(政治)

1) 被害の大きかったコンセプシオンを再度訪問したピニェラ大統領は復興に当てられる資金をどこから歳出するかの政府案を発表しました。主なものは大企業の税金アップ、鉱山会社のローヤリティ税アップ、タバコへの超過課税、さらに家屋にかかる資産税のアップなどです。えっ、そうか、私も被災者復興援護に参加させてもらえるわけか。お手柔らかに願います。しかし世界銀行からの借金はしないのですね。
経団連のトップの話ですが、この税率アップを政府が期限限定の復興予算対策用としてきたため、受け入れることにしたとコメントしています。野党側は税率アップで企業側の投資意欲をそげば、現在チリに必要な経済の高揚、そして失業者の減少に水を差すと当初反対していましたが、それが経財界に承認されると今度は税率アップが少なすぎると批判しています。大丈夫かな、そいつらの頭の中?

2) この大地震のあとに被災者救援のためのテレトンが開始され、前大統領のバチェレットは (その時は現職の大統領) テレトンに百万ドルの献金を出しました。しかし今週、国家監査局の発表では大統領に国家の金を一機関に献金することを認める権限はないとし、差し出した金を国に戻すよう指示を出しました。どんな顔でバチェレットはこのニュースを聞いたのでしょうか?
彼女は大統領公邸を出て自分の家に入るわけですが、ラ・レイナの家を買う由で銀行に1億3千万ペソほどの借り入れを要求したらしい。じゃ彼女はその額を持っていないということかな?もちろん本当の彼女の資産は知りませんが。
ところで、その彼女は3月11日に大統領職を終えるのに、その直前3月1日に大蔵省に規定を替えさせ、09年の国家予算をマイナス2.2%、すなわち35億ドルの赤字になることを認めさせたらしい。彼女の任期の最初の2年は黒字で最後の2年は赤字。合計でも赤字と、見かけは人気を保ったまま立派に任期を終えたことになっていますが、段々バチェレットの化けの皮がはげてくるのかな?

3) ところで今までの与党、現在の野党の話ですが、素人にも受けそうな話があります。チリの2大左翼政党(社会党PSと民主のための党PPD)の次期党首に名を上げているロッシとトアの二人は私生活では夫婦です。で、PPDの党首候補になっていたトアは夫と私が違う党の党首になれば、違う党の内情を家の中に持ち込むことになり、夫婦の間が上手くいくはずがないと候補者を断念することを公表しました。じゃ、何かい、左翼の世界でも男尊女卑なのかいとなりますね。この後、PSの候補者は私は彼女がその決断をするのを知らなかった。私が彼女に圧力をかけたことは全く無い。彼女が候補者を断念するのは私の望むところではないと逆に彼も候補者を降りることを表明し、評論家や政治家から家の中のことと外のことを混ぜていると冷ややかに見られています。

4) さてその野党大会が開催されました。今までの4人の大統領経験者が壇上に上って演説をしましたが、初代の大統領エイルウィン以外は現在のピニェラ政権を批判しました。しかしわずか1ヶ月前まではチリの政治は彼らがやっていたわけで、現在のチリを批判するならそれは自分たちの失政が基本になっていることを忘れているのかな?

5) ピニェラは選挙の公約、すなわち「大統領就任 (3月11日) までに彼の保有するすべての株を売却する」を実施していません。ランチリの株は先日売却しましたが、今回はテレビ会社CHV株を売りに出すようです。彼は自分の持つ株を10億6千万ドルで売りたいらしい。早せーよと言いたくなりますね。しかし競争する国営テレビTVNの経営陣は、どんな気持ちでCHVテレビと競争しているのでしょうか?1ヶ月前はバチェレットの左翼系の考えがTVN局の中枢だったに、突然、ピニェラの右翼系のアイデアが会社の中央に座るなんて、一般の社員でも戸惑うようなことがあるのでしょうね。