チリの風 その990 2022年5月2日―8日

朝晩はともかく昼間は先週より少し暖かいサンティアゴでしたが、日曜日は霧雨になって初冬の雰囲気になりました。さて今日、サンティアゴラソンがありました。日曜日は地下鉄は8時から走りますが、今日は特別で6時から運行が開始されました。選手が会場に7時に着けるようにとの特別手配です。選手の応援をしようと朝早く駅に行ってみると、私の名前が呼ばれました。振り返ると、昔の同僚がいました。彼はハーフを走るとか。お互いに頑張ろうと言われました???。
昔は、私もその始発の電車に乗って会場に行ったのですが・・・
今週の山歩きは中間展望台に行きました。山の間の丘にあるのでその名前が付いたのでしょう。下りは同じ道を降りず向こう側の道を使ったので丘を一周しました。
3時間のコースでしたが楽しかったです。土曜日のサッカー教室は20名の参加者。楽しく練習しました。
もちろん私個人のマラソン練習もちゃんと走っています。
それから日本ラテンアメリカ協会のホームページにこのブログが掲載されはじめました。新しい読者が増えますね。誰かの役に立っているのはうれしいです。
日本の歴史の話をさせてもらおうとある私立の学校とコンタクトを始めました。興味を持ってもらえるかな?

(政治)

1)ボリッチ動向
2回目の国内視察は故郷のマゼラン州でした。プンタ・アレエナスで会議をし、その後、観光地のプエルト・ナタレスに行って観光事業の重要さを確認し政府の援助を約束しました。週末は両親の実家でのんびりしたらしい。
灯油の価格が大きく上がっているので、それを抑えるため、政府は4千万ドルを投資して価格の上昇を防ぐと発表。灯油が上がれば、そのほかに暖房がない家族は多いですから、冬の生活に大きく影響します。
さて、ボリッチが大統領候補だった時、奨学金の返済ができない人を助けると約束しました。「せっかく大学に入り、勉強したのに、就職した時に、大きな借金を抱えていれば、通常の生活を送れないだろう。それを助けるため奨学金返済をしなくても良いような手段を取る」としました。新政権が発足して2か月になりますが、この件に関し、ボリッチは口をつぐんでいます。
もちろん、彼の最大の最大の課題は社会不安・騒動の抑制でしょう。犯罪が増えて市民が落ち着いて生活できません。
それをクレームするトラック業界とは話し合っています。彼らの道路封鎖を違法行為として裁判所に訴えていますが、「それを取り消し、罰金などの刑を課さず、軍隊を利用して治安維持を図る」と言うのが合意事項になったようです。順調に封鎖が解放されるのかな?
高校生の学校占拠問題は継続です。
2)新内閣
24閣僚の中で5名だけ市民に知られているが、その他はほとんど名前も顔も知られていないと言う記事が出ました。なんだか私の感覚と同じです。私もその5名の他に一人だけ知っていますから、6名です。それ以外は誰も知りません。つまり私が普通の市民と言う証拠ですね???
その私の知らない一人の法務大臣リオスが、先年の社会騒乱の件で刑務所に入っている人間を政治犯として釈放したいとコメントしました。最右翼のUDI党首が何を言っているのだと噛みついています。私は騒乱で地下鉄の駅を壊すとか教会に放火するとかした犯人は政治犯とは思えませんが。
3)新憲法委員会
今週、水利権と鉱山権の案が出来たようですが、どちらもチリの将来に大きな影響を与えますね。
上院議長のキンタナは9月に新憲法が否決されれば、もう一度、新憲法委員会の設立を働きかけることになるだろうとコメント。全く無駄な時間と金をかけるわけですね。

(経済)

1)消費者物価指数IPC 
4月の数字は1.4%になり、過去12か月で10.5%を記録。これは1994年以来、過去27年で最悪の数字です。このまま続けばピークには13%まで上がると言われます。過去12か月で大きく価格が上昇した例として、ガソリン30%、新車22%、牛肉26%、観光ツァー56%、パン23%が挙げられています。
食品価格の上昇はウクラニア戦争の影響で世界共通ですね。
このため中銀は公定歩合を大きく上げて8.5%に。噂ではもうすぐ10%まで上がりそうとか。昨年、消費が低迷しているとき8月まで公定歩合を0.5%とほぼゼロにして、消費を煽ったのですが、今はまったく逆です。ローンが組めないとマンション・家屋とか新車の販売は激減でしょうね。
2)中銀経済月例( イマセック)指数
経済の動きを表すこの指数で2月は6.5%、3月は7.2%と好調な伸びを見せています。過去12月で8.5%。このままいくと素晴らしいですが。予想ではこの後は大きく下がるらしい。
3)実質給料 
昨年の実質給料は下がったとか。これは給料は7.4%上がったのですが、その指数がIPC9.4%より低かったので、実質賃金はマイナスになった由。
それで先週の、最低賃金を大きく上げるアイデアが出たわけですね。
4)銅価格と為替
銅の価格は4.27ドルと先週の4.45から大きく下がりました。このため為替も1ドル856ペソから863ペソとペソ安が進んでいます。
このまま銅価格が下落していけば、チリの近い将来は厳しいものになるでしょうね。すると社会騒乱がまたぶり返し・・・・

(一般)

1)コロナ問題
低め安定です。新規陽性者は3千名くらい、陽性率は5%くらいが続いています。もっともその数字は先週より少し悪くなっているとか。
2)マプチェ問題
継続です。どこまで行くのか分かりません。最悪のケースはコロンビアの様に国の一部がテロリストグループに抑えられることになります。
憲法委員会で先住民の権利が確認されていますが、全く予断を許さないと言う状況です。
3)ガソリン供給問題
エナップ(国営石油会社)の下請け企業の社員がストに入り、ガソリンスタンドへの供給に問題が出ています。南のビオビオ州ではあと数日、これが継続すれば、ガソリンがなくなるとか。そのニュースが流れるとガソリンスタンドの前に車の長い列が出来ました。どうなるのかな?

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦は先週、同点首位だったコロコロは今週の試合は明日なので、昨日引き分けたウニオンと下から上がって来たニュブレンセに首位の座を明け渡しました。 もちろん明日勝てば、首位に戻りますが。人気のチリ大学は勝利、カトリカは敗北でした。

南米大会のリベルタドールカップですがチリから参加のコロコロとカトリカは両方ともペルーで戦いどちらも引き分けました。
コロコロはグループ戦の2位なので1次リーグ戦は勝ち抜けそうですが、カトリカはグループ3位で2次予選に出場は先ず見込みがないでしょう。
2)サンティアゴラソン
29000人の参加で華々しく実施されました。女性ランナーが1万人と過去最高の数字でした。
今年のフルマラソンを勝ったのはチリ人でしたが、それは14年ぶり。いつもケニヤのランナーが勝っていました。今年の記録は2時間17分でした。レースの大半をテレビの実況で見ましたが、さすがに迫力ありますね。


以上