1) 大地震
あれからもう2年たったのですね。2010年2月27日。チリでは27/Fと呼ばれています。大地震とその後のツナミ。それによる大被害の責任の所在と復興状況が問題になっています。復興に関して言えば政府発表では順調で、野党の発表では遅々として進んでいません。同じような大地震のあった日本はたった1年で家屋の復旧はほとんど終了したと報道されています。チリの場合、道路・港湾・空港・橋梁・病院などの施設は100%補修が終わりましたが、被災地の住居の建設が遅れています。ピニェラは大臣などを連れて被災地を訪問し、住民に政府の努力をアピールしました。野党側も同じような訪問をして、全く逆に政府の無策をアピールしています。
ツナミに関する当時の政府の責任に関してですが、それが問題になりかけた先週から、そのバチェレットがお忍びでチリにいたそうです。しかし全く報道されなかったのは、彼女が忍者のように行動したのか、マスコミが彼女の依頼を受けて報道しなかったかのどちらかですね。
2月10日に彼女がプコン飛行場に着いたとき、同市の市長(野党側)などが出迎えた記事が21日の新聞に掲載されました。???
世論調査によると、チリ国民の半数以上はツナミ被害に関し彼女に責任があったと考えているようです。
2) アイセン問題
もう2週間になりますが、アイセン問題は継続中。チリの最南端の州は最近、山火事で話題になったトレス・デル・パイネのある12州。マガジャネス州と呼ばれます。その北に接続して第11州。それがアイセン州です。第10州まではサンティアゴからはハイウェイが続いていますが、その先は道路がなく、飛行機、船を使うか、隣国のアルゼンチンを経由する必要があります。当然のことながら、ガソリン代などチリ本土の価格より高くなり、(サンティアゴだと1リットル800ペソ、11州では1000ペソ以上)住民の生活は、給料は他地区と同じですから苦しいわけです。最南端の12州のプンタ・アレナスはフリー・ソーンとして税金を払わず輸入品が購入できる仕組みをもっていますが、11州のコジャイケにはそれはありません。
ただし新聞報道では11州の94000人の住民の生活は彼らがクレームしているほどひどく無いとしています。住居費、教育費、バス代などチリ平均よりずっと安いとか。
政府の無策に抗議して地域住民が道路を封鎖し、車を燃やして警察軍と対戦していますが、救急車がそこを通過できず、病人が死亡する事故もありました。現地を訪問して住民と対話した厚生大臣は同地区の病院整備を前倒しにおこなうことを約束し対話に進歩が見られましたが、デモ隊の行動が激化すると、同大臣はデモ隊は、この地区に建設予定の水力発電ダムに反対グループが後押ししているもので地域住民の声ではないとコメントし、政府も対話の姿勢を替えて、押さえ込む様子を見せています。もうガソリン、食料品も少なくなって日常生活に影響が出てきています。
3) ペルーとの国境
ペルーとの国境線、タクナとアリカの間に砂漠が広がっています。そこにチリ陸軍が地雷を多く仕掛けています。北からの侵入を防ぐために。その地雷を埋めた地区に今回の豪雨が襲い掛かり、地雷が地上に出てきました。間違って誰かが踏むと、もちろん即死です。その問題を防ぐため、チリは一時国境線を封鎖して、誰も通過できないようにしてから陸軍の特殊部隊を投入して撤去に当たりました。近辺の住民300名も退去させられました。本当に全部取り外したのか分かりませんが、安全が確認されたと、一部の運行が認められました。しかし海岸まで流されている可能性もあるとして海岸への接近が規制され、浜辺での海水浴も漁船の仕事にも影響が出ているとか。いやはや。