(政治)

1) ワールドカップに参加したチリのチームが帰国し、モネダ宮殿に招待されました。彼らを一目でも見ようと宮殿前に1万人とも言われる人が集合し、選手の名前を声をからして叫んでいました。
監督のビエルサはこの後も代表監督の席にとどまるか、ここで辞任するのか注目されています。さてそのビエルサはモネダ宮殿で大統領が選手団を歓迎したとき、彼を無視して通り過ぎようとしました。南アへの出発前の儀式でも同じようなことがあったので、ビエルサはピニェラと何か問題がありますね。翌日、ビエルサは文書で謝罪しましたが、むなしいです。
前大統領のバチェレットは南アで選手団と上手くやっていましたが、帰国してからの講演会で、「私の政権時代の支出問題を現政権は不正とよんで大々的に取り上げているが、国民の大多数が次の大統領は再度私になってほしいとするのを妨げようとする意図からくるのでは」としています。それはインデイへナ対策局などで、既に昨年も同じ指摘を受けています。現在までのところ55億ペソに不正支出の疑いがもたれています。不正は不正でしょう、彼女にこんなことを言われるようでは現政権も情けない。
確かに与党の中でもピニェラの人気が上がらないことに対する危機感があるようです。

2) 国会で地震復興のための作業費用の財源としてマインのローヤリティ税を含む案を国会に送りましたが、今週それが否決されました。新聞に各国の徴税の仕方、内容が掲載されましたが、チリのそれが特におかしいわけではありません。そんなややこしいことをせずに所得税を上げればよいとする声もあるでしょうが、それでは他の業種に影響が出ます。世界的に利益幅が大きいマイン産業に追徴課税しているのは当然で、他国(カナダ、豪州、ペルー)と比較してチリの資源税は特別な数字ではありません。野党は何故、強硬に反対するのかな?

3) 公共事業省の汚職問題
2003年から長々と続いてきたこの問題を担当してきたチェベリッシ裁判官は連日10時間もこの仕事を続け、今回やっと最終段階になりました。当時の大臣クルスは罰金刑の有罪、その他の関係者26名にも有罪判決が下ります。しかし当時の大臣は刑務所に入るのではなく罰金刑なので、特に極端な判決とは言えません。しかし大臣が自分の担当の分野で罰金刑を受けるのは極めて異例で、その違法に得た金は彼の隠し財産になったのか、または当時の与党の選挙資金、もしくは与党内部で仲間わけしたのかはっきりさせてほしいですね。チェベリシの判決文にはそれらの金が(一部は)ラゴスの選挙資金になったとされていますが、第7法廷はそれを有効とはしませんでした。ラゴス大統領(当時)がこれに関連していないとは思えないのですが、彼は知らない顔をしています。

4) 最低賃金
下院で最低賃金が165000ペソから172000ペソに上がりました。政府案を野党側の2名が賛成したため法案が成立したもの。
しかし失業率は8.8%と上昇です。政府はこれは冬季に農業労働が減少することを受けたもので、失業率の基本的な上昇は無いと楽観している由。ついでに女性の就業率はチリでも上昇していますが、25歳から44歳の場合、65%の女性が仕事についているらしい。