チリの風  その853  2019年9月16日―22日

今週は1週間も続いた長い長い建国記念の休みで国中が大騒ぎをしました。18と言うとアサード(焼肉)ですが、我が家でも嫁さんと二人でベランダに鉄板を置いて、匂いが部屋に入らないよう窓を閉めてから肉を焼きました。味も良かったし雰囲気もばっちりでした。
トレッキングはサン・ラモンに行って5時間の歩き。土曜日のサッカー教室は16名で実施。今週は低学年の子供が多かったです。そうそうマラソン練習で今週10キロを2度走りましたが、63分と61分でした。これでまた60分切りの希望が出ました。
そのほかにマイポ渓谷に行きました。雨不足でマイポ川の水が減少と聞いたので、どんなものか見に行きましたが、予想ほど減ってはいませんでした。それを入れると全部で週に5回の運動。18をたっぷり堪能しました。
チャチャポヤスの旅行記が完成しチリの風に掲載されました。日本の平岡さんに手伝ってもらって写真を原稿に入れるとイメージがアップしました。ありがとうございます。その1の最初の写真がこの旅のシンボルです。チャチャポヤスの魅力が皆さんに伝わったかな?

(政治)

1) ピニェラ動向
オヒギンス公園でディエシオチョのお祭りの開会式に参加、クエッカを踊りました。なんでも今年は合計20万人ほどがその公園で酒を飲み、アサードを食べ、クエッカを踊ったとか。
翌日は軍隊パレードを監督。私服警察PDIの女性陣が初めてこのパレードに参加し拍手をあびました。ピニェラは今年は軍隊にとって苦しい年だったとコメント。陸軍や警察軍とか、トップが不正支出で裁判沙汰ですからね。
それからカトリックのミサにも参加しました。彼は大司教のミサの中で、神父の年少児への性的悪戯事件に関し全く自己批判が出なかったとコメントしていますが、それは大司教個人の問題でなくカトリック全体のゆがみでしょうね。ローマ法王のチリでの行動は最悪でしたから。                
このように連日、18関連で大忙しでした。そして週末はアメリカに飛んで国連会議に出席します。べネスエラ問題が重要課題ですが、チリとすれば年末にチリで開催される環境保全の世界大会も大事な項目になりますね。この金曜日、世界各地で自然を守ろうと言うデモが若者を中心に行われましたが、チリでも同デモが行われ自然保護は自分たちのためと叫んでいました。
しかしピニェラが忙しく東奔西走しても彼を評価し、政府の人気が上がると言う気配は全くありません。与党内でもピニェラの統率力はどうなったのかと言うコメントが出るほどです。内閣改造しても市民から全く評価されないと言う声も出ています。最も野党がばらばらだから、次の選挙は負けるかもしれないと言う危機感はないようです。
2) バチェレット
ピニェラより話題になったのはバチェレットです。ブラジルから入ったニュースですが、OAS社の元幹部がバチェレットに1億ペソ以上を前回の大統領選挙運動に献金したと言うもの。大騒ぎですよ。
彼女はすぐに「私はその会社とコンタクトをしたことはないし、どこからも選挙運動の寄付を受けたことはない」とキッパリ。  私の想像ですが、部下が彼女に「そうは言われても、あなたがチリの大統領になるのはチリにとって重要なことと思われるはずですから、そのための選挙運動資金が入るのはとても大事な事です。これはあなたの懐に入る汚れた黒いお金ではありません」と言うと、彼女はにっこり笑って「そうね、これは私の知らない項目ね」と言ったはず。
そのOAS社はチロエにかける橋の建設を受注しています。それに関してバチェレットは、「その契約が成立したのは私ではなくピニェラ政権の時、従ってその契約が怪しいと疑うなら私でなくピニェラを調べなさい。」
しかし話はまだ続きます。OAS社は橋の契約はあまりにも安い金額で受注してしまった、何とかならないかと苦しんでいたようで、ブラジルの元大統領ルラがチリの元大統領のラゴスとコンタクト。ルラはその後チリ社会党ともコンタクトし、この問題を話したらしい。その後にOAS社はルラの勧めでバチェレットに選挙運動資金を出した模様。やっぱり何か怪しいですね。そのルラは収賄で刑務所に入っています。
バチェレットは私は次の大統領選挙に出馬するつもりはありませんとコメント。チリ左翼としては頼りのバチェレットがこうして消えていくだけでなく、左翼への汚点となれば大きな損害になります。18で浮かれている余裕はありませんね。

(経済)

1) 銅価格と為替
1ポンド2.62ドルと銅価格はほとんど変化なし。一方、為替の方は18のため市場はお休みです。
それだけでなく会社もみんな18ですね。今週は経済活動の動きはなし。

(一般)

1) 18
80万台と言われる車がこの1週間でサンティアゴから郊外に出ていきました。
心配されたほどの交通渋滞や大事故はありませんでした。チリ人も18で飲んで踊って車を運転すれば事故になると言うのが分かったみたい。事故の数も死者の数も前年対比減少とか。死者の数は昨年は36名、今年は21名とか(9時のニュースで)珍しいけど良いニュース。
しかし大問題は麻薬の汚染です。この18は昨年までのアルコールテストだけでなく、麻薬テストも実施しましたが、なんと多くの麻薬摂取者が見つかりました。15000人ほどを検査した由でその詳しい結果は明日の月曜日に発表とか。
しかしそんなに多くの運転手が麻薬を使っていたと言うことは、チリってそれほど麻薬汚染国なの?
じゃこれから毎週週末に郊外に出る車の麻薬テストを実施して麻薬を使っている運転手を逮捕すれば、大混乱になりますね。ピニェラはこんな大問題を見過ごしているの?
2) 外食・調理食品の増加
チリでは自宅で調理し、食事をするのが通常でしたが、この5年で様子が変わり、スーパーマーケットなどで調理食品の販売が83%増えました。約倍増ですね。そしてこの傾向はさらに近い将来、増え続けるとか。もう疲れたから夕食は外でしようとかスーパーで買ってこようとか言うのですね。

(スポーツ)

1) サッカー
今週は18のため、国内リーグ戦はお休み。
ところでチリの国際ランキングは昨年6月まで9位を守っていましたが、7月に10位に下がり、それ以降どんどん下がり、今月は世界17位。もうチリのランクは上がりません。アメリカップで2連勝した時のメンバーは老齢化し、新人のプレーヤーが育ってきていないので当然。次のワールドカップも参加できないと思います。

以上