(政治)

1) バチェレット動向
現在、彼女は日本にいます。この政権で22回目、そして最後の外遊です。
安倍首相と面談、経済界と話し合い、長崎に飛んで原爆記念館に(広島は前回訪問済み)、4日間の滞在の最後に、明日の月曜日、皇居で天皇陛下に挨拶してから都知事と面談とか。彼女は安倍首相との面談時、北朝鮮の原爆実験に反対の立場を明らかにしました。またTPP11に関し、日本の尽力を謝するとコメント。
しかし日本側も対応に苦労しますね。これがピニェラならこの先の4年間、経済・文化などの交流を図ろうと本気で準備できますが、来月任期を終えるおばちゃんならさようならの挨拶だけでしょうからね。もっともチリ政府発表の情報では、ビデオもありますが、彼女が積極的に経済交流活動を行ったとなっています。
来月チリでTPP11の調印式が行われますが、チリ・日本の良好な関係の維持は間違いありません。昨年の日チ友好120周年記念も結構盛り上がったし。
もっともチリとしては貿易規模の大きい中国の方が日本より重要国になっているのは当然で、日本は「その次」と言うランクですね。中国資本がチリへの投資を、例えば電力など、どんどん増やしてくるのは自明です。
不思議なのはこのバチェレットの日本訪問がチリのマスコミ、新聞とテレビでほとんど報道されないと言うことです。
来月の大統領就任式にベネスエラのマドゥロが出席することの賛否が問われていましたが、結局、他国への外遊があるとのことで不参加になりました。ただ彼はリマの国際会議には是が非でも出席すると意気込んでいます。
2) ピニェラ動向
彼の動きはテレビにも新聞にも連日大きく報道されます。今週のトピックスは各省の政務次官の発表でした。
今回の第2次政権と8年前の第1次政権を比べた表がありますが、1次は大臣の数は22名、平均は49歳、今回は23名で55歳。女性大臣はそれぞれ6,7名でした。今回の大臣の学歴はカトリカ大卒が13名、チリ大が5名、その他の大学が5名。前回のピニェラ政権に参加した人が再任するのも多く、経験を大事にし、安定した政権を目指していることが感じられます。
3) 汚職
国際機関の発表でラテンアメリカ諸国の中でチリは2番目に汚職の少ない国となりました。首位はウルグアイ、そしてチリ、3位はコスタ・リカとか。逆にひどい国はベネスエラとハイチ。しかしチリは常に上位を保っているのが素晴らしい。