チリの風 その920  2020年12月28日ー2021年1月3日

とうとう新年ですね。
新しい年を希望をもって迎えていたのが懐かしいです。昔は今年は昨年より良くなると信じていました。
さて、今年はどうかな?
晦日と言えばチリでは花火大会が有名でしたが、今年は全くなし。
ただ禁止されている個人の花火が全国各地で上げられたらしい。それは違法ですから警察が犯人探しをしています。花火が原因でいつものように火災・やけどの事故も起こっています。それからパーティは禁止されていますが、あちこちで行われ毎日のように逮捕者が出ています。悲しい現実。コンセプシオンのキャンプ場で700人ほどテントを張っていたところに警察が来て全員退場するよう指示を出しました。ただし逮捕者はなし。
サンティアゴは祝日・週末は外出禁止ですから元旦から三日まで車の動きも少なく歩いている人はほとんどいませんでした。
警察の許可を取ってスーパーマーケットに買い物に行きました。誰も歩いていませんでした。店の入り口でその許可証を要求されます。携帯に入っている警察からの許可書メールを見せます。
さて年末に娘と丘歩きをして、大晦日に仲間とマラソン練習何とか1年間、体力気力を維持しました。
今年は情熱を持って生きていきたいです。何もしないで食事をして寝るだけなら喜びはわかないですね。
昨年初めの活気が戻ってきてほしい。新しい風が来て仕事(ボランティアも含め)を楽しむ現役に戻るか、一人の老人年金生活者に留まるか・・・。

(政治)

1)ピニェラ動向
  世論調査でピニェラを支持するは7%まで落ちていましたが、最新の数字では17%に大幅アップ。何がその原因なのかな?
  火力発電所の閉鎖
  まずバルパライソ州のプチュンカビにあるベンタナ1火力発電所を封鎖しました。ここは先年大気汚染問題で住民が激しく抗議したところです。遅れたけど、汚染対策が実行されました。さらに南部のコロネルにあるボカミナ発電所も封鎖。この発電所は50年の歴史がある(つまりすごく古い)ものです。2024年までに11か所を封鎖したい。それを風力など新しい発電方式に交換したいとピニェラはコメント。チリの大気汚染は中国に比べるとほとんどゼロでしょうが、それでも何とか良くしていこうとするのはうれしい。ピニェラもがんばっています。
  ワクチン第2弾が到着 
  先週に続いて今週もファイザーのワクチンが11700人分到着。各地の病院に配布されました。直接、彼の問題ではないですが、夫人が娘を連れてマイアミに遊びに行ったのが話題になっています。法的には問題ないかもしれませんが、この時期何するのと言う雰囲気。マイアミに買い物に行ったというんですが、アメリカの方が物価が安いのでしょうか、品物が豊富なのでしょうか。もし首都圏に全面自宅待機令が出されるならその前にバケーションを楽しもうということでしょうね。
  先日、サンティアゴの空港がオープンになり、外国との連携が回復しましたが、それ以降に患者数が増えたのも事実。イギリスの変異ウイルスがもうチリに上陸しました。

(経済)

1)大蔵大臣の評価
  先週、彼はできると書きましたが、素人の私ではなくイギリスの経済誌のザ・バンカーが昨年のラテンアメリカの大蔵大臣のベストと評価。やっぱり困難な状況を乗り越えるには手腕が必要ですね。
2)経済指数
  11月の商業指数は15.2%にアップ、工業指数は0.7%の上昇。電気・ガス・水指数は前年対比1.6%アップと正常化してきています。鉱業は0.6%と少しながら上昇。つまり昨年は前半の上昇、中盤の落ち込みの後、年末にかけて正常化が図られているということが確認できます。しかしはっきりしているのは今年の経済動向はコロナ問題にかかっているわけで、患者が増え続け、経済活動が止まればまた昨年中盤の危機が戻ってくるのは明白。つまり経済学者の読みではなく、病気の処置がチリの動きを決めるでしょ
3)失業率
  9ー11月の失業率は10.8%と少し下がりました。毎月少しづつ下がっています。
4)銅価格と為替
  為替でドルは2017年以降の落ち込み、1ドルは711ペソです。銅の価格はポンド当たり3.5ドルの高水準をキープ
5)株式市場
  日本は昨年16%のアップで世界3位の上昇率でしたが、チリは全く逆で10.5%も下がりました。こんな状況で株が上がる日本は不思議な気もしますが、チリの落ち込みは理解できます。ただドルが弱くペソが強くなっていることと、銅価格の上昇でチリ経済の見通しは明るいと言われ今年はチリの株式市場は久しぶりに上昇するとか。しかし投資家も困りますね。経済が国・企業の力で動くだけでなくコロナに影響されるわけですから。それは専門家だけの問題ではありません。厚生年金の運営も投資が直接影響するわけで、国民各自にかかわってきます。

(一般)

1)コロナ問題
  チリにも変異種が上陸。欧州から戻ってきた旅行者に発生です。イギリスみたいにどっと増えるのかな?
  半年ぶりに一日の感染者が3,000名を超えました。水曜日は3022人、木曜日は3588人。そして金曜日は3338人と三日連続です。さらに心配なのは感染率が5%を大きく超え木曜日などは7.1%でした。となると政府が先月に発表した1月4日から新規則になるなら、全都か一部の区はレベル1に戻って全日の自宅待機になりそうでした。ところが土曜日の午後の厚生大臣とそのグループの記者会見で首都圏のレベル2は維持と発表されました患者数が上がったのはクリスマス・年末のパーティで大勢が集まったのが原因でしょうが、今までの方針を替えてレベル1に落とさなかったのは政治的判断でしょうね。夏休みプランを実施するにはレベル1では不可能ですから。さてその夏休みプランですが、1月から3月の間に家族で1度だけ、1カ所の訪問が認められます。警察に頼むと外出許可証が出るわけです。ただしそれを依頼できるのは出る地区も入る地区もレベル2以上が必要です。レベル1の地区の住民は外出できないし、そのレベル1の地区には誰も入られません。
  上記の夏休み計画も産業開発(国内観光)を考えての作戦ですからね、抑えるばかりではいけないというスタイルが明白です。ところが不思議なことに首都圏の周辺の街で、レベル3に上がった地区が出ました。つまり毎日、週末も自由に歩けます。不思議な措置でした。
  三日続けて3000人を超えた新規患者数ですが、土曜日の数字は2289人。厚生省はほっと一息。違いますね。いつも言っているように、その日は検査数が2万人台と極端に少なかったからで、感染者率は7.6%と逆に上がっています。ところで病院の状況ですが危篤を含め791人が重病患者です。それでもまだ人工呼吸器は314個余裕があるとか。ワクチンが今週も到着。11700人分でした。ワクチンが救世主になるのか?ただし、病院で勤務する人の4分の1が病気になって仕事から離れているとか。厳しいですね。
2)大学入試
  明日から入試が始まります。問題なくちゃんと入試が実施できて、その結果が適切に発表され、そして3月から授業が始まれば最高ですが、そう簡単にはいかないでしょうね。
3)生活年金
  チリの厚生年金は各自が積み立てた金額を民間の会社が運営し、その合計額が将来の年金支払いの基礎になります。しかしその年金のない人には、日本の生活保護にあたる生活年金があります。今月からそれが2万ペソほど上がりました。年齢によって変わりますが、支払われる金額は大体、月2百ドル程です。

(スポーツ)

1)サッカー
  2位のラ・カレラが勝って首位カトリカとの勝ち点の差は1になりました。次の試合の結果、首位が変わる?しかしそれよりみんなの眼は最下位のコロコロが2部リーグに落ちるかこのまま1部に留まるかというところ。コロコロは今日の試合に勝って、最下位18位は変わりませんが、その上位17位との勝ち点の差は1。どうなるかな?.それからチリ代表チームの監督をしていたルエダの将来が決定していませんが新監督探しが急がれてます。


以上