(政治)

1) バチェレットの外遊
 今週は彼女は北米を訪問、アメリカとメキシコを訪ねました。アメリカのオバマ大統領はチリが小さい国ながら、政治経済に安定した力を見せていることを認め、この世界経済危機を見事に乗り切りつつあるとし、私たちも見習わなければいけない点があると高く評価しました。別にチリが卑屈になることは無いのですが、偉そうに言っているアメリカはこの先まだまだ苦戦が続きそうですからね。彼らの場合。教育、医療保険を始めいろんな分野で破綻寸前です。
 メキシコでは例の新型インフルエンザ発生以降初めての他国元首の訪問となり、先方はバチェレット大統領の友情に感謝するとコメントしていました。
 今週、ブラジル政府がチリは新型風邪が蔓延しているからチリ訪問を自粛するよう国民に訴えていますが、バチェレットはパンデミアに対抗するには国境を閉めることではないはずと、メキシコを訪問することで彼らの援助をするとともにチリの見解を示してブラジルに抗議しました。
2) 大統領選挙
 前回の世論調査で与党側のフレイの評価が高まったと発表されました。そのとき同時に調査された現政府への評価でバチェレット支持が異様に高かったのも注目されています。しかし、これは継続するのでしょうか?アメリカで高い評価を受けたチリの政治経済対策ですが、ここから先も安定が継続するとは限らないのでは、と私は見ます。冬に入って季節労働者に仕事が無くなり、ドル安ペソ高から輸出業者が労働者の首切りを始め、チリ南部の主要産業のサーモンに緊迫した状況が続き、私の仕事と関連するトラック業界は仕事を失い、職を求めてチリの北部へ移動中とか、現実は安定さとは無縁のようです。つまり年末までにチリ経済に今以上の緊迫した状況が襲い掛かり、これに怒る民衆は政府の無策を糾弾する状況が来る可能性があると見ます。で、バチェレット支持率は急激に下がり、与党側のフレイに悪影響する。私のようにチリ政界をウォッチしている人は、そうかもしれないと思ってもらえるはず。
3)  第3候補のマルコ・エンリケ・オミナミは環境保護グループの支援を受けることになりました。さて大統領選挙の泡沫候補(約1%の支持)はすべて与党側からでた候補者ですが、それは彼らに力が無い、能力が低いということではありません。マスコミが彼らのニュースを流さないから、一般市民にアッピールしないだけです。マルコの場合は話題性があるので、頻繁にニュースに流れ、それでさらに知名度が上がっていくというパターンです。
 彼の父親のカルロス・オミナミは社会党の古参議員ですが、今週その党を辞任。無所属として選挙に出ます。で古巣の与党グループの推薦候補と一騎打ち。勝てるかな?
4) 私服警察の長官更迭
 不祥事の相次ぐ、私服警官の長官が辞任を提出、これが認められ、今週、新長官が任命されました。異常な消費の拡大、組織のコントロールを失ったの2点が問題視されていますが、バルパライソの年少女児売春事件を始め、麻薬組織との不適切な接触とか、不祥事が続出しているのは首脳陣が組織を把握していないからに違いありません。
 組織の問題だけでなく政治との結ぶつきも問題視されています。と言うのは長官は大統領が任命するわけで、どの政治家と結びつけば、上にあがれるか警察グループの中でも争いがあり、組織の常識的な運営を阻害しているとのコメントも出ています。まぁどこの組織でも同じようなものですが。