(政治)

1) バチェレット
おばちゃん、それをやったらお終いです。
1月に行くとコメントしていたテムコに突然、彼女は現れました。訪問の準備が足りないと言うコメントがあちこちから出ると、内閣官房は「大統領が行かないときは何故行かないのかとクレームし、行くとまたクレームをされているようですが、そんな方々のクレームに価値があるのでしょうか?」 
そう聞くと私はなるほどと思いました。野党側はどんな状況でもクレームすると思ったわけです。しかし実際は違いました。バチェレットは突然、誰にも行き先を告げず飛行機に乗った様子。そんなバカなと思われますが、実際はそんな雰囲気。まるでアメリカの大統領が戦争中のイラクに突然訪問したと言う雰囲気。それほどマプチェとの争いに緊張感があるのかな?
バチェレットは大統領になってから第9州の州都テムコを訪問していません。勿論理由があるのでしょうね。マプチェ問題を解決する有効な手段を持っていないことがその理由と私は想像します。実際、今週も荘園襲撃事件が起こっています。そのテムコに今回はわずかの時間ですが、滞在して戻りました。
しかし問題はどんどん発展します。このテムコ訪問に先行して、彼女の指示で訪問していたブルゴス内務大臣を同行していなかったのです。彼は大統領に同行するように指示されるどころか、彼女がテムコに行くことさえ聞いていなかった由。何故、政権で第2位の職を持つ彼を外す必要があったのか。
彼は直ちに辞表を出しました。こんなアホな環境で仕事はできませんと。バチェレットはそれを認めず、良く話し合いしましょうとだけ回答。
彼の属するキリスト教民主党DCはそんな状況は認められないとなり、元代表の一人はDCはこの連合政権から離脱することも考慮すべきとコメント。つまり党内上げて大騒ぎ。バチェレットはDC党首との会談を明日の月曜日にするらしい。共産党は逆にDCにもっと大人の判断をしてもらいたいと要請。
バチェレットが大騒ぎを起こしているのですが、その後ろに「2階部隊」が動いています。これはモネダ宮殿の2階で働く大統領の事務部隊で、毎日バチェレットとコンタクトしているので、時として議員や大臣を超えたような動きをします。 そのリーダーの女性は社会党員で今回の動きも彼女が中心になって行われたと見られてます。彼女はバチェレットに内務大臣を外すとは言わず、今回は同行させる必要はないですねと言って了承を取ったのでしょう。DCはその女性を2階部隊から外そうとしていますが、逆にバチェレットは恒例の大晦日パーティに彼女を招待しました。
単純に考えれば内輪もめですが、共産党的に考えれば、これを機に一気にDCを連合政権から降ろすと言う作戦になります。DCと共産党は全く肌が合いませんからね。
なんでもDC内ではそのブルゴスを次期大統領候補にしようとする動きがあるとか。野党が笑っています。大統領とうまく行かない大臣を時期の大統領候補にするなんてなんという考え方かと。支離滅裂とかなんでもチャンスにすると言う考えなのでしょうね。もっと腐ったコメントは元社会党党首だった男が、「DCは政府内問題を利用して大統領候補を擁立しようとするのか」ホンマこんな男を議員にしておくのは嘆かわしい。
こうして2015年はアホな終わり方をしました。いや2016年の動きを示唆する終わり方をしたわけですね。
次の地方選挙に連合政権は2グループに分かれて候補者を立てます。内乱状態です。一人でも多く落ちればバチェレットの無力さがもっと明白になります。
2) 農地不正売買事件
バチェレットの息子夫婦が農地を安く買ってそれを宅地に転用させ、高い価格で販売した事件ですが、検察の調べが終わり、とうとう裁判になります。その会社は息子の嫁ともう一人、つまり二人のオーナーを持つ会社で、裁判にかけられるのはそのオーナーの一人と売買に関連したとみられる数名。ところが不思議なことにバチェレットの息子夫婦は関連していません。何回も検察に尋問され不正行為は明らかなのに、オーナーの一人が訴えられもう一人が自由とは。
バチェレットはにっこり笑って有罪でも無罪でも良いから早く結審してほしいものねと言うのかな?
そうそう、つい最近までがんばっていた検事総長が引退し、新総長が就任しましたが、その新総長が心臓麻痺の疑いで緊急入院しました。やっぱり責任が大きくなったからかな?それほどひどくはなかったようですがまだ入院中です。