チリの風  その914  2020年11月16日ー22日

今週も山歩きをしましたが、ビスカチャ山のそばの小山に上りました。先週は無かったのにあちこちで大量の蝉の鳴き声を聞きました。それから大きな野鳥を見ました。コンドルほどの大きさはなかったけど鷹の類でしょう。上の方に餌が足りないのかな。
家の近くではジャカランダの紫の花が咲き誇っています。ブーゲンビリアの赤い花もあちこちで見られます。
金曜日、用事で外を歩いていると霧雨になり少し濡れました。その日の最高気温は20度と夏ではないみたい。週末は30度に戻りました。土曜日の夜、中北部で地震があり、サンティアゴもかなり揺れました。
日曜日のマラソン練習は3名で実施。楽しく走りました。今週一人で練習した時は10キロ63分でやっぱり60分が切れません。

(政治)

1)ピニェラ動向
  APECの会議がありました。現地で集まるのではなくオンラインのテレビ会議でしたが、ピニェラも発言しました。
  そのほかにアメリカ・ペルーの新大統領と電話で会話しています。
  ところで警察軍のトップが交代しました。ロサ長官辞任と言われますが、解任かな?
  警察とデモ隊との衝突で多くの負傷者が出ていることが辞任の理由でしょう。
  ただその交代に疑問符がつけられたのは新長官はロサの下のナンバー2だった人間なので組織の大きな変化は期待できないというもの。モネダ宮殿でピニェラが参加して警察軍の近代化について話し合いがありました。
2)そのほか
  前内務大臣ペレスが上院で尋問されました。下院では責任ありになったが、上院では一部の野党党員が反対投票をしたので無罪になりました。もし有罪になっていれば、これから5年間公職には就けないとか。
  彼は次のUⅮⅠ党の党首選挙に出馬予定するらしい。  
  年金引き出し第2回目の話が国会で進んでいます。なんでも92%の市民が引き出しをする見込みとか。決定間近と言われましたが、政府がこれは憲法違反として憲法裁判所に訴えました。このため最終結論が出るまでしばらく時間がかかりそう。

  ところで来年の選挙に出馬するため、州知事や政府高官14人が辞職しました。今、辞任しないと立候補できなくなるからです。

(経済)

1)経済成長率
  第2四半期はマイナス14.5%の成長率でしたが、第3四半期になって少し良くなってマイナスは変わりませんが9.1%。
  そろそろマイナスからプラスに戻るでしょうね。
  銅の価格は急に下がってポンド当たり2.99ドル、しかし為替はまだペソ高で1ドル758ペソです。
  7月が最低でしたが、失業率もかなり良くなっているようで10月までに72万人が新規に雇用されたとか。
2)中国
  2年連続で中国がチリに投資した最大国になりましたが、新聞の特集で「中国の攻勢に警戒警報発令」とされました。
  それによると昨年2019年に中国はチリに48.5億ドルを投資していますが、それは2位のカナダの28.6億ドルを大きくしのいで
  います。今年も中国の1位は動きません。
  先週、発表されたように中国がチリの配電の5割以上のシェアーを占めており、それだけでなく多くの分野で中国の影響力が増えているとか。
  チリからの輸出も中国が極端に大きく、先月のチリの輸出の43%が中国向けでした。銅だけでなくいろんな分野でも中国の重要性が増えています。
  そこで問題になってきたのは、国営企業だけでなく、民間企業も中国共産党の影響を受けているわけで、チリの自由にそれがどう影響してくるか考慮する必要があるだろう問うわけです.アメリカ、イギリス、オーストラリアなどは中国、もしくは中国製品の侵入を拒否する動きがあると言われます。

(一般)

1)コロナ問題
  死亡者は15000人突破。可能性のある死者は2万人となっています。
  PCR検査数は500万人を超えました。ただ昨日の陽性率は3%台でかなり低くなっています。
  問題は明日から一部の看護婦などの病院関係者がストに入ることです。どうなるかな?
  そんな中、チリは明日から外人観光客を受けいれることにしました。この決定を伝える空港での記者会見の時、記者がピニェラに多くの欧州諸国、南米の隣国が国境を閉めているのにどうしてチリはその逆の行為をするのかと質問。
  ピニェラは扉を全面的に開けたのではなく、条件を付け様子を見ながら運営していきたいと回答しました。
2)反政府運動
  いつものようにまた金曜日の午後からイタリア広場にデモ隊が集まり大騒ぎ。二つに分かれてデモをしましたが、途中で略奪・暴行行為が始まりました。、店は閉まっている銀行に入るため窓ガラスを割る行為やデモの道にある商店、道路にテーブル・いすを並べているレストランに襲い掛かり片っ端から壊していくなどの暴力行為をしました。
3)マプチェの問題
  またマプチェのグループがトラックを襲い、木材を積んだトラックが燃えました。政府は話し合いを呼び掛けていますが、マプチェの通常のグループと話しても問題解決にはならないだろうし、暴力グループは話し合いなどする気はないでしょうね。
  ここで提案です。新憲法設立を利用して、新省を設立してはどうでしょう。先住民省です。大臣はその先住民の中から選びます。
  その人は政府の中で大蔵大臣、通産大臣などと並ぶわけです。
  その大臣が現場で先住民グループと話し合います。例えば、「ここは俺たちの領土だ、チリ人は出ていけ」とするグループに、もしここがあなた方のものになったらここをどう利用したいのですかと質問し、その提案が出来上がれば次の面談をしましょうとする。提案が出ればそれを実現するためには何が必要か話し合い、政府はできる限り援助をすると約束すれば、現在の問題は大きく変わってくると思いますが。 

(スポーツ)

1)サッカー
  ワールドカップの南米予選の第4戦目は敵地でべネスエラと戦いました。今まで一度も負けたことがなかったので、今年もなんとか勝てるだろうという見込みでしたが、現実は違って1対2で敗戦。ワールドカップに参加する可能性はかなり遠のきました。で、監督を入れ替えるという話が出ましたが、ここで首にすると契約によると彼にかなりの金額を払う必要があり、その資金がないので、彼をそのまま起用するらしい。
  国内リーグ戦は、現在1部リーグには18のチームが所属していますから、前半は17試合、後半も17試合が行われます。
  前半はカトリカが首位で折り返し、後半2試合が終わった段階でも順位は動いていません。


以上