年もチリを支えてくれそうです。為替は1ドル839ペソとドル安になっています。
3)リチウムのテンダー
コデルコ銅公社がリチウムに手を出していますから「国と民間の両方が手を組むことも可能」とピニェラのコメントが出てます。ボリッチはどうしたいのかな?、
リチウムはチリにとって第2の銅になると言われることがありますが、規模としてはリチウムは銅の3%の規模にしかなりません。
ところでチリで算出したリチウムを使ってチリでバッテリーを作るべきだと言う声もありますが、そんな力があるかな?
4)最低賃金
33万7千ペソが今週から35万ペソに上がりました。上がって良かったと言うのか、そんな少しかと言うのか分かりません。それに労働時間週40時間を確認すると言う動きが出ています。
ボリッチにとってその最低賃金を50万ペソに大幅アップするのが政権初期の最高の目標と言われますが、もしそれが成立すれば、チリ経済にどんな影響を与えるでしょう。

(一般)

1)コロナ問題
 急に患者数が増え、半年前の混乱状況に戻っています。
 二日続けて患者数が3000名を越えました。感染率が5%まで上昇。陽性者数は先月より一気に66%も上がりました。
 ただ新変種の場合は病気になっても重症・死亡にはならないので、警戒を続けるのは当然だが、自宅待機にするなどの厳しい処置を取る必要性は無いのではと言うコメントも出ています。
確かに救急病棟の患者数は昨年6月の頃よりはまだ低い数字です。
感染率が高いのは北のアリカと南のマゼランですが、アリカで大規模な祭りがあり、飲んで踊って騒いだとか。もう緊張感がなくなってしまったわけですね。
ところで明日の月曜日から4回目のワクチンの接種が始まります。
 
さて隣国アルゼンチンが、先週の5万人から今週は1日で10万人超える日が続いていますが、そこの厚生省はこれ以上都市封鎖などの強制は拡大しないと発表しています。チリの10倍以上ですけれど、それほど脅威は無いのでしょうか???。
しかしこの4日からチリはアルゼンチンとの国境を開けました。メンドーサの方からアンデスを越えてアルゼンチン人が大挙してチリに入ってきています。私の感覚ならそれほどコロナ問題がひどい国から大量の観光客を受け入れるのは止めた方が良いと思いますが、チリ政府はそうは考えないようです。ただ国民にバケーションはチリ国内にして海外に行くのはやめてほしいとコメントしていますが。

2)マプチェ問題
国会でまた軍隊の南部駐屯延長が認められました。もう何回目か分かりませんが。
それでもまたバスに火がつけられ、混乱は継続です。
直接には関係ありませんが、山火事が継続で今年は昨年よりひどいとか。
3)移民問題
2015-17年にチリに移民した人の数は40万人でした。2018年から20年の間では6800人。
全く違った数字ですね。
土曜日の新聞に、その少なくなった移民の人のコメントとして、出来ればチリの国籍をもらいたい、失業してもすぐに帰国することを考えずここで再就職を狙うとしています。
4)交通事故
 年末年始の大きな動きの間で、交通事故が814件起こりました。そして28人が死亡しています。またアルコール・麻薬検査で268人が逮捕されました。お祭りで酒を飲んで運転するわけですね。


以上