チリの風 その163 06年2月16日―19日

チリの風 その163 06年2月16日―19日

無事に旅から戻ってきました。一時はどうなることかと心配しましたが。しかしアラブの風も良かったです。ホテルのコーヒーショップでおいしいアラブ菓子と一緒に濃い紅茶を飲むのは最高でした。
戻ってきたら北大時代の先生から手紙があり、その中で私の旅行記が面白いとのコメントをいただきました。で、はりきってエジプト・ヨルダン紀行文を書き始めています。
ところで冬の北半球から夏の南半球に戻ってきて身体が驚いています。


(政治)
1)新聞やテレビにバチェレットのニュースがあまり見当たりません。バケーション中だったからです。やっと日曜日に首都に戻ってきました。しっかり休んできたようです。来週から彼女に任命された新大臣は仕事を開始する由。
さて彼女が大統領に就任したら最初の外遊先は隣国アルゼンチンと発表したことに関し、新聞に論調がでましたが、隣国との問題は世界中どこでも複雑ですからね。私にすればアルゼンチンの重要性は良く認識できるが、この何年か天然ガスの供給問題でチリを無視した唯我独尊のやりかたをとても容認できないとも思うし・・・。

2)旅の戻りにフランクフルトの空港で現地の英字新聞を読んでいたら、ボリビアに関する記事があり、それによると現大統領のモラレスは農民などを指揮して道路封鎖を行い当時の政府を苦しめてきたが、その彼の政府に対し今週、本格的な道路封鎖がおこりボリビア経済に打撃となっているのは皮肉なことだとありました。
もう一方のペルーですが、4月の大統領選挙の女性有力候補フローレスがチリとの間には国境問題の懸案事項があると発表しているのはボリビアのまねをしているのでしょうか?
隣国ではありませんが、カリブ海の島ハイチもチリでは重要事項です。先ごろ終了したいいかげんな大統領選挙にも関連して、国連軍の存在が政情安定化に欠かせませんが、その国連軍の重要メンバーがチリというわけです。野党はそれをラゴス大統領の出すぎた態度と批判していますが、アメリカとの関連も含めチリにとって久しぶりの表舞台という感じでしょう。


(経済)
1)カナダのバリッグ社から出ているパスクア・ラマ金山開発許可に関し,政府が当面している自然保護との問題はこの先、チリ政府の鉱山開発のやりかたを見る重要な要素になってきました。
これは同金山の開発予定地にある氷河を、当初は単に除去するとしていたのを、それでは自然環境に与える影響が大きすぎるとして,環境保全局が、同社にその鉱山開発が氷河と河川に与える影響を書類で提出するよう指示。このため同プロジェクトは一時的にサスペンドになっています。
地域住民に新らしい職場を与えるメリットを同社は訴えているが、もちろんチリ経済に与える好影響と自然破壊に与える悪影響との比較、さらに自然破壊をどこまで低減化できるかがキーになるだろう。

2)そろそろ税金のシーズンになってきました。私もSII(国内税務署)にはいじめられた苦い思いがありますが,今年は家屋などにかかる固定資産税が急騰と野党が批判しました。これに対し政府はそんなことはない、26%の物件の基礎評価価格が上がり、その分、税金が増えただけ、野党が言う昨年の2倍のケースもあるが,それは全体のたった0.04%だけと反論しています。私の住んでいるラス・コンデス区は基礎評価が上がった地区なので, 残念ながら、税金支払額も増えると通告がありました。
レベルが全然違いますが,税金に関し世界最大の銅鉱山エスコンディーダと政府の熱い戦いが続いています。早くローヤリティ税を払えとする政府と、法的な戦いに持ち込んでいる同社との意見の食い違いは大きい。政府の言う「儲けが出すぎて困っている同社の利益のたった2%分を何故払わないのか」が正論なのか?

2)ドルは安値で安定です。1ドル525ペソと1年前に比べペソが10%以上の切り上げ状態。

3)エネルギー問題はこれからのチリにとって最重要課題ですがその天然ガスの供給元についてブリティッシュガスが有力とされていますが、その競争相手も2007年からのチリへの供給を乙波し、競争激化です
身近のボリビアもアルゼンチンも全く信用できませんからね。


(一般)
1)天候の問題はこれから世界的な問題になりそうです。さてチリのケース。南部のサン・ラファエル湖は氷河で有名な観光地ですが、氷河の縮小が見られこのままだと後30年で氷河は消滅してしまうと予想されています。どうなるのか?
ところでチリは現在水力発電で全エネルギーの60%を確保していますが、今年は水不足からどれだけ発電量を確保できるかと問題になっています。つまり水源地に雨が降らないのです。
それと全く逆の減少ですが、チリ北部は異常な雨にみまわれ(通常は極端に乾燥した地区なのですが)世界最大級の銅鉱山チュキカマタのあるカラマ地区の一部は交通遮断。道路が川のようになっています。

2)夏のバケーションもそろそろ終わりに近づいた感じですが、今年の決算として若年層のアルコール問題とそれによる街頭でのケンカが話題になっています。チリも先進国の仲間入りをしたわけですね。さびしい。

3)その夏休みに関連して、イースター島には今年もたくさんの観光客が押し寄せましたが、余りの人出に電力供給が間に合わず、毎日のように停電騒ぎとか。もう一台の発電機を持ってこなければと島の行政府。
ついでに観光の話題ですが、コルコバード湾(チロエ島の南)は鯨を観察できるところとして脚光を浴びそうです。最大33mという青鯨が2千頭ほどいると推定されています。

4)中国の進出
何のことかと思われたでしょうが、テレビのニュースに出ました。あるショッピング・モールに中国商店が数多く入り、衣類・雑貨を販売。その中国店の総計は既に80店以上とか。店長,店員が中国人で、チリに来て間がないので誰もスペイン語が分からずそれでも商売繁盛らしい。近所の店の店員が嘆いていました。「あっちの店は値段が安いんよ。もう全然勝たれへん。この先どないなるんかな」
いつまで中国の一人勝ちが続くのか?


(スポーツ)
1)テニス
よかったですね、先週のワールドグループ戦はチリの快勝に終わり、世界のトップレベルを確保しました。次は敵地でアメリカと対戦です。エジプトにいてもインターネットでチリの新聞を見て、デービスカップの結果を気にしていました。

2)オリンピック
日本も今ひとつですが、チリから参加の数名の選手もほとんど最下位を争うレベルでニュースになりません。チリのようにスキー場を各地に持つ国でどうして世界的レベルの選手が出てこないのか不思議です。

3)サッカー
これは悪いニュースばかりのようで、コロコロに続いてチリを代表するカトリカもリベルタドールカップでブラジルチームに敗戦。いったいいつになったらチリのチームが外国とのチームに勝てるのかな?
メキシコで活躍するチャマゴール(ゴンサレス)とかスペインのヴィジャレアルの監督(ペレグリーニ)とか目立った人材はいるのですが・・・


以上