チリの風   その605 2014年12月1日−7日

もう12月ですね。1年の経つのが早いこと。今週のサンティアゴは暑かったり涼しかったりのおかしな感じの日が続きました。
さて選挙に行きました。候補者が少なく選択の余地があまりなかったのですが、大使館で投票しました。自民党が一方的に勝つような選挙が何のために必要なのか良くわかりません。
今週もいつもと同じマラソン練習、山歩き、現場労働でした。   そして指示された検査の結果を持って心臓科の主治医に診てもらいました。私は1年前に1週間も入院しています。彼の言うには私のように静脈血栓症にかかった患者はほとんど全員が運動をやめるそうです。私はまだ限界近くまで挑戦しています。やりすぎで死ぬのは不本意ですが、かと言って何もしないで1,2年長生きしたいとも思いません。
土曜日にアニータと二人で峰村さんのお宅に招待してもらい楽しく昼食会。彼らには病気の時から世話になっています。有難うございます。
日曜日のマラソン練習は、夏休みが始まったので参加者は前回より少なく12名。それでも素晴らしい天気で楽しく走りました。
次の土曜日のマチュピチュ同好会の準備も着々と進んでいます。

(政治)

1) バチェレットの決断
南部方面の出張を始めた彼女は突然それを取り消し、大臣をモネダ宮殿に集めました。理由は前日発表された世論調査で、毎月のように彼女の人気が下がり、「何か手を打たないとジェットコースターのようになってしまう(DC党幹部の発言)」からでした。すぐに考えられるのは教育大臣、交通大臣などの更迭ですが、集会の後で、それは明らかにされず、全員が口を閉じています。
まだあります、おかしなことが。金曜日の新聞に「バチェレットはキトに到着。ウナスル(南米連合)に参加のため」と書かれていましたが、土曜日にそのニュースが出ません。スペインの新聞に大会出席の各国大統領の写真が出ましたが、ほかの7か国の大統領の顔はあるのに彼女は出ていません。全く不可解です。エクアドルに行ったのに会合に参加しないこととその理由が報道されないなんて。風邪を引いたので不参加なら何とかわかりますが。何か秘密があるのでしょうね。念のため大統領官邸の大統領の動きと言うブログに入りました。初日はエクアドルについてから、昼食会や晩さん会まで詳しく書かれており、あちこちの大統領との面談も実施されています。ところがその翌日は全く情報がなし。おかしい?チリから極秘情報が入って即時に秘密に帰国したとか・・・彼女の人気が落ちているのは確認されていますが、同じように野党側(右翼)の評価も落ちています。
国会議員の選挙方法を変更する動きがまた話題になっていますが、選挙方法を変えるより、議員数を増やすほうが国会議員の願いのようです。高い金をかけて役に立たない議員をこれ以上増やすのはやめてほしいと一般市民は望んでいるに違いありません。前述のとおり、左翼も右翼も政治家は信用できないというのが世論調査に出ているのを彼らは理解していないようです。
2) 汚職汚染度
しかしうれしいニュースですね。世界透明度ランキングでチリはウルグアイと並んで南米で一番汚職の少ない国と発表されました。チリも政治家を含め汚職がないわけではないですが、隣国に比べるときれいなわけです。
私も30年もチリで働きましたから、売り込みに行って、何とか党の何とか議員を通すと商売がスムースに行くよという話を聞かされたことがありますが、一度もその種の話を受けなかったのはうれしい思い出です。逆に日本側が競争相手と談合するという話は聞かされましたが。

(経済)

1) IMFのラガルト専務理事が国際会議に参加のためチリを訪問。
彼女はチリを評価して、「チリは来年に向けて現況を改善しようとする努力を見せており、経済成長率は予想に近い数字になるだろう、ただ階級差として上下の差が大きくこの是正が必要」としています。また高い失業率(8%まで上がる可能性がある)と低い消費意欲も問題になりそうです。
大蔵省はチリ国債をドルとユーロの合計で約21億ドルと過去最高額を売り出しました。主にコデルコの資金として使用されるらしい。そんなに借金増やして大丈夫かな?
ほかの機関の数字ですが、2015年の南米諸国の経済成長率の予想はボリビア、ペルーは5%以上、コロンビア、パラグアイが4%以上、チリは下から4番目の3%。(政府の予想の3.6%はほかの機関は信用していないみたい)それよりアカンのはアルゼンチン、ブラジル、ベネスエラの由。
2) 銅価格は3ドルを割ったまま。このためチリペソも600ペソを割り低迷。614ペソまで落ち込みました。
もうすぐ夏休みですが、このペソ安で海外への旅は昨年より2割は高くなります。
しかし日本の円安も異常に思えます。このまま円安が続くと輸入品価格の上昇からインフレになり、それが国債の利払い上昇につながると日本経済に大きな打撃になりそう。しかし選挙の争点にはなっていません。
11月のチリ物価上昇率はゼロでした。税金が上がったタバコなどの価格が上昇したものの、ガソリン価格の減少が響いて、プラスマイナスゼロになったらしい。今年度では5.0%、過去12か月では5.5%の上昇になっています。

(一般)

1) 教育問題
学校の教員ストが継続し、普通の学校はもう夏休みですが、スト中の学校は、たとえこの後、ストが終了しても、その期間を取り戻すため来年初めまで授業があるだろうとか。家族問題になりますね。
小学6年生の算数テストで、チリはラテンアメリカの首位と評価されました。ホンマ?チリ人は数学に弱いと思っていましたが。
検察は裁判所に元の大学検査院長に12年の刑務所行きと大学に2億円ほどの罰金を要求する訴えを出しました。これは海大学やSEK大学などが大学設立の基礎が不十分にもかかわらず賄賂を使って大学設立を承認させたというものです。そんな大学に入った学生は目も当てられませんね。
2) ATM現金自動支払機
チリではこの機械がスーパーマーケットやガソリンスタンドに置かれていますが、それが強盗グループに狙われて大きな問題になっています。銀行は危険が大きいと元の場所に機械を据え付けるのを拒み、毎年機械の数が減少しています。一般市民にとって、不便になるわけです。
そこで国立銀行がこの機械を60台、一番安全なところに置くことにしました。どこかな?警察署内ですよ。さすがの強盗グループもそこまでは行かないでしょう?

(スポーツ)

1) サッカー
今年度の国内チャンピオンが決まりました。チリ大学が国立競技場に4万のファンを集めてカレラと対戦し優勝。
しかし際どかったですよ。87分まで0対0の引き分けで、このままではチリ大の優勝は無しでした。しかし何と審判が相手のハンドを認めてチリ大にPKを与えました。それが決まって1対0の勝利。 
もう一つの首位チームコロコロは3位のワンダラースに0対2で敗戦。つまりチリ大にPKが回ってこなければ、ワンダラースが10数年ぶりの優勝だったわけです。その夜、チリ大ファンがイタリア広場などで大騒ぎ。


以上