(一般)

カトリック教会動向

最悪の事態に向かって前進しています。

建国記念の9月18日はテ・デウムと呼ばれるミサがカテドラルで実施され政財界のトップが参加しますが、今年は風が変わり、議員の一部、上院議会の議長(社会党)などが出席を止めるとする発言が出始めました。最右翼UDIの議員は「一部の神父の問題と宗教の重みを取り違えるな。カトリックを潰そうとする運動は認めるわけにはいかない」と強気の発言。あたかも右と左の争い。
そこにピニェラも参入して、ローマ法王が適切な処置を取らなければ大統領として今年の参加は中止するかもしれないとしました。彼はチリの大司教を入れ替えるよう法王に忠告しているのでしょうね。内務大臣はこれは個人の見解で政府の声ではありませんとコメント。
今週、カトリック組織の上層部が南部の町で泊まり込みで話し合い、最終的に自分たちの組織の人間が過ちを犯したことを認め、さらにその後の処置も適切でなかったことを反省するとしました。つまり宣教師としてふさわしくない行動をとったと言うわけです。しかし当事者の彼らも疑心暗鬼で、誰かがまだ秘密にしていることがあるのではないと思い、会議の中で、ローマ法王がこの案件でチリに派遣した特使のレポートを要求したいとなりました。チリの検察の請求と同じですね。つまりそのレポートを知っているのは大司教だけなのでしょう。
テレビのニェースで見ましたが、そのエサッチ大司教は話し合いの場で、発言も少なくまるで興味が無いと言う雰囲気でした???。そして会議の後にも全くコメントなし。

上記は先日バチカンでチリの全司教が集まった時に出すべき結論ですが、その時はまだ有耶無耶にできると言う甘い見方があったのでしょうか。
この問題で、大司教まで検察から容疑者として呼び出しを受けています。今の段階で一番素直なのは、犯罪に加担した疑

いのある人間は有罪・無罪がはっきりするまでミサを実施するのは遠慮すべきでしょう。
ここまで書いたら、急に風が変わり、エサッチ大司教建国記念日の特別ミサから自分は離れると発表。文面では、自分は性的暴行を行ったことも他の神父の犯罪を隠そうとしたこともないが、テ・デムの特別ミサはチリの国としての神への感謝で国民の団結が必要だから、この問題で国が2分されるのは好ましいことではない。したがってここで手を引くと言う自分の意思を明確にするとなっています。法王が後ろから指示したのかな?そうすれば首にはしないと約束して。
新しい風としてカトリック組織の上層部に女性を加えることが決定しました。チリの大学で女子大生が学部占拠をして女性人権を訴えましたが、それがカトリックに飛び火したのですね。
いつもと同じように神父から辞任要請が出て受領されたとか。毎週、誰かを首にしているわけです。

人権問題

最高裁は今までの姿勢を変え、軍事政権時、左翼を拷問・殺害して刑務所に入っている元軍人の中の中高年者の一部を刑務所から出し、自宅で拘留することを認めました。もちろん他の高齢者も同じ処置を要求しています。
人権委員会からはどうして軍人だけ特別処置にするのか疑問の声が出ています。
右翼側からはピノチェットが立ち上がったからチリは今日のベネスエラのようにならなかったとする声も出ています。
そのベネスエラに住むチリ人が、40年、50年も同国に住んでいる由ですが、3年前まで年金をもらえていたのに、最近は全く手に入らず、子供や友人に助けられて生活していると涙していました。チリの外務大臣は理由の無い同胞への年金打ち切りは認められないとクレームした由。
ベネスエラも好調な時期があったのですが、最近は最悪ですね。その好調な時に間違って私がそこに住み始めていれば先のチリ人のように今は年金が貰えず泣いているでしょう。チリに住んで良かった。