(政治)

1) ピニェラ大統領は外遊をしました。今週まず、アルゼンチンの南米首脳会議に出席。それを利用してブラジル・ボリビアの大統領と面談。次回は同じメンバーでボリビアで会うことを確認しました。これはこれからのチリ・ボリビア政局に大きく影響しそうですね。
その後、エクアドルに飛んでコレア大統領と面談。現在チリがペルーから攻撃を受けている領海問題に関してエクアドルの協力を受け付けた模様。最後はコロンビアで、大統領の交替式典に参加予定でしたが、チリ鉱山の事故を聞きで急遽帰国しました。

2) 8州選出の野党のナバロ議員は政府の補助金削減によって地震被害の救済に支障が出ていると大蔵省の前でデモ隊と一緒にクレームしましたが、彼とカンポス議員は逮捕され警察署に連行されました。大統領補佐官は「法の前には誰も同じ処置を受ける」と冷たく突き放しましたが、副大統領のヒンスピテルは警察のやり方に行きすぎがあったと彼らをかばう姿勢を見せました。

3) しかし笑ってしまいますね。例のサンティアゴの公共運送問題です。もうこの新交通システムが始まって数年になります。ラゴスが設定して、バチェレットが実行に移したこのシステムは当初から問題続きで、現在まで赤字の連続。それを埋めるため政府はない知恵を絞ってだましだまし運営してきました。
それはさておいて今回、ピニェラ政府の発表ではこの新システムのシンボルだった2両の連結バスは効率が悪いと次回のテンダーでは採用しないことを明言しました。たくさんの乗客を少ないオペレーターで運ぶには連結バスしか無いと前政権は確信していたのですが、それがあっさり覆されました。私は仕事からこのバスと付き合いがありましたが、タイヤの性能(走行距離)は確かに通常のバスよりはるかに低かったです。
ところで新システムの最大の問題は赤字ですが、それは運営にかかる費用を運賃で回収できないためです。つまり運賃が安すぎるからですが、それに加えて、乗客が運賃を払わないこともはっきりしています。何でも30%の乗客は払っていないとか。前から乗って後ろから降りる仕組みですが、その後ろのドアが開いたとき、そこから乗ってしまう客がいるわけです。もちろん堂々と前から乗って、運転手に悪いけどビップ・カードがなくなってしまってとか詫びを入れてそのまま無賃乗車するのもいます。これってチリの現状を表していますね。

4) アルゼンチンで同性の結婚が認められましたが、これをチリにも導入しようとする動きがあります。野党の中ではキリスト教民主党はこれに反対し、社会党は賛成していますから、同じ同盟の中でも混乱は顕著です。