(政治)

1) 2014年教書
毎年21日の祝日に大統領が国会でその年に実行予定の政策を発表します。バチェレットは2時間かけてやりたい事を並べました。
話題になったのは妊娠中絶を絶対的に禁止するのではなく、母親の生命に危険が及ぶとか、強姦された妊娠などの場合、中絶を合法化する方針です。前大統領のピニェラが、現政府にとってマスコットの犬の方が人間の赤ちゃんの命より大事なのかとコメントしましたが、まるでカトリックの司祭のようですね。
最近、一番注目を浴びたのは新税法でしょうが、それより教育問題が派手な騒ぎを起こしています。この先どうなるのか分からないほどです。
とにかく教育の無償化、教育を金もうけの手段にさせないとしていますから、半公立学校(政府からの援助で学校運営している私立の学校)は、近い将来、敷地を入れた学校全体を政府に販売することになるようです。しかしそのあと、元のオーナーがその政府管轄になった学校を運営することは可能とか、良くわかりませんが。そんなに政府に資金があるのでしょうか。
大半の学校が政府の管轄下に入った状態で教育レベルは上がるのでしょうか、入試などの競争がなくなれば逆に下がるのではと心配されています。
現在、学力テストで高い評価を受けている学校がすべてを政府監督下にして生徒の選別も許されなくなれば、今まで培ってきた高評価が消失すると反発。その一つの国立学院は今週からストに入り学生が占拠しました。そこは大統領を何人も生み出した実績のある学校です。レベルを下げないで教育の無償化ができるのかな?
教育の無償化を要求してきた学生連合がまた来週からデモを繰り返すことになりそうです。学生の要求通り政府が動いているのに???
学生デモに先の選挙で国会議員になった元学生運動代表が参加したのが咎められました。国会で彼の弾劾が行われ、それが通ると給料の減額の可能性があるとか。
2) チリの国際競争力が低下
昨年より少し下がって、今年は31位に落下。60か国中の31位ですからちょうど真ん中。それくらいが身の程と言う考えもあるし、どんどん実力をつけて行かなければと言う意見もあります。エネルギー問題と教育問題がチリの基本課題とか。
今日の日曜日はチリの文化財デーで各地の文化財が一般市民に開放されました。モネダ宮殿ではバチェレット大統領がガイドをしていました。
先週のチリの風にチリの文化財保護はアルゼンチンより遅れていると書きましたが、今週のテレビのニュースでチリ文化財に指定されている建造物の維持が適切に行われず年々劣化していると報道されました。アルゼンチンより経済的に裕福なチリがそれを行わないのは重要度の考え方がアルゼンチンと異なるからですね。
所でランチリ航空が先日、アルゼンチンで運行について嫌がらせをうけましたが、それを解決するにあたり、袖の下(わいろ)を先方に支払った疑いが出てきてチリ検察が調査を始めました。アルゼンチンってチリ以上にわいろが必要な国ですからね、何となく理解できます。
3) ニクソン大統領の時代にアメリカがチリのアジェンデ政権に介入しようとした証拠文書が公表されました。まだそのころはアメリカも世界に大きな影響力を持っていたのですね。
しかしそのアメリカが中国の軍関係者をスパイ容疑で指名手配したのには驚きました。アメリカ政府の世界中に対するスパイがばれて、それに怒ったブラジルの大統領が訪米を中止したことなどを忘れたのかな。オバマはひどい大統領と思いますが、ここまで来ると笑ってしまいます。昔はアメリカと言えば世界の模範のようだったのですが。マスメディアは先のアメリカのスパイについて何もコメントしませんね。