チリの風 その925 2021年2月1日ー7日

先週の週末は雨になったサンティアゴですが、その後、また夏の気候に戻り、木曜日は32度まで上がりました。
所が週末に雲が出て、土-日曜日とも朝は涼しい気候。このまま秋になるのかな?
さて私の住むラス・コンデス区は自宅待機令が緩み、週末も自由に歩けるようになりました。で、土曜日は一人でマラソン練習をしてからフェリア(青空市場)に行って花を買いました。もう10数年続いている習慣ですが、最近はコロナ問題で途切れていました。日曜日はまた仲間とマラソン練習、4名で楽しく走り、そのあとベランダでコーヒーを飲みながら会話を楽しむ。こんな風に少しづつ元に戻っていくのがうれしいです。
会社の仕事にも慣れてきました。それから子供夫妻が孫を連れて訪ねてくれました。来週から日本人学校が開校とか。サッカー教室も再開できるかな?
毎週書いているように私の周りに幸せが沢山あります。

(政治)

1)ピニェラ動向
  彼はバケーションに入って、マスコミから消えました、その前に大勢の人への予防注射が始まったことについて、これは将来への希望が見込まれる本当の喜びですとコメントしています。

(経済)

1)貿易.
 1月の貿易の数字が発表されました。中国様様でした。
 チリの輸出は前年対比8%アップの約80億ドルと素晴らしい数字で、相手先の上位は中国、アメリカそして日本でした。ただそれぞれの数字が、中国向けが47%、アメリカは12%、日本は9%で圧倒的な中国の数字が目立ちます。もう中国以外に重要客先はないという雰囲気です。そしてその内訳は銅関連とサクランボで80%と、輸出品目はその二つしかないという感じ。極端ですね。
貿易合計は4.5%のアップですが、輸入は前年より1.5%下がりました。つまり輸出は伸びて輸入は減少というのが現状ですね。
さてそのサクランボの話題ですが、2012年には5万トンが輸出されました。それが2020年には23.2万トンまで上昇。今年は中国向けの売り上げが20億ドルと想定されています。
先日、中国の税関でチリ産サクランボがコロナに汚染されていると報道されましたが、それが虚偽とか間違いだった可能性があると言われます。そしてこっそりか堂々とかは分かりませんが、中国市場に入っているとか。ただ価格ですが、現在の価格はキロ当たり2ドルでこれは少し前の半額とか。何か不可解ですね。どうして本当のことを発表しないのかな?
輸出する前に価格は合意してあるので、途中で価格を変えるのは理解できませんが、輸入禁止とかになるなら半額でも売るというのでしょうか。
新聞に「ほとんど全部の輸出先が中国という状況を変え、世界各地に客を探すべき」との論調が掲載されています。当然ですね。

(一般)

1)コロナ問題
 先日チリに到着した大量のワクチンが市民に注射されはじめました。既に約60万人に実施されたとか。中高年が最初の目標で今週は80代、90代の人でしたが、来週は70代の人を対象にするようです。週末も注射場はオープンで沢山の人が押し寄せていました。(駐車場ではありません。注射をする広場です)
私の嫁さんの父親は90歳近くですが、なんでも来週マイプ区役所関係の人が自宅に来て予防注射をしてくれるとか。チリもなかなかやりますね。
所で病気の実態ですが、先週と変わりません。連日約4000人の新規患者、約100人の死亡者、それに新規感染率は約7%です。ですからワクチンが効果を発揮して、それらの数字が下がっていけばピニェラでなくとも万歳と言いたいですね。
逆に、病気は治まっていないのに自宅待機令が緩んだのは政治的見地からでしょうね。経済活動復活を狙ってですね。さぁどうなるかな?

2)マプチェ問題
 毎週同じですが、放火騒ぎが継続です。
 南部でトラック4台に火がつけられ、運転手2人がけがをしました。トラック組合は政府に対応を要求し、政府が正しい反応をしないなら道路の封鎖を実施するとしています。昨年似たような事件が起き、その時は内務大臣が交替させられました。
そのほかに今週もカバーニャ(ロッヂ)が何軒も燃やされるなど事件は継続です。機関銃などを持ったマプチェグループが俺たちの仲間を刑務所から出せとクレームする写真が発表されています。
3)不法移民問題
 毎日、多くの不法移民がチリ北部から入ってきます。イミグレ事務所を通らず、ペルー、ボリビアの国境線を渡ってくるわけです。今週のその移民の2人の女性が死亡しました。ボリビアからのルートは高地ですから、昼間は暑く、夜間は冷え込みます。マイナスまで下がるとか。もちろん、彼らはホテルに泊まることはなく、道路のそばで毛布を使って寒さに対抗します。
チリ新左翼は彼らを保護しようという発言をしています。また人権委員会が現地を訪問して政府を批判しました。現地の町長はそれを批判していますが。
そんなことがあったので、政府はそのボリビア国境近くの街から海岸地区の中心イキケまで(距離は約200キロ)バスを用意して彼らを運びました、イキケの市長は難民が毎日増えて収容所の能力を超えるのは明白、責任を私たちに押し付けるのはやめてもらいたいと悲鳴をあげています。
もちろん、移民援護でなく、チリ人で仕事がなく生活に困っている人間を保護する方が先だろうという意見もあります。
その移民はほとんどべネスエラ人です。老若男女、赤ちゃんからおじいちゃんまでいます。私の職場にべネスエラ人がいますので、この件を聞いてみると、軽く、「彼らは犯罪者だろう」とのこと。同じ国民の仲間を助けようとは思わないようです。
チリは失業率がまだ10%を超えて厳しい状況ですが、外人がチリを目指して来るわけですね。

4)パンギプジ問題
 南部のロス・リオス州にある観光地パンギプジで殺人事件がありました。そこで街頭芸人の青年が警官の尋問を無視したので揉めはじめ、青年が手にしていたものを武器にして警官に襲い掛かろうとしたので警官は彼に発砲、それが当たって彼は死亡しました。その事件を見た市民が、地区の警察署、市役所などを襲い放火。それが広がって多くの建物が延焼。なんと全部で10カ所の家屋が燃えました。金曜日の夜のニュースはこの事件が延々と続きました。
誰かが撮影したビデオがニュースに出ていますが、事故の最初の所はわかりませんが、警官が発砲するところは完全に映像に入っています。この先その警官はどういう処置を受けるのでしょうか。青年が襲い掛かったというのが認められれば正当防衛ですね。
その警官は留置され、月曜日に裁判所に。しかしその後の放火事件が多すぎる、ひどすぎる。地区の消防署は何をしていたのかな?
その翌日も、彼の死亡を憤るグループが警察署を襲い、衝突。それがサンティアゴにも飛び火してあちこちでデモ隊と警察がぶつかりました。公共バスも1台全焼しています。
彼の死体はサンティアゴに移され、葬式が行われますが、また警察との衝突が起きるでしょうね。

(スポーツ)

1)サッカー
  残り2試合と2020年シーズンの最後が近づいています。今週は首位のカトリカが勝ち2位のラ・カレラが引き分けたため勝ち点の差は5になりました。次の試合はその2チームが対戦しますので、それでカトリカが勝つか引き分けると優勝が決定。3年連続の優勝に成ります。
普通なら、サッカーファンがあちこちで騒ぐのですが、今年はそんな雰囲気は全くなし。サッカーファンは消えたのかという感じです。
下位の方では下から3番目のコロコロが2番目のイキケと対戦。引き分けに終わったので順位の交替は無し。

所でチリ代表チームの監督はいまだに決定しません。サッカー協会は何を考えているのかな?


以上