(経済)

1) アルゼンチンからのガス供給停止

冬季に同国の国内消費が増加しチリに回す余裕がないと供給削減がおこなわれるのは毎年のことですが,この暑さで国内消費が減少し,チリ向け輸出にまわす分が十分にある昨今にアルゼンチンがバルブを閉め、供給削減をしています。この削減量は最近の3ヶ月に限れば昨年の5倍となっており政策的にチリとの距離を取る作戦のようです。

チリの風が以前から主張している通り,多少費用がかかってもアルゼンチンからの天然ガスに頼ることはやめたほうがいいでしょう。「そんなこと言われなくてもちゃんと分かっています。だからボリビアとの関係正常化を図っているのよ」とバチェレットさんが言われるのなら・・・期待しています。

南米のリーダーをアルゼンチンとブラジルが争ってきましたが,停滞が続くアルゼンチンと急上昇中のブラジルの間には大きな格差が出てきました。広大な領土(ブラジルは世界で5位,アルゼンチンは8位),豊富な人口(ブは世界5位,アは世界31位)を両国は持ちますが、その運営に差が出てきたもの。また天然資源でもアルゼンチンは潤沢な天然ガスを誇りますが、一方のブラジルにも大油田が発見されておりブラジルの優位は動きません。アルゼンチンの次期女性大統領はバチェレットのような結果になるものと見られます。

しかし小国チリはその2大国と正面切って戦わなければならないのですから容易ではありません。がんばれチリ。

2) 銅の価格が下がって,ドルの価格が上昇

なるほど市場は正直なもので。銅価格がポンドあたり4ドル近くとか3ドル50セントあたりを維持しているときはチリにとってドルは湯水のように(?)入ってくるものでしたが,それが現在の2.9ドルまで落ちてくるとドルのありがたさが変わってきたようで、1ドル490ペソ近くまで落ちていたレートが今週は一転して515ペソに近づきました。原油価格の上昇はもはや需要と供給の関係ではなく政治的にプライスが上昇していますが,銅や他のメタルもそれに関連した動きを見せる可能性も高く、この先が不透明なことは確かです。しかしチャベスOPECで話していることは確かに世界経済に影響しますね。

3) 森林資源の輸出が急増

今年1―10月の輸出額は37億ドルで昨年同期の32%アップ。輸出先として1位アメリカ(18%)2位中国(16%)3位日本(8%)とか。