(経済)

1) とうとう中銀が為替に介入しました。12億ドルを購入です。政府の指示ではないことになっていますが、もちろん大蔵省とちゃんと話し合っての結果でしょう。この結果ペソの対ドル価格が急速に下がりました。輸出業界にはほっと一息でしょうね。これで外国資本のチリ投入が増加すれば景気上昇に一役かえるのですが。1ドル470ペソを割って465ペソまで行きましたが今度は逆に498ペソまで上昇ですからね。これでガソリン価格の上昇、金利の上昇、物価上昇率も上がりそうです。

2) 物価上昇率
12月は0.1%のアップになり、2010年通年で3.0%となりました。順調ですね。2月の大地震のときはどうなることかと思いましたが、チリは見事にその危機を切り抜けました。

3) 輸入激増
2010年の輸入は全年対比37%も伸び、これは過去31年で最大でした。この理由は消費の増大とペソ高(ドル安)のためと説明されていますが、実際は2009年の輸入がその前の2008年より激減したため、輸入が正常化した2010年、そんなに高いパーセントまで上昇したように見えたわけです。
輸出もペソ安にもかかわらず30%アップしています。その額は輸入545億ドル、輸出696億ドルで、収支は大幅にプラスですね。
輸出の内訳ですが、首位の銅が393億ドルで全輸出の56%を占めています。

4) ガソリン価格が来週は全国で一番安い93オクタンでも1リットル700ペソを超えそうです。これは1ドル498ペソで計算されています。

5) プンタ・アレナスの天然ガス料金の値上げ
政府が同地区の天然ガス価格を値上げすると発表すると地域住民が怒って道路を封鎖、バスなど公共運送を止めるなど大規模な抗議行動が出ています。野党は政府の非人道的な行動を批判しました。これに対し現政府側は野党に、「彼らが政権を取っていたとき、無責任に同地区の天然ガスの価格をあまりにも現実無視の価格に設定したため、国営石油会社ENAPが極端な赤字に陥った一因になった」としています。したがってこれを是正するのは政府として当然の責任だとしています。なんだか隣国ボリビアの情勢とそっくりですね。結局ピニェラも前政権と同じく特別援助を設定して価格の上昇をごく低くすることで落ち着くのでしょうね。隣国アルゼンチンの最南端の町ウシュワイアを訪問したとき、そこは政府の特別援助で天然ガスは大幅補助どころではなく、ほとんど無料と聞いて驚きました。何かの援助をしなければ世界最南端の町には人が住み着こうとはしませんからね。