1) バチェレットがテレビの番組でチャベスを批判しました。イベロアメリカ会議でもOPECの会議でも言いたいほう題したい放題の彼ですが、コロンビアの反政府ゲリラに捕まっている人質の釈放についてコロンビア政府を無視してゲリラと交渉を進めたことについてコロンビア政府はチャベスにこれ以上内政干渉をしないよう要請したらしい。
しかし彼は自分は正しいことをしている、人々のためになっていると信じているのでしょうね。毎日,幸せに生きている様子が見えます。もっともそんな彼でも12月2日のベネスエラ国民投票で憲法修正が出来なければ引退も考えると発言していますが,誰も信じないでしょう。
バチェレットは彼へのクレームの中で、特にボリビア問題に触れ、これは両国間の問題で第3国の干渉を受けるつもりはないときっぱり。ボリビアとの雰囲気が良いだけにそれを荒らされたくないという気が強いのでしょうね。もっともそのボリビアは国内問題(他の国では南北問題と言われますが,ボリビアの場合は東西問題)が深刻で、今週は反政府デモで死者まで出てモラレスも苦戦中。
ところで彼女は来週に予定されていたペルー訪問を延期したようです。
とにかく世論調査で次回の大統領には男性がよいと半数以上のチリ人が回答しています。つまりもう女性大統領はこりごりと言っているわけです。彼女は良く眠れない毎日ではないかと想像します、気の毒に。
ストレスがあると痩せる場合がありますが,彼女の場合は逆に強いストレスでむやみに食べる方向に進んでいるのではないでしょうか?
そうそうトコピージャの地震被災者援助は順調になってきました。
2) 国内問題では焦点は今週も同じくトランサンティアゴ。サンティアゴ在住の方ならともかく日本でこれを読んでおられる方は,何故毎週これが話題になるのか不思議に思われるかもしれません。それとも「チリ人は他に話題にするものが無いのか」かな?
上院議会で先週1000ペソ予算が認められましたが,今週それが下院にまわり、与党議員のうち2人が反対したためここでも政府法案は否決されました。与党というのは通常国会で多数を占めるのですが,チリの場合はそうではないわけです。これにどう対応するかバチェレットは頭を痛めています。野党と与党の協調は最近目立ってきました。先月の教育改革案に続き,来週は市民安全法案を与野党共通提案で可決する予定。トランサンティアゴがそう行かないのはラゴスにからんだ因縁があるからでしょう。
それと与党グループの崩壊,特にキリスト教民主党(DC)の分裂はもう目前ですね。次の地方選挙,もしくは大統領選挙前に結論が出るはずです。
それから運輸問題はこのトランサンティアゴだけではありません。国鉄問題も深刻です。全国の運輸のたった4%しか担っていない国鉄が巨額の赤字の垂れ流しをしているのをいつまで放置するのでしょう。
3) 次期の大統領に誰がなるか
今週発表された世論調査の結果で野党側のピニェラの優位は動かず与党側の停滞があきらかになっています。与党側で一番可能性のあった前ラゴス大統領はトランサンティアゴの失敗の責任者と見なされ、しかもその責任をバチェレットになすりつけたやりかたはチリ社会から見離される結果をまねいています。その彼に続く候補者はDCのアルベアルですが、世論はもう女性大統領は嫌ですねと反応しているので,可能性減少。政権交代がはっきりしてきました。