チリの風  その873  2020年2月3日ー9日

相変わらずサンティアゴは30度を超える暑い日が続いています。
あと2週間に迫った(2月22日土曜日4時から日本人学校講堂で)マチュピチュ同好会の練習に明け暮れています。講演とアンデス民謡の練習です。さぁどうなるかな?
土曜日はサッカー教室。午前中にカマラの運動会があったとかで参加者は8名だけ。それでも最後の練習試合は4対3で盛り上がりました。日曜日はマラソン練習。4名で何時ものように楽しく走りました。

(政治)

1) ピニェラ動向
彼は水曜日から夏休みに入りました。もっとも彼がいなくても大きな変化はないようです。大統領府の彼の公式発表にはその休暇入りは書かれておらず、今週の彼の仕事は前日の火曜日までです。変わった編集ですね。
今日、公共事業省の汚職問題が出ました。来週の最大の話題です。もし大臣が罷免されるようなことになればピニェラの責任は重大です。でもスキャンダルで辞任すれば次の大統領選挙で右翼は不利になるから、出来れば病気か怪我で辞任してほしいですね。
与党の議員が現政府は国民の社会生活を維持・保護する責任を全うしていないときついコメント。確かですね。
2)都知事けん責
国会で都知事の言動が憲法違反として討議されましたが、問題はないことになり、知事職に復帰しました。内務大臣・大統領に続いて3人目の討議ですが、国会は他に論議することが山積みなのにほとんど意味のない政治的嫌がらせの論議を継続しています。彼らを何とか処罰・処分したいのですが、まずは議員数の削減と給与の減少処分です。

(経済)

1) 経済活動指数
12月の数字は1.1%の上昇で、マイナス成長が考えられていたので意外でした。このままプラス成長でしょうか。
2) 外国からの直接投資
不思議なことに、2019年の外国からの投資は108億ドルと2016年以来の最高の数字になりました。事業はうまく進むかな?
3) 銅価格と為替
1ポンド2.56ドルと厳しい状況。為替は1ドル789ペソでした。コデルコ銅公社の2019年の生産は170万トンで前年対比6%下がり過去11年で最低の数字になりました。チリ全体でも同じ傾向で生産数は578万トンで、0.8%のダウンでした。鉱山スト、雨による洪水、マインが古くなって銅の含有量が落ちているなどの理由が上げられています。
4) 中国問題
新型肺炎の問題でチリから中国の港に着いた果物(主にサクランボ)が通関されません。サーモンも中国には輸出できないと言う感じで、何と銅の輸出にもおかしな雰囲気が出てきたと言うニュースもあります。中国がくしゃみをしたらチリが風邪をひきそうです。
5) 失業者数
先ずその数字が下がったと言う報道があり、その後、失業率は上がったとされました。そしてそれに関連した労働局の幹部が辞任しました。意識的に、風は順風ですと発表したのか、数字の扱い方をよく知らなかったのでしょうが、チリ政府もレベルが低いですね。隣国ではあってもチリではそういう不正はないと思われていましたが。まさかピニェラの指示ではないでしょうね。
6) 物価上昇率
ドルが強くなったことから物価が上がり、1月の物価上昇率は0.6%。1月の数字としては過去22年で最高の数字とか。過去12か月では3.5%になっています。

(一般)

1) 大学入試
3回目でやっと終わりました。しかし1回目で終わらなかった受験生の精神・肉体状態は厳しかったでしょうね。この入試の結果で行きたい大学・学部が近づくか遠ざかるわけですから。
2) 警察
警察の不祥事が続出です。デモ隊の一人の青年に警官が襲い掛かり、倒れた彼にキックを入れます。それも5名の警官で、逮捕するのではなくただそれだけで放置しました。それを近くの防犯カメラが全部撮影していて、テレビのニュースで報道され、その全員は即日免職になりました。元警官として裁判所に行くわけです。
首都圏の外れの方であったパーティで知り合った男が女性を暴行しました。それを知った地域住民がその男の家に向かい、彼を引きずり出して集団暴行。それを警官グループが助けようとしたら集団は邪魔するなと警察に襲い掛かり警官はその犯人を連れてやっとのことで脱出しました。それもカメラに写っていました。
おまけに警察軍の幹部の不正が報道されています。例えば出張として旅費を受け取り、仕事をしないのにそれを懐に入れるとか。どんな組織でもそんなおかしい幹部がいるわけですね。
悲しいことに警察とデモ隊の対決とか放火騒ぎは継続です。
3) 少年犯罪
昨年10月18日以来、逮捕者の中の未成年者の数が急増です。メトロのただ乗り運動から始まった今回の反政府運動で警察と面と向かって対抗する動きが強まっていますが、その動きを支えているのが未成年です。
4) 観光                         
   1月のホテルの使用率ですが、中央部のサンティアゴバルパライソは前年対比10-15%の減少になったとされました。ただもっと遠い北部のアリカやイキケ、最南部のプエルト・ナタレスやプエルト・モンは上昇とか。つまりアルゼンチンからの観光客は減少だが、それ以外からの観光客は増加ということになりますね。
5) 新型肺炎                      
   チリでもアジアから来た観光客を入国時に特別チェックすることになりました。まだ発病した患者はいません。中国籍の船が接近すれば入港拒否でしょうね。

(スポーツ)

1) サッカー
国内リーグ戦で人気3チームの成績はカトリカは3連勝で首位、チリ大学は2勝1敗で2位、コロコロは1勝2敗で中位でした。

以上