サンティアゴの最低気温がマイナス1度迄下がりました。ホームレスの人には厳しい状況です。昨年は全国で約2万人、今年はそれより増加しているだろうとのこと。今週から公共機関が、彼らを収容する施設を用意しました。そこに行くと夕食を出してもらって、ゆっくり眠れますね。今の所、凍死者は出ていませんが、その寸前で入院した人は数名とか。
もちろんホームレスの人だけでなく、不正建築をしている簡易家屋の人たちも強い雨風が家に入り通常の生活ができない状況です。サンティアゴには7百万人ほどが生活していますから、それぞれの暮らしは大きく異なります。
悪天候は首都圏だけでなく各地に起きています。チリとアルゼンチンのアンデス山脈の国境地区で多くのトラック・バス・乗用車が吹雪で動けなくなり、数十名が軍隊に救助されました。チリ南部でも雪で山奥の幾つかの村が通行不能になっているとか。
今週、首都圏は水曜・金曜・土曜・日曜日と4日も雨になりました。その50ミリほどの雨で、あちこちで水による被害が出ています。来週も何日も雨の予報です。
土曜日の登山教室・日曜日の仲間とのマラソン練習は中止になりました。その前に一人で走りましたが、10キロは無理でした。もちろんそれでも満足です。
安倍元首相が暗殺されたニュースが大きく報道されています。アメリカでは銃殺事件は日常茶飯事ですが、日本ではそんな事件はないと思っていました。日本も変わりましたね。
(政治)
1)ボリッチ動向
大統領府の大統領の動向報告ですが、火曜日に中高年ツァーが久しぶりに開始され、その最初の汽車の旅に彼も同行したとか。昔、バチェレットが大統領だった時、彼女は政治的にはパッとしませんでしたが庶民と楽しく交流する様子が頻繁に報道されました。ボリッチもその路線を歩くのかな?
その汽車に乗ったニュースがなんと日曜日までトップで継続。じゃ今週はそれより大事な仕事はしなかったのかな?
2)新憲法委員会
9月4日の投票に向けて賛否の両グループが活動を始めました。
もっとも多くの国民は賛否を唱えていても、過半数の人は新憲法をちゃんと読んでいないとされてます。私も読んでいませんが、私の語学力では憲法案を読みこなすのは無理です。
単語も言い回しも良く分かりません。実力不足ですね。
しかし揉めているのはキリスト教民主党DCです。党としては賛成に回るようですが、旧党首など主要メンバーの多くが反対に回っています。私はそれで党が2分し、野党と与党に分かれるのではと想像しましたが、そこまではまだ行っていません。その党員で元大統領のフレイは反対を表明しています。
そして元大統領のラゴスも新憲法は自分と意見が一致しないところがあるとコメント。それで彼ら二人は新憲法委員会の閉会式に参加を拒んだのですね。
新聞の特集で、民政化して以来の中道左派政権の時の大臣一人一人に賛否を問いかけたところ、50.3%が賛成とか。賛否がぴったり半々なのですね。与党側は賛成と言うのは間違いですね。
ところで、憲法は軍事政権が作成したものではなく、自分たちの手で作ろうとこの委員会が発足したのですが、うまく行かなかったようです。9月4日の投票はどうなるでしょう。
その後、右翼も左翼も陣営の再建築の問題が待っています。
さて日本では外人が作った憲法をいまだに大事に守っていますね。チリと大きな違いがあります。
(経済)
1)物価上昇率IPCとインフレ
6月のIPCは0.9%、過去12か月で12.5%になっています。その12.5%は過去28年で最高とか。現状はそこまでひどいのです。
給料は上がっていますが、物価上昇率より低いので実質賃金は下がっているとか。日本も同じようですね。
つまり物価上昇を抑えるのが、緊急の課題になっています。ガソリン価格は、その動きを原油市場・為替に直接反映させず、政府機関のクッションを通してコントロールしています。
それで今まで週に5,6ペソの上昇・下降が通常でした。ところが今週はそれが一気に跳ね上がって20ペソ高になりました。ドライバーが怒っています。政府は何を考えているのだと。
でも不思議ですね、ほんの少し前に政府の金をつぎ込んで価格の安定を図ると発表しているのにボリッチは何をしているのかな?
ボリッチ大統領を支持しないとする市民が今週は60%まで上昇です。
野党の右翼が、政府の側に立って市民の援助をしたいのでガソリン税の一部を下げる・無くす案を出してほしいと発表しました。マプチェ問題と同じくボリッチは野党と組んでいるみたいですね。
何か手を打てるのかな?
2)銅価格と為替
1ポンド3.53ドルとまだ下がっていきます。今週、為替が一時期1ドル1000ペソを超え、大騒ぎでした。恐慌とさえ言えそうでした。それがやや収まり金曜日は公式には960ペソ、一般的には974ペソで閉めました。これに関し、政府側が中銀にどうして適切な介入をしないのかとクレームしているらしい。
そのペソ安が、輸入品の価格を上げているわけですね
もっとも農産物の輸出業者はこのペソ安で、ニッコリと言う記事が掲載されました。雨が少ないので生産が上がらず、コストが上がったので今年は軒並み赤字と言われていました。
それがこのペソ安で・・・、神風ですね。
(一般)
1)コロナ問題
毎週同じです。毎日1万人ほどの感染者が出ているのに大騒ぎにはなりません。感染率も15%ほどと高いレベルが継続です。大騒ぎする必要はないのかな?
2)マプチェ問題
先週、軍隊駐在案を国会が認めましたが、政府をそれをさらに15日延長するようよう要求とか。全く理解できませんね。
その無駄な動きを止め、一度で3か月、認証すればよいのでは???
しかし今週も各地でマプチェグループの攻撃があり、多くの施設・車両が破壊されました。森林地区での盗伐も継続ですが。どうしてそれだけの組織を持つマプチェのグループを
監督・把握できないのでしょうか。小さな町で何も仕事をせずに生き延びている若者がいれば、その人はグループに関連している可能性が大きいですからね。
先週のチリの風を読んだ読者から次のコメントが来ました。
「警察力で国内治安を維持できないのであればそれはもう非常事態です。
軍事力導入での治安回復は、右傾化ではなく、左翼政権の優柔不断さが過激派を増長させた結果です」
私は政治家は右も左も同じようなものだと最近思っていますが、読者のコメントはどう思われますか。
3年前、ピニェラ政権を潰すための大規模デモが起きましたが、その暴力デモを起こしたのはボリッチなどの新左翼でした。