チリの風  その937  2021年4月26日―5月2日

やったー!。
冗談ではありません。この木曜日から私の住む区は待機令のレベルが1から2に上がり、週日は自由に外に出られるようになりました。もっとも週末の外出には許可が必要ですが。
1か月ぶりに、かなり自由が戻ってきてにっこり。スポーツもちゃんと楽しんでいます。
しばらく会社員をしていましたが、それが終了しました。明日、司法書士の所で契約終了書にサインをします。新企画部門に入ったけど、すぐにクビになったのは実力が足りないか、運がなかったのですね。
また自由が戻ってきました。それで日本の歴史の研究を進めています。日本人学校でチリの歴史を説明するように、チリの学校で日本の歴史の講義をしたいと思っています。
今週、外出許可がいらなくなったのを利用して久しぶりに息子家族に長女が合流して4名で訪ねて来ました。お茶を飲みながら、ゆっくり話をしました。日本の歴史の予行演習を彼らの前で実施。少しづつ進歩させます。
しかしこうして何かすることがあるというのがうれしいですね。ボケっと椅子に座っているだけでは、すぐに老人症になるのは自明ですから。
10キロを走っていますが、60分が切れません。もう一度59分で走りたいです。ゴメン、これは贅沢ですね。
日曜日は雨の予報でしたが、雨は降らず。それでも気温は下がってきています。

(政治)

1)ピニェラ動向
  今週のチリは大混乱かと心配しましたが、全く逆でピニェラの一人負けになりました。
  先週の日曜日の夜、9時を過ぎてから全テレビ局を通じて10%の払い戻しに関し新方針を発表しました。それは国会で認められた10%の引き出しを認めるとともに、税金を請求しないケースを作るとか、もうすでに全部引き出して残額のない人には20万ペソを寄付とかを付け加え、市民に有利な条件を出すので、即時国会で討議してほしいとしました。しかし国会は何で最後になって惨めな提案するのと興味を示しません。そして火曜日、憲法裁判所は政府提案を拒否し、国会案を認めました。これに関し、新聞の社説でその結審に不自然なところがあると疑惑を示しています。法律的な観点と政治判断が混じっているのでしょうね。世論調査でピニェラを支持するはがた落ちで9%しかありません。支持しないは74%。そして87%の市民が政府が憲法裁判所にこの件を持ち込んだことに反対しているとか。
  ぼろ負けのピニェラは方針を変えて金曜日にモネダ宮殿に国会議長、議員、中小企業経営者などを呼び、面談を実施しました。テレビのニュースで現在の大問題を解決するには、すべての組織と真摯な会話をするしかないだろうとコメントしています。

  さて貧困層への一人当たり10万ペソ援助の件は配布が始まりました。なんでも1300万人が対象になるとか。今回の問題点の厚生年金の引き出しも明日の月曜日から受付が始まります。
  10%引き出しと言う条件ですが、上限と下限があります。UF建てですが、今回は約400万ペソと約100万ペソです。つまり現在、自分が貯めた金額が100万ペソの人は、10万ペソを引き出すのではなく100万ペソになります。もちろん、その時は貯めた年金額の残高はゼロになりますね。その開けた穴を埋めるため、積立率を上げ、それを労働者と雇用している組織が分担するという考えも出ています。
  ところで国際機関にピニェラを人権違反で訴える動きが出ました。2年前の社会不安の騒動から政府の取った警察や陸軍を使った対策は人権違反とするものです。
  ただ内閣内の問題はまだ噴火していません。ピニェラは大臣を解雇すると言っていないし、大臣職を辞職すると言う人はまだ出ていません。私は内閣改造はあると思いますが。
2)選挙
  再度、選挙運動が始まりました。あと2週間ですが、全く盛り上がりません。延期がなければ2週間前に実施された選挙ですが、私は誰に投票するかわかりません。毎日、情報を調べているのに誰が魅力的なのか、良い思考を持っているのか良くつかめません。こんな選挙は初めてです。 もう誰でも良いと言う感じでしょうか。それではいけないと思いますが・・・
  大統領候補では新左翼女性候補ヒレスがトップをキープしています。こんなアホなおばちゃんがと思いますが、チリ人には人気があるのですね。共産党のハドゥエもまだ人気があります。キリスト教民主党とか社会党とか以前の政権を支えていた党には人気候補はいません。

  ペルーの大統領選挙が近いですね。左翼のカスティジョと右のケイコの争いです。10年位前、嫁さんとクスコに行ったとき、ちょうど大統領選挙中で、ケイコが優勢と言われていましたが、敗戦しました。今回も勝つのは難しそう。父親と同じで汚い金をもらう習慣があるのですね。その父親フジモリが日本大使館に立てこもった極左グループと対決した時の興奮・感激はまだよく覚えています。フジモリは歴史に残る素晴らしい大統領だと思いましたが、最後は惨めに刑務所行きでした。

(経済)

1)銅価格と為替
  銅価格はポンド当たり4.6ドルと止まるところを知らない勢いで上昇。1年前の4月は2.2ドルでしたから、もう2倍を超えています。コデルコ銅公社は第1四半期に16.3億㌦の利益を出しましたが、この高い数字は2011年以来10年ぶり、昨年の数字は5400万ドルですから、2倍や3倍の差ではありません。もちろんこれは努力で勝ち取ったのではありませんが。
  1ドルは700ペソで高め安定。ドルが弱いという声もありますが、アメリカ景気は好調で対円もそれほど落ちていませんから、やっぱりチリペソが強いのは銅価格の上昇ですね。国立統計局イマセックの3月の数字はまだ発表されていませんが、1年ぶりの高い数字になりそうです。工業は3.9%、鉱業は2.1%、小売業は23.8%も上昇とか。
2)株式市場
  週の途中、16か月ぶりの落ち目になりました。そして4月の最終数字は4473ポイントで9.2%の下落。政治・経済とも混乱ですね。
  

(一般)

1)コロナ問題
  接種した人の数ですが1回目820 万人、2回打った人は680 万人で、もう接種可能な人の半数になっています。来週は40代前半、その次の週は30代の人がワクチンを接種できます。今週もワクチンは到着したし、ストックには問題ないようです。 今週は新規感染者数が大きく下がったと厚生大臣は喜んだ日がありました。例えば火曜日は新規患者数が4416人、感染率は12.4%と発表されました。少し前は7000人、8000人が普通でしたから、確かに下がっています。しかし、火曜日はPCR検査を受けたのは35000人ほどでした。今まで7万人以上検査していましたから、検査数が7万なら患者数は9千人になり大慌てのはず。なんだか騙されているような気がしますが。
  木曜日は患者数7199人と7千人台に戻り、金曜日は6489人でした。4月の新規患者数は201480人で過去最大と悪い記録を作りました。これだけワクチン接種数が増えているのに、どうして悪い記録が続くのでしょう。緊急病床は殆ど満員で、ギリギリの状態で進行しています。いつまで我慢できるのかな?
  コロナ問題から経済が不安定になり、失業者が増えていますが、その中の多くの人が部屋を借りることもできなくなり、ホームレスになっています。首都圏の道路のわきにテントを張るとか、段ボールの箱を使って屋根と壁にして住んでいます。なんでも首都圏で2万人ほどとか。テレビのニュースで子供を連れたお母さんが放送されました。その次の日に、彼女はまたニュースに出ましたが、政府関係者が来て、屋根のあるところであなたのご家族が眠れるようにしますとのこと。良かったね。まだ19999人が残っていますが。これから寒くなっていくので凍死する人も出るでしょうね。
  それから3月は自宅勤務の人が全従業員の10%だったという記事が出ました。4月は首都圏が全面自宅待機になったので数字は大きく変わったでしょう。
  ところで昨年からのパンデミックでチリ人の精神病はかなり増加しているとか。落ち着いて生活出来ないという不安感からでしょうが、いつまで続くのかな?
  2)マプチェ問題
  毎週同じことが繰り返されています。マプチェグループが幹線道路を封鎖し、取り締まりに来た警官と揉め、2名の警官が負傷しました。彼らは警察を怖がっていないわけです。
3)メーデー
  土曜日は5月1日のメーデーでした。この日、大勢のデモ隊が街を歩くというのが習慣でしたが、今年は全くデモはなし。どうしてかな?
  ただ共産党系の労働組合連合女性議長が最低賃金を50万ペソに上げろとコメント。そのおばさんを見ると私は気持ち悪くなります。

(スポーツ)

 1)サッカー
  国内リーグ戦は人気のコロコロがなんと1対5の惨敗。それはレギュラーの選手がコロナで陽性になったので2軍を出したからとか。先週の宿命の敵チリ大学に勝ったのでパーティをしてそこで感染したとか。それって違法パーティですよ。(この週末もチリ各地で違法パーティがあり多くの逮捕者を出しています)他のチームを馬鹿にしたらアカンでと言うところですね。
 6試合が終わった段階で、首位は アウダックスとオヒギンスが勝ち点12。コロコロは5位。カトリカは7位ですが、1試合少ない。チリ大学は13位ですが2試合少ないので上位進出の可能性はあります。
 ところでリベルタドール杯でカトリカは惨めな反戦。4グル-プ中のところで最下位です。チリのチームは国際試合ではみじめですね。


以上