(政治)

1) 教育問題
また今週も木曜日、学生集会が全国各地でありました。サンティアゴの場合、イタリア広場に集合。首都県知事が今回はデモを許可しなかったので、アラメダ通りを歩き出そうとしたグループを阻止するため警察は最初から放水、催涙ガスの使用。一般の市民にも被害者が。また報道陣も(誤まって?)何人か逮捕されました。デモを許可しても許可しなくても衝突・逮捕者・負傷者多数になります。
政府はこの種の暴力行為を許しがたいとし、現行法ではほとんど有罪にもなりませんが、略奪行為などを中心に占拠行為などを犯罪として罰則を与えるよう法の改正を国会に申請中。どうなるかな?サンティアゴだけでも信号機を倒す、交通標識を壊す、街灯を割るなどの狼藉で合計11億ペソの損害が出ているらしい。
先週に予測したとおり、学生側は政府との更なる集会を拒絶しました。この先どうなるか分かりません。ムダに時間を使っているだけでしょうか?
今週開催された学生連盟集会で、更に運動を先鋭化するとし1学期を終了させない、2学期に入らない、来月に労働者と組んだ大規模なデモを発表しています。
学長連盟に話では今年の大学入試は当初の11月28・29日から12月の12・13日に延期される模様。入試の会場になる学校の3分の1は学校占拠になっていますが、全部の学校で警察の力で占拠を解除するのでしょうか?
しかし今年度の上半期の授業が全く進んでいない状況では、多くの学生の進級の見込みはなく、彼らが留年すると今年度の大学入試で来年度から大学に入る学生のスペースは極めて限られるとおもいますが、どうなるのかな?
7ヶ月間沈黙を守っていたバチェレット前大統領がマスコミに対し次のコメント。「現在の学生運動を評価する。彼らのおかげで問題がはっきりしてきた。自分が大統領のとき、教育問題に関し大きな改革はできなかったが、それは各方面からの援助を得ることが出来なかったからだ」
つまり彼女は、自分が次期大統領になれば「教育問題に全力で取り組む」、もしその時も改善が出来ないとすれば、「右翼などが自分たちが出来なかったことを左翼政権で完成はさせないと嫌がらせをしてきた場合」と始めから言い訳しているのでしょうか?

2) 来年度予算
9月29日、ピニェラ大統領はテレビ演説で来年度予算は5%アップを考えていると説明。この政府案を元に国会で審議が行なわれます。大蔵省原案で教育予算は7.2%アップとなり、これで学生運動の終止符をうつつもりだったのが、学生の同意は得られず、宙に浮いたまま。これ以上の予算アップには増税案を追加する必要が出てくると政府内でも憂慮が見える。大蔵大臣は拒否しているが、経済大臣はガソリン特別税を軽くして値上げを抑える案を発表しています。(政府内での両省の対立)11月30日までに国会を通過する必要があります。

3) ピニェラの人気が(やや)回復
7ヶ月間落ち続けた大統領の人気が先月わずかながら上昇に向きを変えました。今週末は3連休なのでピニェラは家族と共に別荘のあるランコ湖に向かうとか。今回の調査の結果、大臣の中でもっとも国民に信認が高いのはアラマン国防大臣でした。空軍の事故でファン・フェルナンデス島に2週間ほど張り付いたのが共感を得たのかな?
もっとも被災者全員の遺体は見つかってないし、事故原因の究明も進んでいないし、仕事はあまりパッとしませんが。
日曜日の民間航空総局の調査結果発表では時速67キロの強風が、突風のように飛行機に襲い掛かりそれがこの事故の原因になったとしました。
事故発生当初、メディアで誰が操縦していたのか分からないとか、乗客・荷物が多すぎて燃料を搭載するスペースがなかったと報道されましたが、政府はすべての疑問に答えず、乗り切りました。
今回の発表は事実とおもいますが、飛行機に素人の私でもそんな風が吹いているのなら着陸を諦め、本土に戻るべきだったのではと思います。戻るための燃料がなかったとなれば、何故戻りの燃料を積まなかったのかになります。
大勢の乗客・荷物のため燃料スペースがなくなったとなれば、それを許可したのは誰か?TVNのニュースキャスターなどは国防省の許可で乗り込んだはずで、燃料のスペースをなくしてもお客さんを乗せることを認めたのは、その人気の国防大臣かもしれません。そうなれば今回の悲劇の最終責任は、彼になりかねませんね。福島原発でも同じでしょうね。アメリカの911事件も同じ。世界のマスメディアは政府の許しがないと真実を報道しません。それを知っているのはキューバ北朝鮮の人くらいかな。彼らは自国に報道の自由がないことを理解していますが、アメリカ人や日本人はそれを言われると一笑に付しますからね。