(政治)

ピニェラ動向

今週は欧州訪問でした。フランスから始まり、スペイン、ドイツ、ベルギーを歴訪して最後にイタリア。バチカンローマ法王と会談して帰国でした。
各国首脳との面談ですが、貿易振興、文化交流など通常の項目に、チリ国内問題も絡んでいます。例えば、フランスではUDI創設者を殺した男がフランス国内に居住しているので、それをチリに送還してほしい、ドイツではチリ国内のドイツコロニーでの犯罪者が本国に逃亡しているので調査してほしいとか。

外交問題は二つの話題です。 

 ・ボリビア  オランダの国際法廷で結審してからモラレス大統領は強気の姿勢を崩しませんでしたが、チリがもう相手にしないとするスタイルになったので、今度は何とかネゴをする機会を設けようと方針を変えてきました。
5年間の国際法廷に掛かった費用はボリビアの方がはるか少なかったと言われますが、ボリビア野党はそれは嘘で実際はチリと同じ額を使用とコメント。どうかな?もちろん、表の費用と闇の支出があるのでしょうね。

 ・ビザ  今年の4月から新法律で移民管理がされていますが、ベネスエラ人には毎日100人にビザを発行、先週までに11000人が受領とか。ベネスエラからの移住者は高学歴者が多いのですが、例えばこの10年で本国の医者の数は半減したとか。いやはや。一方、ハイチは全く逆で今まで観光で入国してそのまま居座ったのを、ビザなしではチリ入国できなくなると前年対比90%減になったらしい。

  ブラジルの大統領選挙が話題になっています。左右の激突ですね。南米の大国ブラジルも苦しい毎日です。チリ政府側は右候補を応援し、野党側は左の労働党候補を応援です。
しかしブラジルはベネスエラの次に殺人事件が多く、10万人当たりでチリの10倍とか。チリも犯罪増加ですが、殺人は南米で最小の数値とか。ここに住んでいてよかったと思います。

高校の暴力事件

高校で生徒の抗議運動が過激化し大きな問題になっています。モロトフ爆弾を投げるとか、指導する先生に化学品を掛けるとか。政府はそれを抑える方法として、それで逮捕された学生を退学処分にするシステムを組んだ法案を国会に提出しましたが、却下されました。教育は問題を見つけ是正し学生を指導するのが基本で、それを放校して、生徒の将来を拒絶するのでは問題是正より、拡大になりかねないと議会は考えたわけです。政府は法案の改正を準備中。
その後、テレビで学生が警官を襲い、倒れた警官の身体に何人もの学生が蹴りを入れるのが放映されました。
その警官は病院で、「自分は社会のために働くため警官になったのだから、退院したらまた勤務に戻りたい」とコメントしています。