(経済)

1) 10年前のアジア危機との比較
 OECDの予測ではチリの09年の経済成長はマイナス1.6%ですが、これは10年前のアジア危機(99年)のそれ0.7%をはるかに上回る悪い数字です。その当時の失業率はマックス11.9%、今回は9.8%、(まだ上がりそうですが)
 国内の需要の減少と世界経済の低回復がこの先チリ経済に大きな影響を及ぼし、
10年前の危機を上回る問題になることは避けられないようです。
 しかし今年の日本はマイナス6.8%、メキシコはマイナス8%の減少が予測されていますから、チリよりはるかにその下落の様子が大きいいですね。社会不安は避けられないでしょう。
2) ドルの急落
 チリ中央銀行に大蔵省所有のドルの買い付けを依頼する声が高いのですが、中銀はその基本ポリシーとしてドルとペソの両替に介入しない、市場の動きに任せるとしています。この半年で1ドルあたり100ペソ下がり530ペソ台になっていますから、ドル高を待ち望む輸出業者としては不愉快でしょうがないところですが、1年前1ドル434ペソまで落ちたことがあり、それを乗り切っているだけに中銀もまだまだと見守っているわけでしょう。まだ限界ではないと。
3) 海水の淡水化
 チリの北部は雨の降らない砂漠地帯が続いていますが、その中でも第3州のコピアポは水不足で苦しんでいます。海水の淡水化は別に新しい計画では無く、どこでも実行できるわけですが経費に見合った収益があるかどうかが問題です。ドバイでは55000M3の規模の淡水化工場を2つ建設予定。経費は2億ドル。それにたいし淡水の販売価格は1M3あたり0.6ドル。何年で元が取れるかな?