チリの風 その1083 2024年2月12日ー18日

今週もいつもと同じ、サンティアゴは最高気温が30度以上の日が続いています。雨は全く降りません。しかし予想では来週、雨が降るとか。
さて今週の山歩きはアポキンドの滝下見その2をしました。前回は4名のグループで歩きましたが、今週は私一人で前回より遠くまで歩きました。
5時間歩いたのでいつものシャワーでなく湯舟につかって疲れを薄めました。他の人が会社で忙しく仕事をして汗をかいているのに私は登山をして自然を楽しんで汗をかきます。運がいいですね。
ラソンは大問題でした。3回走りましたが、今日の練習で事故が起きました。途中の4キロで26分だったので、10キロ60分台は間違いないと思いました。
ところがその後、道に段差があり転倒しました。膝・腕だけでなく顔も打って出血。走るのをやめて家に戻りました。アルコールで消毒しましたが、痛いです。
その前に一度10キロ走っていますが、来週は無理の様です。
それから土曜日のサッカー教室は参加希望者が少なく中止になりました。えっ、何それ。
その他に講演する項目の調査も続けています。
また日本に住むチリ人がバケーションで帰国してきたので面談しました。チリに住む日本人と日本に住むチリ人の話し合いなんて冗談みたいですね。
こうしていろんなことがある毎日を楽しめるのが幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
バルパライソ州に行って被災者の援助を更に与えると演説しました。
所で先週のピニェラの葬式で彼が自己批判したことを民主革命党など新左翼グループは厳しく咎めています。俺たちデモ隊をピニェラの指示で警察が攻撃したではないかとするわけです。共産党幹部はピニェラの事故を右翼は自分たちの都合の良いように利用しているだけだとしています。
これに関し社会党の党首は同じ与党の中で政府に反対する意見を持つことはありうるが、最終段階では大統領に同行すべきだとしました。つまり左翼の中で中道左翼と新左翼共産党に分裂してきたわけですね。
新聞の読者の投書で他のラテンアメリカ諸国は民主主義が感じられない政治(政府)が多いが、大統領が公式に自己批判するチリはその点立派なものだとされました。ボリッチが社会騒乱で国が乱れたことを反省し、それ以前に戻ることを目標に掲げれば、チリはまたラ米のトップに戻れるかもと思えます。
2)ピニェラ死去
まだ彼に関する記事が新聞に多く掲載されます。前アルゼンチン大統領のマクリがピニェラに関し「自由と民主主義を目標にした政権を作ろうと彼と話し合ったが、これからそのグループをセバスチャン・ピニェラグループと呼ぶことにしたい」とコメントしています。チリの文化賞を受けた歴史学者のセラノは「彼の業績はチリの歴史に大きく残るだろう。カトリック自由主義の世界を統一した新方式を適合したのが素晴らしい」としました。
3)地方選挙
10月の地方選挙で共産党新左翼が大きく減少する可能性がありますね。
前ビタクラ区長が汚職で逮捕され裁判中に刑務所に入っていましたが、今週、刑務所から自宅監禁に変更されました。彼は区長の時代、RN党所属だった右翼ですが右翼も左翼も同じですね。
それより大事なのは次の大統領選挙です。右翼の国民改革党RNは次の選挙にピニェラを推すつもりでしたが、彼の死亡でその夢は消えました。すると候補者はプロビデンシア区長のUDIのマテイになりますが、RNはサンティアゴの他の区長を自党の候補者にするつもりとか。10月の選挙で予想はすっきりします。

2)最高裁判所の新車供与
最高裁判所の高官に貸与する22台の車を1台5700万ペソのレクサスにすると発表されましたが、あまりにも高いのではとクレームが出ました。
多分、もう少し安い他の車にするでしょう。議会でどう承認されたのでしょう。

(経済)

1)銅の価格と為替
銅価格は1ポンド3.77ドルと先週より少し上がりました。
昨年チリの銅生産は前年対比1.4%のマイナスでした。その中でもコデルコは8%のマイナスと不調が目立っています。
ところで鉱物で昨年価格が上がったのは金と銅だけですが、今年も銅の価格は期待できると言われます。
中国がそれほど安定しているのかな?
為替は1ドル973ペソとペソ安が続いています。
2)投資
昨年チリから外国に去った投資額は社会騒乱以降で最少レベルになりました。その意味は4年前から大量に外国に避難していたのがそのレベルが下がってきたと言うことです。投資家の信頼が戻っていると言えますね。もっとも景気後退は変わらず、従業員数を減らしている企業がある由。
TPP11
チリの結果が発表されました。2023年は128億ドルの輸出で2022年に比べると8%の減少とか。3155品目の輸出品の中で果物。ワインが中心です。

(一般)

1)山火事 
出火したのは151か所、延焼中は29か所とまだ収まっていません。
南の第8、9州で山火事が民家に近づいているとか。
まだバルパライソ州の一部の地区で夜間外出禁止令が発令されています。死亡者は133名です。
もちろん復旧に向けて廃材の処理が進んでいます。
チリ復興コンサートが行われ、多くの歌手・グループが参加しました。その収益はバルパライソ州の山火事被災者に贈られます。
さて不法建築が火事で焼けた家屋の一部に入っていますが、同じ州のサン・アントニオ地区で2万人が不法建設の家屋に住んでいます。今週のテレビのニュースでその不法建築が売りに出されているとされました。1軒屋が6百万ペソで売られています。多分プレハブ家屋の費用が3百万ペソだったので、そこで3年住んだ後6百万で売れれば損はないのでしょうね。同じような家を2百万ペソで売っているのはベネスエラ人で、売れたら母国に戻るとか。安く家が買えたらうれしいでしょうが、買った家がその後強制破壊されれば何の値打ちもないです。同じ問題が各地で続いていますが、右翼も左翼政権もそれをどう扱うかはっきりさせないで放置しています。もちろんサンティアゴにも同じ問題はあります。

2月2日の火事が起きる前に注意報が出されていますが、それが市民に上手く届かなかったことが大惨事の原因だと言われます。各地区の州・市役所に問題なかったか調査が始まりました。
放火・失火が火事の原因と言われますが、南部のアラウカニ州で16人が放火で逮捕されました。他地区でもこれから犯人が逮捕されるでしょう。
火災保険の請求が575件出されたそうですが、ちゃんと保険金が払われるかな?その内訳はビーニャが57%、バルパライソが26%、その他が17%とか。

2)犯罪
裁判官が犯人の携帯使用を認めるとして問題になっています。普通囚人は刑務所内で携帯電話の使用を禁じられていますが、今回の場合、犯罪グループの中核に使用権を与えたとか。素人の私には理解できませんが、裁判官組織で彼を抑えるとか罷免するとかできないのでしょうか。3権分立ですから国会では討論できないでしょうが。
3)夏休み
2月の前半グループはバケーションを終了しました。そして最後の2月後半組がこの週末にバスターミナルを埋めました。
26日の月曜日から新学年が始まるので交通状況は大きく変わります。交通省はバスと地下鉄の現在の走り方を変え、乗客が急増してもアテンドできるようにするとしています。
同じようにサンティアゴ空港の利用客は昨年250万人とコロナ問題の起きる前のレベルを越しました。

なんでもボリッチは月曜からまた夏休みに入るとか。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦が始まりました。人気3チームの中でコロコロは勝利を収めましたが、チリ大学とカトリカは試合が中止になっています。
それから先週日曜日のスーパーカップ戦ですが、90分が終わったところでコロコロが勝っていました。ところが、そのファンが新装国立競技場で暴れ始め、放火が起きて試合は中断し、残りの数分は後日、観戦者のいないサッカー場で実施されるとか。もちろん競技場に大きな被害が出ています。
その国立競技場は通常、チリ大学チームが国内リーグ戦の時、ホームグラウンドに使用していましたが、今年は使わせないとか。チリ大学ファンも暴れますから。
12年前にできた競技場保安条例が一向に機能しないのが悲しい現実とされています。
しかしチリのサッカーレベルは選手もファンもレベルが低いですね。

以上