(政治)

1) ピニェラ動向
月曜日、夜の定時ニュースの前に全テレビ局を通してピニェラは女性問題の改善を発表しました。 
「今では男女同等の選挙権も昔のチリでは男しかなかった。私も女性にセクハラ、パワハラを行ったかもしれない。それらを反省したうえで、チリで男女同権を訴えたい。必要に応じ憲法・法律を改正するつもりだ」
女性の就職率は年々上がっていますが男女間の賃金の差は男が24%上という状況は過去20年間ほとんど変わっていません。
さて現在のチリ女性運動も確かに力量を見せています。その例としてある大学の法学部長が解任されたことで、彼はセクハラ疑惑を追及されていました。女子学生の大学占拠はまだ継続中です。
さて新アルゼンチン大使が任命されました。彼の兄を起用しようとして大問題になったのは先日のことです。 
それから彼は21日のイキケ海戦の祝日にバルパライソで海軍パレードに出席しました。今から150年ほど前のことですが、詳しくは1879年5月21日、太平洋戦争の中でイキケの沖で起きたチリ対ペルーの海戦です。書き始めると長くなるけど、そこで戦死した艦長プラットは1万ペソ札に肖像画を残しています。

2) 犯罪の増加
先週末、サンティアゴの東部ラ・レイナで起きた殺人事件が話題になっています。数人のグループが家に押し入り、家族を捕捉して家の中から金目の物を持ち出し、その家の車を盗んで逃走。その前に家族を守ろうと犯人に抵抗した主婦を殺しました。
これに関し内務大臣は「これは許せない。裁判所は適切な判決を出してほしい」と犯人が捕まってもすぐに釈放される現状を憂いました。裁判所は我々の要請を理解してほしいと言うものです。それに対し最高裁の長官がそのコメントはいかがなものかと反発。裁判所は法に則って判決を下しており、市民感情に合わせるものではないとしました。
しかし犯人グループで一人だけ捕まっている若い男は、なんと13歳から犯罪に手を付け、今まで21度逮捕されているとか。彼は麻薬中毒で、その金が欲しさに犯罪を犯している由。
青少年保護局が運営する少年院に入っている少年少女の半数は酒・麻薬の中毒と言われますが、政府役人の指導が今までうまく行っていないことは明白ですね。
内務大臣の言う方が裁判所の長官より理屈がありそうですが、刑務所に入れるだけが解決方法でないことも確かですね。
3) ベネスエラ
マドゥロ大統領の勝利を祝うためベネスエラを訪問していたチリの政治家の発言が問題になっています。新左翼の国会議員と共産党員の首都圏の区長ですが、民衆に選ばれて我々の同志が勝利を収めたとコメント。彼らの他に中国、ロシア、もちろんボリビアも彼の勝利を祝っています。
アメリカのおかしな政策から欧州がアメリカ離れの気配を見せていますが、ドイツ・フランスはその分、中国・ロシアに接近と言われます。なんだかあちこちで矛盾していますね。
旧与党グループ「新多数」のDCはチリ共産党は南米の大多数の国が疑惑視している選挙を良く称えられるものだと正面から批判。旧与党の分裂・破壊は明白です。
これはバチェレットが与党グループの左翼化を図ったことから来るもので彼女の責任は大きい。ところで彼女は以前からコメントしていたようにジュネーブの国際厚生機関の代表になりました。前任者は元南ア大統領マンデラの奥さんです。