(経済)

1) ドルの下落と銅価格の上昇
何だ毎週同じかと思われそうですが、そうです、毎週同じニュースです。
ドルはなんと1ドル453ペソまで落ち1998年以来10年ぶりの低水準。
さて株式市況のほうは最終日やや落ち込んだものの、月間トタールで1.7%アップとなる3ヶ月ぶりに上向きとなりました。少しは明るい日差しが差し込んできたのか? (嘘や、そんなわけ無いやん)

2) 2007年の各会社の結果が発表になっていますが、コスト上昇からその成績が心配されていたのとは裏腹に一応に順当な成績となっています
何と60%の会社が前年対比で成績を上げました。
07年利益額のチリのトップはコデルコで3兆3千億ペソ。2位は僅少さでエスコンディダ。どちらも銅の生産。3位は石油のコペックと資源関連が上位を独占。それでも小売のファラベラはランキング10位に顔を出し、世界小売業ランキングでも日本トップの東急と肩を並べるくらいまで来ています。

3) 雨不足が、水不足になり、それがアルゼンチンの天然ガス供給不足などとともに電力不足につながってエネルギー不足になる構造は昨年末から継続中ですが、とうとう停電の起こる可能性が高まりました。その場合少なくとも36時間前に一般に告知するとの政府発表が出ました。サンティアゴで一番最後にこの種類の停電が起こったのは1999年ですから、約10年間、エネルギー問題は今日ほど深刻ではなかったわけです。
   同時に都市部では10%、郡部では12.5%のボルトの低下も認められました。
財界から、今日のチリの状況は水害地にさらに雨が降ってきたようなものとしています。「輸出してもほんの少しのペソしか残らない。労働者との争議は続くし、おまけにエネルギーが無い(高くなる)ではどうしようもない」どうなるのか08年のチリ経済。失業率もジリジリ上がって7.2%です。
確かに原油の値段もどこまで上がるか分かりません。今週始まったイスラエルのガザ攻撃は中東大戦争の幕開けでしょうね。米英の中の帝国主義的考えと、資本主義的考えが一致せず、開戦して自国の政治経済に不利になるのが分かっていても、石油価格の上昇などで利益をあげる陣営などが後ろでいろいろ工作しているのが目に見えるようです。
   チリはそれに乗って銅価格上昇のメリットを得ているわけですから、それをどう利用するかはっきりできない現政府の無策が悲しいですね。

4) 天然ガス
アルゼンチンはチリとの条約を無視して契約した天然ガスを送ってきませんが、ボリビアもあまるほどあるガスを政治的理由(ボリビアの海)からチリとの貿易に意欲なし。何ともう一つの隣国ペルーにもかなり大きな天然ガスの存在が確認されましたが、ここもチリと領海問題で論争中でチリを助けることになる商売には後ろ向き。
商売は商売です。ちゃんと適正な価格で売ってはどうかと思えますが、ボリビア・ペルーの対チリ観念はそれ以上のものなのでしょう。