チリの風  その850  2019年8月26日―9月1日

暖かくなってきました。リビングに置いていた暖房機をしまい、ベッドの太い毛布を外しました。冬が終わったということですね。今週の最大の話題は土曜日の日本人学校の学習発表会。毎年同じことを感じますが、小さな子供が役をしっかり身につけて堂々と発表する。素晴らしいですね。劇の中では小3・4年の落語劇が良かったです。もちろん全体からみた高いレベルの感想ではなく私個人の好みです、ごめん。落ちの「奈良時代」には笑ってしまいました。劇のほかに音楽が毎年素晴らしいのですが、今年は楽器演奏がなく残念。
日曜日はマラソン練習で仲間と走りました。私は半そで半ズボン。そう寒くはなかったです。

(政治)

1) ピニェラ動向
G7 会議に参加するためフランスを訪問したピニェラは各国首脳と会議をしただけではなく、その後外遊を継続最初から計画していたのか急遽変更したのか不明ですが、フランスからポルトガル、そしてブラジル、さらにパラグアイを訪問し各国の首脳と面談しました。G7で話題になったアマゾンの火災に関し、フランス・ブラジルの大統領が正面からぶつかり、フランスの出した援助提案をブラジルが拒否しましたが、ピニェラが訪問して、宥めたのか、最終的には外国からの援助を受理するとなりました。チリから4機の飛行機がアマゾンに行きますが、その費用はG7国の中から出たものです。
ピニェラが外交手腕を発揮したことになるでしょうか。戻ってきて医師の指示で静養を取ったようですが、大統領府の発表にはそれは出ていません。過労でしょうね。
世論調査でピニェラを支持するは過去最低ラインの29%に落ちました。結構人気のあった内閣府長官のペレスは45%に落ちましたが、これは彼女が社会党は麻薬組織と組んでいるとコメントして大問題になったからです。
政治と関係ありませんが、安楽死を認めると言うのは73%とチリ人の大半はそれを認める方向です。

(経済)

 1)コデルコの苦戦
 国営銅公社コデルコの上半期の数字ですが、昨年対比で生産は13%マイナス、これは夏の雨(洪水)とかチュキのストが影
 響したとか。しかし国庫への納入額数は何と74%減の大幅マイナス。12億3千万ドルが3億2千万ドルに。銅の価格が低め安定
 ですが、米中貿易戦争がチリに与える影響は強烈ですね。
 今週は1ポンド2.58ドル、為替は1ドル720ペソでした。今週1ドル722ペソまで行きましたが、それは過去3年で最悪の数字、
 まだペソは安くなるのでしょうか?
2) 経済成長率見込み
 しかし悪いニュースばかりでなく7月の数字は鉱業は前月のマイナス成長から少し良くなって0.5%のプラス、工業は5.7%
 の高成長、そのほかを合わせた総合でなんと3-4%アップが見込まれるとか。素晴らしい。
 それで2019年の見通しは2.9%、来年は3.0%の上昇が見込めるとか。もっともこんな数字はすぐに変わりますからね。

(一般)

1)18
外国でディエシオチョ(18)と言っても誰も意味が分かりませんが、チリでは誰でもすぐに建国記念日と思い浮かべます。
9月18日が近づき、新聞でもテレビでそのニュースがあふれています。今年は1週間丸まる休みになるようで14日の土曜日から22日の日曜日まで休みの人が多いとか。
国内・国外に旅に出る人があふれそう。国内のバス代は、ニュースに出ましたが例えば今8000ペソのところが3万ペソになるとか。バス会社にクレームするとこの値段が通常で今は割引料金です。クレームにも慣れているわけですね
どこにも行かない人はオヒギンス公園の屋台祭りにって、酒を飲みながら焼き肉を食い、クエッカを踊るのでしょうね。
酒飲み運転は止めてください。そうそう、今週の新聞で酒酔い運転での事故が過去5年で半分以下に減ったとか。ホンマかな?
そういう良いニュースもあるわけですね。
2) 裁判所の不祥事                    
キリスト教のスキャンダルは毎週ですが、司法界でも、検察官が裁判になるほどの混乱です。今週は裁判官が麻薬所持で逮捕されました。個人で使用していたのか、だれかに売ろうとしていたのか分かりませんが、裁判官が麻薬を所持するのは信じられませんね。制服を脱げば只の人でしょうか。  
教育褒章を受け取っているモンテスが年少児の性的暴行で訴えられていますが、その褒章を取り消し、特別年金も支払い停止になるとか。表面はチリを代表するような大人物でも裏に回れば暗い面を持っているのはどこにでもある悲しい話なのですね。
3)住居の購入
チリでは住居の購入はほとんど不可能と言う記事が出ました。????
2011年から今年2019年の間で平均給料は24.7%上昇しましたが、家屋の費用は(家屋とマンション)なんと67.8%アップ。
1軒の家を買うのにアメリカなら3.5年分の給与、カナダは4年豪州は5.7年、チリは7.6年。最悪です。
これだけ家屋の費用が上がれば新築をあきらめて賃貸しになると言うのが昨今の風潮とか。何それ?ですね。
4)旱魃
雨が降らず土地が乾燥するという現象が全国で起こっています。農業、牧畜、鉱業だけでなく水力発電、市民の水道、観光とすべての分野に大きな影響を与えそうです。サンティアゴ近郊のカホン・デル・マイポ地区のマイポ川も水量がかなり減り
それは首都圏の上水道に影響します。来年の今頃、水不足で国中が震えると言う現象が起きるかもしれませんね。

(スポーツ)

1) サッカー
国内リーグ戦は首位のカトリカが勝ったため、全く動きはなく、リーグ戦終了に向けてただダラダラ日が過ぎていくのを待つと言う雰囲気です。
チリ代表の一人、サンチェスはイギリスで力を発揮できませんでしたが、今週からイタリアに移りインテルと契約。どうかな?


以上