チリの風 その1006 2022年8月22日ー28日

もうサンティアゴは春です。いろんな種類の白やピンクの花が満開です。
この土曜に日本人学校の40周年記念行事があり参加しました。その第1回運動会から参加していますから、学校の歴史と私の人生は長い付き合いです。
その式の後に学習発表会がありました。参加している親が私の子供の年齢ですから月日の経つのを感じます。
今週もスポーツを楽しみました。仲間と第3展望台に行って眼下に広がる光景を堪能しました。スモッグは悲しいですが。マラソンもちゃんと10キロを走りました。
日曜日に仲間と走った時、今シーズンで初めて半そで半ズボンで走りました。
ところで、月曜日に道端に財布が落ちているのを見つけました。お金の他に身分証明書、銀行カードなどが入っていました。電話番号がなかったので、区役所の市民安全課に持って行きました。そこで持ち主の住所を調べ、その人に財布の件を連絡し、翌日、受け取りに来たとか。誰かの役に立ちました。
それから台所の隅の小さな花壇に小鳥が卵を産みました。ほとんど一日中、母親がそれを温めています。いつ卵が孵るかな。

(政治)

1)ボリッチ動向
 40時間労働
 これが今週の話題かと思いましたが、違いました。ほとんど盛り上がりません。国会で認められれば、週40時間労働が段階的に適応されることになる由。

大穴チェック
 先日から問題になっている大穴を見るためボリッチは北部アタカマ第3州のコピアポに飛びました。その穴の近くで、彼は市民の安全を守るのは政府の仕事だが、それを同地区の鉱山会社も共同して問題解決に当たってほしいとしました。その後、同地区に建設する貧民層援助のための160の家屋の建設を見ました。私の任期中に全国でこうした家屋建設を26万戸を目標にするとしています。


初の入れ替え
社会促進省の次官サンティアが更迭されました。ボリッチ政権で最初の入れ替えになります。その理由が良く分かりませんが、彼女はCAMのジャイツルと連絡を取っていたと言われます。
 政府がテロリストグループと見るCAMと政府高官が連絡を取るのは不可解ですが、テロ行為は止めてほしいと言っていたのでしょうか、それとも警察がどこどこを調べていると教えていたのでしょうか?そのニュースが出てすぐ後に、その人の上司、つまり大臣が辞任しました。彼女もジャイツルとコンタクトを取っていたのです。警察はもう2年半も彼を警戒し、彼の 電話を盗聴していたわけです。ボリッチは私は誰にもそんな行為を取れと指示したことはないとしています。今回辞任した大臣は、先日、チリには政治犯が刑務所に入れられていると発言して問題になっています。大臣でも大統領の指示なく自分の考え方で動くわけですね。彼女の後任はまだ発表されていません。しかし警察のそのやり方は正当なのか不正なのか問題になるかもしれません。数年前、ウラカン作戦と呼ばれたシステムで,そのジャイテルを逮捕しましたが、その基本が嘘だったのがバレて大問題になりました。また同じ?
もちろん、逆にその元大臣が裁判沙汰になる可能性もありますね。
2)憲法選挙 
ノーが勝った場合、どう対応するか与党内で論議が続いています。もう市民調査では拒否するが勝つのは間違いないわけで、それは単なる心配事ではなく確実にノーが勝つのですから、何をどうするか予測でなく準備すべきですね。
識者の意見でノーが勝った場合、敗因を政府に押し付けるグループが出てくるだろうとされています。なるほど。与党内分裂ですね。
新聞の論調で、新憲法が認められれば為替に大きな動きが出るだろうとされています。もちろん為替だけでなく、いろんな分野、例えば厚生年金AFPや民間健康保険イサプレなども壊滅的な事態が起きそうです。つまり社会の安定のためにはノーが勝つのが望ましいとか。
今日は各地で両方のグループがデモをしましたが、ほとんど盛り上がりません。
先日、市内観光のガイドをしたとき、歴史博物館に入るのに移動パスが必要でした。ところが来週の憲法投票にそれは不要と選挙管理委員会は発表しました。政治的問題を少なくするためでしょうね。
厚生省は移動パス無しでも投票は大丈夫と言っています。本当ですか?

(経済)

1)銅価格と為替
 1ポンド3.77ドルとこの1か月で最高の数字。為替は公式では1ドル910ペソでした。一般では892ペソ迄ドルは落ちています。
 銅の好調が少し戻って来たので、新聞にもう一つのチリの切り札リチウムの採掘販売に関し、政府の確固としたアイデアを発表すべきとされています。
 関係ないですが、国連人権部門のトップのバチェレットは来月その職を辞任して、チリに戻って来るようです。ウイグル地区の人権問題に関し、彼女は国連としての公式見解を発表できるかどうかわからないとあいまいにしています。彼女はチリに戻ってきてもちろん政治に顔を出すでしょうが、その他に中国がリチウム関連でチリに進出するのを助けるのかな?
2)経済成長率
9月の第2週に中銀の公式発表がありますが、それに先立って予想される数字がもれました。
それによるとインフレは収まらず12ー13%が予想され、成長率は今年は2.25%、来年はマイナス1.25-2.25%になりそうとか。厳しいですね。
経済分析委員会の発表で今年の前半の資本の不正運用疑惑ケースは5400件で昨年より25%アップとか。やっぱり利益が出てくるとそれを隠そうとするのでしょうね。

(一般)

1)マプチェ問題
ジャイツル逮捕。今週の最大の話題です。
南部の特別区で警察・陸軍と対等に戦っているCAMですが,そのリーダーの彼が逮捕されました。
すると同グループは抗議行動を起こし、首都と南部地区を結ぶ国道5号線があちこちで封鎖されました。チリ最大級のバス会社プルマンブスはその夜、同路線のバスの運営を止めました。
そこに行っていた人から聞きましたが、もうホテル・レストランも閉めているところがほとんどとか。いつ放火されるか分かりませんからね。もちろん抗議行動は各地で起きています。
新しいニュースは盗まれた木材を運んでいたトラックが見つかって、それに乗っていた2名が逮捕されました。彼らを調べれば組織の内容・やり方が全部明らかになりますね。
ボリッチは当初、マプチェ問題を軍隊を使って力で抑えるのではなく、関係を会話で進めるとしましたが、それが大きく変わって陸軍使用にしました。つまり政策の変化ですが、それが政府内で一致していないことが分かってきたわけです。
2)コロナ問題
最近同じような数字が継続しています。それでも今週は1万人には行かず9千人まででした。
また陽性率は平均が15%から11ー12%と少し下がっています。
もう政府もマスコミも一般市民もこの問題を大きく取り上げることはしていません。
もうすぐ建国記念のお祭りですが、国中でごった返すような場所が溢れるでしょう。
フアン・フエルナンデス島に今日33名の感染者が出ています。昨日から1日で14名増えました。油断するとそういう事態になるわけですね。
その島はロビンソン・クルーソー島と言われることもあります。

(スポーツ)

1)サッカー
 国内リーグ戦の最も注目されたゲームは2大大学チームの戦いで、それはチリ大学対カトリカ大学です。久しぶりに国立競技場で行われ2万5千人の観客でした。
 急に客数が増えたのは締め付けを緩めたからでしょうね。それで半分の席が埋まりました。
この試合、3対0とカトリカが楽勝し、チリ大学は2部リーグに落ちそうです。
首位のコロコロは久しぶりに負けましたが勝ち点48,2位コキンボは39ですからその差は9。
後6試合ありますが、コロコロは3勝3敗でも首位をキープできます、例え2位が6連勝しても。つまりもうコロコロの優勝は間違いなしです。


以上