チリの風 その920  2020年12月28日ー2021年1月3日

とうとう新年ですね。
新しい年を希望をもって迎えていたのが懐かしいです。昔は今年は昨年より良くなると信じていました。
さて、今年はどうかな?
晦日と言えばチリでは花火大会が有名でしたが、今年は全くなし。
ただ禁止されている個人の花火が全国各地で上げられたらしい。それは違法ですから警察が犯人探しをしています。花火が原因でいつものように火災・やけどの事故も起こっています。それからパーティは禁止されていますが、あちこちで行われ毎日のように逮捕者が出ています。悲しい現実。コンセプシオンのキャンプ場で700人ほどテントを張っていたところに警察が来て全員退場するよう指示を出しました。ただし逮捕者はなし。
サンティアゴは祝日・週末は外出禁止ですから元旦から三日まで車の動きも少なく歩いている人はほとんどいませんでした。
警察の許可を取ってスーパーマーケットに買い物に行きました。誰も歩いていませんでした。店の入り口でその許可証を要求されます。携帯に入っている警察からの許可書メールを見せます。
さて年末に娘と丘歩きをして、大晦日に仲間とマラソン練習何とか1年間、体力気力を維持しました。
今年は情熱を持って生きていきたいです。何もしないで食事をして寝るだけなら喜びはわかないですね。
昨年初めの活気が戻ってきてほしい。新しい風が来て仕事(ボランティアも含め)を楽しむ現役に戻るか、一人の老人年金生活者に留まるか・・・。

(政治)

1)ピニェラ動向
  世論調査でピニェラを支持するは7%まで落ちていましたが、最新の数字では17%に大幅アップ。何がその原因なのかな?
  火力発電所の閉鎖
  まずバルパライソ州のプチュンカビにあるベンタナ1火力発電所を封鎖しました。ここは先年大気汚染問題で住民が激しく抗議したところです。遅れたけど、汚染対策が実行されました。さらに南部のコロネルにあるボカミナ発電所も封鎖。この発電所は50年の歴史がある(つまりすごく古い)ものです。2024年までに11か所を封鎖したい。それを風力など新しい発電方式に交換したいとピニェラはコメント。チリの大気汚染は中国に比べるとほとんどゼロでしょうが、それでも何とか良くしていこうとするのはうれしい。ピニェラもがんばっています。
  ワクチン第2弾が到着 
  先週に続いて今週もファイザーのワクチンが11700人分到着。各地の病院に配布されました。直接、彼の問題ではないですが、夫人が娘を連れてマイアミに遊びに行ったのが話題になっています。法的には問題ないかもしれませんが、この時期何するのと言う雰囲気。マイアミに買い物に行ったというんですが、アメリカの方が物価が安いのでしょうか、品物が豊富なのでしょうか。もし首都圏に全面自宅待機令が出されるならその前にバケーションを楽しもうということでしょうね。
  先日、サンティアゴの空港がオープンになり、外国との連携が回復しましたが、それ以降に患者数が増えたのも事実。イギリスの変異ウイルスがもうチリに上陸しました。

(経済)

1)大蔵大臣の評価
  先週、彼はできると書きましたが、素人の私ではなくイギリスの経済誌のザ・バンカーが昨年のラテンアメリカの大蔵大臣のベストと評価。やっぱり困難な状況を乗り越えるには手腕が必要ですね。
2)経済指数
  11月の商業指数は15.2%にアップ、工業指数は0.7%の上昇。電気・ガス・水指数は前年対比1.6%アップと正常化してきています。鉱業は0.6%と少しながら上昇。つまり昨年は前半の上昇、中盤の落ち込みの後、年末にかけて正常化が図られているということが確認できます。しかしはっきりしているのは今年の経済動向はコロナ問題にかかっているわけで、患者が増え続け、経済活動が止まればまた昨年中盤の危機が戻ってくるのは明白。つまり経済学者の読みではなく、病気の処置がチリの動きを決めるでしょ
3)失業率
  9ー11月の失業率は10.8%と少し下がりました。毎月少しづつ下がっています。
4)銅価格と為替
  為替でドルは2017年以降の落ち込み、1ドルは711ペソです。銅の価格はポンド当たり3.5ドルの高水準をキープ
5)株式市場
  日本は昨年16%のアップで世界3位の上昇率でしたが、チリは全く逆で10.5%も下がりました。こんな状況で株が上がる日本は不思議な気もしますが、チリの落ち込みは理解できます。ただドルが弱くペソが強くなっていることと、銅価格の上昇でチリ経済の見通しは明るいと言われ今年はチリの株式市場は久しぶりに上昇するとか。しかし投資家も困りますね。経済が国・企業の力で動くだけでなくコロナに影響されるわけですから。それは専門家だけの問題ではありません。厚生年金の運営も投資が直接影響するわけで、国民各自にかかわってきます。

(一般)

1)コロナ問題
  チリにも変異種が上陸。欧州から戻ってきた旅行者に発生です。イギリスみたいにどっと増えるのかな?
  半年ぶりに一日の感染者が3,000名を超えました。水曜日は3022人、木曜日は3588人。そして金曜日は3338人と三日連続です。さらに心配なのは感染率が5%を大きく超え木曜日などは7.1%でした。となると政府が先月に発表した1月4日から新規則になるなら、全都か一部の区はレベル1に戻って全日の自宅待機になりそうでした。ところが土曜日の午後の厚生大臣とそのグループの記者会見で首都圏のレベル2は維持と発表されました患者数が上がったのはクリスマス・年末のパーティで大勢が集まったのが原因でしょうが、今までの方針を替えてレベル1に落とさなかったのは政治的判断でしょうね。夏休みプランを実施するにはレベル1では不可能ですから。さてその夏休みプランですが、1月から3月の間に家族で1度だけ、1カ所の訪問が認められます。警察に頼むと外出許可証が出るわけです。ただしそれを依頼できるのは出る地区も入る地区もレベル2以上が必要です。レベル1の地区の住民は外出できないし、そのレベル1の地区には誰も入られません。
  上記の夏休み計画も産業開発(国内観光)を考えての作戦ですからね、抑えるばかりではいけないというスタイルが明白です。ところが不思議なことに首都圏の周辺の街で、レベル3に上がった地区が出ました。つまり毎日、週末も自由に歩けます。不思議な措置でした。
  三日続けて3000人を超えた新規患者数ですが、土曜日の数字は2289人。厚生省はほっと一息。違いますね。いつも言っているように、その日は検査数が2万人台と極端に少なかったからで、感染者率は7.6%と逆に上がっています。ところで病院の状況ですが危篤を含め791人が重病患者です。それでもまだ人工呼吸器は314個余裕があるとか。ワクチンが今週も到着。11700人分でした。ワクチンが救世主になるのか?ただし、病院で勤務する人の4分の1が病気になって仕事から離れているとか。厳しいですね。
2)大学入試
  明日から入試が始まります。問題なくちゃんと入試が実施できて、その結果が適切に発表され、そして3月から授業が始まれば最高ですが、そう簡単にはいかないでしょうね。
3)生活年金
  チリの厚生年金は各自が積み立てた金額を民間の会社が運営し、その合計額が将来の年金支払いの基礎になります。しかしその年金のない人には、日本の生活保護にあたる生活年金があります。今月からそれが2万ペソほど上がりました。年齢によって変わりますが、支払われる金額は大体、月2百ドル程です。

(スポーツ)

1)サッカー
  2位のラ・カレラが勝って首位カトリカとの勝ち点の差は1になりました。次の試合の結果、首位が変わる?しかしそれよりみんなの眼は最下位のコロコロが2部リーグに落ちるかこのまま1部に留まるかというところ。コロコロは今日の試合に勝って、最下位18位は変わりませんが、その上位17位との勝ち点の差は1。どうなるかな?.それからチリ代表チームの監督をしていたルエダの将来が決定していませんが新監督探しが急がれてます。


以上

チリの風  その919  2020年12月21日―27日

クリスマスの25日、サンティアゴは34度まで気温が上がりました。もう夏至にもなったし本格的な夏です。クリスマスでも、今年はコロナ問題から、いろいろ行動が制限され、私も息子家族に会ったけど食事も出来ませんでした。クリスマスの翌日、公園で子供が自転車やローラースケートなど、プレゼントしてもらったもので遊ぶのが通常でしたが、自宅待機令が出ていますから、今年はそんな子供は一人もいませんでした。

マンションの改修工事は進んでいます。職人さんが8時ころ着きます。私はそのあと外に出てマラソン練習。まだ暑くないのでそれほど汗をかかずに走れます。さてマラソン仲間と連絡を取ってこの大晦日、31日の朝に一緒に走ることになりました。たまには一人で走るのとは違うそんな楽しみも味わいたいです。


(政治)

1)ピニェラ動向
  モネダ宮殿で先住民の代表と面談し、来年の新憲法制定委員会のメンバーを選ぶ国民投票で先住民代表に17の席を用意するとし、先住民の歴史・知識が現在のチリの基礎になっているとコメントしました。マプチェ、アイマラなどのほかにイースター島パタゴニアの先住民にも席があるとか。木曜日にやっと到着した1万人分のコロナのワクチンが首都圏の病院関係者に接種されるのをピニェラは厚生大臣と一緒に観察しました。その後、ワクチンは南部のプンタ・アレナスなど各地に運送されました。世界の様子を見ると都市閉鎖などをしても問題解決にはならないとみられますから、ワクチンが救世主に見えます。もちろん副作用とか、薬の品質などいろんな問題は出るでしょうが。ワクチンがこの先どのように、どれくらい入ってくるのかが注目されます。中国製ワクチンは1月初めにつくとか。
2)各党・グループの大統領候補選定活動
 今まで民主化してから中道左派が多くの大統領を出しましたが、共産党がその連合に入ってから中道のキリスト教民主党DCは居心地が悪くなり、さらに新左翼が進出してきたので連合の中に留まるか、独立するかを考える必要があります。さらに政府側も最右翼UDI党と中道右翼RN党の対立もあり、同じ中道のDCがRNと手を組み、右翼中道左翼の3つに分かれて戦うという可能性もあります。1月に大きな風が吹くでしょう。与党側の候補者では、世論調査では一番人気は前国立銀行総裁のシーシェル、次いでプロビデンシア区長のマテイです。

(経済)

1)全般
1982年の民主化以降、今年は最悪の年になりました。GDPは第1四半期は0.1%のプラスでしたが、そのあとは第2が14.5%、第3は9.1%のマイナス。第4は少しは上向いていると言われますが、どうなるでしょう。失業率は年初の7%くらいから3月以降急上昇で13%を超えました。最近は11%ほどと少しづつ良くなってきています。で、来年は正常化するのか。コロナ問題は継続なのかが心配されます。これはピニェラの失策によるものではありませんが、運がなかったわけですね。それでもあの混乱を何とか切り抜けたのは大蔵大臣のブリオネスの手腕によるものでしょうか。
2)銅価格と為替
銅はポンド3.53ドルと高値安定。このため為替は1ドル716ペソと勢いをつけて益々ペソ高に向かっています。
3)中国問題
 毎週のように中国が話題になりますが、外国資本が送電などチリの基幹産業を抑えるのはどうだろうとコメントされます。今週はチリ南部の鉄道に中国製の汽車が導入されるとされました。コロナのワクチンも中国から大量に来るようですが、品質は大丈夫かな?

(一般)

1)コロナ問題
先週、政府はこの月曜日に新しいことを発表するとしましたので、一部または首都圏全部がレベル1に戻り、毎日自宅待機になるのかと思いました。木・金・土曜日と新規患者が2000名を超えて緊急事態が近いと言われたからです。しかし患者数は日曜日は1943人に落ち、少し落ち着いたように見えました。そこで雰囲気が変わり、政府は条例の変更はせず、そのままクリスマス・新年を迎え1月4日に結論を出すことにしました。小康状態と見たわけです。しかし藤尾式に見れば、日曜日のPCRの検査数は45693人だったのですが、その前は6万人近い数字でしたから、つまり同じ6万人の検査をしていれば日曜日は2000人をはるかに超えて緊急事態宣言になったはず。藤尾式を使えば首都圏はレベル1になっていました。そんなことにならず良かった良かった。人口はチリの7倍ほどの日本の検査数は数万件でチリとほとんど同じくらい。つまり検査数を増やせば陽性者が増え、オリンピックが開催できないと考えるのでしょうね。
現在、首都圏は全域がレベル2で、週末・祝日は外出できません。また他州への移動もできません。特別許可をもらわないで他州に向かって道路を走っていると検問所で止められ、元の所に戻るよう指示されます。この週末、首都圏からビーニャに向かった観光客のうち24000人は必要な書類がないと戻されました。その許可が下りる条件は、自宅に戻る(別荘はダメ)、病気の治療を受ける、親族の葬式に参列することなどです。私の息子家族は私の所を訪問するのに老人に食品を渡すという名目で警察に外出許可を申請し入手しています。
コロナ問題がひどい地区は貧困層と過密地区とされ社会問題が表面に出ています。初期は欧州へ外遊した金持ちが患者だったのですが、今では大きく変わりました。患者の平均年齢は当初は中高年が中心で52歳だったのが、最近は若手の不法集会などの影響で年齢が下がり、今週は39歳でした。昨日も各地で不法パーティが行われ、多くの人間が逮捕されています。ガンガン音楽を流し騒げば、近所の人が警察に連絡するのは当然で全員逮捕になります。なぜそんな簡単なことが分からないのかな?
さてチリの南極基地でコロナが発生しました。日本では大きく報道されたようですが、チリではほとんど無し。このままでは2021年の科学研究に影響出るかという記事でした。
2)飛行機の乗客
 11月の航空便の利用客は国内・国際線の合計で60万人で、昨年の同月の200万人からは大幅減少でした。それでも10月よりは39%アップと、今年の末にかけ良くなってきています。さぁ12月はどうかな?
国際線は軒並み大幅ダウンですが、マイアミ便だけはほぼ正常で11月は前年対比僅か16%の減少でした。どうしてマイアミだけ人気があるのでしょう。
ラタム航空は今月から社員に給料を正常に(100%)払うことにしたとか。しかしバスによる長距離の移動は通常時のわずか10-15%と激減です。バス会社は泣いていますね。
3)クリスマス
クリスマスプレゼント
子供にプレゼントを贈るのは、習慣ですから、今週はショッピングセンターや道路の青空市場に大勢の人が押しかけ買い物をしました。混雑したところに行けば、病気が発散しないかな。年金の引き出しが行われたことなども影響したのか、パソコン・大型テレビなどの電気製品は、昨年より40%以上売り上げが伸びているとか。
宗教
今まではクリスマスになればミサの様子がニュースに出ましたが、今はコロナで集会は禁じられていて、全くニュースになりません。キリスト教のニュースと言えば、今週も出ましたが、神父の年少児への性的暴行問題で、見苦しいことこの上なしです。そういえば、ローマ法王のクリスマスミサの中でラテンアメリカ関連ではチリとべネスエラの名前が出ましたが、チリの社会混乱の鎮静化を願うとされました。
4)反政府運動
今週、中央駅区の警察署に爆弾が仕掛けられました。木曜日、用事があって外に出ました。地下鉄のバケダーノ駅で降りましたが、メインの出入り口は封鎖されていました。反対側の小さな出口から外に出ました。まったくデモ隊はいませんでしたが、警官が暑い日に銃を構えて警戒中でした。さすがにクリスマス。この週末は大きなデモはありません。
デモとは違いますが、首都圏のマイプ区で2度、銃による攻撃があり、死傷者が出ました。どこかのグループの間の争いと言われますが、死傷者は歩行者で全く運が悪かったようです。犯罪グループは銃を持ち、敵対グループに攻撃をするのは日常事件です。 10年前はチリには他国のような麻薬組織は無い(少ない)と思われていましたが、今は、コロンビアやメキシコ並みになってしまったと思われます。銃を空に向けて発砲して遊ぶなんて頻繁です。その地区の住民はたまりませんね。
今日、日曜日ですよ、ピニェラはモネダ宮殿で部下を集め協議した結果。組織暴力団(ほとんど麻薬関係ですが)の取り締まりに関し新しい法案を議会に提出するとしました。刑を増やす、警察の調査をしやすくするなどが盛り込まれているとか。遅いけど、何かしているわけですね。

(スポーツ)

1)サッカー
  国内リーグ戦は12月末に全日程を終えるはずでしたが、延期・中止になった試合が多く、このままでは2月半ばまで続きそうとか。選手の契約は12月で終わるケースが多いのですが、次の2か月どういう契約をするかもめているとか。
 首位のカトリカは今日は引き分けで2位と勝ち点3です。最下位のコロコロがどうなるかが見ものとされています。2部リーグに落ちないよう選手のボーナスを用意して1部に残ればそれを払うとか。いやはや。


以上

チリの風  その918  2020年12月14日-20日

普通ならクリスマス一色と言う時期ですが、今年はそうでもありません。

何もしないで生きていけるなんて素晴らしいという意見と、何もすることがないなんて生きる値打ちがないと言う意見があるかもしれませんが、今の私は仕事もボランティア活動もなくなりボケっとしています。通訳やガイドの仕事、そして子供とサッカー教室、登山教室を楽しんでいたのが懐かしいです。
マンションの改造工事をしているので、騒音とほこりに悩まされ、家具が全部ベランダに置かれてまるで倉庫の中で生活しているようです。それでも仕事をしていると考えて辛抱します。

丘に登って下の街を見ると、東部の空は青空ですが、中央部、西部はスモッグで覆われてています。コロナ問題で経済活動が止まった時は大気汚染も少なくなったのですが、皮肉な事実。この先どうなるでしょう。
今週も金曜日を除いて毎日30度の暑い日が続きました。

一人でマラソン練習を続けています。

(政治)

1)ピニェラ動向
  15日はチリと中国が友好条約を結んだ50周年記念日でした。ピニェラは習近平と電話で会話した由。その時、習近平は彼に中国訪問をするよう誘ったらしい。
  チリの外務大臣は中国漁船がまだチリ領海で不法に操業を続けているとコメントしていますが、ピニェラは習にクレームはしなかったのかな?

  それから全テレビ局を通じて、コロナワクチンが2万人分到着してくる。それを無料で希望者に提供するとしました。来週に到着しますが、まず最初は病院関係者にワクチンをしてもらうとか。チリの検査機関はそのファイザー社のワクチンを認定したので、年内のワクチン注射は確認されました。そのほか中国製のワクチンもチリに入るらしい。
  今、チリの大企業は大半が自宅勤務をしていますが、ワクチンの効率が確認され始めたら、来年6月ころから事務所に戻って働くことになりそうです。誰もそれを保証できませんが、会社の中でそう言う噂が出ていると聞きました。

  政府は今までコロナ問題による貧民層援護の寄付を数回実施していますが、そのクリスマス版として330万家族(約800万人)に一人当たり5.5万ペソを寄付するとしました。頑張ってこの企画を来年も継続すると言われています。

  内閣改造
  防衛大臣のデルボルデスが辞任しました。彼は前国民改革党RN党首です。次の大統領選挙に出るためと言われます。このためプロフリカ鉱山大臣をその後任にし、ホベットエネルギー大臣に鉱山大臣を兼任させることにしました。ホベットは発電に風力・太陽などを使用する緑の政策を進めそれが認められたため、2つの省の大臣を兼任することになったわけです。 大統領候補として右翼の方はUDIのラビンとマテイが先行していますが、デルボルデスもすぐに追いつくでしょう。国立銀行のシーシェル総裁も辞任しました。彼も大統領職を狙っているのですね。

  それからピニェラがマスクをつけないで海岸を散歩していたことが問題になっていますが、規定で250万ペソの罰金を払うことになりました。自分で訴えて罰金を払って喜んでいるようです。これは日本でも報道されたようですね。先週、世論調査で彼を評価するという人が7%と大きく下がったことを書きましたが、新聞の嫌がらせで「俺は7を取った」と喜ぶピニェラの漫画が出ました。これはチリの学校で学生を評価するのに7段階に分け、7が最高です。(日本では5ですね)

  先日、最右翼UDI党の党首選挙がありましたが、現職党首が秘密話をしました。新聞の日曜日の特集に出た彼女は「ピニェラ政権は崩壊の危機にあった。誰も知らなかったようだが、それは昨年11月の新憲法受け入れの時で・・・」とコメント。その時、UDIがどうして新憲法是非の国民投票を受け入れることにしたのかは言っていませんが、ピニェラと秘密の取引をしたのでしょうね。何それ?
 2)国会
  国会で議論されている暴動犯の特赦について、もし法案が成立すれば大統領としてそれを拒否するとピニェラは発表しました。上院議会の議長は大統領の議会に関する脅しを喜んで受けるつもりはないとキッパリ拒否しました。昨年からの放火・略奪・破壊犯として約800人が刑務所に入っています。まだ有罪とは決まっていないのですが、彼らの裁判は進んでいません。野党側としては、反政府運動家として、彼らを釈放するのを狙っているわけですね。もっとも野党の中でも何人かはこの法案に反対している議員もいます。
  それから今週、デモ隊が横断幕を掲げましたが、それには政治犯の仲間を釈放せよと書かれていました。地下鉄の駅を壊した犯人は政治犯なのですかね。不思議なことは、その多くの暴力犯が刑務所に入っていても、同じような犯罪は続いていますが、地下鉄の駅への破壊・放火事件は皆無です???どうしてかな?自分にとっても不便になるのを身に染みたのかな?
  さていつものように今週も金曜日に暴力デモがあり、モネダ宮殿を囲もうという呼びかけで、その近くをはじめ各所でデモ隊が警察と衝突。最近で一番、目立った騒動になりました。120名が逮捕されました。火炎瓶を投げて捕まった中に14と15歳の少年がいました。強盗などでも青少年の犯罪が増えています。

  そのほかに安楽死を認める法案が論議されています。生きていけないと考える人の人生は難しいですね。

  それから厚生年金の2回目の引き出しが進んでいますが、議員の中で3回目を進めようとする声が出ています。もういやはやと言うところ。
  

(経済)

 1)チリの赤字
  上記のように国債の発行が毎月・毎年、赤字を膨らませています。その総額はGDPの32%になっています。しかし新聞の記事に、「それはまだかわいい方だ、G7の国の赤字率は3位がアメリカでGDPの131%、2位はイタリアで161%、1位は日本で266%」と書かれていました。
 2)銅価格と為替
   銅価格が上昇を続けています。ポンド当たり3.61ドルと2012年2月以来の高い数字。そのため為替もペソ高が継続。1ドル721ペソまで来ました。これは昨年10月の社会不安が起こる前のペソに戻ったわけです。
   今年はドル安の年と言われますが、ユーロ、円、元がドルに対して高くなっています。それは経常黒字の地区でドルに対して強くなったのですが、チリの場合は銅の価格が影響しているのでしょうね。もっとも銅の価格が永遠に上昇するわけはなく、しばらくするとまた以前の状態に戻るのは間違いないと思いますが、どうでしょう。
  

(一般)

1)コロナ問題
  先週の週末は首都圏全部がレベル2になり、外出が禁止されましたが、警察に特別許可を申請したのは181万人、許可をなく外出して捕まったのは1262人でした。この日曜日は申請者は過去最高の160万人だったそうですが、私も今日、外出許可をもらって買い物に行きました。遠いスーパーマーケットを選び、遠回りして行きました。買い物をしているのか散歩をしているのかわかりませんね。
  
  金曜日に患者数が2404名と7月末以来の高い数字でした。
  先週、次の文章をチリの風に書きました。
  週末にかけてずっと数字をあげ、金曜日は新規患者が1807名と2か月ぶりの高い数字でした。さらに土曜日は2139人になったのでチリの第2波は確実と思われましたが、PCR検査数が過去最大の48054人だったとかで、検査数を増やせば患者数が増えるのは明白です。つまりもし検査数が4万人だったら患者数は1780人ほどだったわけで、それほどチリの状況が極端に代わっているわけではありません。

  今週の数字とその7月の数字を比較すると7月の時点は2万人ほどの検査数で、陽性率は10数%。現在は4万人以上で陽性率は5%ほど。つまり7月と同じくらいの2万人だけ検査すると、患者数は半減します。もしこの作戦をとれば、ピニェラは私たちの努力が実り、患者数は半減しましたと言えるわけです。なぜ患者数を増やす作戦(検査数を上げること)をとるのか、よくわかりませんが。製薬会社が売り上げを増やすため、政府の後ろから押しているのかな?まさかね。
  
  そのあと3日連続で新規患者数は2000名を超えています。昨日の土曜日は2191人でしたが、なんとPCR検査数は50285名。どうですか、私の理論では患者数の増加は検査数の増加によるものです。噂では首都圏は再度、外出禁止令レベル1に戻ると言われますが、厚生大臣はそれを否定し、もしその様なケースになれば全首都圏でなく患者数の多い区が選定されるだろうと。それは少し前に実施されていた方法ですね。なんでも明日の月曜日に発表されるとか??
  10月以来、久しぶりに患者総数が1万人を超え、土曜日に13000人になりました。

2)皆既日食
  南部での皆既日食は、観測地で一番有名なのはプコンでしたが、天気は悪かったのに何とか皆既日食は観測できました。
  マスコミによると同地方で観測したのは18-20万人とか。ほかの情報では観光客は8万人とされていました。
  もしどちらも正しいなら半分以 上の観測者は地元の人ということになります。  
  しかし昨年の皆既日食に外国観光団が殺到したのを思い出すと、観光者数の予想50万の6分の1だったわけですね。
  それも今回は大半はチリ人だったのですが。
3)木材不足
  少し前に書きましたが、テレビのニュースで木材製品が不足で大工さんが困っているとまた出ました。ただ付け加えて、それはチリだけでなく南米のほかの国でも起こっているとされました。どうしてかな?

(スポーツ)

1)サッカー
  南米カップ戦の準々決勝に進出したカトリカとコキンボは敵地でそれぞれ2対1で勝利をおさめ期待を持たせました。さて今週、ホームで対戦した2チームはなんとどちらも敗戦。しかし0対1で負けたコキンボは総合点で準決勝に進出。1対3で負けたカトリカは敗退になりました。カトリカの場合、敵地でゴールした選手がコロナで出場禁止になったのが響いたとか。勝負の世界は厳しいですね。国内リーグ戦は土曜日、首位のカトリカが最下位のコロコロと対戦。結果は引き分け。誰も喜んでいません。首位のカトリカ、最下位のコロコロの順位は変わりません。


以上

チリの風  その917  2020年12月7日―13日

毎日30度の気温が続くサンティアゴです。水曜日は33度まで上がりました。しかし木曜日はなんと曇り空で最高気温が24度まで落ちました。週末はまた正常化です。何それ・・という感じですが、コロナ問題で突然、首都圏全域がレベル2に下がり、週日は問題ないですが、週末と祝日は外出禁止になりました。仲間と一緒に走っていた日曜日のマラソン練習は当分中止です。しばらく週日に一人で走ります。山歩きは火曜日の祝日にサン・ラモン山岳公園に行き、川のそばのコースを歩きましたが、川に降りる小さな道を見つけたので川のそばに行きました。雪解け水ですが、水は意外と冷たくなかったです。上に戻るとき、滑ってこけて左手首が痛くなりました。翌日痛みが引いたので一安心。
それから息子夫婦が子供を連れて来てくれました。孫ですね。世界中どこでもおじいちゃんは孫を見ると目がほころびます。

(政治)

1)ピニェラ動向
  今週の世論調査で彼を支持するはなんと7%に。極端ですね。ほとんどチリの市民で彼を応援する人はいないということです。来年の大統領選挙まであと1年。何をするのかな、ただ時間が過ぎるのを待っているだけなのかな?彼を引きずり降ろそうとする動きは与野党ともにありませんが、それは代わりの大統領になりそうなのがいないからでしょう。太平洋同盟(チリ、ペルー、コロンビア、メキシコの4国)のテレビ会談がありました。コロナ対策や社会の変動などの大問題があるが、それにどう対応していくべきかが話し合われた模様。そして土曜日に同じようなプロスールのテレビ面談が行われ、ピニェラはパリ協定が結ばれて5年になる、自然保護の認識を持って環境保全に力を入れたいとしました。どう組織にはブラジル・ウルグアイ、ペルーそのほかの国が参加しています。今週、コロンビアの大統領がチリを訪問しピニェラと話し合いましたが、彼もプロスールの会議に同席しました。
 2)厚生年金の第2回払い戻し。
  とうとう木曜日から実際に作業が始まりました。最初の週に加盟者の約40%、5.2百万人が手続きした由。ところで厚生省はこの2回目の引き出しが終わった段階で、年代別の各自の保持金を発表しました。その1例ですが、55歳から59歳の加盟者106万人中、約4500万ペソ以上を保有するのは17%、約1千万ペソ以上は37%、約100万ペソ以上は29%、なんと全く残額がない人も7%。いろいろですね。
3)新左翼
  10数年前の学生運動の時、ペンギン運動と呼ばれましたが、そのリーダーだったジャクソンはすぐに議員になりました。圧倒的な人気があったわけです。さて彼は新左翼の我々はチリが民主化してから大統領を出し続けた連合と呼ばれる勢力より(中道のキリスト教民主党や左翼の社会党など)もっと左の共産党と組む方がすっきりするとコメント。野党グループの分裂が明白です。共産党の区長が上位の大統領候補になっていますが、社会党などからの人気候補者はいません。

(経済)

1)物価上昇率(IPC)
  11月のIPCはマイナス成長でマイナス0.1%。今年3回目のマイナス。過去12か月では2.7%の上昇です。正常ですね。
2)銅価格と為替
  銅の価格はポンド当たり3.51ドルと留まることを知らないように上昇。このためペソ高が続き1ドル739ペソでした。銅だけでなく鉄の価格も上がり、何でも過去7年で最高とかチリの鉄鉱山は笑いが止まらないでしょうね。
 

(一般)

1)コロナ問題
  月曜日、突然、全首都圏で警戒レベルを上げ、週末・祝日の自宅待機令を出しました。今まで各地区で患者数が増えたり減ったりしたときレベルを変えていましたが、今回は一律なので政治的判断と思われます。つまりクリスマスや大みそかの派手なパーティを止めさせようと言うことでしょう。もっとも市民の反応が冷ややかだったので、厚生大臣は毎週状況を見ながら規制を緩和するかどうか決めたいとしました。もしかするとクリスマスの前に正常化するかもしれないとコメントしました。それは単なる言葉遊びですね。さらに将来、各区に違う規制をすることも考えていると基本姿勢が揺らいでいるのは情けない。
  火曜日は新規患者1247名、死者10名と落ち着いたのですが、週末にかけてずっと数字をあげ、金曜日は新規患者が1807名と2か月ぶりの高い数字でした。さらに土曜日は2139人になったのでチリの第2波は確実と思われましたが、PCR検査数が過去最大の48054人だったとかで、検査数を増やせば患者数が増えるのは明白です。つまりもし検査数が4万人だったら患者数は11780人ほどで、それほどチリの状況が極端に代わっているわけではありません。
  コロナワクチンは数社と契約し、1500万人分は確保したらしい。現在、検査機関がチェックしているので今週中にもその薬品の使用の許可を出すとか。アメリカ政府はそれを許可しています。もっともそんな大多数のチリ人がワクチンを受けるのは簡単ではないですね。
  ところで、自宅待機になった初日の土曜日、外出許可を警察に申請したのは50万人、週末の自宅待機令を守らず外を歩いていた人間が土曜日200名ほど逮捕されました。.
2)皆既日食
  先週、首都圏から郊外に出た車の数は44万台だった発表されました。その観光客の動きは次回は南部のアラウカニア州(第9州)のプコンなどに14日の皆既日食を見るため向かうはずでした。そこは人口28500人の観光に集中した街です。夏季の観光シーズン中は毎日12万人も訪れるとか。そこへ50万が来ると予想されていましたが、首都圏からの観光客は禁止になりましたので、いったいどうなるのか・・・
  ところが金曜日の夜にすでに12万人が到着したとか。もう街に人があふれています。従い20万人は堅いのではと言われます。つまり首都圏からの他州への旅が禁止された木曜日の前に外に出てプコンに向かい、日食が終わった後、自宅に帰るので移動許可を認めてほしいと申請するのでしょうね。少し金はかかるけでのんびりできそうとか。テレビのニュースで首都圏から来た旅行者が言っていました。でも明日の天気はどうかな?予報は雨ですが、雨だったら皆既日食は全く見えませんね。
3)8,9州の木材犯罪
  マプチェ関連で木材に関する犯罪が継続です。それには森林に入って不法に伐採するのと、木材を積んだトラックを襲う二つがあります。2018年に両州で107件の犯罪があり多くの犯人が逮捕されました。しかし裁判所で有罪になったのはわずが5人。たった4.6%です。裁判所が悪いのか法律が悪いのか。
4)サンティアゴ反政府運動
  今週は木曜日と金曜日にデモがありました。そしていつものように商店で略奪行為。そして放火も続き、木曜日に4台の電動バスが全焼しました。そのうちの1台は仕事についてわずか4日目のピカピカの新車だったとか。
5)山火事
  第5州のサン・アントニオ地区の山林が燃えています。人家に燃え移らないように消防隊が消火作業に当たっています。 

(スポーツ)

1)サッカー
  FIFAの発表でチリの国際ランクは17位。パッとしませんね。それが現状でしょうが。注目の南米カップ戦でチリの2チームは、カトリカはアルゼンチン、コキンボはコロンビアと敵地で対戦し、両方とも勝利。来週はホームで戦います
 つまり両チームは準決勝に行きそうですね。素晴らしい。もしかするとチリのチームが優勝したりして。国内リーグ戦はカトリカとラ・カレラが首位ですが、カトリカは試合数が2試合も少ないので、カトリカの優位は変わりません。
 それより話題なのは人気のコロコロが2部リーグに落ちるかどうかです。今までコロコロは一度も2部に落ちたことはありません。
 チリ代表チームの監督はやっぱり変わりそうです。誰がなるのかな?


以上  

チリの風 その916 2020年11月30日ー12月6日

今週は毎日30度の日が続いたサンティアゴです。今年の春の気候(9-11月)は1950年以来2番目の高温・乾燥だったとか。チリの風でしょっちゅう書いていますね。山火事のニュースが出始めました。
10か月ぶりに街のセントロ(中心部)を訪問しました。そこにある美術館・歴史博物館・考古学博物館に行きましたが、全部オープンしていました。その日は歴史博物館に入りました。それはサンティアゴの中心のアルマス広場の前にありますが、広場にはたくさんの人が集まっていました。そこからモネダ宮殿まで歩きました。来週の火曜日はカトリックの祝日なので、月曜日に休みを入れて4連休にする人が多く、この週末サンティアゴから近くのビーニャなどになんと23万台の車が出かけたとか。その地区のホテルは50%の部屋に客が入っている由。通常化ですね。私は山歩きはできなかったけど、丘上り、マラソン練習とスポーツをちゃんと実施。いつもの日曜日のマラソン練習も仲間3名と楽しく走りました。

(政治)

1)ピニェラ動向
 市民調査で彼を支持するのは13%に下落。彼がさぼっているとは思えないけど、人気はないのは感じます。ピニェラはマイプの電動バスターミナルの開所式に出席しました。そこで、「チリは電動バスを導入して大気汚染を少なくし、皆さんの生活向上に力を注ぎます」とコメント。現在776台が走行中とか。
 それから厚生年金の積立金の第2回払い戻しが決定しましたが、ピニェラはクリスマス前に、そのお金は払い戻しを申請した人の手に入ると発表しました。前回の時、野党側は私たちは皆さんのために戦い、政府に勝って払戻金を皆さんに渡せるようにしましたと発表しましたが、今回は野党だけでなく与党も賛成し、国会では議員ほぼ全員が賛成に投票しました。政府が貧しい人に援助するなら議会の勝利とか言えそうですが、将来の各自の年金の基礎になるお金を途中で崩して使ってしまえば、年金が減少するのは当然で、それを喜ぶ議員のレベルの低さにはがっかりします。払い戻しを受ける人の収入レベルによって税金を取るということになったようです。政府としては少しは返してもらおうということでしょうか。
 この週末、ピニェラは海岸に散歩に出かけたらしい。そして土曜日、そこでマスクを着けずに歩いていて、通りがかった人と記念写真を撮りました。共産党区長ハドゥエから、「大統領は海岸でもマスクを着けてコロナから身を守ろうと言うが自分は実行しない、それが彼の実際の姿だ」と厳しく批判され、自分が間違っていたと反省。また人気が落ちますね。

(経済)

1)経済成長率
  OECDの推定ではチリの成長率は今年はマイナス6%、来年はプラス4.2%になっています。少しづつ元に戻っているのは数字にも出ていますねその例ですが、地下鉄の11月の利用者数は2600万人とコロナ発生以降で最高の数字になりました。5月には週に百万人まで落ち込みました。昨年は同じころ、週に1600万人だったので激減でした。
  さて年金の第2回払い戻しが決まったので、年末に向けて多くの人の懐が温かくなり、クリスマスプレゼントも派手になりそうです。小売りや卸の商店はニコニコ顔でしょうが、ストックが足りなくなるかもという心配もあるらしい。ぜいたくな悩みです
2)銅価格と為替
  銅の価格はポンド当たり3.5ドルを超え、2012年以来の高い数字になりました。今年の今までの平均価格は2.75ドルで昨年を少し上回っています。このためペソが強くなり1ドル751ペソまで来ました。これは今年で1番のペソ高です。ところで銅の生産ですが、コロナ問題からメキシコやペルーがコロナ問題で昨年対比、11月までかなり下がっているのに、チリは粘って今までに5.8百万トンで0.6%と、わずかでしたが、上昇しています。銅価格が、このペースで進むと来年のチリの経済成長率は今の予想より高くなるとみられています。でもそれは中国の経済回復によるわけですね???

(一般)

1)コロナ問題
  火曜日は新規患者1,035名、死者8名と下がりましたが、木曜日は患者が1507、死者が81名と元に戻りました。金曜日は死者34名ですが、感染者の比率は3.8%ですから、確かに良くなってきていると思われます。
  ファイザー薬品のコロナのワクチンが来週からチリでも手に入るようですが、チリの私服警察が、犯罪グループがその薬品を強奪しようとしている情報が入ったと警戒を強めています。
  14日に皆既日食があります。チリ南部に日食を見に行く人は50万人と言う推定があります。しかしその観光地の中心のプコンの市長はコロナが心配だから観光客は一人も来ないでほしいと要請しています。政府はその地区への移動を規制する方向ですが、それでもかなりの観光客は行くでしょうね。同地区のホテル・レストランはどうなるかドキドキでしょう。ホテル協会の会長は「来週、多くの観光客に来てほしいという気持ちと、この皆既日食でコロナが今より増えれば、この夏の観光シーズンが台無しになってしまう」と二つの違った見方をしています。
  昨年のチリの皆既日食の時、私はガイドとして30人の日本人グループとラ・セレナに見に行きましたが、懐かしい思い出です。
  似たような例ですが、来週の火曜日のカトリックの祝日にバルパライソに近いロ・バスケスに巡礼が押し寄せます。サンティアゴから一日かけて歩いていく人もいるほど。しかし今年は政府はそれを禁じました。祝日の前の日の午後5時から、その教会の前の道路68号線を封鎖し車でも自転車でも歩いてでも近寄ることはできません。その規則を破って教会に侵入する人が出てくるかな?
2)国民投票
  先週の日曜日の予備選挙に投票者が来なかったと書きましたが、投票したのは41.9万人で先月の752 万人の10%からほど遠い6%ほどでした。意味のない投票だったというわけです。与野党が自分たちのグループの中の代表を選ぶのにどうして国が手間暇かけて国民に投票させるのでしょう。自分たちでやってもらえばよいことですね。
3)強盗
  駐車していた大蔵大臣の車が強盗グループに襲われましたが、大臣の護衛警官がそれを見つけ、そのグループに発砲。犯罪グループの一人は死亡しました
  同じく犯罪の例ですが、地下鉄で硫酸を持っていた男が逮捕されました。硫酸が漏れたのか彼のバックは破れそうでした。その男は最近のデモの時、火炎瓶を投げているのがビデオに写っています。日本のサリン事件を思い出させますね。それから今までに146回逮捕された男の歴史が日曜日の特別記事になりました。彼は26歳ですが、以前、年に36回も逮捕されたことがあります。
  彼が生まれたとき、父親は子供を認知するのを嫌がり逃走。母親はアルコール中毒になり、赤ちゃんを近所の家庭が引き取ったとか。それから点々と家族が変わり、10歳からマリワナにはまり、11歳で窃盗で捕まる。彼が通常の家庭で生活していれば、こんな人生にはならなかっただろうとその記事は結論付けています。
4)国外追放
  今週、外国人でチリで犯罪を犯した移民143名を国外追放にしました。強盗とか麻薬関連の罪です。ペルー、ボリビア人は国境まで、コロンビア、べネスエラなどは飛行機で送還しました。今年になって今までで1500人ほどとか。
5)中国問題
  もう毎週、中国問題がでてきますね。今週は中国の漁船がチリの領海に入ってイカコウイカ)を釣っている問題です。なんでも400隻ほどの船が南米の太平洋岸に現れ、その内64隻がチリ北部アリカの近くで操業しています。チリの海軍は24時間監視を続けているとか。しかしどうして船長を逮捕するとか、操業を禁止するとかできないのかな?日本の近辺でも同じ問題がありますね。

(スポーツ)

1)サッカー
  南米大会
  南米大会に参加のチリの3チームは今週の試合でカトリカとコキンボがベスト8に進出。国際大会の準々決勝に2チームも残ったのは8年ぶりです。しかし敗れたもう一つのウニオン・ラ・カレラも1勝1敗になったのですが、最後のPK戦で負けました。もしかしたら3チームが入っていたかもしれないなんて。でもそのため国内大会が混乱しています。
  国内リーグ戦
  日曜日にそのカトリカとチリ大学のクラシックと呼ばれる試合が予定されていましたが、南米サッカー協会が次の南米大会の試合を火曜日にしたため、日曜日では中2日になり規定違反。このため日曜日の試合は延期になりました。このため、今週の結果は首位はカトリカとラ・カレラが同点首位。ただしカトリカは1試合少ないですが。
  さて人気のコロコロは今週も引き分けで最下位を堅持ですが、怒ったファンが放火事件を起こしました???順位は最下位ですが、コロコロの選手の給料はチリでは断トツ。つまり給料は高いけど、プレーはひどいと言ういうわけですね。

  最後にチリ代表監督のルエダの件です。彼はコロンビア人です。先のワールドカップ南米予選でべネスエラに負けてチリが厳しい状況になったとき、彼を解雇して新監督を探せばどうかという意見が出ました。しかしその場合は退職金として220万ドル程を支払う必要がありますが、チリサッカー協会にはその金はありません。じゃ仕方がない彼に頑張ってもらおうかということになりました。ところがコロンビアの新聞にルエダはチリから戻ってコロンビアチームの代表監督になると報道されました。その場合は逆に彼がチリ側に220万ドル程を払う必要があります。しかし勝負の世界は面白いですね。そういう巨額の金が誰かから誰かに払われるわけですね。


  以上

チリの風  その915  2020年11月23日―29日

サンティアゴは連日30度を超える暑さで木曜日は33度まで上がりました。この乾燥と高温が続くとまた山火事が問題になりそうです。
さて日本人の友人の話ですが、彼は何年か務めたチリの会社を退職し、年金をもらうことにしました。その手続きを彼に付き合ってあちこち訪問しました。結論ですが、来月から年金がもらえます。また一時金ですが、失業保険も出ます。さらに高齢年金生活者として国営健康保険(フォナサ)が無料になり、公営病院でサービスを受けられます。
彼は永住ビザを持っていますから、ほとんどチリ人と同じですが、いつも書いているようにチリの中高年援助システムはちゃんと機能していますね。それから私のマンションのリフォームが始まりました。6週間の予定ですが、それが終わると私の人生はどうかわるかな?もちろん、ちゃんとスポーツも楽しみました。

(政治)

1)ピニェラ動向
  警察長官の交替式があり、ピニェラは参加しました。長官の交替で組織は良くなるでしょうか?2年前に起きた警官によるマプチェ青年殺人事件で、元長官は元内務大臣とともに裁判所に呼び出され証言しました。元内務大臣は警察側からの報告が実際とは違っていたとコメント。警察側が、どうして虚偽の報告を政府に挙げたのか問題になります。警察側のトップも現場からのレポートが違っていた言うのでしょうか。
  世界女性デーの集会にピニェラは出席し女性の人権を守りたいとコメントしました。
2)国会
  2021年予算が上院で大きな混乱はなく可決されました。例の2回目の厚生年金の掛け金の払い戻しは進んでいるようですが、結論は出ていません。
3)国民投票
  今日の日曜日、投票がありました。来年4月の地方選挙の準備のためです。その選挙は各地の州知事・市長・区長を選出するのですが、今日は与野党グループの多くの立候補者からそれぞれが一人を選ぶ予備選挙です。私にすればそんなものは各グループがやるべきでどうして国が面倒を見るのかと思います。私は投票所に行きませんでしたが、昼のニュースでアントファガスタの投票所に投票者が今は誰もいないとか、首都圏の投票所で先月の憲法改正投票ではこの時間に8000人来たが、今日は200人とか言っていました。最終数字はまだわかりませんが、多分先月の10分の1くらいでしょう。

(経済)

1)失業率
  8-10月の失業率は11.6%と毎月下がっていきます。もっとも昨年の今頃は8%でしたから、まだ正常化していないというのは当たっていますが、良くなっているのも事実。
  ブラジルはこの時期に過去最悪の14%を記録していますから、各国の様子は距離は近くとも違うということが分かります。同じように企業の成績も第1、第2四半期は赤字が目立ちましたが、今期の第3四半期は多くの企業が上向きになりました。その中でまだ苦しんでいる業界として、交通(飛行機会社、地下鉄)サーモン関連、保険会社などがあるようです。
2)銅価格と為替
  銅の価格は今週は3.33ドルと2013年以来の高い数字になりました。中国ってそんなに調子が良いのかな?このため為替もチリペソが強く1ドル766ペソで終えました。
3)中国問題
  5号線のタルカとチジャン間の高速道路の建設・運営に中国企業が最も条件の良い8億ドルの投資を提案しました。その会社はチリで病院建設のネゴもしています。
  そこで下記の見解が新聞の社説に掲載されました。チリは外国からの投資を受け入れてきた。現在も将来もこの方針は変わらないだろう。しかし特定の分野を外国資本が支配するとか、ある国がチリに莫大な投資をするというのは通常ではなくそれを認める(見逃す?)のは正常とは思えないとしています。
  ピニェラは右翼ですから、チリの共産党も、べネスエラの共産党も嫌いですが、中国の共産党とは以前から友好な関係を維持しています。最大のお得意さんですからね。さて中国共産党がチリにどこまで侵入するのかな?今のところ中国関連の案件はエネルギー、鉱山、食品、金融など17項目が実施中もしくはネゴ中とか。

一般)

1)コロナ問題
  この金曜日、新規患者が1718人になりました。これは3か月ぶりの高い数字です。ふつうは1500人くらいです。このため厚生省は注意報を出しました。でもその日の陽性率は4.4%で、特に高い数字ではありません。つまり検査数が4万人と増えたのですね。欧州の様に第2、第3波がチリに来ないよう祈ります。
2)反政府暴動
  サンティアゴ区の区長はこの2週間で約1000軒の商店が襲われたと発表しました。恒例の金曜日のイタリア広場周辺のデモはいつもとは変わって、もう少し中央部のモネダ宮殿近くに移りました。
  そして警察と衝突。それで主要道路のアラメダ通りは大混乱。その日、全国で74名が逮捕されましたが、ほとんどは首都圏。しかしなんでもそのうちの一人は既に100回もの逮捕歴があるとか。捕まってもすぐに出てきて、また暴行事件を起こすわけですね。警察が、「こうした状況を抑えこもうとすると、人権委員会に批判される」と愚痴をこぼすのでしょうが、捕まえてもすぐに釈放されるのは裁判所の問題です。もちろん裁判官が勝手に判決を下すわけではなく、法律に則ってされるわけで法律を作る国会に責任があるのでしょうね。同じことを何度も書いています。テレビのニュースで何とかしなければいけないというコメントが出ています。

(スポーツ)

1)サッカー
 南米カップ
  ベスト16に入ったチリの3チームはベスト8を目指した戦いになっていますが、今週の1回目の戦いで勝ったのはカトリカだけ。来週の2回目はどうなるかな?
 国内リーグ戦
  今週の段階では首位はカトリカ、2位は勝ち点3点差でウニオン・ラ・カレラです。人気のチリ大学は6位、コロコロは最下位の18位。ファンが怒り狂っています。来シーズンは2部リーグで優勝かも?


以上

チリの風  その914  2020年11月16日ー22日

今週も山歩きをしましたが、ビスカチャ山のそばの小山に上りました。先週は無かったのにあちこちで大量の蝉の鳴き声を聞きました。それから大きな野鳥を見ました。コンドルほどの大きさはなかったけど鷹の類でしょう。上の方に餌が足りないのかな。
家の近くではジャカランダの紫の花が咲き誇っています。ブーゲンビリアの赤い花もあちこちで見られます。
金曜日、用事で外を歩いていると霧雨になり少し濡れました。その日の最高気温は20度と夏ではないみたい。週末は30度に戻りました。土曜日の夜、中北部で地震があり、サンティアゴもかなり揺れました。
日曜日のマラソン練習は3名で実施。楽しく走りました。今週一人で練習した時は10キロ63分でやっぱり60分が切れません。

(政治)

1)ピニェラ動向
  APECの会議がありました。現地で集まるのではなくオンラインのテレビ会議でしたが、ピニェラも発言しました。
  そのほかにアメリカ・ペルーの新大統領と電話で会話しています。
  ところで警察軍のトップが交代しました。ロサ長官辞任と言われますが、解任かな?
  警察とデモ隊との衝突で多くの負傷者が出ていることが辞任の理由でしょう。
  ただその交代に疑問符がつけられたのは新長官はロサの下のナンバー2だった人間なので組織の大きな変化は期待できないというもの。モネダ宮殿でピニェラが参加して警察軍の近代化について話し合いがありました。
2)そのほか
  前内務大臣ペレスが上院で尋問されました。下院では責任ありになったが、上院では一部の野党党員が反対投票をしたので無罪になりました。もし有罪になっていれば、これから5年間公職には就けないとか。
  彼は次のUⅮⅠ党の党首選挙に出馬予定するらしい。  
  年金引き出し第2回目の話が国会で進んでいます。なんでも92%の市民が引き出しをする見込みとか。決定間近と言われましたが、政府がこれは憲法違反として憲法裁判所に訴えました。このため最終結論が出るまでしばらく時間がかかりそう。

  ところで来年の選挙に出馬するため、州知事や政府高官14人が辞職しました。今、辞任しないと立候補できなくなるからです。

(経済)

1)経済成長率
  第2四半期はマイナス14.5%の成長率でしたが、第3四半期になって少し良くなってマイナスは変わりませんが9.1%。
  そろそろマイナスからプラスに戻るでしょうね。
  銅の価格は急に下がってポンド当たり2.99ドル、しかし為替はまだペソ高で1ドル758ペソです。
  7月が最低でしたが、失業率もかなり良くなっているようで10月までに72万人が新規に雇用されたとか。
2)中国
  2年連続で中国がチリに投資した最大国になりましたが、新聞の特集で「中国の攻勢に警戒警報発令」とされました。
  それによると昨年2019年に中国はチリに48.5億ドルを投資していますが、それは2位のカナダの28.6億ドルを大きくしのいで
  います。今年も中国の1位は動きません。
  先週、発表されたように中国がチリの配電の5割以上のシェアーを占めており、それだけでなく多くの分野で中国の影響力が増えているとか。
  チリからの輸出も中国が極端に大きく、先月のチリの輸出の43%が中国向けでした。銅だけでなくいろんな分野でも中国の重要性が増えています。
  そこで問題になってきたのは、国営企業だけでなく、民間企業も中国共産党の影響を受けているわけで、チリの自由にそれがどう影響してくるか考慮する必要があるだろう問うわけです.アメリカ、イギリス、オーストラリアなどは中国、もしくは中国製品の侵入を拒否する動きがあると言われます。

(一般)

1)コロナ問題
  死亡者は15000人突破。可能性のある死者は2万人となっています。
  PCR検査数は500万人を超えました。ただ昨日の陽性率は3%台でかなり低くなっています。
  問題は明日から一部の看護婦などの病院関係者がストに入ることです。どうなるかな?
  そんな中、チリは明日から外人観光客を受けいれることにしました。この決定を伝える空港での記者会見の時、記者がピニェラに多くの欧州諸国、南米の隣国が国境を閉めているのにどうしてチリはその逆の行為をするのかと質問。
  ピニェラは扉を全面的に開けたのではなく、条件を付け様子を見ながら運営していきたいと回答しました。
2)反政府運動
  いつものようにまた金曜日の午後からイタリア広場にデモ隊が集まり大騒ぎ。二つに分かれてデモをしましたが、途中で略奪・暴行行為が始まりました。、店は閉まっている銀行に入るため窓ガラスを割る行為やデモの道にある商店、道路にテーブル・いすを並べているレストランに襲い掛かり片っ端から壊していくなどの暴力行為をしました。
3)マプチェの問題
  またマプチェのグループがトラックを襲い、木材を積んだトラックが燃えました。政府は話し合いを呼び掛けていますが、マプチェの通常のグループと話しても問題解決にはならないだろうし、暴力グループは話し合いなどする気はないでしょうね。
  ここで提案です。新憲法設立を利用して、新省を設立してはどうでしょう。先住民省です。大臣はその先住民の中から選びます。
  その人は政府の中で大蔵大臣、通産大臣などと並ぶわけです。
  その大臣が現場で先住民グループと話し合います。例えば、「ここは俺たちの領土だ、チリ人は出ていけ」とするグループに、もしここがあなた方のものになったらここをどう利用したいのですかと質問し、その提案が出来上がれば次の面談をしましょうとする。提案が出ればそれを実現するためには何が必要か話し合い、政府はできる限り援助をすると約束すれば、現在の問題は大きく変わってくると思いますが。 

(スポーツ)

1)サッカー
  ワールドカップの南米予選の第4戦目は敵地でべネスエラと戦いました。今まで一度も負けたことがなかったので、今年もなんとか勝てるだろうという見込みでしたが、現実は違って1対2で敗戦。ワールドカップに参加する可能性はかなり遠のきました。で、監督を入れ替えるという話が出ましたが、ここで首にすると契約によると彼にかなりの金額を払う必要があり、その資金がないので、彼をそのまま起用するらしい。
  国内リーグ戦は、現在1部リーグには18のチームが所属していますから、前半は17試合、後半も17試合が行われます。
  前半はカトリカが首位で折り返し、後半2試合が終わった段階でも順位は動いていません。


以上