チリの風 その988 2022年4月18日―24日

なんだか夏から一気に晩秋になったようなサンティアゴです。今晩から暖房を使い始めました。昼間も太陽が当たって暖かくなるべランダに座って新聞を読みます。
ありがとう。金曜日の深夜、少しですが、やっと雨が降りました。来週はもっと本格的な雨が降ると予想されています。

19日、親父の命日でした。ロウソク・線香をつけて娘がお経をあげました、彼女は般若心経を日本に留学した時に覚えました。彼が亡くなって10年になります。
それからコロナ問題が収まってきたので、市内観光をしました。行ったのは歴史博物館、考古学博物館、カトリック大聖堂、新憲法委員会議場、モネダ宮殿、そしてその文化センターです。中に入ったのはその最初と最後の二つですが、どちらも移動証明書の提示が求められました。こうして街の中心部を歩いていると人々の生活が通常化(正常化)しているのが良く分かります。


もちろん、私の生活はいつもの通りです。一人で走った10キロで今年のベストと同じ記録が出ました。週に一度の山歩きはいつもの第1展望台へ。涼しくても少し汗をかきました。
それから4月は税金の月で、税務署に家屋税所得税について質問・相談に行きました。また区役所の中高年援助課に行くと、昨年私が支払った清掃経費が戻してもらえることになりました。こうした交渉は私にとって楽しみになります。
土曜日は今年度1回目の登山教室、楽しく近くの丘に登り、遊歩道を歩きました。

いつも言っていますが、毎日幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
 ラテンアメリカカリブの自然保護条約についての話し合いがチリでありボリッチはそれに参加しました。
そして北部のラ・セレナを訪問していると、石を投げつけられました。その後のテレビの番組で、その件について、「私は国民の近くにいたい、この石投げ事件があってもそれは変わらない」としました。その犯人を裁判所に訴えたようです。
ただ、その前日に、政府の公安関係の人間が現在の犯罪状況はチリが民主化して以来最悪の事態だと発言した件について、自分たちはそういう状況で前政権から受け継いだとコメントし責任をピニェラに擦り付ける感じです。私なら、「そういう状況で引き継いだけど、それをよくしようと頑張っています」と言いますが。

今週、もっとも重要な要件は第5回の年金引き出し案の失敗です。左翼側議員から5回目の引き出し案件が出たとき、政府はそれはチリ経済に悪影響するとして拒否の態度を取りました。
しかし市民を助ける引き出し案を認めよと押されると、借金があってその支払いに困っている人には引き出しを認めるとするアイデアを出し、議会に提出しました。今週その2案が別々に議論され両方とも拒否されました。政府にとって良かったねと言うところですが、左翼側から困っている市民を助けようとしない政府は何を考えているのかと強いクレームが出て与党内部の争いです。つまり内部の違う考えをうまく統一・抑制できないボリッチの力のなさがはっきりしました。
それにも絡んで、与党内でぎくしゃくしている関係を少しでも正常化するためボリッチはキリスト教民主党DCのメンバーをモネダ宮殿に招待し話し合いました。
民主化して以来、中道左派グループの中心党だったDCが今回はほとんど蚊帳の外ですからね。DCを嫌う共産党がボリッチを動かしていますから。
その共産党の区長ハドゥエは毎週のように問題を起こしていますが、今週は彼でなく彼の弟です。ボリッチはその弟を電話関連の政府機関の幹部に任命しました。右翼からおかしな人事はやめよと抗議が出ています。最もピニェラの時にも似たような人事はありましたが。
2)新憲法委員会
9月4日の可否投票が任意でなく義務制になりました。投票に行かないと罰金がとられます。急に義務制にしたのは、投票者数が半数にもいかないと後で問題が残るからでしょうね。世論調査でその委員会の活動について評価するとしたのは1年前は71%でしたが、今月は44%。逆に同意しないは29%から56%に上がっています。
3)大蔵大臣がアメリカ訪問
現地でIMFや世銀で面談するとか。

(経済)

1)経済成長率 
IMFの予想ではチリの今年の成長率は2.1%です。少し前は2.9%だったのですが、下がりました。ラテンアメリカの平均は2.5%ですから、チリは平均にもいかないわけですね。おまけに来年の予想は0.5%と最悪です。経済不安と言うより、政治の不安定、新憲法の可否が大きく影響しているのでしょう。
2)銅価格と為替
1ポンド4.64ドルと少し下がりました。為替は1ドル817ペソとペソ安になりました。
3)就業率
コロナ問題で失業者が急増したわけですが、それが収まり、今週の発表では、就業者数はコロナ前を乗り越えたとなっています。給料はどうなったかわかりませんが。
最低賃金を大幅に上げるアイデアが国会で議論されています。

(一般)

1)コロナ問題 
もう大騒ぎは治まったかのようです。前政権の時は毎日、厚生大臣がその日の新患者数などの説明をする番組がありましたが、新政権では全くありません。
新規患者数は、少し前一日3万人にもなっていたのに、今週は3千人以下でした。もっともPCR検査数も15万人にもなっていたのが、今週は3万人位です。
2)交通事故
先週の3連休で、首都圏から30万台の車が近郊に出たようですが、その3日間の事故の結果は、交通事故数は580件、死亡者は19名。アルコールテストで捕まったのは260人でした。 
3)マプチェ問題 
火曜日、なんと1晩で4件の襲撃事件が起きました。マプチェの政治犯を釈放せよと要求する文書が置かれていました。
それが継続して、金曜日、走行しているトラックに発砲し、運転手に命中。トラックは道のわきに転倒。彼は瀕死の重傷で入院中。その銃は小さなピストルではなく軍が使うような大口径のものでした。 もう誰も安心して仕事が出来ませんね。政府はその件に関し、政府の名前で裁判所に訴えました。
、新聞の社説に、各政権で独自の政策がとられるのは当然だが、このマプチェ問題は緊急に問題の軽減・解決が求められており、それをボリッチが実行しようとしているようには見えないと書かれました。軍隊で抑えるのではなく、対話で問題縮小を図ると言うわけですが、全く進歩はありません。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦は首位だったコロコロは引き分け、もう一つのウニオンは明日に試合があります。
 つまり明日迄順位ははっきりしませんが、今日の段階では首位はコロコロ勝ち点21点、2位はウニオン20点、3位はクリコとニュブレンセが19点で並んでいます。
 人気のカトリカは9位、チリ大学は11位です。

2)マラソン
サンティアゴラソンの宣伝がテレビで流れています。5月8日ともうすぐです。今年は3万人が参加するとか。2年ぶりですからね。
この時期、マラソン練習をするランナーが急増するのですが、今日、仲間とマラソン練習をしているとき、他のランナーにはほとんど会いませんでした???
3万人がスターを切るのは迫力ですね。


以上