チリの風 その992 2022年5月16日ー22日

私の好きな街路樹リキダンバルの紅葉が進み、多くの葉が地面に落ちています。朝晩は気温が下がっても、穏やかな初冬と言う
雰囲気のサンティアゴです。

土曜日、今年度、2回目の登山教室。プロビンシア山系の一番軽い歩きの石碑コースを10名で歩きました。戻ってきてから両方に参加している子供にサッカー教室と登山教室はどちらが楽しいかと聞くとサッカー教室と答えがありました。ボランティアとして教室をやっているので子供とコンタクトが出来ます。嬉しいです
ラソンもいつもの通りです。週日 一人で10キロを走っている時、段差に躓いてこけそうになりましたが、何とか持ち直しました。
まだ運動神経が機能しています。

日本の歴史の方も進み、チリ人の友人の前で練習しました。

嫁さんに付き合って病院にも行きました。
毎日いろいろすることがあって、楽しいです。

(政治)

1)ボリッチ動向
先週と同じです。公報で彼の動向として、南米スポーツ青年大会で活躍した選手をモネダに招待して祝福したとなっています。
彼の人気がないと言うのは世論調査で頻繁に報告されますが、就任1年までは軽々しく批判するなと言うコメントもありますし、逆に4年の任期を全うできないで途中で投げ出すのではと言うきつい意見もあります。
彼の現在の最も重要な事項は市民生活の安全保障ですが、南部の州を特別区として軍隊のサービスを使用し始めました。
左翼の社会党と最右翼のUDI党が幹線道路のパトロールだけでなく市民の生活を守るよう一般道路・市民地区のコントロールもすべきではないかとしています。右・左の意見の一致です???
結局、今まで批判してきたピニェラ方式と同じことをやり始めたわけです。

キリスト教民主党DCはボリッチに市民の安全保障に関し文書を提出しました。今まで中道左派の中でDCは中心政党だったのですが、この内閣では蚊帳の外で、まるで野党のような振る舞いです。
この他では、土曜日の海軍記念日に彼は隣州のバルパライソを訪問し、海軍パレードを見ました。コロナ問題で2年続けてそのパレードは中止されていました。その日は太平洋戦争のイキケの戦いの記念日です。
彼は海軍はチリ国家の安全確保のため最も重要な組織の一つだと演説しました。しかし海軍の上部の一人が、チリ海軍にとって脅威になるのは隣国の侵略かチリ国内の混乱だろうと政治批判をしています。アジェンデの思い出でしょうか?

2)新憲法委員会
中心委員が北部のアントファガスタを訪問し、現地と交流したほか、新憲法草案を発表しました。
元大統領のバチェレットが新憲法案の成立を全力で応援したいとしています。
新聞社説で新憲法の経済部門を調べれば、将来の外部からの投資・経済成長率にマイナスの影響を与える可能性があり心配されるとされました。投書欄には1973年のアジェンデ内閣の時、エラーをしたグループ(共産党など)が同じことをこの新憲法で実行しようとしていると心配の声。どうなるかな?
それから教育問題で、政府の援助で運営されている民間校に援助が行かなくなったら、当然、閉校になるわけで、それは望ましいことなのか?と記載されました。
9月4日に新憲法投票がありますが、その前に賛否両方のプレゼンテーションをテレビでしますが、各政党ともすっきりイエスともノートとも言えないとか。それは同じ政党の中でも賛否の意見があって単純にイエスともノーとも言えないからとか。社会混乱・騒動が再燃しないことを願いますが。
今日からイエス・グループが活動を始めたとニュースに出ました。歌手とか俳優のグループで、新憲法で私たちの自由を守ろうとしています。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり4.3ドルと先週より大きく上がりました。このため為替も1ドル842ペソとペソ高になりました。中国経済問題がはっきりしてきたので、銅価格が減少したと、先週、説明されましたが、わずか1週間で銅価格が元に戻って来たと言うことは中国はそれほど危険な状況ではないと言うことですね。プロの言うこともあまり信用できませんね。
つまり銅価格の変動は誰かが動かしているのでしょう。買いに出るか売りに出すか。

さて経済活動の一つに住居の建設販売がありますが、国立銀行が大広告を出しました。購入価格の80%までを20年期間の貸し出しをするとし、金利はUF建てで年3.85%の金利です。UF建てと言うのは物価が10%上がれば貸し出された金額も10%上がります。今の所6500万ペソの貸し出しでは毎月41万ペソほどの支払いになります。
少し前のチリの風に給料が上がっても物価上昇率IPCより低いので実質的には給料は下がっているとありましたが、その問題をなくすため、給料をIPCに関連したUF建てにしようとする動きが出ています。それが成立すれば、給料の安定は確保ですね。また税務局のトップがボリッチ政権の終わる前に現行の消費税20%を14%に下げたいと発表しました。ボリッチも頑張らなければ国民の評判は上がりませんからね。

(一般)

1)コロナ問題
 何とこの木曜日、新規感染者数が6000人を超しました。陽性者数の合計は2万人まで上がっています。
 このまま加速すれば、確かに第5波になりそうです。また外出禁止令とかになるのかな?
2)マプチェ問題
ボリッチが幹線道路に軍隊使用を発表すると、直ちに、反政府マプチェは道路の封鎖、車両への銃撃と政府のやり方は納得できないと行動を開始。毎日の様に事件が起きています。どこまで行くのかな?
内務大臣は、わが政権は軍隊を出してマプチェを殺しに行くことは考えていないと場違いなコメント。
その女性内務大臣を憲法会議に訴えようと共和党が申し出ましたが、右翼の中で合意に達しません。
その党はボリッチに敗れたカストが作った党です。
市民生活の安全保持の件に関して、ボリッチは首都圏の中央駅区にあるメイグ地区にある不法露店を一掃しました。そこは道路にテントを張って自分の所有地のようにして店を構えていたわけです。道の両側にそれがあったので車はその道を走れませんでした。
今年のメーデーの時、その近くで露天商とデモ隊がぶつかり、彼らの発砲した弾丸に当たったマスコミ関係者が死亡しました。犯人はまだ逮捕されていませんが銃を撃っているのはビデオにとられています。
そして今週、とうとう政府は動いて、彼らのテントを全部、取り払いました。夜のニュースで、全く、誰もいなくなった道路が報道されました。
しかし、次の日、彼らは机を持ち出し、また商売を始めました。警察は何をしているのかな???
それから、政府は市民の銃の所持を禁止しようとしているみたいです。
現在は、正規の銃器販売所で購入し届け出ると銃の所持が認められます。それを廃棄しようとするわけです。その法案が通ると、怪しい場所で歩行者を調べて銃を持っていれば全員逮捕出来ます。犯罪の数は激減するでしょう。
そうなるとボリッチの人気は上がるはずです。

3)イースター島
8月1日から一般観光客が島を訪問できそうです。この2年超の期間、観光客が全く入れなかったので、島の唯一の産業たる観光が閉ざされ、生存の危機です。
町はボリッチの訪問を要請していますが、彼は故郷のパタゴニアは行きましたが、イースター島には反応していません。
収入がなく、島にはほとんどない野菜果物などの食品は本土から入れるわけですが、それが極端に減少し、価格が上がれば島民の生活は破産になるのは当然ですね。
どうしてそこの所属する第5州、そしてチリ政府が真剣に島民の保護・援助をしてこなかったのでしょうか?

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦は人気のコロコロは引き分け、チリ大学は勝利、カトリカは敗戦になりました。
順位はトップはコロコロ、ニュブレンセ、ウニオンの3チームで勝ち点28です。
チリ大学は10位、カトリカは12位です。
リベルタドール杯のチリ代表のコロコロとカトリカはそれぞれアルゼンチンとブラジルで敵と対戦し、0対4,0対3で敗戦。1次予選突破は困難です。

以上