(政治)

1) 例のウィキリークにチリ関連の情報が出ました。それによるとチリのアメリカ大使館から本国政府に充て、「ピニェラはバチェレットのことを人間的には素晴らしいが、大統領としては今一つと考えている」とか、「ピニェラは商売に熱心で金にせこい」などとしたメールを送っています。しかしそんなことはピーター藤尾のチリの風にも書いてあることで、それをいまさらリークして何のメリットがあるのかな? もし「バチェレットはアメリカ政府との密約を実施しなかったので次回の選挙では彼女の側が勝つことは認められない。したがって彼女の側の候補者、フレイの弱点を調べそれをピニェラが突くように彼のグループに連絡した」  これくらいのことがリークされればチリ中があっと驚きますがね。

2) ピニェラはブラジルに飛んで新大統領就任式に参加しました。ブラジルは大統領の交代でどう変わるのでしょうか?チリの場合、左翼から右翼への政権交代で大きな変化が予想されましたが、ほとんど政治経済ともに影響しなかったですね。ブラジルの場合同じグループ内の交替なので影響はもっと少ないと見られますが。

3) 恒例の世論調査が発表されました。ピニェラ政権を支持する数は変わりませんが、拒否する数が増えました。初年度が終わっての支持率44%は民政化が始まってから5代大統領で最低です。一番人気のあったバチェレットは52%でした。   ピニェラの問題点は、すべて自分が処理しようと前面に出ることで目立ちたがりが嫌味になっています。また選挙前の公約(大統領就任前にすべての所有株を譲渡する)を実施せず、仲間内からも批判を受けていましたが、それを半年以上かかってやっと実行。大風呂敷を広げてその実行に疑問を残す。これは彼の癖でしょうね。
しかし野党側もそれを支持するより拒否する数が増え、結局、右も左も政治家は信用できないと市民は言っているようですね。これ、私と同じ意見です。
ところで人気のある政治家は例の33名の生き埋め労働者救出以来人気急上昇のゴルベルト鉱山大臣、前大統領のバチェレットの二人が突出です。野党はとにかく彼女以外に人気のある人間がいないのが最大の問題点。
ところでその彼女は2月の大地震時の政府の対応が妥当だったかどうかのについて質問を受けました。テレビでその時の災害対策委員会での録画を見ると、彼女は正確な情報を持っていなかったのに、津波は来ないと誤った見解を公表しているので責任はあると思いますが。

4) こんな話題はどうかと思われますが、全国幼稚園連合の副会長をしているオサンドンはその職に昨年5月につきました。9月に高級公務員職を一般公募して適任者を選ぶ作業がありましたが、それに応募するのを忘れたとか。応募していれば現職と言うことでほとんど自動的に継続になったらしい。このため彼女はその職を失うことになってしまいました。ところが彼女は与党RNに属し、兄弟・親戚が同党の中枢を占めていることからピニェラ大統領に特別処置をするよう圧力がかかった。政府は検討の結果、9月の応募者の中から適任者を選ぶことにする発表したので、彼女は面子を見せて同職を辞任。そしてツイッターで「私は自分の仕事を責任を持って実行してきた、給料はすずめの涙だったが」と書く。     彼女の給料は8千ドルほどで公務員としてはチリのトップクラス。これを少ないとしたものだから友党内からも彼女の資質を疑う声が出始め、もはや応援団なし、RNはせめて後任者をRN関係者にしてほしいと要請中。そのオサンドンはオプス・ディに所属しているらしい。
新聞の時事漫画にこのニュースが載って、昨日までのデモ行進ではプラカードに「人間味のある給料を」と書かれてあったのに今日から「すずめの涙の給料をよこせ」と書いてありました。いやはや。