(政治)

1) アメリカ政府が調べる世界各国の政治情勢でチリは通常よい評価を得ていますが、ヒラリー・クリントンが今週発表した結果ではチリにはマプチェ問題、家族内での女性殺傷問題、刑務所の超過収容などの問題があるとされました。マプチェ問題ではマプチェ族が一般の地所を不正占拠したとき、それを排除する警察と戦いになり一人のマプチェが射殺された事件が取り上げられています。どこの国でもたいてい先住民族と後から来た民族の争いがありますね。アメリカでもインディアンの取り扱いが完璧というわけではなく、過保護にするとアルコール中毒が増える(仕事をしないでも保護が得られる)とか後から来た黒人やラテン系がすでに社会に出るのに原住民は政治にも経済分野にも進出が遅れています。つまりチリを批判するアメリカも自国の問題を解決できないわけですね。
おまけに今週、フロリダでチリ人学生グループを銃を持った中年男が襲い掛かり2名が射殺される事件が起こっていますが、人種差別的な事件をコントロールできないアメリカの実態を示しています。他人の批判は簡単ですが、まず自国の中の問題に手をつけてはいかがでしょうか、ヒラリーさん。
2) それにしてもバチェレットのニュースがありません。完全に政府が彼女を保護下に置いてマスコミとのコンタクトを締め出しているのでしょう。昔、キューバに行ったとき、知り合いになった現地人に「ここでは壁新聞を読んで世界の動きを垣間見るだけで、君たちはまったく世界の動きを知らされていない」というと、彼は、「チリでも日本でもそれは同じで政府にとって都合のよいことしか報道はされないのだが、そのことを自分たちは知っているが君たちは知らないんだよな」と言われました。
バチェレットの休暇中のキューバ訪問でおこったボリビアの海問題は確かにどこかに消えましたね。
年末の大統領選挙で野党側のピニェラが依然として世論調査では優位に立っていますから、彼女がのんびりとしている時間はないのですが。