(経済)

1) 11月のチリ株式市場は(平均株価で)3.3%ダウンしました。通年では21%の下落ですから、08年は過去に見られないほどの厳しい数字で終わるのは間違いないようです。いつまで続くこの不幸せ?ですね。
おまけに銅の価格はポンドあたり1.32ドルとなり、この数年間で最低の数字です。1ポンド4ドルで売れる時代ならどんなバカな幹部の指揮でもやっていけますが、1ドル近くまで落ちてくると状況は違います。コデルコもコスト引き締めを図ると発表していますが、大量首切りは出来ないだけに、各種の生産手当てを下げることになるでしょう。そしてそれに反対する労組は来年にはストに入るのでしょうね。
おまけにチリの鉱山は顧客と高値で契約した後、実質銅価格が急激に下がったため総計35億ドルをユーザーに返却をする必要があるとか。
泣き面に蜂ですね。
そしてコデルコの利益はチリ軍隊に直結していますから、来年は軍隊に入ってくる金が激減でしょうね。これで政府と軍隊の関係も悪化でしょう。軍は当然予算があるから目減り分のコンペを要求するだろうが、政府は法律を変える必要はないと突っぱねるだろうし。
この機会を利用してピノチェットの時代に作られたコデルコと軍隊のおかしい法律をやめればいいのですよ。

2) 企業の活性化を大統領は何度も話しますが、新しい会社設立のための時間と費用は過去10年間全く良くなっていないと発表されました。官僚化が進んで、新しいことは出来ないのですね。悲しい事実です。

3) トランサンティアゴ
   サンティアゴの公共輸送の運賃が来年から上がるらしい。20ペソとか40ペソとか言われています。
しかし今年9月の成績ですが、運賃収入が313億ペソに対し、バス会社への支払いだけで460億ペソ、地下鉄へ146億ペソ、その他の費用を入れると支出は652億ペソ、この他に借入金の金利などがかかってきます。つまりそれらを全て入れると、9月単月で368億ペソの赤字。つまり収入は全支出の半分にもならないことが分ります。
じゃ値上げをして現行の400ペソを800ペソにすればいいのだろうが、それでは即日、首都圏が麻痺するほどの大暴動が想像されます。
つまり小手先のやりかたで問題が解決できる可能性はなく、根本的な仕組みに問題があるのでしょうね。

4) 電力発電
   水力発電のためのダム建設は自然破壊とする反対運動と絡んで南部でのダム建設の件は進展していません。ここにきて急速に原子力発電の話が出てきました。近々この発電所の建設についてのフィジブル・スタディが行われます。水力、火力、原子力発電のどれが一番自然破壊につながるのか聞きたいですね。