チリの風  その950  2021年7月26日ー8月1日

少し前と同じように、朝晩は冷えるけど、お昼は20度ほどの暖かい日になっています。サンティアゴの7月の毎日の最高気温の平均は19度でこれは観測史上最高の数字とか。雨も極端に少なかったから異常気候と言えますね。
さて山歩きは仲間と第1展望台へ。いつ行ってもうれしくなる場所です。3時間のルートを3時間で歩きました。他の人より早くもないけど遅くもないわけですね。その後、街に戻ってきてレストランに入り、ベランダの気持ちの良い席で会話を楽しみながら昼食。贅沢な気持ちになりました。大袈裟ですねと言われるかな?
翌日、10キロを走ると嫁さんから、「何を考えているの、年を考えなさい」と言われました。もちろんいつかその日が来るのは確かですが、できる間はスポーツを楽しみたいですね。
日曜日のマラソン練習はもちろん仲間と走りました。
こうしてほとんど毎日、スポーツを楽しんでいます。

(政治)

1)ピニェラ動向
リマに飛んで新大統領の新任式に参加。急進左翼のカスティジョ大統領はペルーをどこに導くのかな?
2)新憲法委員会
リンコナオ議長のコメントですが、「既存の政党、もしくはその関係者にはこの委員会が奇妙に見えるようだが、国会とこの委員会は全く別のものだから、それを理解しなければいつまでたっても違和感が消えないだろう」彼女はマプチェの女性ですが、職務をしっかり頑張っているようです。議会室の喫茶店に毎日200万ペソの費用が掛かっていましたが、贅沢すぎると言われ始め、契約を解除しました。委員会の人は異常に高い経費だったが、それを契約したのは政府だとコメント。何それ?
副議長が辞任したので新副議長の選挙が予定されています。
3)大統領選挙
11月に選挙が行われますが、先日の予備選挙で参加しなかった旧与党グループの3党が独自の選挙で大統領候補を選ぶことにしました。それはキリスト教民主党のプロボステ、社会党のナルバエス、そして急進党のマルドナードです。もう一つの重要な党PPDは今回はナルバエスを推すことにしています。今月中に、自陣の中での投票があるようです。
4)国会の動き
第4回目の厚生年金の引き出しが話題です。最初の時はチリ中がわきましたが、今はそうでもありません。
政府は庶民援助として毎月一人20万ペソほど出していますが、高給取り以外は誰でももらえる仕組みで、それが庶民を援助していると私は思います。自分の厚生年金積み立てを引き出して、何年かして年金生活者になった時、もらえる年金が半分になればうれしいわけがないです。その政府援助は9月まで予定されていますが、最右翼のUDI党はそれを12月まで継続するようピニェラに依頼しています。
世論調査では国民の43%は議会ではなく大統領が政治の中心と考え、議会の重要性の方か高いとするのは26%、良く分からないは30%でした。
11月の大統領選挙と同じ時期に議員選挙が行われますが、各党・各議員も落ち着いて入れませんね。今年の選挙で今までの常識は大きく変わっていますから。

(経済)

1)銅価格と為替
為替ではチリのペソは大きく下がっています。今週は760ペソでした。銅の価格は1ポンド当たり4.21ドルで高値安定です。
さてコデルコ銅公社は今年の第1四半期で国庫に37億ドルを納入しましたが、過去10年で最高の数字とか。生産量が増え、価格が大きく上昇したからですね、
それがコロナ問題での市民援助の大きな支えになったわけです。
さてチリの株式市場はパッとしません。7月は5.6%も下がり世界最低レベルです。
ところで以前にも書かれましたが、今週もガソリン価格が上がり、過去35週連続です。政府は税金軽減策を取りたいとしていますが、まだ実現していません。
2)IMF発表の経済成長率
ほとんど地区・国で今までの予想より今年の成長率は上向くとされています。
しかしこのコロナ問題に関連して、ワクチン接種率が先進国は40%、途上国は11%、その下の国はもっと低い数字なので、コロナを抑えて正常化するのにそれらの国では大きな差が出そうとか。つまりコロナ問題以前よりさらに格差がつくとの見通しになっています。
それならチリの接種率は抜群の80%ですから、今年から他国を上回る成長率を見せてほしいですね。
失業率 は4-6月で9.5%と昨年最悪の13.1%よりは少し下がっていますが、社会騒乱が始まる前の2019年9月の頃は7.3%でしたからまだ改善が必要です。
ところでこのコロナ問題で社会格差が大きくなっています。国の再貧困層は3年前8.6%だったのが10.8%に増え、富裕層は10.1%だったのが10.8%になっています。

(一般)
1)コロナ問題
政府の発表で先月(7月)末に18歳以上のワクチン2回の接種率が80%を越えました。予定は6月末だったので1か月遅れですが、立派なものです。新規患者数は1000人、陽性率は2%と言うのが続いています。土曜日は1.8%でしたが、これはチリのPCR検査の最小数でした。
ところで首都圏全部の都市封鎖が終わり、市民の生活が正常化しました。小売業の売り上げはコロナ問題前に戻りました。レストランは閉鎖していた店の30%は再開しましたが、まだ元には戻りません。ホテルは今年の冬休みの期間は57%の使用率で少しづつ元に戻ってきている由。催し物、ジム、映画館など長期間、閉鎖していたところも少しづつ商売が動き始めました。
ただ都市封鎖を止めたので、専門家の中には9月にまた大きな波が来るだろうと言う予想をする人がいます。
9月はチリにとって最も活気のある月ですが、その愛国の祭りを実施するかどうかが検討されています。そこへは移動パスを持った人だけ入所させると言う案も出ています。

2)マプチェ問題
また銃撃戦があり3名が負傷しました。2名は警官、1名は林業会社の職員です。警官が安全確保のための行動をとっている時、過激グループから攻撃を仕掛けられたもの。重症の警官の1名は土地の病院では応対できないと首都圏に空送されました。その事件のあった場所は先日、過激派グループのリーダーの息子が銃撃戦で死亡した場所、つまり同じところで同じことが起こっていると言うことです。内務大臣が現地に向き、実情を視察しましたが、もちろん何もできません。現地の警察軍のトップは過去に400数十カ所も衝突が起こっており、それらをすべて警察が安全性を確保するほどの力がないことは明白としています。
現地の大学の学長がカトリックの現地幹部と組んで、この問題に関し、第3者に介入してもらい、両方からのコメント取り、問題解決・軽減案を示してもらうことにすべきではないかと提案しました。その第3者の可能性としてノールウェイの機関が示唆されています。
3)教育問題
チリは日本の3学期制ではなく2学期制ですが、今週から2学期が始まりました。もっとも全部の学校ではなく一部です。残りの学校はまだコロナ対策が完全ではないと準備が整うまで開始を遅らせる様子。授業の始まった学校の前を通りましたが、元気な子供の声を聞くと私は嬉しくなります。大学の授業はまだ再開されていないようです。
4)移民問題
チリは移民が続々と入ってきていると言われましたが、このコロナ問題で風が変わり、昨年は移民の数がマイナス1%でした。
5)カトリック
カラディマ神父の死去がありました。90歳を超えていますから、不思議ではありませんが、彼は近年チリで起きた神父の性的問題の最も有名な神父でした。彼に性的暴行をされた人がバチカンに訴えています。彼は老齢から刑務所には入りませんでしたが、バチカンから追放されましたから、最後の毎日は落ち込んだものだったでしょうね。
ローマ法王がチリを訪問した時、この種の問題に関し、証拠を持って来いと報道陣を揶揄したのを思い出します。バチカンのレベルはその程度ですね。
6)ペニャフロール区
今週見たテレビのニュースで一番ショックだったのがこの地区の情況でした。それによるとその地区は麻薬業者が抑え、逆らう市民には電線を切るなど圧力をかけるとか。とにかくそこの住民はマフィアの指示に従っているとか。彼らは区長にも脅しの連絡をしているらしい。毎日、彼らは町の中で発砲を続けています。
メキシコやコロンビアにそんなことがあるのは知っていましたが、チリにもそれが存在するとは知りませんでした。しかし左のバチェレットも右のピニェラもこうした市民の問題に何もできませんね。

(スポーツ)

1)サッカー
今週の終わった段階でリーグ戦の首位はラ・カレラ、そして人気の3チームのコロコロ、カトリカ、チリ大学と続きます。
2)オリンピック
まだチリの選手でメダルを取った選手はいません。


以上