チリの風 その970  2021年12月13日―19日

今週の話題はもちろん、今日の大統領選挙です。いつもと同じく、今回も私は朝早く涼しいうちに出発して前回と同じ投票所に。ところが、前回と同じ投票ボックスに行くと私の名前が投票者リスㇳにないと言われました。えっ? 選挙委員会に問い合わせると、同じ投票所の隣のボックスに変わっていました。でも、ほとんど待たされないで投票を済ませました。昼からなら、35度の暑さの中で、投票者の長蛇の列になりますからね。 
その後、昼食は娘と一緒に楽しみました。彼女の仕事の話を聞くと、ドキドキします。元気に頑張っています。

もちろん、いつもの通り、今週もスポーツを楽しみました。
山歩きは一人で、いつもの山系の小さな山に。その丘の後ろ側に下り道を見つけたので、それを使いました。山系の全体像は頭の中に入っているので、道に迷うことはないと思いましたが、確かに暫くすると知った所に出ました。40年もこのあたりを歩いていますが、まだ新ルートが見つかります。
日曜日のマラソン練習は選挙で中止でしたが、週日に一人で10キロを走りました。69分でゴール。昨年前半は62分で走っているのに、今年は65分でも無理です。1年半で10%も成績が下がるなんて。
土曜日はサッカー教室。夏休みが始まったので、参加者は13名といつもより少なかったですが、暑い中、楽しく練習しました。

それから時間があると小説「情熱」に熱中しています。もうこのブログに2回、掲載されていますが、かなり進んでいます。チリの風の読者に楽しんでもらえているかな?もっとも舞台はクスコなので「ペルーの風」になりますが。

(政治)

1)ピニェラ動向
 2023年にチリで開催されるパンアメリカ大会の準備が始まりました。大量の選手・役員がチリに来ますから、彼らのための宿泊所の建設が必要です。その最初の建物の開所式が行われて、ピニェラはそれに参加。大会の成功を祈りました。もちろん、それらは大会の後、マンションとして売りに出ます。

2)大統領選挙
 結果を発表する前に、今週の動きで注目される事が二つありました。
 左翼側は、先週チリに戻ったバチェレットが、この選挙で私はボリッチに投票すると発表。帰国後すぐに彼女の住居でボリッチと面談したらしい。右翼側は国連の公職についている人間が、そういう発言をするのは何事かとクレームしていました。
 右翼の側では、ピノチェットの奥さんが、99歳でしたが、死亡しました。99歳まで生きたのは素晴らしい生命力ですが、ピノチェット崇拝者のカストや、その応援グループにはショックの話題でした。

 さて選挙の結果はボリッチの圧勝でした。
 その分析ですが、右翼は最右翼のUDIから候補者を出せば勝つ可能性はないことを理解しなければなりません。今まで何人出ても全部負けです。ピノチェット信奉者はまだチリに多く残っています。でもそれはたぶん15とか20%でしょう、したがって右翼が勝ちたければ、もう少し中道の政党から出すべきです。今回も予備選挙に出たどれかの候補者が出ていれば、私はその人に入れたはずです。
つまり私の様に右でも左でも入れるという思考のはっきりしない人が、今回はボリッチに入れたわけです。
民政化が始まってからの大統領選挙で、私の入れた候補者が全部、勝っています。つまり私と似た考えの人が、多分全体で数パーセントいるのでしょう。
ピニェラがボリッチに勝利を祝う電話をしたのがニュースに出ました。そこで、ピニェラは「明日モネダ宮殿に来なさい、何でも質問に答えますよ」と言っていました。
勝利を祝う車がクラクションを鳴らして走り回っています。

さてボリッチ新政権の宿題として
  1)経済成長率、失業率
  2)公共投資とインフレーション
  3)税率改正と年金問題
   が挙げられています。もちろん簡単な宿題ではないですね。 
3)国会
 二つの法案が成立しました。
 一つは先週書いた公務員の来年度の賃上げで大蔵省提案の6.1%アップが承認されました。
 もう一つはフアン・バリオス法です。これは人の名前ですが、彼は先年、放火事件で命を失っています。トラックの運転手で、車内で休みを取って寝ているところに火をつけられ焼死しました。この法案ではそうした事故を起こした犯人は現行の法より罪が重くなり最小15年、最高は終身刑になります。マプチェの攻撃を抑える手段の一つですね。
 ピニェラは、その人の奥さんをモネダ宮殿に招き法案成立を祝い、悲しい死亡を憂いました。

(経済)

1)経済成長率
  チリ中央銀行の発表で今年の成長率は12%、来年は1.5-2.5%、再来年は0.0-1.0%とか。今年が大きく伸びたので来年はその分、成長率が低くなるのは当然でしょうが、再来年がどうしてそれほど低い数字なのか理解できません。
  外部の組織の発表で、来年からチリは厳しい状況になるとされていますが、チリの中銀もそれを確認しているわけですね。
  中銀は公定金利と大きく上げて4%にしました。年初は0.5%でしたから、落ち込んだ景気を上げようとした年初から、景気過熱を抑えようとするほどの大変化ですね。不動産業界は商売の動きが止まってしまったと言っています。

  消費者の信頼感調査で、2年前の10月に始まった社会騒乱の前の状態まで戻りました。消費者もコロナ問題と含めチリの社会が落ち着いてきたことを感じているわけです。
  破産した会社の数ですが、今年の1-11月は前年対比14%のマイナスでした。少しづつ良くなっていますね。
2)銅価格と為替
  1ポンドは4.32ドルで先週と同じ。為替は1ドル850ペソとペソ安が進んでいます。
  さて今週のアメリカ銀行(バンク オブ アメリカ)の発表では、銅の来年の予想価格は年間平均ポンド当たり4.45ドルで、今週の数字より上を見込んでいます。中国の安定さが見込まれているのですか?

(一般)

1)コロナ問題
  火曜日に新規患者数が970人に落ちるとマスコミは千人を切ったと大騒ぎ。
  もちろん、それは間違いです。数が減ったのはPCR検査数が少なくなったからです。
  その翌日は1080人でしたが、陽性率は1.73%。陽性率が下がる方がもっと重要です。
  陽性者の合計が8500人を切り、それは2か月ぶりの低い数字でした。確かに9月の前半の情況に近づいています。良かった。
  厚生大臣はワクチンは接種後、6か月が有効期間だから、来年から年に2回接種方式に変更したいとしています。
2)マプチェ問題
  いつもと同じ、今週もかなりの被害が出ています。
  新法案で車や家屋への放火は重罪になりますが、襲撃する側はほとんどそれを恐れていませんね。
3)観光
 随分、正常化が進んでいます。11月のサンティアゴの飛行場の使用者数は通常レベルになりました。また約2年ぶりに観光船がコキンボ港に入港しました。もっとも乗客の一人がコロナの陽性者だったとか。
 チリの3大観光地としてパタゴニアイースター島そして北部のサン・ペドロ・デ・アタカマが挙げられています。外人観光客があふれているところです。


以上