(一般)

1) 前述のコピアポの大洪水ですが、このような災害が前回起こったのは1997年です。その時の大統領フレイはかかる惨事が起こらないように、河川・水路の管理を的確に進めたいとコメントしましたが、同じ事故が継続したことは口約束だけでほとんど手は打たれていなかったわけでしょうね。
その17年前の惨事の時に私は偶然コピアポにいました。部下の結婚式に呼ばれたためですが 、空港が閉鎖、陸路も道路封鎖で南下ができず、仕方なくそこに2日も余計に滞在しました。外に出られずホテルの中でじっとしていました。
バチェレットは前回の大地震の後の不始末から、今回は即時、軍隊に出動を命じ治安維持を図りました。最初は11時、それから夜9時に外出禁止令が出ました。その時間より遅く街を歩いていると特別許可を所持していなければ逮捕されます。それでもスーパーマーケットに集団が入り略奪行為。テレビカメラの前で政府の援助がないから仕方ないでしょうと大きな顔。水・食料品のほかおもちゃなども全部なくなりました。災害発生から何日もたったのに多くの町で電気・電話・水など止まっています。トイレも使えないわけです。道路も切断されているところが多く山奥の村に交通の便がありません。洪水の水量が上がり床上浸水から一部の村では人々が避難のため屋根に上がり助けを待っていました。警察のヘリコプターが彼らを救出しましたが、なんとその数50人とか。 
泥が町・村を覆っていますが、それをきれいにするには6週間かかるだろうと言われています。泥が乾いてくるとそれが埃になりマスクをしなければ道を歩けません。道を流れている水は山から来たものではなく下水管から流れ出したもので強い異臭が立て籠もっているとか。
もちろんいつものようにボランティアの救助隊・市民の相互援助も盛んで、各地で援助物資を集め、トラック屋さんが無料でそれを被災地に運んでいます。

しかし少なくとも8千ヘクタールと言われる南部の山火事、ビジャリカ火山の噴火、そしてこの北部の水害とチリの自然は自由奔放に動きますね。人間にとって厳しい状況です。
2) 年金システム
チリの年金システムは加入者が積み立てた額を民間会社が運営し、年金生活に入るときそれをもとに毎月の年金額が決まりますが、今回からそれが減額されることになりました。 えっ、何それと言われそうですが、チリの予想寿命が延びているため、加入者の最後の日まで年金を払い続けるために運営会社は月額を下げるざるをえなくなったわけです。女性は91歳、男性は86歳とか。チリ人も長生きですね。月1万ペソほど下がるケースが多いとか。
3) 青年闘志の日
ピノチェットの時代に、30年前ですが、殺された極左の青年たちを思い出す記念日が来ました。いつものようにサンティアゴ各地で警察とデモ隊の戦いが繰り広げられました。道路にタイヤなどを置いて火を放ち、警備の警官に発砲するわけですが、今年は例年より騒ぎが小さいようでした。