チリの風 その926  2020年2月8日ー14日

サンティアゴはもう秋の雰囲気です。2月後半に行われるビーニャの音楽祭が終わったら秋になるのが通年でしたが、今年はコロナ問題でその音楽祭は中止。それで少し早めに秋が来たようです。朝晩は涼しく半そでで歩いていると寒いほど。
土曜日の夜、少し霧雨が降りました。温度が下がって湿度があればもう山火事はなくなりそうですね。心配された山火事は今年も少しはありましたが、大惨事にはなりませんでした。
さて秋になると木の実が熟しはじめます。私はいつも栗の実を拾いますから、その内、おいしい栗ご飯が食べられそうです。
今週で仕事を始めて4週間が過ぎました。何とかがんばっています。
週末のスポーツはいつもの通り。秋晴れの日曜日は今週も仲間と3人でマラソン練習。そうそう1年ぶりに日本人学校のサッカー教室が再開です。来週20日の土曜日。子供とまた一緒にスポーツが出来ると思うだけで幸せになります。
福島でまた大きな地震があったそうですが、チリでも報道されました。日本とチリは地震の兄弟国ですから、来週大きな地震がチリで起きるかも?

(政治)

1)ピニェラ動向
  南のフツロノと言うところに彼は別荘を持っていますが、そこで夏休みを楽しんでいます。彼も他の中高年と同じようにワクチン注射を実施しました。そして「皆さんのためにコロナワクチンを用意しました。これでコロナ問題が少し和らぐことを願っています」とにっこり笑ってコメント。確かにコロナ問題が落ち着けば、彼の4年間の仕事も普通の正当な評価が出されるでしょう。

(経済)

1)銅価格と為替
  銅の価格が金曜日3.75ドルで終わりました。今週は過去10年近くで最高の数字が記録されました。チリの大蔵省は大喜びですね。税収が予定より大幅にアップしますから。このため為替は1ドル722ペソとパソ高が続いています。
  銅価格の高い数字は中国の輸入量が減少しないからですが、どうして中国はそれほど良い経済状態をキープ出来るのかな?不思議です。

2)観光開発
  チリ経済省は2.5億ドルを観光開発に使用すると発表しました、日本のGOTOと似たような計画ですね。どういう結果になるか楽しみです。

(一般)

1)コロナ問題
  一向に収束しそうにありません。新規患者4000名、死亡者100名、感染率7%のレベルが続いています。それでも自宅待機令の緩和が進んでいます。夜間外出禁止令も、その時間を遅らせようという声が聞こえます。そうするとレストランが夜通常に営業できるからです。つまり病気抑制と経済開発を天秤にかけているのでしょうね。しかしワクチンの接種数は既に180万人を超えています。人口当たりでは世界で上位10に近いところにいます。ラテンアメリカのリーダーです。
  今までは中高年が対象でしたが、次は教育関係者。3月から新学年が始まりますから、来週から先生や学校関係者へのワクチン接種が始まります。51万人への接種が予定されています。もっとも教員組合からコロナが収まるまで学校での授業は再開すべきではないとのクレームがでています。
  ペルーはチリ向け特別ツァーを企画しましたが、それはチリに行ってワクチンをうつというものです。チリではワクチンは自由に無料で接種できるからです。厚生省は怒って住民権のない外人には接種しないと発表。しかしそれでは移民の中で登録作業中とかの人が外されるとなります。そこで、外人でも現在チリに住んでいるなら住民証を持っていなくても接種可能と、うろうろしました。
  昨年3月からのコロナ騒ぎで、大げさに言うとチリ人の生活が変わりました。仕事を失う、給料が下がるなどの基本的な経済のことから、男女間の暴力事件が2019年は82件だったのが2020年は190件と1.9倍に激増しました。その他1年でチリ人の体重はどう変わったかいくつかの機関が調査しました。そのうちの一つの結果ですが、なんと7キロ増えたとか。何もしないでモリモリ食べたのでしょうね。私の場合では週に7日間の自宅待機令が4か月出たとき、体重は3キロ増えました。その後、外に出るのが許されてマラソン・登山を始めると1か月で元の体重に戻りました。

2)移民問題
  移民が連日、大挙して不法に入国していましたが、少しその勢いが弱まったとか。その理由は一つ目は正規のイミグレの近くに軍隊を張り付け、不法に入国する移民を取り締まり始めたこと。それからすでに入国している移民の一部をその母国に強制送還させることを決めたからです。違法移民を乗せた最初の飛行機はコロンビア・べネスエラを向けて今週に飛び立ちました。夢を求め、何日も荷物をもって家族を連れて歩いてきた人が、母国に強制送還させられたら、泣くでしょうね。自分の人生はこれほど運がないのかと。
  さてその移民が空き地を不法占拠して家を建て住んでいます。現在のその占拠地の数は254か所で昨年より41%も増えています。昨年は47617家族でしたが、今年はそれに11765家族も増えました。その家族に聞いてみると、ペルー人のおばさんは「リマから来ました。3年半前です。プエンテ・アルトのレストランで働いていましたが、コロナで店が閉まり、職を失い、家賃が払えません。それで人から聞いて、ここに来ればただで住めるので、ここに住むはじめました」ほかの人もほとんど同じような事情でしょうね。チリ人も沢山いるはずですが、不法占拠地には移民が多いとか。
4)警察との争い
  先日、警官が信号の所で芸を見せる大道芸人を射殺しましたが、それが尾を引いて、各地でグループが警官を襲っています。毎週金曜日のイタリア広場のデモ隊とのぶつかりで、デモ隊の火炎瓶が警察の車を焼き(全焼)、警官が負傷。その日、警官がかなり負傷しました。つまり以前の様に警官は怖いというイメージがデモ隊の間で薄れてきたんですね。まだまだこの問題は深刻化しそうです。

(スポーツ)

1)サッカー
 国内リーグ戦はすべての試合が終わり、優勝はカトリカで3年連続。でもいつも書くように今年のリーグ戦は過去最低レベルで全く盛り上がりませんでした。水曜日にカトリカがホームの試合で引き分けで優勝が決まりましたが、ファンが喜んで大騒ぎなんかありません。ふつうは試合の後、ファンが喜んで球場から降りてきて地下鉄の駅の周りで騒ぐので警官が出ますが、今年は球場に誰も入れませんから、騒ぎは全くなし。
 さて下位グループは注目のコロコロは引き分けで、1部リーグ残留が決定せず、水曜日のコンセ大学戦が勝負になりました。

 所でチリ代表チームの監督が決まりました。ウルグアイ人のマルティン ラサルテで昔チリのチーム(カトリカとチリ大学)の監督をしていました。ワールドカップの南米予選は間近ですが、大丈夫かな。


以上