チリの風 その991 2022年5月9日―15日

最高気温が上がらず曇った日が続いています。洗濯ものが乾かないのが困ります。
今週もいつものように過ごしました。
さて4回目のワクチン接種をしました。私はもう3回で十分だと思っていたのですが、4回目を打たない人の移動パスは
来月から無効になると圧力がかかりました。それまではワクチン接種所は閑古鳥だったのですが、私と同じ考えの人が殺到し長蛇の列になりました。
山歩きはいつもの第1展望台に。丘の上から下の街を見るとスモッグで汚れていました。
土曜日のサッカー教室は大人・子供合わせて13名の参加者で楽しく汗をかきました。
日曜日は仲間とマラソン練習をしました。いつも週に2,3回走っていますが、今週も10キロを走りました。
その後、友人・家族を招待して昼食会をしました。食事をしながら会話を楽しむのがうれしいです。
いつも同じことを書きますが、幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
大統領府の広報で、今週の彼の行動はほとんどありません。私の推定では、それは「俺はもう駄目だ」「どうして大統領の俺が言うことを他の人間は尊重しないのか」のどちらかでイライラしていたからでしょう。
問題は軍隊の使用です。トラック業界との合意で道路の通行の安全確保のため軍隊を使用するとしましたが、それは国会で認証される必要があります。与党の中の新左翼が、「ピニェラと同じことを何故、自分たちがやるのだ。俺は反対するぜ」とコメントしています。
政府として「それはしません」と今まで言ってきたのを裏切るわけですね。
土曜日の新聞に、「市民の安全確保のため軍隊を使用すると言うアイデア新左翼が抗議したため、政府は凍結しました。そしてキリスト教民主党DCのウォーカー議員に国会で討議するため仲介してもらえないかと依頼した」と書かれてありました。与野党のぶつかりは世界中同じですが、同じ与党の中で意見が乱れるのは悲しいですね。
私の想像もかなり当たっていました。
国会で、この問題に関し、右翼側は賛成が多く、左翼側は反対が多いので、まるでボリッチは右翼政権のようです。
先週、エナップ石油公社が下請けのストでガソリンの供給に困っているとありましたが、話し合いが進まなかったため、警察が労働者を排除しました。すると例の共産党の区長が「労働者の権利を警察が排除するなんて、どう言うことだ」とクレームしました。

それに少し関連していますが、犯罪の増加が目立ちます。今週は防衛大臣の家に泥棒が入り、貴重品・車が盗まれました。(車は後で見つかりました)そしてボリッチの護衛をする警官が誘拐されて金品をはく奪されました。いやはや。


2)新憲法委員会
テレビの番組で、委員会の実情を紹介する番組がありました。右翼・左翼の委員が二人ずつ、そして評論家が2名隣のテーブルに座りました。
私は憲法関連の単語や言い回しを全部理解する能力はありませんから、ところどころ理解不明でしたが、それでも教育関連でこんな議論がありました。
左翼側は公立学校の教育を重要視し、金持ちが行かせる私立なんかどうでも良いと言う感じの発言をします。なんとなく理解はできますが、現在、順調に活動している私立の学校を嫌がらせるのは納得できません。その他、厚生年金、水利権、上院議会とか問題が山積みと言うのは理解できました。
明日、新憲法草案が発表されるとか。来週は、それに関していろんな意見が出るでしょうね。

(経済)

1)銅価格と為替
銅価格は急落です。1ポンド当たり4.11と4ドル近くまで落ちました。今年の銅鉱山への投資は2%減少するとニュースに出ました。その数字が当たっているかどうかは分かりませんが。この傾向では前向き投資はする気にならないでしょうね。
中国の低迷がどこまで続くか分かりませんが、銅価格の急激な下落はチリに大きく影響します。これは経済の問題だけでなく社会全般に影響しますね。ウクラニア戦争で銅価格が下がったと言うのは間違いです。わずか1か月にもならない4月17日に4.71ドルまで上がっていますから。さぁどうなるかな?
このため為替もペソ安が進み、1ドル868ペソです。
2)移民就労ビザ
2021年は97800人と過去10年で最小でした。2018年は42.8万人とピークになりましたが。それ以降は派手に縮小しています。
2012年は96000人でしたから、それが今までは普通だったのですね。チリ経済が上向きになって、移民がチリに行けば夢がかなうと殺到するようになったのですが、3年前の社会騒乱でその夢は消えました。おまけにコロナ問題が重なって。
過去10年で就労ビザを取得した移民は1位がべネスエラで50万人、次いでペルー36万人、コロンビア31万人です。中国が10位で2.5万人と言うのが目立ちます。日本人の数はいくらかな?

(一般)

1)コロナ問題
 火曜日は新規感染者数が1462人でした。水曜日は3048人、木曜日は4333人。金・土・日も4千人を超えました。第5波の波が押し寄せていると言われます。
 これにともなって陽性患者数も1万人を割っていたのに1万5千人を超えています。
 シノバック社がサンティアゴのキリクラ地区に薬品工場の建設を始めました。コロナワクチンだけでなく、インフルなどの薬も製造するらしい。
2)マプチェ問題
 毎週同じで、住居や個人への攻撃が続いています
 政府が出した軍隊使用
案に関してマプチェの最も攻撃的なグループCAM
が、それは絶対に認められない。自分たちは身を守るため、銃器を使った自衛をさらに強めるとしています。今週、彼らの手で20台以上の車両に放火したとか。
3)学生運動
 有名学校の国立学院の占拠問題が解決しそうですが、校舎が壊されているとかで、来週から授業が始められるのかな?まだ選挙が継続している学校もあるらしい。

それとは関係ありませんが、チリ大学の学長に女性が就任しました。180年の歴史で初めてのことです。

4)大気汚染 
先日から汚染を少なくするため、古い車の通行が制限されています。先週1週間で、規則を守らず走行して捕まった車は5千台とか。罰金ですね。
大気汚染は良くならず、警戒警報が出されています。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦は13戦が終わった段階で、首位はコロコロ、2位はニュブレンセとウニオンが同点です。
人気チームの成績はコロコロとカトリカが勝利、チリ大は敗戦でした。

以上