チリの風 その987 2022年4月11日―17日

イースターの祝日が入ってこの週末は3連休でした。40年前はイースターのミサに参加していましたが、カトリックの腐敗でそんな気にならなくなりました。
金曜日、サンティアゴの最高気温は16度でしたが、夜になると最低温度は5度まで下がり、今年初めて暖房を使った所が出たらしい。
今週も山歩き、マラソン練習、目の検査、娘との食事など先週と同じようなスケジュールが続きましたが、一番、面白かったのは来月帰国する友人が挨拶に訪れてきてくれたことです。
彼女は長いチリでの仕事を終え、日本での勤務になります。遠くにいて日本の良さが分かったとコメントがありました。日本でまた頑張ってほしいです。
それから日本の歴史を、侍を中心にしてまとめました。そしてそれをスペイン語にしました。嫁さんに直してもらってからそれを頭に入れます。
近くの学校で特別授業としてやらせてもらいたいです。
また近くで拾った栗を茹でて、栗ご飯にしました。おいしかったです。
いつもと同じく今週も幸せな毎日でした。

(政治)

1)ボリッチ動向
チリ大学を訪問し挨拶。また首都圏のセロ ナビア区で区民を前に私たちは社会正義のために働いていると演説しました。
来週は初めて国内訪問で、北部を訪れます。移民問題で北部地区は厳しい状況ですからね。
就任1か月が経過しましたが、彼を支持するは落ち込んで28%、不支持は上昇して51%です。前のバチェレット、ピニェラと比較すると不支持はトップ支持は最下位でした。普通、新政権が出ると、4年間の古い政権をどう変えていくか期待感が多いのですが、ボリッチの場合は全く逆ですね。
さて新聞に南のマプチェ問題をどう解決するか、軽減させるかがボリッチにとって最大・緊急の問題だろうと言うコメントがあります。
それから厚生年金の5回目引き出しに関して、政府案を出しました。今までは野党の左翼が引き出し賛成、与党の右翼が引き出し拒否でしたが、ボリッチはこの引き出しでまたインフレが拡大すると考え反対側に立ちました。しかし与党側の左翼から圧力がかかり、引き出しを認めるが、条件を付けるとしました。例えばローンなどで借金がある人には引き出しを認めるわけです。それが通るかどうかで、彼が与党内を把握しているか、全く抑える力が無いかがはっきりするとされます。
明日の月曜日に国会で議決されます。与党議員が政府と対決するなんて今まででは考えられなかったことです。明日はこれで大騒ぎになるでしょうね。
ボリビアのシララ川問題は論議継続で大きな動きはありません。
さてレコレタ区の区長ハドゥエ(先の大統領選挙の時の共産党の候補者)がべネスエラを訪問しました。マドゥロ大統領を入れた会議に出席し、ここの人権問題が国連で論議されたりするが、チリでも同じような政治犯の収容もあるわけでここだけの問題ではないなど、べネスエラ援護の発言をしました。さらに「ボリビアの軍隊を尊敬する。彼らは国を守っている。チリの場合は逆に、軍隊が国を壊している」とコメント。これはアジェンデ政権を壊した軍事革命のことを言っているわけですね。
もちろん、チリの中で彼を批判する声も大きいです。
2)内務大臣
約1週間、姿を消していた内務大臣は仕事を始めたようで、私たちは市民のために全力を尽くしますとコメントしました。新聞に彼女について、自分の能力を過大評価しているのかとするコメントがありました。また政府内で彼女と対立するグループがあるとかで、見通しは苦しいですね。
3)新憲法委員会
国会の2院制から上院を廃止することになったようです。しかし地方議会を設置するとか。
上院関係者は右翼も左翼もこの委員会案に反対です。国民のほとんどが新憲法委員会の設立に賛成しましたが、ここまできて国民の過半数が委員会を否定です。
9月4日の新憲法是非投票は揉めるでしょうね。
なんでも現行の国歌・国旗・国の紋章は変更ないとか。

(経済)

1)銅価格と為替
 1ポンド当たり4.66ドルと先週とほとんど同じ。為替は1ドル805ペソで、まずまずでした。

(一般)

1)コロナ問題
 連日、新規感染者数は3000人ほどで、陽性率も5%ほどと低め安定しています。
今週から街を歩くのにマスクが不要になりました。もう2年ほどマスクをつけて歩いていましたから、マスクなしで歩くと不思議な気がします。
ただ商店や地下鉄の中では使用の義務は残っています。
2)社会騒乱
 毎週、金曜日の夕方にサンティアゴのバケダーノ広場でデモ隊が集まりますが、今週は連休になったので、一日前の木曜日に集会がありました。
 道路のバリケードをして車の通行を止めます。近くの地下鉄の駅もそのため全部入り口が閉められ乗客の乗降はできません。
 3年前にボリッチのグループがそのデモで
 騒いでいたわけですが、新政権になっても全く様子は変わりません。デモ隊は何を要求しているのか、政府はそれにどう対応しているのか不思議です。
 全然、それには関係ありませんが、最近電線泥棒が増えています。銅の値段が上がって、電線も高く売れるとか。もちろん電線を切られると、その地区は停電になります。
3)黒崎殺人事件
 チリでも注目されていましたが、犯人とみられるセペダに28年の実刑が課せられました。
日曜日にこの件の特集記事が掲載され2ページにわたって彼の異常な性格が詳細に書かれました。
「フランスの裁判所は素晴らしい。チリの裁判所ではそんな刑を科すことはないだろう」と言うコメントが出ました。
28年、異国の刑務所に入るのは厳しいでしょうが、もちろん。彼が殺人をしたのは間違いないでしょうから、当然でしょうね。再審を要求するようですが。新しい事実がなければただ時間と金の無駄遣いになるでしょう。彼らが30時間、一緒に過ごした後に黒崎さんが歩いているのが確認されれば無罪になるでしょうが。
4)交通渋滞
 この週末は多くの車が首都圏から外に出てゆき、交通事故のあった南行きの幹線5号線は何と12時間の渋滞になったとか。運転手は動かないと言ってもぐっする眠るわけにはいきませんから、疲労の極みでしょうね。水・食料が無ければ高速道路の中では近くで買い物と言うわけには行きません。
公共事業省の大臣が高速道路を設計した時の通行量を大きく越えているから、こうした問題は頻繁に起こる。車の運行量を下げるためには市民に今よりもっとバスや汽車の利用をしていただきたいとしています。
5)乾燥
サンティアゴは今年未だ1回しか雨が降っていません。13年ぶりの異常乾燥とか。そのため一部の区で断水が始まりました。
その内、私の住むところも断水になるかも。厳しいですね。

(スポーツ)

国内リーグ戦は人気3チームの結果はコロコロは勝利、チリ大学は引き分け、カトリカは敗戦でした。
今日までの所、首位はコロコロとウニオンが同点首位カ。トリカは9位、チリ大学は11位です。
リベルタドール杯に参加の2チーム。コロコロとカトリカはどちらも勝ってグループの2位を確保しています。


以上