チリの風  その837 2019年5月27日-6月2日

今週のサンティアゴは強風と雨でかなり厳しい日がありました。      
さて今週は今までと全く違ってマラソンもサッカーも登山もできませんでした。えっ、何それ。
代理店事務所での打ち合わせやガイドの仕事が毎日あったからです。1週間に7日働きました。そのうち3日は中北部のラ・セレナに行きました。
日曜日のマラソン練習は、せっかく仲間が私の家に一緒に走りましょうと来てくれたのに、その時間、仕事で空港にいました。同走できず残念。
それから古くからの知り合いの石川さんのご主人がなくなり、金曜日、その通夜に出席。奥さんにお悔やみの言葉を伝えました。ご冥福をお祈りします。良いニュースとして仲間の峰村さんがテレビの番組に折り紙先生として出演。近所の人からあなたの友達をテレビで見たよと言われました。素晴らしい。


(政治)

1)ピニェラ動向
今週の最大の話題は年次教書の発表です。ピニェラの第2次政権で2回目の発表になりました。今までは5月21日のイキケ海戦の祝日の日の午前中に国会で発表しましたが、今年は日時を変え6月1日の夜8時半に開始。
この夜間の発表式に、同地区の区長は安全確保の点から考え、同意できないとし従来の昼頃の開始を望むとしました。
さてピニェラは2時間以上休みなしに演説を続けました。あまりに長いので私は少し飽きましたが、彼は疲れも見せず延々と話しました。右翼の議員はどの話にも拍手をしましたが、議員数の削減のところは新左翼の議員も大きな声援を送り、立ち上がって拍手する参加者が多くを占め、しばらく演説が中断されるほど。それに再選も限界をつけるとしました。それが実施されれば、ピニェラの人気は上がりますね。最も共産党は議員の数をピニェラが決めるようなやり方は民主主義ではないと猛反対。それに彼らの好きなべネスエラのマドゥロ政権をピニェラは教書で厳しく糾弾しました。(ノルウェイでの政府・反政府の会議はうまく行かなったようです)
それから麻薬業者が好き放題するような状況を認めるわけにはいかないと政府は全力で組織をつぶすと表明。どこまでいけるかな。来年の教書で、この件に関し前進していますというか意外に手ごわいですというか興味がありますね。
年金問題では、現行の年金基金だけでは市民が十分な年金を受領できないと、基礎になる天引き額を4%増額することになっていますが、その運営方式を野党側のDC党は政府との間で、政府機関(公的組織)がその基金の運営をするとなっていましたが、この日の教書では、だれに預けるかは各個人の手にあるとしました。つまり現行のAFP会社でも公的機関でもどちらでもよいとするわけです。これに関し、DC党は政府は約束を破った。合意事項はすべて政府機関が運営することになっていたと反対しています。
それから公共事業省の仕事としてサンティアゴバルパライソ間の新幹線、さらに首都圏の新空港の建設も発表されました。    
この教書発表の後の市民調査でピニェラを支持するはかなり上がり39%まで行きました。

その教書発表の前です。首都圏で強風で樹木が倒れ、家屋崩壊の事故が起きましたが、南部のビオビオ州(第8州)の3カ所で竜巻から家屋の被害が発生し、その規模が大きかったのでピニェラは現地視察を実施しました。地震津波に比べると今まで竜巻の被害はチリには少なかったのですが、今回は家屋の天井を吹き飛ばし、車も空中に舞うほどでした。
屋根の全壊・半壊した家は600軒と発表されました。ピニェラの指示で直ちに復旧作業が始まりトタン屋根の設置が週末続いています。窓ガラスが壊されたのはその数倍です。そして停電が続き、まだ4千軒の家庭に電気が戻りません。竜巻の後、雨が降っていますから、家の中はずぶぬれですね。
2)社会党党首選挙
日曜日の投票で現職党首のエリサルデが最終開票結果を待たず勝利を宣言しましたが、対抗相手のフェルナンデスが同意せず、開票を続けました。そして2日もかかってから現職が勝ちましたが、最終結果は発表されません。選挙管理委員会の会長が辞任しました。何か意味があるのでしょうね。気持ちが悪い終わり方です。少し前の労働組合連合の投票と似ていますね。


(経済)

1)チリの経済成長率
上の教書でピニェラはこれまでの予想を少し下げ3-3.5%としました。元中銀総裁のコルボは2.8%-3.2%が妥当ではないかとコメントしています。この下方修正についてピニェラは銅価格の低下のほかに米中の経済戦争の悪影響が出ているとしました。
2)失業率
2-4月の失業率は6.9%で、同期間の前年対比0.2%も上がりました。少し前は順調に見えたチリ経済もかなり苦戦しているわけですね。
3)チリペソの下落
5月の対ドルベースで世界で最も落ちた通貨がチリのペソでした。1ドルが710ペソ。もちろん理由は明白で銅価格の低落です。ポンド当たり2.62㌦と過去2年の最低レベル。 世界最大級の銅の生産会社、コデルコ銅公社は銅価格の低下と、生産量の減少からこの第1四半期は大減収になっています


(一般)

1)生徒の拳銃発砲事件
アメリカなら頻繁にある事件ですが、チリには極めて珍しい、もしかすると初めての事件でした。南部のプエルト・モンですが、14歳の学生が、校舎に覆面をしてはいり、同じ14歳の学生に発砲。負傷させて逃げました。特にその学生を殺害するために発砲したのではないようですが、事件の背景がまだよく見えません。その学生は自宅での謹慎処置がとられました。しかしこの種の犯罪はアメリカでは毎月のようにありますが、チリでもおこるわけですね、悲しい。
2)電気のない家庭
チリにはまだ家庭に電気がこない家があります。主に南部の州ですが、その数の合計は3万件とか、一生電気のない家に住んできたが、死ぬ前に洗濯機を一度使ってみたいと言うおばあちゃんがニュースに出ました。
3)大気汚染問題
最高裁判所がキンテロ地区の大気汚染に関し、政府が対策を取るよう指示を出しました。昨年、これに関し政府は必要なことはすべて行うとコメントしていましたが、やっていなかったわけですね。裁判所に命令されて対策を実施するなんて。

(スポーツ)

1)サッカー
 チーム別の南米大会のリベルタドール杯のチリ代表は全部、敗退。今週は南米カップに参加したチリの4チームがすべて敗退。いつも言うように国別ではチリのレベルはかなり上ですが、チーム別でかなり下です。
 あと2週間でアメリカップが始まります。召集された選手が各地からチリに戻ってきました。大会の初戦はチリ対日本です。
 世界ランキングから行くとチリの勝ちですが、意外と日本が頑張ったりして。私は日本の応援をします。
 ところで、来週チリ対日本戦があります。女性ではありません、男性です。ただ23歳以下の国代表チームでフランスで行われている国際大会の中の一部です。
2)テニス
 フランスのロランド・ガロス大会でガリンはスイスのワウリンカに惨敗。大きな大会で勝つのは難しいですね。

以上