チリの風 その1059 2023年8月28日ー9月3日

9月になりました。チリではこれで厳しい冬は終わったので高齢者はまたもう1年生き延びれると喜びます。高齢者の冬季と夏季の死亡率の比較を見たことはありませんが、生き延びた喜びのお祝いはすばらしいです。私もその高齢者の一人です。

三寒四温と言った感じのサンティアゴです。梅に似たシルエラの白い花が咲いてきました。私の好きな黄金の指差し(花菱草)と言われる花もあちこちに黄色の花を咲かせています。
仲間と第2展望台に登りました。最近の雨で地面は緑の絨毯です。素敵な雰囲気。それから流れた水が道路を横断したので、そこに土を持ってきて埋めたところがありました。すごいですね。自然が周りを変えていくなんて。
ラソン練習は2回走りました。そのうち1回はちゃんと10キロも走りました。
なんと来週は何日も雨になりそうとか???また水害かな。
土曜日に学校に招待されました。その行事は学習発表会と建国記念祭りのお祝いで子供の元気な様子を見るのが楽しかったです。特に小1、小2の小さな子供が立派な日本語で挨拶・連絡するのに驚きました。学校教育は素晴らしい。大昔ですが、そこで私の子供たちが学んでいました。懐かしいです。
その日から夏時間が始まり、日本との時差は12時間になりました。

(政治)

1)ボリッチ動向
軍事革命から50年が経ちました。その記念日まであと少しになったので、もう毎日それに関連したことが報道されます。
ボリッチは、その軍事政権時に行方不明になった1000名以上の人を捜そうとする運動を始めました。もちろん右翼の政党はそれに参加しませんが。
共産党がこの50周年記念にピノチェットを批判し、アジェンデを讃える行事をもっとすべきだとクレームしていますから、それに従ってこの行方不明者捜索案が出たのでしょうか?
逆に最右翼の共和党はアジェンデ政権時にも殺人が多く実行されており、ピノチェット批判だけの50周年記念は間違いだとしました。
その頃に殺された有名な歌手のビクトル・ハラに関し、それに関連したとされる元軍人が20年ほどの懲役を命じられました。しかし彼は刑務所に行く前に自殺しました。彼は85歳でした。
共産党の党首ギジェルモ・テイジェルが死亡しました。その葬式にボリッチも参加しています。共産党のシンボルとして長い期間、活躍しましたが、もちろん軍事政権下では命が狙われたでしょう。逆に、ピノチェット暗殺事件(1986年)は彼もそれに何らかの形で参加していたでしょう。
それから前大統領のピニェラがモネダ宮殿を訪ね、ボリッチと面談しました。先にパラグアイに行った時、同行しましたが、どうして右翼のピニェラをそれほど信頼して相談するのでしょう。野党の力を借りるためピニェラの影響力を利用しているのでしょうか。
2)家屋省の不正問題
 新左翼の議員が関係している「民主主義は生きている」と呼ばれる組織を監査局が調べていますが、汚職の匂いがするようです。そこで議会でその大臣モンテスの辞任を要求する声が大きくなってきました。不正の例として、政府の職員をしながら、その組織のメンバーになり、両方から給料をもらっていた人が多いとか。

(経済)

1)銅価格と為替
 1ポンド3.86ドルと先週より少し上がりました。良かった。為替は1ドル854ペソとそれほど変わりません。
2)経済成長率
 中銀が発表するイマセック(経済活動月例指数)は7月、予想を超えてプラス1.8%でした。久しぶりの高い数字。これが継続するか、8月からまた落ち込むか注目です。専門家は、今年1年としてはマイナスにもプラスにもならない前年と同じ数字が見込まれるとか。

(一般)

1)教員スト
火曜日に無期限一斉ストに入りましたが、金曜日にそれが終わりました。教員組合はストは止めるが、政府が我々に抱えている過去の未払いの額を速やかに支払っていただきたいとしました。それならなぜストに入ったのと聞きたいですが。
もちろん、長期ストに入れば生徒の扱い、学力などに大きな影響が出るのは明白で、そうなれば教育大臣(共産党)に批判が向けられます。従って、政府に教員組合は怒っていると見せて、責任を政府に回し、ストを止めて、学校教育の正常化を図ったのでしょうね。
2)水害 
大雨はやみましたが、水害になった地区の復興は遅れています。床上浸水をした地区では家の中の清掃が大変な作業で、政府から援助金が出始めたようですがそれだけでは清掃が終わらないようです。
先週、この問題でジャガイモの値段が上がったと書きましたが、価格の上昇例として25キロ入りの袋は現在は18326ペソ、2年前の同じ時期は7746ペソと書かれました。
3)コロナ問題
厚生省はコロナ問題は一応おさまったとしてマスク使用などの義務を外すことにしました。このまま終焉するか、もう一度復活するか?
コロナ問題でサンティアゴは2度外出禁止令が出ました。その内の1回は4か月続きました。週に2回、買い物に2時間出る以外、一歩も外に出られません。その時は警察の許可書を携帯に入れてスーパーマーケットに入る時、係員に見せます。まるで人生が終わったのかと思ったほど厳しい時期でした。窓の外も見ても、車も通行人もほとんどいませんでした。今はマスクもなくとこでも行けるなんて…元に戻りました。良かったね。

(スポーツ)

1)サッカー
チリで最も人気のあるのはコロコロ、次いでチリ大学ですが、その2チームがぶつかりました。結果は引き分けで、どちらも喜べませんでした。
今週が終わった段階で首位は変わらずコブレサル。人気チームのコロコロは3位、カトリカは9位、チリ大学は10位です。
2)ラグビー
世界選手権が、今月からフランスで開催されますがチリはD組で日本と同じところ。来週、その2国が対戦しますね。どうなるかな?


以上