(経済)

1) 経済成長
中銀の発表で、今年の成長率は年初5%だったのが少し下がって4%になり、それがさらに今回3%(2.5%−3.5%)に下方修正されたました。見通しより実際が苦しいことを認めてきているわけですね。これは2009年以降で最低のレベル。
同じように建設業界も今年も見通しをわずか1%の成長と考えています。中銀の発表では最近の2年間で家屋の価格上昇がみられるとか。一番値が上がっているのは北部で39%。これは先日の大地震の前の数字でしょうね。首都圏では値動きに大きな差があり、東部では20%の値上げ、中央部ではほとんど値動きはなく、西部では逆に10%の値下げになっている由。つまり人気のある地区に顧客の目が向くわけですね。
さて原油価格の上昇に関してイラクが注目を浴びていますが、アルカイダのようなISILが北部からイラク軍を破って南進し首都の近くまで進出。私はシーア派とかスンニ派の争いなど良くわかりませんが、アメリカがフセインを倒し新政権を樹立させた時、フセイン側の人間は雲隠れしました。それが今回、反政府として力を見せているのでしょう。アメリカのイラク侵入の理由は全く虚偽のものでしたが、国際法アメリカを裁こうとする動きはなかったですね。隣のイランの中東における勢力が大きくなっていますが、これもロシアや中国の思惑と関連するのでしょうね。
これで原油の価格が上がり、来週はチリのガソリン価格が大幅に上昇すると言われています。
しかしチリにとってそれ以上に大きな影響を与えそうなのはアルゼンチンのデフォルト問題です。今月末に支払い期限の来る借金をアルゼンチンが払えないとデフォルトになりますが、アルゼンチン政府は言い逃れはしても支払う気がなさそう。もっとも外貨準備金が少なすぎますね。
2) チリの貧富の差
OECDの発表で、チリの貧富の差は2007年と2011年の間でやや縮小されましたが、それでも加盟国の中で最悪レベルです。チリではトップ10%の階級が全体の41%の収入を確保しているとか、上の10%の層は下の10%の層の26倍の収入があるとされています。(OECD平均では10倍)
それが現在のチリの多くの問題の基本になっているわけです。